このセクションでは、単純に新しいトラックを作成するコマンドと方法について説明します。現在(選択されているトラック)のチャンネルストリップが、新しいトラックのターゲットとして使われます。
同じミキサー・チャンネル・ストリップを対象にしたトラックのコピーを複数作成したいという場合があります。
たとえば、ドラムキットを読み込んだ状態で、EXS24 mkII など、1 つのソフトウェア音源を対象にしたトラックを複数作成するとします。それぞれのトラックに、個々のドラムサウンド(キック、スネア、ハイハットなど)をトリガする MIDI リージョンを取り込むことができます。サウンドごとに個別のトラックを用意することで、キット内のサウンドを個々にミュートまたはソロにできます。
ヒント: ドラムキット内のサウンドを異なるエフェクトで個々に処理する場合に、EXS24 mkII のマルチ出力バージョンを使用します。
コピーするトラックを選択します。
以下のいずれかの操作を行います:
「トラック」>「同じチャンネルストリップ/音源を使って新規作成」と選択すると(または、対応するキーコマンドを使います)、選択中のトラックの下に新しいトラックが作成されます。
アレンジ領域のトラックリストの上部にあるトラック複製ボタンを Option キーを押しながらクリックします。
Option キーを押しながらボタンをクリックすると、「同じチャンネルストリップ/音源を使った新規トラック」機能が実行されます。
「トラックリストにトラックを追加」キーコマンドを使って、トラックリストの最下部に新しいトラックを作成します。
「トラック」>「次の MIDI チャンネルを使って新規作成」コマンド(対応するキーコマンドがあります)と選択すると、選択中のトラックの下に新しいトラックが作成され、次の音源または MIDI チャンネルが割り当てられます。現在選択しているチャンネルの MIDI チャンネルが 16 の場合は、最初のチャンネルが再び使用されます。
オーディオトラック(または、Aux チャンネルストリップに割り当てられているものなど、MIDI チャンネルパラメータを提供しないトラック)が選択されている場合、このコマンドは使用できません。
「トラック」>「次のチャンネルストリップ/音源を使って新規作成」コマンド(対応するキーコマンドがあります)と選択すると、新しいトラックのみ、または新しいトラックと新しいチャンネルストリップを作成することができます。コマンドの動作は、選択しているトラックタイプによって決まります:
オーディオまたはソフトウェア音源トラックを選択している場合は、選択中のトラックの下に新しいトラックが作成され、次のチャンネルストリップが割り当てられます。次のチャンネルストリップがない場合は、自動的にチャンネルストリップが作成されます。
MIDI トラックを選択している場合は、「トラック」>「次の MIDI チャンネルを使って新規作成」と同じ結果になります。つまり、新しいトラックが作成され、それが次の MIDI チャンネルに割り当てられます。
Option キーを押したままトラックを縦方向に移動(トラック番号をクリックしたままドラッグ)して、目的の位置にトラックのコピーを作成します。ソーストラックで選択されているすべてのリージョンが新しいトラックに移動します。
メモ: Option キーを押した状態でトラック番号をつかむと、トラックのリージョンは選択されません。最初にリージョンが選択されていない場合には、目的の位置に空のトラックが作成されます(このトラックは、オリジナルのトラックと同じチャンネルストリップに割り当てられます)。
サイクル機能がオンになっていると、サイクル内のすべてのリージョンが古いトラックから新しいトラックに移動します。新しいトラックはコピーであり、ソーストラックのチャンネルストリップ出力設定を継承するので、音は変わりません。
つまり、複数のトラックに使われるチャンネルストリップは 1 つだけです。これにより、パートをダブリングして音に厚みを持たせることができます。また、ソフトウェア音源トラックまたは MIDI 音源トラックで、1 オクターブ離れたユニゾン音形の作成といったタスクも簡単かつ迅速に行うことができます。
そのためには、Option キーを押しながら出力先トラックのリージョンをドラッグして、ソーストラックに複製/復元します。
メモ: チャンネルストリップのレベル(または、それ以外のパラメータ)を変更すると、どのトラックを選択したかに関係なく、チャンネルストリップにルーティングされるすべてのトラックが影響を受けます。
「トラック」>「重なったリージョン用に新規作成」機能を使用すると、全部または一部が重なったリージョンのトラックが新しく作成されます。新しく作成されたトラックにリージョンが再度配置されます。新しいトラックの数は、重なりの数と同じです。すべてのトラックでは、オリジナルのトラックと同じチャンネルストリップ割り当てが使用されます。
前に述べたように、すべてのトラックに使われるチャンネルストリップは 1 つだけです。
「トラック」>「選択したリージョン用に新規作成」機能を使用すると、トラックの選択したリージョンのトラックが新しく作成されます。選択されているリージョンが新しいトラックに移動し、ソーストラックから削除されます。すべての新規トラックでは、オリジナルのトラックと同じチャンネルストリップ割り当てが使用されます。
複数のトラックにまたがって複数のリージョンが選択されている状態でこのコマンドを使用した場合、ソーストラックごとに新しいトラックが作成されます。
トラック a で 2 つのリージョンが選択され、トラック b で 1 つのリージョンが選択され、トラック c で 4 つのリージョンが選択されているとします。
このコマンドを使用すると、トラック a の 2 つのリージョンは新しく作成されたトラック a のコピーに移動し、トラック b のリージョンは b のコピーに移動し、トラック c の 4 つのリージョンは c のコピーに移動します。
トラック a の 2 つのリージョン(トラック a のコピーに移動したもの)にトラックを個々に作成する場合は、a のコピートラックを選択して(トラックのすべてのリージョンが自動的に選択されます)、コマンドをもう一度実行するだけでできます。