ここでは、「インスペクタ」ウインドウの Dolby Digital Professional(AC-3)の「エンコーダ」パネルにある各種タブについて詳しく説明します。
既存の設定を変更するか、または「設定」タブで新規設定を作成することによって、以下で説明するタブを使用して Dolby Digital Professional の設定を行います。「Dolby Digital Professional」パネルでは、デフォルトで「オーディオ」タブがアクティブになっています。「Dolby Digital Professional」パネルには、基本設定、「オーディオ」タブの設定、「ビットストリーム」タブの設定、および「前処理」タブの設定の項目があります。
以下の基本設定を使って、Dolby Digital Professional(AC-3)のジョブまたはバッチを設定します。
Dolby Digital Professional の重要な設定にはすべて、「オーディオ」タブからアクセスできます。
たとえば、「3/2(L、C、R、Ls、Rs)」は、3 つのフロントチャンネル(左、センター、右)と 2 つのリアチャンネル(サラウンド)を意味します。「2/0(L、R)」は、実質的に標準のステレオファイルです。「オーディオコーディングモード」は、使用可能な帯域幅およびサラウンドチャンネル前処理などの設定に影響します。「自動」ボタン(「オーディオコーディングモード」ポップアップメニューの隣)をクリックすると、「Compressor」は使用可能なソース・オーディオ・ファイルに基づいて、どのオーディオコーディングモードが最適かを判定します。
メモ: 「オーディオコーディングモード」ポップアップメニューで、「S」は単一のリア「サラウンド」チャンネルを表します。この図では、「LFE」は重低音エフェクト(サブウーファーとも呼ばれます)を表します。詳細については、ファイルをサラウンドサウンド・チャンネルに割り当てる(手動)およびファイルをサラウンドサウンド・チャンネルに割り当てる(自動)を参照してください。
異なるオーディオファイル(音量レベルがそれぞれ異なるファイル)を DVD にする場合は、「ダイアログ正規化」機能を正しく使用することが特に重要です。各ファイルの平均レベルが分かっていれば、それぞれのファイルの「ダイアログ正規化」フィールドに数値を入力します。たとえば、「Final Cut Pro」シーケンスのダイアログがオーディオメーターで平均およそ –12 dB であれば、「ダイアログ正規化」フィールドに –12 と入力します。
メモ: この正規化は DVD のオーディオストリーム間であって、個々のオーディオストリーム内ではありません。このタイプの正規化では、オーディオ編集ツールを使用します。–1 dBFS 〜 –31 dBFS の値を入力できます。入力した値と 31 dBFS(標準的なダイアログの視聴レベル)の違いが、ソースオーディオが減衰される量になります。
ソースファイルの音量が大きいほど、入力する値は小さくなり、エンコードされたファイルの中で再生時に減衰されるオーディオの量も多くなります。
ソースファイルのサウンドレベルが分からない場合、または何らかの理由で Dolby Digital Professional エンコーダの影響をサウンドレベルに与えたくないという場合は、「ダイアログ正規化」に –31 と入力し、「圧縮プリセット」ポップアップメニュー(「前処理」タブ内)で「なし」を選択します。
重要: 「圧縮プリセット」設定のいずれかを使用する場合は、「ダイアログ正規化」を正しく設定することが不可欠です。「圧縮プリセット」設定では、ダイアログの正規化後、オーディオが標準の視聴レベルである 31 dBFS になるものとします。これよりも一貫してレベルが大きいと、音に歪みが生じ、不安定なレベルになります。
以下の設定は完成したストリームに保存され、再生デバイスで使用できるようになります。特定の技術的な理由から変更する場合を除き、このタブの値はデフォルトのままにしておいてください。
「前処理」のオプションは、エンコード前にオーディオデータに適用されます。特定の技術的な理由から変更する場合を除き、「圧縮プリセット」以外の設定値はデフォルトのままにしておいてください。
重要: 「圧縮プリセット」設定のいずれかを使用する場合は、「オーディオ」タブの「ダイアログ正規化」を正しく設定することが不可欠です。「圧縮プリセット」設定では、ダイアログの正規化後、オーディオが標準の視聴レベルである 31 dBFS になるものとします。これよりも一貫してレベルが大きいと、音に歪みが生じ、不安定なレベルになります。
メモ: Dolby Digital Professional 5.1 チャンネルのサラウンドサウンド DVD を作成する場合は、「フィルム標準圧縮」を使用します。