Fuzz-Wah

Fuzz-Wah プラグインは、クラビネットで使われることの多いクラシックなワウワウエフェクトをエミュレートすると共に、コンプレッションやファズディストーションのエフェクトも加えます。ワウワウという名前は、これを適用したときの音の響きに由来します。ジミ・ヘンドリックスがエレクトリックギターで効果的に使ったことで、ペダルエフェクトとしてよく知られるようになりました。バンドパスフィルタやローパスフィルタのカットオフ周波数を、ペダルで制御します。場合によってはハイパスフィルタについても制御することがあります。

Fuzz-Wah インターフェイスを理解する

Fuzz-Wah のインターフェイスは、以下のセクションに分かれます。

Figure. Fuzz-Wah window.
  • エフェクト・オーダー・ボタン: 信号経路内でワウワウエフェクトをファズエフェクトの前にするか(「Wah-Fuzz」)、あるいは逆にするか(「Fuzz-Wah」)を選択します。エフェクト・オーダー・ボタンを参照してください。
  • 「Wah」パラメータ: ワウワウエフェクトの種類とトーンを操作します。「Wah」パラメータを参照してください。
  • 「Auto Wah」パラメータ: 自動ワウワウエフェクトの深さとエンベロープタイムを設定します。「Auto Wah」パラメータを参照してください。
  • 「Fuzz」パラメータ: 圧縮率を設定し、内蔵のディストーション回路のトーンとレベルを制御します。「Fuzz」パラメータを参照してください。

エフェクト・オーダー・ボタン

これらのボタンで、「Fuzz-Wah」エフェクトの信号経路を指定します。「Wah-Fuzz」または「Fuzz-Wah」をクリックし、希望する信号経路を選択します。

Figure. Effect Order buttons.

Fuzz-Wah プラグインには、内蔵の圧縮回路があることに注意してください。コンプレッサーは、常にファズエフェクトに先行します。「Wah-Fuzz」を選択すると、コンプレッサーはワウワウエフェクトとファズエフェクトの間に配置されます。ただし、「Fuzz-Wah」を選択した場合は、コンプレッサーは信号経路の最初に配置されます。

「Wah」パラメータ

このグループのパラメータは、ワウワウエフェクトのトーンと動作を制御します。

Figure. Wah parameters
  • 「Auto Gain」ボタン: ワウワウエフェクトを使うと出力レベルの変動が大きくなる可能性があります。「Auto Gain」を「On」にするとこの動作が補正され、出力信号のダイナミクスが制限されます(「Auto Gain」でワウワウレベルを設定するを参照)。
  • 「Wah Level」ノブ: ワウフィルタをかける信号の量を設定します。
  • 「Relative Q」スライダ: モデルの設定を基準にメイン・フィルタ・ピークを調整し、ワウワウスイープをよりシャープ/ソフトにすることができます。値を 0 に設定した場合、モデルのオリジナルのピークレベル設定が有効になります。
  • 「Pedal Range」スライダ: MIDI フットペダルで操作する場合に、ワウワウフィルタのスイープ範囲を設定します。このパラメータは、MIDI フットペダルと典型的なワウワウペダルとの間に生じる機械的な差異を補正するために設計されています(ペダル範囲を設定するを参照)。

「Auto Wah」パラメータ

MIDI フットペダルのほか、「Auto Wah」機能を使ってもワウワウエフェクトを操作できます。この機能を使うと、範囲全体に継続的にフィルタスイープが実行されます。Fuzz-Wah を使うを参照してください。

Figure. Auto Wah parameters.
  • 「Depth」ノブ: 「Auto Wah」エフェクトの深さを設定します。0 に設定すると、自動ワウワウ機能は無効になります。
  • 「Attack」ノブ: ワウワウフィルタが完全に開くまでの時間を設定します。
  • 「Release」ノブ: ワウワウフィルタが閉じるまでの時間を設定します。

「Fuzz」パラメータ

これらのパラメータは、内蔵のディストーション回路と圧縮回路を制御します。コンプレッサーは、常にファズエフェクトに先行します。

Figure. Fuzz parameters.
  • 「Comp Ratio」(Compression Ratio)ノブ: 圧縮率を設定します。
  • 「Fuzz Gain」ノブ: ファズまたはディストーションエフェクトのレベルを設定します。
  • 「Fuzz Tone」ノブ: ファズエフェクトの音質を調整します。低い値に設定すると温かい音になり、高い値に設定すると明るく激しい音になります。

Fuzz-Wah を使う

以下のセクションでは、Fuzz-Wah パラメータを使うための実際的なヒントを紹介します。

「Auto Gain」でワウワウレベルを設定する

ワウワウエフェクトを使うと出力レベルの変動が大きくなる可能性があります。「Auto Gain」を「On」にするとこの特性が補正され、出力信号を安定的な範囲内に維持します。

「Auto Gain」を使った場合の違いを聴いて確認するには
  1. 「Auto Gain」をオンにします。

  2. ミキサーのクリッピング限度のすぐ下の値までエフェクトレベルを上げます。

  3. 「Relative Q」設定を高くしてスイープを行います。

  4. 「Auto Gain」をオフにし、スイープを繰り返します。

    重要: ホストアプリケーションのマスター出力レベルを低めに設定してから始めてください。低めに設定しておかないと、聴覚やスピーカーを損ねるおそれがあります。

ペダル範囲を設定する

普通の MIDI フットペダルの機械動作範囲は、典型的なワウワウペダルより広くなっています。

ワウワウフィルタのスイープ範囲は、「Pedal Range」パラメータで設定します。MIDI フットペダルが到達する最高値と最低値は、「Pedal Position」スライダ(このスライダはワウワウペダルの現在位置を示します)周囲のグレイの括弧でグラフィカルに表示されます。

スライダの括弧の左右にあるハンドルをドラッグすると、範囲の上限と下限を個別に設定できます。スライダの括弧の中央部分をドラッグすると、範囲の全体を移動できます。