サンプルエディタでオーディオを編集する

アレンジ領域またはサンプルエディタで、オーディオファイルに非常に細かい調整を行うことができます。この章では、サンプルエディタを使って、オーディオ素材に含まれたポップ音やクリック音の除去、ループ再生時の交差ポイントの精密な設定、位相キャンセルエラーの補正など、さまざまな調整を行う方法について説明します。

また、オーディオファイル内で音量が急激に大きくなるポイント(トランジェント)を示すトランジェントマーカーについても説明します。トラックの Flex タイミング編集をはじめて有効にすると、そのトラックのオーディオのトランジェントが分析されます。ファイル内で検出されたトランジェントにトランジェントマーカーが付けられます。

最後に、サンプルエディタに固有のオーディオ処理ツールについてもいくつか説明します。これらは、総称して「Digital Factory」と呼ばれ、タイムストレッチやピッチシフト、オーディオクオンタイズ、オーディオからのピッチおよびリズム情報の抽出などを実行できます。抽出したピッチ情報やリズム情報は、ほかのオーディオデータや MIDI データにも適用できます。

重要: サンプルエディタで実行する編集および機能のほとんどは、破壊的に行われます。つまり、オーディオファイルのデータが実際に変更されます。実行した編集や処理コマンドを取り消す機能はありますが、オリジナルのオーディオファイルではなく、そのコピーで作業する習慣を身に着けておきましょう。用心に越したことはありません。