Amp Designer は 20 を超える有名なギターアンプのサウンドと、それらで使用されるスピーカーキャビネットをエミュレートします。構成済みの各モデルにはアンプ、キャビネット、および EQ が組み合わされており、有名なギターサウンドを再現します。ギターの信号を直接処理できるので、これらのアンプシステムを通じて演奏したギターのサウンドを再現することができます。Amp Designer は、サウンドのデザインや処理の実験にも利用できます。これは別の音源にも使うことができるため、たとえばギターアンプの音響特性をトランペットやボーカルのパートに適用することも可能です。
Amp Designer でエミュレートされているアンプ、キャビネット、EQ をさまざまに組み合わせれば、音色を劇的に変えることも微妙に変えることもできます。エミュレートされているアンプとキャビネットの信号は、仮想マイクを使って取り込まれます。マイクは 3 種類の中から選ぶことができ、位置を変えられます。
また、Amp Designer は、スプリングリバーブ、ビブラート、トレモロなどの従来のギター・アンプ・エフェクトもエミュレートしています。
Amp Designer のインターフェイスは、パラメータの種類で大きく 4 つのセクションに分けられます。
インターフェイスが全面表示されているときに「Cabinet」ポップアップメニューと「Mic」ポップアップメニューの間の開閉用三角形をクリックすると、縮小表示に切り替わります。全面表示に戻すには、縮小表示の「Output」フィールドの横にある開閉用三角形をクリックします。縮小表示でも、マイクの選択と配置を除くすべてのパラメータにアクセスできます。
Amp Designer のインターフェイス下部にある黒いバーの左端の「Model」ポップアップメニューから、アンプ、キャビネット、EQ の種類、マイクの種類が決められた構成済みモデルを選択できます。以下のカテゴリ内の複数の組み合わせから選択できます:
Tweed モデルは、1950 年代から 1960 年代はじめにかけてのブルース、ロック、カントリーミュージックのサウンドに一役買った、アメリカンコンボをモデリングしています。ゲインを上げるにつれ、穏やかなディストーションから騒々しいオーバードライブまで滑らかに変化する、温かみがあって複雑かつクリーンなサウンドが持ち味です。半世紀が経っても、Tweed は今の時代の音を作り出すことができるでしょう。現代のブティックアンプの多くは、Tweed 式の電気回路を基礎としています。
モデル | 説明 |
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Small Tweed Combo | クリーンからクランチまで自在に変化する 1 × 12 インチコンボです。ブルースやロックに最適です。より厳密には、「Treble」および「Presence」コントロールの値を 7 前後に設定します。 |
Large Tweed Combo | この 4 × 10 インチコンボはベーシスト用に設計されていますが、ブルースやロックのギタリストにも使われました。「Small Tweed Combo」よりも開放的で透明感のあるサウンドですが、クランチなサウンドを作り出すこともできます。 |
Mini Tweed Combo | 10 インチスピーカーを 1 個搭載した小型アンプです。数え切れないほどのブルースおよびロックアーティストに使われました。非常に迫力のあるサウンドです。Tweed コンボの持ち味であるクリーントーンとクランチトーンを作り出すことができます。 |
ヒント: Tweed コンボは、演奏の強弱に見事に反応します。ノブを調整して歪んだ音を作ってから、ギターの音量ノブのレベルを下げてよりクリーンなトーンを作ります。いよいよ激しいソロに差し掛かったら、ギターの音量ノブを上げてください。
Blackface、Brownface、Silverface の各モデルは、1960 年代中期のアメリカンコンボに着想を得ています。ラウドでクリーンな音になる傾向があります。低音部がタイトで、歪みは比較的抑えられています。クリーントーンのロック、クラシックな R & B、サーフミュージック、トゥワンギーなカントリー、ジャズなど、音をはっきりとさせる必要のあるスタイルに適しています。
モデル | 説明 |
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Large Blackface Combo | 優しく、バランスの良いトーンの 4 × 10 インチコンボです。ロック、サーフ、R & B の演奏者に好まれました。リバーブが強くかかったゴージャスなコードや、非常に派手なソロに適しています。 |
Silverface Combo | ラウドで非常にクリーンなトーンの 2 × 12 インチコンボです。パーカッシブで歯切れの良いアタックは、ファンクや R & B、複雑なコードワークに適しています。オーバードライブをかけるとクランチになりますが、ほとんどの演奏者はクリーンなトーンを好みます。 |
Mini Blackface Combo | 驚くほどにローエンドの影響が大きい、明るく開放的な響きの 1 × 10 インチコンボです。ややオーバードライブ気味のクリーンなトーンを得意とします。 |
Small Brownface Combo | 滑らかで豊かな響きの 1 × 12 インチコンボです。細部のレベルは正確さが保たれています。 |
Blues Blaster Combo | トップエンドは明るく、ローエンドはタイトで明確な 1 × 15 インチコンボです。ブルースやロックの演奏者に好まれています。 |
ヒント: これらのアンプを使うとクリーンでタイトな音になりがちですが、Pedalboard のディストーションストンプボックスを使えば、トレブルは鋭くローエンドは非常に力強い、鮮明なクランチサウンドを作り出すことができます。ディストーションペダルおよびPedalboardを参照してください。
ブリティッシュ・スタック・モデルは、特徴的な 4 × 12 インチキャビネットとの組み合わせでヘビーロックのサウンドを大いに決定づけた、50 および 100 ワットのアンプヘッドをモデリングしています。これらのアンプは、ゲインを中程度に設定すると、厚みのあるコードやリフに最適です。ゲインを上げると、叙情的なソロのトーンや、パワフルなリズム・ギター・パートに使うことができます。音のスペクトラム上の複雑なピークとディップによって、激しいディストーションをかけても明るく魅力的なトーンが保たれます。
モデル | 説明 |
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Vintage British Stack | パワフルかつ耳に心地よい歪みで有名になった、1960 年代後期の 50 ワットアンプの音が再現されます。ゲインを最大にしても、音の透明感が保たれます。40 年が経ってもなお、ロックのトーンの定番です。 |
Modern British Stack | 「Vintage British」ヘッドを受け継ぐ、1980 年代から 1990 年代にかけてのモデルです。当時のハードロックやメタルのスタイルに最適化されました。「Vintage British」アンプに比べ、低域はより深く、高域はより明るく、中域はより「スクープ」が効いています。 |
Brown Stack | 設計側の意図よりも低い電圧で使うことで、ブリティッシュヘッド独自のトーンを引き出すことができます。生み出される「ブラウン」サウンド(通常よりも歪みがあり、緩やかなトーンであることが多い)によって、面白い具合にギターの音の厚みが増します。 |
Blues Blaster Combo | この 2 × 12 インチコンボは、ブリティッシュヘッドよりもクリーンな、ラウドでアグレッシブなトーンを生み出します。ゲインを高めに設定すると、厚みのある歪んだトーンになります。 |
ヒント: ブリティッシュヘッドに 4 × 12 インチキャビネットを組み合わせ、レベルを高くして良いリフを演奏すれば、ほとんどの場合失敗はないでしょう。ただし、お決まりの型を壊すことをおそれないでください。これらのヘッドは、小型のキャビネットを通すとすばらしい音になり、ゲインを低めに設定するとクリーンな音になります。「British Blues Combo」の音がクリーンすぎる場合は、Pedalboard の Hi Drive ストンプボックスと組み合わせてアグレッシブなブルーストーンを作ったり、Candy Fuzz ストンプボックスと組み合わせて激しいロックトーンを作ったりすることができます。ディストーションペダルおよびPedalboardを参照してください。
ブリティッシュコンボには、1960 年代のブリティッシュロックおよびポップスと切り離しては語れない、トレブルの効いた勢いのあるサウンドが取り込まれています。これらのアンプはハイエンドのレスポンスに特徴がありますが、心地よい歪みと滑らかで自然なコンプレッションによって、耳障りになることはほとんどありません。
モデル | 説明 |
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British Combo | ブリティッシュインベイジョンの動力源となった 1960 年代初期のアンプに基づく 2 × 12 インチコンボです。繰り返すコードや突き刺すようなソロに最適です。 |
Small British Combo | 「British Combo」の半分のパワーの 1 × 12 インチコンボです。やや暗めで、開放感の少ないトーンになります。 |
Boutique British Combo | オリジナルの 1960 年代のサウンドを現代的に解釈した 2 × 12 インチコンボです。ほかのブリティッシュコンボに比べ、低域は強く、高域は穏やかで、より厚いトーンです。 |
ヒント: ブリティッシュコンボの場合、ほかの種類のアンプでは耳障りになるほどに「Treble」および「Presence」ノブを高く設定すると、すばらしいサウンドが得られることがあります。
「Sunshine」モデルの基となる 1960 年代後期のアンプヘッドとコンボは中域周波数に深みがあり、ラウドでアグレッシブです。単音のソロやパワーコードに適しているだけでなく、音域の広いオープンコードにも適しています。このことは、1990 年代の「ブリットポップ」バンドにこれらのアンプが受け入れられた理由の 1 つです。「Stadium」アンプは、つぶれたディストーションになることなく、大音量で演奏できるという点で評判です。ゲインを最大に設定しても、歯切れの良いトレブルと明快な音が保たれます。
モデル | 説明 |
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Sunshine Stack | 4 × 12 インチキャビネットと組み合わさった、力強い音のヘッドです。パワフルなポップロックのコードに適しています。 |
Small Sunshine Combo | 「ビッグアンプ」サウンドとして知られる現代のアンプに基づく 1 × 12 インチコンボです。「Sunshine Stack」ヘッドよりも明るい、1960 年代のブリティッシュコンボ風のサウンドです。 |
Stadium Stack | 1970 年代のアリーナ・ロック・バンドでよく使われた、クラシックなヘッドと 4 × 12 インチキャビネットという構成です。Amp Designer のその他の 4 × 12 インチスタックに比べてクリーンなトーンですが、深みがあり印象的です。力強さと鮮明さを求める場合に適しています。 |
Stadium Combo | 現代のアンプに基づく 2 × 12 インチコンボです。「Stadium Stack」よりも、やや滑らかでまろやかなトーンです。 |
ヒント: 「Sunshine Stack」のトーンは暗く感じられることもありますが、「Treble」ノブを高めに設定すると音の開放感が増します。「Small Sunshine Combo」はデフォルトの 1 × 12 インチキャビネットでも良い音を出せますが、4 × 12 インチキャビネットと組み合わせても威力を発揮します。「Stadium」アンプは音をゆっくりと歪ませることができるので、有名なユーザのほとんどはアグレッシブなファズペダルと一緒に使っています。Pedalboard の Candy Fuzz または Fuzz Machine ストンプボックスと組み合わせてみてください。ディストーションペダルおよびPedalboardを参照してください。
メタル・スタック・モデルは、現代のハードロックやメタルミュージックに量感を与える、パワフルで非常にゲインの高いアンプヘッドをモデリングしています。いずれも 4 × 12 インチキャビネットと組み合わされています。強い歪みから猛烈な歪みにいたるトーンが特徴です。強力な低域、刃のごとく鋭い高域、そして重厚なサスティンを求めるのであれば、まずこれらのモデルを検討してください。
モデル | 説明 |
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Modern American Stack | ゲインの非常に高いパワフルなアンプです。ヘビーロックやメタルに最適です。「Mids」ノブを使って、最適なスクープまたはブーストの量を設定します。 |
High Octane Stack | パワフルな高ゲインアンプですが、このモデルはゲイン設定を滑らかに変更できます。また、すばらしく自然なコンプレッションです。速弾きのソロや、2 音か 3 音のコードに適しています。 |
Turbo Stack | アグレッシブな音のアンプです。特にゲインを高めに設定すると、とげとげしい高域とノイジーな倍音が得られます。ミックスの切れ味を良くしなければならないときには、「Turbo Stack」を試してみてください。 |
ヒント: 「Turbo Stack」をディストーションペダルやファズペダルと組み合わせると、かえってアンプの鋭さが抑えられてしまう場合があります。リフを強く印象付けるには、ドライサウンドにしておく方が無難です。
このカテゴリのコンボおよびユーティリティモデルは、幅広い音楽スタイルに使うことのできる多用途アンプです。
モデル | 説明 |
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Studio Combo | 1980 年代と 1990 年代のブティックコンボに基づく 1 × 12 インチコンボです。複数のゲインステージを使って、滑らかでサスティンの効いた歪みを生み出します。力強く明るいクリーンなサウンドは損なわれません。 |
Boutique Retro Combo | 1960 年代の優れたコンボのサウンドを組み合わせた現代の高性能アンプから着想を得た、2 × 12 インチコンボです。きらめくクリーンなトーンとクランチトーンを得意とします。昔ながらの雰囲気の中に、現代のアンプの歯切れのいい高域と力強い低域を求める場合に適しています。 |
Pawnshop Combo | 1960 年代にアメリカの百貨店で販売されていた安価なアンプに基づく 1 × 8 インチコンボです。限られた機能や安っぽい作りをよそに、数多くのロック、ブルース、パンクの演奏者がひそかにこうしたアンプを使っています。スピーカーが小さいにもかかわらず、クリーンな音は温かく、歪んだ音は厚くて満足のいく響きです。 |
Transparent Preamp | 名前の通り、トーンを変更しないプリアンプステージです。「Transparent Preamp」を有効にするには、「Model」ポップアップメニューではなく「Amp」ポップアップメニューを使うという点に注意してください。 |
ヒント: 「Studio Combo」アンプをいずれかの 4 × 12 インチキャビネットと組み合わせて、より激しいサウンドを試してみてください。「Boutique Retro」アンプのトーンコントロールは非常に感度が良く、トーンに無数の陰影をつけることができます。極端な設定でもすばらしい結果が得られます。「Pawnshop Combo」アンプを Pedalboard の Hi Drive または Candy Fuzz ストンプボックスと組み合わせると、1960 年代後期のハードロックのトーンをエミュレートできます。ディストーションペダルおよびPedalboardを参照してください。
デフォルトのモデルを使うこともできますが、インターフェイス下部の黒いバーにある「Amp」、「Cabinet」、および「Mic」ポップアップメニューを使って異なるアンプやキャビネットなどを独自に組み合わせることもできます。ノブセクションの左側にある「EQ」または「Custom EQ」という文字をクリックすると、「EQ」ポップアップメニューにアクセスできます。
メモ: 独自の組み合わせのアンプコンボを作成したら、「Settings」メニューを使ってこのコンボを設定ファイルとして保存できます。この設定ファイルには、パラメータの変更内容も含まれます。
Amp Designer モデルの作成方法については、以下のセクションで説明しています:
Amp Designer インターフェイス下部の黒いバーにある「Amp」ポップアップメニューから、アンプのモデルを選択できます。カテゴリごとの各アンプの特徴について詳しくは、以下の章を参照してください:
キャビネットは、ギターサウンドの特徴に大きく影響します(Amp Designer のキャビネット参照表を参照)。何十年も支持を得ている特定のアンプとキャビネットの組み合わせもありますが、新鮮なトーンを作り出すには、こうした組み合わせから離れてみることが有効です。たとえば、ほとんどの演奏者は無意識にブリティッシュヘッドを 4 × 12 インチキャビネットと組み合わせます。Amp Designer では、強力なヘッドで小型スピーカーを鳴らしたり、小型アンプと 4 × 12 インチキャビネットを組み合わせたりすることができます。
手当たりしだい組み合わせても問題はありません。ただし、キャビネットのサウンドを決める変数に関心を持ってみると、従来とは異なるアンプとキャビネットの組み合わせについて見当がつくようになります。考慮するべき要因は次の通りです:
コンボアンプは、単一の筐体にアンプとスピーカーの両方を搭載しています。通常はオープンバックなので、音が複数の方向に響きます。その結果、明るく、高域が軽やかで、全体として広々とした感じの「開放的な」サウンドが得られます。スタック(「積み重ねられた」)アンプは、アンプヘッドと、別のキャビネットに搭載されたスピーカーで構成されます。通常、これらのキャビネットはクローズドバックなので、きっちりと的を絞った「光線」のように音が前方向に投げ出されます。クローズドバックキャビネットではオープンバックキャビネットよりもパワフルな音になり、ハイエンドの透明感が損なわれる代わりにローエンドのレスポンスがタイトなことが多くなります。
ビンテージのキャビネットに基づく Amp Designer のモデルには、年代物のスピーカーの特徴が取り込まれています。これらは新しいスピーカーに比べると若干締まりがなく切れ味が鈍いですが、多くの演奏者がその滑らかさと音楽性を好んでいます。新しいキャビネットに基づくサウンドは、より歯切れ良く、鋭くなる傾向があります。
Amp Designer インターフェイス下部の黒いバーにある「Cabinet」ポップアップメニューから、キャビネットのモデルを選択できます。Amp Designer で使用できる各キャビネットモデルの特徴を以下の表にまとめます。
キャビネット | 説明 |
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Tweed 1 x 12 | 1950 年代の 12 インチのオープンバックキャビネットです。温かみがあり、滑らかなトーンです。 |
Tweed 4 x 10 | 4 × 10 インチのオープンバックキャビネットです。元はベーシスト用に製作されましたが、きらめくようなプレゼンスがギタリストに好まれています。本格的な 1950 年代後期のサウンドです。 |
Tweed 1 x 10 | 1950 年代の、10 インチの単体のオープンバック・コンボ・アンプ・キャビネットです。滑らかなサウンドです。 |
Blackface 4 x 10 | 10 インチスピーカーを 4 つ搭載した、クラシックなオープンバックキャビネットです。「Tweed 4 x 10」よりも深みがあって暗いトーンです。 |
Silverface 2 x 12 | 1960 年代のオープンバックモデルです。ローエンドにすばらしい迫力があります。 |
Blackface 1 x 10 | 1960 年代のオープンバックキャビネットです。きらめくような高域と、驚くほど味わいのある中低域になっています。 |
Brownface 1 x 12 | バランスの良い 1960 年代のオープンバックキャビネットです。滑らかで豊かなサウンドですが、透明感もあります。 |
Brownface 1 x15 | 1960 年代初期のオープンバックキャビネットです。Amp Designer でエミュレートされたもののうち、最も大きなスピーカーが搭載されています。高域は明るく穏やかで、低域はタイトで絞り込まれています。 |
Vintage British 4 x 12 | この 1960 年代後期のクローズドバックキャビネットはクラシックロックの代名詞です。4 つの 30 ワットスピーカー間で複雑に位相が相殺されるため、大きくて厚いながらも明るく陽気なトーンです。 |
Modern British 4 x 12 | クローズドバックの 4 × 12 インチキャビネットです。「Vintage British 4 x 12」に比べて明るく、ローエンドが優れており、中域はあまり強調されません。 |
Brown 4 x 12 | 4 × 12 インチのクローズドバックキャビネットです。ボトムエンドがすばらしく、中域は複雑です。 |
British Blues 2 x 12 | 明るい音のオープンバックキャビネットです。低域はソリッドで、高域はゲインを高めに設定しても輪郭がぼやけません。 |
Modern American 4 x 12 | 豊かな響きの、クローズドバックの 4 × 12 インチキャビネットです。「British 4 x 12」インチキャビネットよりも、中低域の密度が濃くなっています。 |
Studio 1 x 12 | コンパクトで鳴りのよいオープンバックキャビネットです。豊かな中域で、きらめくような高域を備えています。 |
British 2 x 12 | 1960 年代中期のオープンバックキャビネットです。開放的で滑らかなトーンです。 |
British 1 x 12 | 小型のオープンバックキャビネットです。高域は歯切れ良く、中低域は透明感があります。 |
Boutique British 2 x 12 | 「British 2 x 12」に基づく 2 × 12 インチキャビネットです。中域がより豊かで、高域はより鮮明です。 |
Sunshine 4 x 12 | 4 × 12 インチのクローズドバックキャビネットです。中域が厚く豊かです。 |
Sunshine 1 x 12 | 12 インチの単体のオープンバック・コンボ・アンプです。優しい高域と透明な中域で明るく陽気なサウンドです。 |
Stadium 4 x 12 | タイトで華やかな、ブリティッシュ・クローズドバック・キャビネットです。中高域のピークに迫力があります。 |
Stadium 2 x 12 | バランスの良い現代のブリティッシュ・オープンバック・キャビネットです。「Blackface 4 x 10」の厚みと「British 2 x 12」の輝きが合わさった音です。 |
Boutique Retro 2 x 12 | 「British 2 x 12」に基づく 2 × 12 インチキャビネットです。中域がより豊かで開放感があり、高域はより鮮明です。 |
High Octane 4 x 12 | 現代のヨーロピアン・クローズドバック・キャビネットです。低域と高域が強く、中域は削られており、メタルやヘビーロックに適しています。 |
Turbo 4 x 12 | 現代のヨーロピアン・クローズドバック・キャビネットです。中域は大きく削られ、低域が強く、高域は非常に強いです。メタルやヘビーロックに適しています。 |
Pawnshop 1 x 8 | 8 インチスピーカーを 1 個搭載したキャビネットです。ローエンドにすばらしい迫力があります。 |
Direct | このオプションを使うと、スピーカー・エミュレーション・セクションがバイパスされます。 |
ヒント: 創造的なサウンド設計のためには、「Direct」オプションを選択し、Amp Designer の後に Space Designer をインサートスロットに配置します。続いて、Space Designer の「うねった」スピーカー・インパルス・レスポンスを読み込みます。
ハードウェアのアンプのトーンコントロールは、モデルと製造元によって異なります。たとえば、2 つのモデルで、トレブルノブで操作できる周波数が異なっていたり、カットやブーストのレベルが異なっていたりということは十分にあり得ます。一部のイコライザ(EQ)セクションではギター信号がほかよりも増幅され、アンプでの歪ませ方に影響します。
Amp Designer には EQ タイプが複数あり、ハードウェア・アンプのこうした違いを反映させることができます。どの EQ タイプを選択しても、低域、中域、高域という同じコントロールセットがあります。EQ タイプを切り替えると、これらのコントロールの動作が大きく変化します。
特定のアンプとの従来の組み合わせ以外から EQ タイプを選択すると、通常は音が大幅に変化します。それも、良い具合に変化するとは限りません。特定のアンプサウンドを上手く再現できるよう、ハードウェア・アンプと同様に、Amp Designer の EQ はキャリブレーションされています。別の EQ タイプを選択すると、音が薄くなったり、気持ちの悪い歪みかたをする場合もあります。Amp Designer のイコライザタイプ参照表を参照してください。
こうした不快なサウンドが発生する可能性はありますが、アンプと EQ をさまざまに組み合わせてみてください。多くの場合、すばらしいサウンドが生まれます。
EQ パラメータには、「EQ」ポップアップメニューと、「Bass」、「Mids」、「Treble」の各ノブがあります。これらのパラメータは、ノブセクションの左端の方に並んでいます。
ノブセクションの「Bass」、「Mids」、および「Treble」ノブの上の「EQ」または「CUSTOM EQ」という文字をクリックすると、イコライザの種類を選択できます。Amp Designer で使用できる各 EQ タイプの特徴を以下の表にまとめます。
EQ タイプ | 説明 |
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British Bright | 1960 年代のブリティッシュ・コンボ・アンプに着想を得ています。ラウドでアグレッシブです。「Vintage」 EQ 以上に力強い高域を備えています。この EQ は、音を過度にクリーンにせずに高域をより鮮明にしたい場合に便利です。 |
Vintage | よく似た回路が使われていた「American Tweed」式アンプとビンテージのブリティッシュ・スタック・アンプの EQ レスポンスをエミュレートします。ラウドで、やや歪みがちです。この EQ は、サウンドを粗くしたい場合に便利です。 |
U.S. Classic | 「American Blackface」式アンプの EQ 回路を継承しています。「Vintage」EQ に比べて忠実度が高く、低域はよりタイトで高域は歯切れが良くなっています。この EQ は、サウンドを明るくして歪みを減らしたい場合に便利です。 |
Modern | 1980 年代から 1990 年代にかけて人気のあったデジタル EQ ユニットに基づいています。この EQ は、当時のロックやメタルのスタイルに合わせて、過剰なほどの高域と唸る低域、削られた中域を作り上げる場合に便利です。 |
Boutique | 「レトロモダン」なブティックアンプのトーンセクションを再現しています。正確な EQ 調整を得意としますが、ビンテージアンプと一緒に使うと、望むトーンよりもクリーンになり過ぎることがあります。この EQ は、よりクリーンで明るいサウンドを求める場合に適しています。 |
アンプパラメータには、入力ゲイン、プレゼンス、およびマスター出力用のコントロールがあります。ノブセクションの左端に「Gain」ノブがあり、右端に「Presence」ノブと「Master」ノブがあります。
エフェクトパラメータにはトレモロ、ビブラート、リバーブがあり、多くのアンプに見られるプロセッサをエミュレートしています。これらのコントロールはノブセクションの中央にあります。
右側のスイッチを使って、トレモロ(「TREM」。サウンドの振幅または音量をモジュレート)またはビブラート(「VIB」。ピッチをモジュレート)のどちらか一方を選択できます。
リバーブは中央のスイッチで操作します。トレモロとビブラートのいずれかに追加することも、単独で使うこともできます。
メモ: 信号経路内では、「Presence」および「Master」コントロールよりも前に位置するエフェクトセクションが、プリアンプされた(マスター前)信号を受け取ります。
リバーブ、トレモロ、ビブラートについては、以下のセクションで説明しています:
Amp Designer では常にリバーブを使うことができます。リバーブ機能のないアンプに基づくモデルを使っている場合でも使えます。リバーブは「On/Off」スイッチと中央の「Level」ノブで操作します。「Reverb」ポップアップメニューはその上にあります。リバーブはトレモロまたはビブラートエフェクトのいずれかに追加することも、単独で使うこともできます。
アンプセクション中央にある「Reverb」ラベルをクリックすると、リバーブの種類を選択できます。Amp Designer で使用できる各リバーブタイプの特徴を以下の表にまとめます。
リバーブタイプ | 説明 |
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Vintage Spring | 1960 年代初期以降、コンボアンプのリバーブを大きく決定づけた、明るく派手なサウンドです。 |
Simple Spring | より暗く、より繊細なスプリングサウンドです。 |
Mellow Spring | とても暗く、やや忠実度の低いスプリングサウンドです。 |
Bright Spring | ビンテージのスプリングの輝きを一部に残していますが、サーフ風の跳ね返りは少なくなっています。 |
Dark Spring | 悲しげな音のスプリングです。「Mellow Spring」よりも抑制がきいています。 |
Resonant Spring | もう 1 つの 1960 年代風スプリングです。中域が少し歪みを加えて強調されています。 |
Boutique Spring | クラシックな「Vintage Spring」の現代版です。低域と中域のトーンがより豊かです。 |
Sweet Reverb | 低域が豊かで高域が抑えられた、滑らかで現代的なリバーブです。 |
Rich Reverb | 力強く、バランスの良い現代的なリバーブです。 |
Warm Reverb | 中低域が豊かで高域は控え目な、豊潤で現代的なリバーブです。 |
トレモロとビブラートは、ノブセクション右側のエフェクトセクションにある数個のスイッチと 2 つのノブで操作します。トレモロはサウンドの振幅または音量をモジュレートし、ビブラートはピッチをモジュレートします。
Amp Designer では、仮想マイクを 3 種類のうちから選択することができます。一連の音作りに関わるその他のコンポーネントと同様、どれを選択するかによって結果が大きく変わります。キャビネットを選択した後は、エミュレートするマイクのタイプと、キャビネットに対するマイクの位置を指定できます。「Mic」ポップアップメニューは、下部の黒いバーの右端近くにあります。「Mic」ポップアップメニューの上の領域にマウスを移動すると、スピーカーを調整するためのグラフィックが表示されます。
メモ: このセクションで説明するパラメータは、Amp Designer のインターフェイスを全面表示している場合にのみアクセスできます。縮小表示になっている場合は、インターフェイス右下端の「Output」フィールドの右側にある開閉用三角形をクリックすれば全面表示に戻ります。
キャビネットの上にマイクの位置が表示され、スピーカー調整グラフィックに白い点で表されます。白い点をドラッグすると、キャビネットに対するマイクの位置と距離が変化します。配置はニアフィールドの位置に限られます。
ヒント: 複数のマイクタイプを組み合わせると面白いサウンドになります。ギターのトラックを複製し、両方のトラックに Amp Designer を挿入します。違うタイプのマイクを各 Amp Designer インスタンスで選択し、そのほかのパラメータ設定はすべて同一のままにして、トラックの信号レベルを設定したらサウンドを聴きます。
「Output」スライダ(インターフェイスを縮小表示している場合は「Output」フィールド)は、Amp Designer のインターフェイスの右下隅にあります。これは Amp Designer の最終レベルコントロールとして機能し、「スピーカー裏の」音量コントロールのようなもので、チャンネルストリップの次のインサートスロットや、直接チャンネルストリップ出力に送られる出力のレベルを設定するのに使用します。
メモ: このパラメータは「Master」コントロールとは別のもので、2 つの目的で使用されます。1 つにはサウンドデザインのため、もう 1 つにはアンプセクションのレベルを制御するためです。