オーディオトラックを操作する

プロジェクトにオーディオファイルを追加すると、「Motion」によってファイルのオーディオトラックが 1 つまたは複数作成されます。「プロジェクト」パネルの「オーディオ」リストで、オーディオトラックのオン/オフの切り替え、トラックの選択、トラックのミュートとソロ、および音量とパン設定を制御できます。

Figure. Audio tab showing mutliple audio tracks.

重要: オーディオトラックに名称変更やトリムなどの変更を加えても、ソースのオーディオファイルは影響を受けません。

次のリストに、個々のオーディオトラックで使用できるオーディオコントロールの要約を示します:

出力チャンネルを設定する

マルチチャンネルのオーディオを操作する場合、どの出力チャンネルにどのトラックを割り当てるかを任意に決めることができます。また、複数のモノラルトラックから独自のマルチチャンネルファイルを作成することもできます。

オーディオトラックの出力チャンネルを設定または変更するには
  1. 「オーディオ」リストの下部にあるマスタートラック領域の出力チャンネルポップアップメニューで、「5.1 サラウンド」または「ステレオ」を選択します。

    Figure. Audio tab showing Master Output pop-up menu.
  2. 「オーディオ」リストの出力チャンネルポップアップメニューから、特定のオーディオトラックの出力チャンネルを選択します。

    Figure. Audio tab showing Output Channel pop-up menu.

    メモ: サラウンドサウンド用のハードウェアがない場合は、「中央」、「LFE」、「左サラウンド」、および「右サラウンド」の出力チャンネルがイタリック体で表示されます。このような場合でもそれらのチャンネルは選択することができ、選択した項目は、書き出したプロジェクトや、必要なハードウェアを持つシステムでの再生に反映されます。

マスタートラックを操作する

各プロジェクトにマスターのオーディオトラックがあります。マスタートラックのコントロールは、「オーディオ」リストの下部(個々のオーディオトラックの下)にあります。マスタートラックのコントロールを使って、すべてのオーディオトラックの最終ミックス出力に影響する変更を行うことができます。たとえば、一度にすべてのトラックの音量を下げたり、すべてのトラックを左または右にパンしたりできます。さらに、マスタートラックのオン/オフを切り替えたり、ミュートにしたりすることもできます。

Figure. Audio tab showing Master audio track controls including activation checkbox, Level and Pan sliders, Mute button, Output Channel pop-up menu, lock icon, level meters and clipping indicators.

マスタートラックを選択するには、「オーディオ」リスト下部の領域をクリックします。選択すると、マスタートラック領域が強調表示されます。

マスタートラックのオン/オフを切り替える

マスタートラックはデフォルトでオンになっています。マスタートラックのアクティブ化チェックボックスの選択を解除すると、プロジェクトを再生しても音が出ません。また、プロジェクトを書き出す際にオーディオは含まれません。チェックボックスを選択すると、アクティブになっているすべてのオーディオトラックが書き出しに含まれます。

マスタートラックのオン/オフを切り替えるには
  • マスタートラックの左側のチェックボックスをクリックしてからそのチェックボックスをもう一度クリックすると、マスタートラックが前の状態に戻ります。

マスターレベルを設定する

マスターレベルスライダを使って、プロジェクトのオーディオの全体的な音量レベルを設定できます。

マスターレベルを設定するには
  • マスターレベルスライダをドラッグして必要なレベルに設定します。

    マスターレベルは、各トラックのレベル設定と連携します。たとえば、あるトラックのレベルを 0.5 に設定し、マスターレベルを 0.5 に設定すると、組み合わされたレベルは、元のレベルの 0.25(1/4)になります。

    メモ: 個々のトラックのレベルとマスターレベルを上げると、組み合わされたレベルが 2 より大きくなり、オーディオの歪み、つまりクリッピングが発生することがあります。

マスターレベルを表示する

マスタートラックコントロールの右側には 1 組のステレオレベルメーターがあり、すべてのオーディオトラックを合わせたレベルが表示されます。

レベルメーターの上部にある 2 つの赤い点(クリッピングインジケータ)のいずれかが再生中に点灯した場合は、マスターレベルが高すぎるためにオーディオの歪み(クリッピング)が発生したことを示します。

クリッピングを防止する

通常、デジタルオーディオを操作する際には、クリッピングが発生しない範囲で全体的な音量レベルを最も高いレベルに設定します。マスターレベルメーター上部のクリッピングインジケータが点灯した場合、どこでクリッピングが発生しているかを特定し、レベルを下げてクリッピングの原因を取り除く必要があります。

クリッピングが発生した場合は、プロジェクトを再生して、どこでクリッピングインジケータが点灯するかを確認します。各オーディオトラックをソロにして、クリッピングの原因となるトラックを特定することができます。

クリッピングの原因となっているトラックを特定したら、そのトラック全体のレベルを下げるか、キーフレームを使ってクリッピングが発生する場所でトラックレベルを下げます。

クリッピングインジケータが点灯すると、インジケータをリセットするかプロジェクトを閉じるまで点灯したままになります。インジケータを確認することで、プロジェクトを書き出す前にクリッピングの原因を特定して取り除くことができます。クリッピングの原因を取り除いたら、クリッピングインジケータをリセットして再度プロジェクトを再生し、クリッピングが発生しなくなったことを確認してください。

クリッピングインジケータをリセットするには
  • 点灯しているクリッピングインジケータをクリックします。

マスターパンを設定する

マスタートラックのパンダイヤルを使って、オーディオの左右のパン位置を設定できます。

マスターのパン位置を設定するには
  • パンダイヤルを調整して、ステレオ音場の目的の位置にサウンドを配置します。

    マスタートラックのパンダイヤルは、各トラックのパン設定と連携します。たとえば、1 つのトラックのパンを- 100(左端)に設定してマスターのパンを 100(右端)に設定した場合、トラックの音が聞こえます。

オーディオを再生する

キャンバスの下にあるトランスポートコントロールの再生ボタンをクリックすると、プロジェクトのオーディオトラックがビジュアルに合わせて再生されます。オーディオトラックをプロジェクトの「タイムライン」に関係なく再生することもできます。

オーディオをプロジェクトと共に再生するには
  • トランスポートコントロールで再生ボタンをクリックします。

    再生ボタンをクリックすると、プロジェクトのオーディオトラックでオンになっていて、かつミュートになっていないトラックがすべて再生されます。

オーディオトラックをスリップさせる/スライドする

オーディオファイルを読み込む場合の始点は、プロジェクトの先頭または現在の再生ヘッドの位置になります(「Motion」の環境設定の「レイヤーの作成位置」パラメータの設定によります)。「オーディオタイムライン」またはミニタイムラインでオーディオトラックをスライドすることで、トラックの再生を別の場所から開始できます。「オーディオタイムライン」またはミニタイムラインでトリムしたオーディオトラックをスリップさせることで、メディアの別の範囲を同じ場所で再生できます。

オーディオトラックをスライドするには
  • 「オーディオ」リストでトラックを選択してから、ミニタイムライン内でトラックの緑のバーを左または右にドラッグします。

    Figure. Mini-Timeline showing an audio clip being slipped.
  • 「Motion」のプロジェクトウインドウの右下隅の「オーディオタイムラインを表示/隠す」ボタンをクリックしてから、「オーディオタイムライン」でトラックのバーを左または右にドラッグします。

ミニタイムライン内でオーディオトラックをスリップさせるには
  1. 「オーディオ」リストで、トラックを選択します。

    トラックのタイムバーがミニタイムラインに表示されます。

  2. ミニタイムラインのバーの上にポインタを置いた状態で、Option キーを押したまま(スリップポインタが表示されます)イン点とアウト点を左または右にドラッグしてスリップさせます。

    ドラッグするときに、オーディオクリップのすべての範囲を示す淡色のバーが緑色のバーの上に表示されます。トラックのイン点とアウト点を示すツールヒントも表示されます。

    Figure. Slipping an audio track in the Mini-Timeline.

メモ: イン点またはアウト点をトリムしたメディアのみをスリップさせることができます。

「オーディオタイムライン」内でオーディオトラックをスリップさせるには
  1. 「Motion」のプロジェクトウインドウの右下隅にある「オーディオタイムラインを表示/隠す」ボタンをクリックします。

  2. 「オーディオタイムライン」の緑のバーの上にポインタを置いた状態で、Option キーを押したまま(スリップポインタが表示されます)イン点とアウト点を左または右にドラッグしてスリップさせます。

    ドラッグするときに、オーディオクリップのすべての範囲を示す淡色のバーが緑色のバーの上に表示されます。トラックのイン点とアウト点を示すツールヒントも表示されます。

    Figure. Slipping an audio track in the Audio Timeline.

メモ: イン点またはアウト点をトリムしたメディアのみをスリップさせることができます。

オーディオトラックをトリムする

オーディオトラックの始点と終点を編集してトラックのオーディオの長さを短くしたり、特定の時点で開始または終了するように設定したりすることができます。これをトラックのトリムと呼びます。オーディオトラックのトリムはノンディストラクティブで、元のオーディオファイルには影響しません。

ミニタイムラインでオーディオトラックを視覚的にトリムするには
  1. 「オーディオ」リストで、トリムするトラックを選択します。

    トラックの緑のタイムバーがミニタイムラインに表示されます。

  2. ミニタイムラインでタイムバーの先頭または末尾にポインタを置いた状態で(トリムポインタが表示されます)、左または右にドラッグしてトラックのイン点とアウト点をトリムします。

    ドラッグ中に、変更しているトラックの新しいイン点またはアウト点と継続時間を示すツールヒントが表示されます。

「オーディオタイムライン」でオーディオトラックを視覚的にトリムするには
  1. 「Motion」のプロジェクトウインドウの右下隅にある「オーディオタイムラインを表示/隠す」ボタンをクリックします。

    「オーディオタイムライン」が表示されます。

  2. 「オーディオタイムライン」でタイムバーの先頭または末尾にポインタを置いた状態で(トリムポインタが表示されます)、左または右にドラッグしてトラックのイン点とアウト点をトリムします。

    ドラッグ中に、変更しているトラックの新しいイン点またはアウト点と継続時間を示すツールヒントが表示されます。

オーディオトラックを数値でトリムするには
  1. 「オーディオ」リストで、トリムするオーディオファイルを選択します。

  2. 「情報」インスペクタを開いて、「タイミング」パラメータを表示します。

  3. 「イン」、「アウト」、または「継続時間」パラメータを変更して、プロジェクト内のオーディオの継続時間を変更します。

オーディオトラックをスクラブする

オーディオトラックをスクラブすることで、再生ヘッドを移動しながらプロジェクト内のオーディオを聴くことができます。

オーディオトラックをスクラブするには
  • ミニタイムラインまたは「オーディオタイムライン」内で、Option キーを押しながら再生ヘッドを右または左にドラッグします。

  • Option キーを押しながらドラッグする途中でポインタを静止させると、現在のフレームに隣接する 5 フレームがループ再生されます。

メモ: スクラブ中のオーディオループはデフォルトでオンになっています。ループ再生をオフにするには、「Motion」>「環境設定」と選択して「時間」アイコンをクリックし、「スクラブしながらオーディオをループ再生」チェックボックスの選択を解除します。