現実世界の座標

3D 合成は、モーショングラフィックスの世界にいくつもの新たな概念を導入します。これらの概念は、はじめは手ごわく見えるかもしれません。しかし、私達は実際に 3 次元の世界で暮らしているので、「Motion」の「キャンバス」で操作するバーチャル 3D 空間も直感的に理解できるでしょう。

現実世界では、どんなオブジェクトでも簡単な座標系を使ってその位置を特定することができます。たとえば、部屋の中のコンピュータの位置は、ドアから横方向に 1.2 メートル、床から上方向に 90 センチ、窓の前方 1.5 メートルのところにあると説明できます。座標系では、オブジェクトの位置を示すのに使われる 3 つの数字は、座標上の値になります。各軸の値が 0 になる地点が交わる位置は、原点と呼ばれます。ここで紹介している例では、X=1.2、Y=0.9、Z=1.5 になります。

座標とオブジェクトの空間内での位置

「Motion」内のオブジェクトの位置も、これらの値で示すことができます。「Motion」で使用される座標系では、キャンバスの中央が 0, 0, 0 に定義されます。オブジェクトを左に移動すると X の値から減算され、右に移動すると X の値に加算されます。オブジェクトを上に移動すると Y の値に加算され、下に移動すると Y の値から減算されます。オブジェクトを前方に移動すると Z の値に加算され、奥に移動すると Z の値から減算されます。2D シーンと 3D シーンの大きな違いは、3D シーンでは視点を変えることができるため、オブジェクトを上に移動したからといって、必ずしも Y の値が増えるわけではない点です。

Figure. Diagram showing a two-dimensional representation of the three-dimensional X, Y and Z axes.

メモ: 新規プロジェクトでは、キャンバスは Z 軸がまっすぐユーザの方を向いている状態になっています。この向きでは、XY 軸の向きが通常の 2 次元のものと同じになっていて、それぞれキャンバスの左から右(X)、そして上から下(Y)にわたっています。

3D の原則

3 次元環境についての説明や表示には、一般的に使用される規則があります。

  • オブジェクトの動きは、軸に沿う。

  • オブジェクトの回転は、軸を中心とする。

  • 各軸は、次のように色分けされる:X は赤、Y は緑、Z は青。

  • の値の回転は、軸の周囲を反時計回りに回転する。