Sculpture のコントロールソースには、2 つのエンベロープもあります。従来のシンセサイザー設計では、エンベロープは振幅とフィルタのレベルを時間軸に沿って制御するために使用されます。
それに比べて、Sculpture のエンベロープは多少特殊で、以下のように使用することができます:
伝統的な 4 セグメントエンベロープ。
MIDI コントローラモジュレーション。
両者の組み合わせ。ポリフォニック再生のための(ADSR 風のマクロパラメータを装備した)MIDI コントローラ動作レコーダーとして使用します。
メモ: エンベロープをポリフォニックモジュレーションの記録/再生装置として使用する場合、各ボイスは独立して処理され、それぞれの音を弾くと個別にエンベロープがトリガされます。
エンベロープカーブは、Sculpture インターフェイスの右下のディスプレイに表示されます。エンベロープディスプレイが有効になるのは、エンベロープ機能が有効な(「Mode」ボタンが「Env」、または「Ctrl」と「Env」の両方に設定されている)場合だけです。
エンベロープの全体的な時間と長さは、ウインドウの右上にある数値エントリーによって示されます(この図では、2400 ms)。
エンベロープの最大時間/長さは 40 秒/48 小節です。
背景のグリッドのラインは 100 ミリ秒間隔になっています。
非常に長い時間表示されるエンベロープの場合には、背景のラインは 1000 ms 間隔になります。同期モードでは、これが 4 分音符単位で表示されます。
マウスボタンを放すと、エンベロープが自動的に拡大/縮小されます。表示可能な最高の分解能でエンベロープ全体を表示できます。この機能は、小さな虫メガネの形をしたオートズームボタンをクリックすることで、無効化/有効化できます。
手動で拡大/縮小(エンベロープディスプレイの背景をクリックしたまま、水平方向にドラッグします)を行った場合には、オートズーム機能は自動的に無効になります。参考情報として、ディスプレイの右上にある数値エントリーに現在の表示幅が示されます。オートズームボタンをクリックすれば、オートズーム機能を再度有効にできます。
エンベロープディスプレイでハンドル(ノード)またはノード間のラインをクリックすると、現在のエンベロープセグメントが強調表示されます。小さなヘルプタグによって、現在のセグメントのミリ秒単位の値も示されます。
以下のパラメータが有効になるのは、エンベロープ機能が有効になっている場合(「Mode」ボタンが「Env」、または「Ctrl」と「Env」の両方に設定されている場合)だけです。
メモ: 値を切り替えると、現在のプロジェクトテンポに基づいて強制的に時間が再計算されて、最も近い音価またはミリ秒単位での時間に換算されます。
メモ: これをオプションとして使用できるのは、エンベロープカーブが実際に記録および編集されている場合だけです。
ソースは「Off」、「Velocity Concave」、「Velocity」、「Velocity Convex」、「KeyScale」、「Ctrl A」、「Ctrl B」のうち、いずれかを選択します。
エンベロープバリエーションとは、記録されたエンベロープパスのポイント間を結ぶ直線からの隔たりを意味します。エンベロープを記録した後、ポイント間を結ぶカーブをコマンドキーを押しながら下(バリエーションを軽減する場合)または上(バリエーションを誇張する場合)にドラッグすることで、記録データの振幅ジッター(バリエーション)を軽減または誇張することができます。
エンベロープを最初に開いたときに、各エンベロープに対してデフォルトのエンベロープカーブが自動的に作成されます。「Mode」の「Env」ボタンをクリックすると表示されます。
エンベロープ内の直線に沿って(左から右へ)いくつかのハンドル(ノード)が配置されます。これは、以下のパラメータのインジケータです。
ライン上でカーソルを移動したり、ノードの上に移動したりすると、現在のエンベロープセグメントが強調表示されます。
ノードとラインを操作することで、独自のエンベロープを手動で作成できます。あるいは、Sculpture のエンベロープを記録するで説明するように、エンベロープを記録することも可能です。
希望のハンドルをクリックし、左または右へドラッグします。
それに合わせてエンベロープの全体的な長さが変更され、それ以降のすべてのノードが移動します。マウスボタンを放すと、エンベロープディスプレイが自動的に拡大/縮小し、エンベロープ全体が表示されます。
メモ: 直前のノードの位置を超えてノードを移動することはできません。ただし、後続のノードの位置よりも後方にノードを移動させることはできます。この作業は後続のノードがエンベロープディスプレイの右端を超えていても可能で、これによってエンベロープセグメントとエンベロープ全体の両方を長くすることができます。
希望のハンドルをクリックし、上または下へドラッグします。
単純な(記録されていない)エンベロープの場合:ノードを接続しているラインを直接クリックして、上下にドラッグします。
記録されたエンベロープの場合には、ノード間のカーブが多少複雑になる可能性があります。Control キーを押したままカーブをドラッグします。
それぞれのノードやパラメータで試して、操作方法を実感してみてください。エンベロープが直観的に使用できることがお分かりいただけるはずです。
Control キーを押しながらエンベロープボタンかエンベロープディスプレイの背景をクリックすると、「Copy」、「Paste」、「Clear」コマンドが用意されたショートカットメニューが表示されます。これによって、エンベロープ 1 とエンベロープ 2 の間や設定の間、または開かれている複数の Sculpture インスタンスの間で、エンベロープをコピー&ペーストすることができます。「Clear」コマンドは、選択したエンベロープを削除します。
Sculpture のエンベロープは、ほかのエンベロープと同様に、ワンショットモードで実行できます(ノートが持続している間はエンベロープフェーズが経過します)。あるいは、LFO と同じように各フェーズを何度も動作したり、無限サイクルで動作したりすることもできます。これは、ループを使用することで実現できます。
「sync」ボタンと「ms」ボタンを使用して、ループをプロジェクトテンポに自動的に同期させることができます。
どのループモードの場合でも、ループの開始位置(「L」アイコン)を示すユーザ定義のエンベロープハンドルとサスティンポイント(「S」アイコン)の間でループが繰り返されます。これらのハンドルは希望の位置までドラッグして移動できます。
「Finish」に設定した場合には、すべてのエンベロープフェーズが完了しないうちにノートがリリースされた場合でも、エンベロープは先頭から末尾までワンショットモードで動作します。ほかのループパラメータは無効になります。
「Loop Forward」に設定した場合には、エンベロープはサスティンポイントまで動作した後、ループポイントとサスティンポイントの間のセクションを周期的に繰り返します。この場合の方向は常に順方向です。
「Loop Backward」に設定した場合には、エンベロープはサスティンポイントまで動作した後、サスティンポイントとループポイントの間のセクションを周期的に繰り返します。この場合の方向は常に逆方向になります。
「Loop Alternate」に設定した場合には、エンベロープはサスティンポイントまで動作した後、ループポイントに戻って再度サスティンポイントに移動する動作を周期的に繰り返します。この場合には、逆方向と順方向が交互に繰り返されます。
メモ: ループポイントがサスティンポイントよりも後ろにある場合は、キーがリリースされた後でループが開始されます。
先に進む前に、記録できるのは割り当てられている MIDI コントローラの動作に限られることを知っておいてください。そのため、エンベロープに対する MIDI コントローラの割り当てを、Sculpture インターフェイス下部の「MIDI Controller Assignment」セクションで設定しておく必要があります(Sculpture で MIDI コントローラを割り当てるを参照してください)。
「Record Trigger」モードを希望のモード(たとえば「Note + Ctrl」)に設定します。
「R」ボタンをクリックして、記録を有効にします。
キーを弾いて押さえたままにします。エンベロープコントロール 1/2 に割り当てられているコントローラ(たとえばモジュレーションホイール)を動かし始めます。
記録(R)ボタンをクリックして、手動で記録機能を無効にします。
すべてのボイスをリリースします。
すべてのキーのリリース後、新しいノートを弾きます。
メモ: コントローラの動作を記録すると、「R」(記録)は自動的にオフに設定され、「Mode」は「Env」に設定されます。これによって、記録されたコントローラの停止位置に関係なく、記録された動作だけが有効になります。
キーを弾いて、記録したエンベロープのポリフォニック再生を開始します。
メモ: 「Mode」パラメータを「Env」に設定し、「R」(記録)パラメータをオフに設定する必要があります。
また、「Mode」パラメータの「Env」ボタンと「Ctrl」ボタンの両方を有効にすることもできます。そうすれば、「CtrlEnv 1」または「CtrlEnv 2」に割り当てられているコントローラを使用して、記録されたエンベロープの再生と並行して、リアルタイムでエンベロープを処理できるようになります。
メモ: ただし、「Env」と「Ctrl」の両方を有効にした場合には、エンベロープ出力にコントローラ値が加算されて、モジュレーションオフセットとなります。
記録後、エンベロープのセグメントおよびハンドルは自動的に設定されます。そのため、ハンドル部分と交差する垂直ラインをドラッグして編集を有効にします。
メモ: なお、これによって、エンベロープの形状が変わることはありません。