パーティクルシステムの仕組み

パーティクルシステムは 1 つのエミッタおよび 1 つまたは複数のパーティクルセルから構成されます。各セルが「レイヤー」リストおよび「タイムライン」でエミッタの下にサブレイヤーとして表示されます(サブレイヤーの表示/非表示を切り替えるには、エミッタレイヤーの横の開閉用三角ボタンをクリックします)。

Figure. Layers tab showing the components of a particle system including the emitter layer, the cells, behaviors applied to a cell, and the disabled original object.

エミッタとセルには、パーティクルシステムの動きを制御するための別々のパラメータが用意されています。たとえば水まき用のホースがパーティクルシステムだとすると、ホースのノズルがエミッタで、水がパーティクルの流れです。エミッタのパラメータを変更すると、パーティクルが放出されるシェイプとパーティクルの方向が変化し、セルのパラメータを変更すると、パーティクルが影響を受けます。

2、3 のパラメータを変更するだけで、同じセルを使って異なるエフェクトを作成することもできます。

メモ: パーティクルシステムでは、セルとパーティクルは同じものではありません。セルは、パーティクル(キャンバス内で生成される複数のオブジェクト)の「型」の役割を果たす(「レイヤー」リスト内の)レイヤーです。セル自体は、「レイヤー」リスト内で淡色で表示される(無効化された)ソースオブジェクト(セルソース)のコピーであるため、デフォルトではキャンバス内に表示されません。

Figure. Canvas window showing different particle systems based on the same cell.

「Motion」のほかのエフェクトと同様に、パーティクルシステムのパラメータにキーフレームを設定してパーティクルエフェクトを時間と共に変化させることができます。たとえば、エミッタの「位置」パラメータにキーフレームを設定することで、画面上のオブジェクトの後を追う泡のパスを作成できます。キーフレームの設定について詳しくは、「キーフレームとカーブ」を参照してください。

エミッタがクリップ内の移動オブジェクトの後を追うようにしたり、プロジェクトの既存のトラッキングデータをエミッタに適用したりできます。「モーショントラッキング」ビヘイビアの使いかたについて詳しくは、「モーショントラッキング」を参照してください。

Figure. Canvas window showing a particle system tracking another object.

さらに、各セルまたはエミッタにビヘイビアを追加して、多様なエフェクトを作成することもできます(シミュレーションビヘイビアが特に効果的です)。セルにビヘイビアを適用すると、セルによって生成される各パーティクルにも適用されます。これによって無限に近い多彩なエフェクトを作成することが可能になります。パーティクルシステムのパラメータだけでなくセルにビヘイビアを追加すれば、通常の方法では作成できない複雑で自然な動きを簡単に作成することができます。プロジェクトの別のオブジェクト(パーティクルシステムに含まれていないオブジェクト)に「反発」などのビヘイビアを適用することで、オブジェクトを中心にパーティクルが縫うように動くエフェクトを作成することもできます。ビヘイビアについて詳しくは、「ビヘイビアを使う」を参照してください。

セルソース

パーティクルエミッタ内の各セルは、セルソースと呼ばれるソースオブジェクトのコピーです。セルソースは「レイヤー」リスト内で淡色で表示される(無効)ため、キャンバス内に表示されません。シェイプ、テキスト、イメージ、イメージシーケンス、クリップなど、「Motion」内のほぼすべてのオブジェクトをセルソースとして使用できます。ソースに適用した変換はセルレイヤーに反映され、その変換はキャンバス内で生成されるパーティクルに伝達します。たとえばセルソースとして矩形のシェイプを使っていてその矩形にシアーと回転を実行した場合、そのセルソースとしての矩形を使って作成したパーティクルにもシアーと回転が実行されます。

パーティクルシステムのセルのソースとして使うレイヤーにフィルタを適用すると、パーティクルにフィルタのエフェクトが反映されます。

メモ: フィルタを適用したムービーをパーティクルセルのソースとして使うと、コンピュータの処理時間が長くなります。パフォーマンスを確保するには、フィルタを適用してシーケンスを書き出してから、そのシーケンスを再び「Motion」に読み込み、セルソースとしてムービーを使います。