MMC とは、「Logic Pro」が MMC 互換のテープマシンのトランスポート機能を制御するのに使用する MIDI コマンドのセットです。MMC を介して「Logic Pro」から録音処理を制御したり自動化したりすることもできます。このテープマシンは、「Logic Pro」が同期ソース(「Logic Pro」がスレーブになっている)として使用する SMPTE 信号を供給します。
接続された機器は、通常のトランスポート機能(再生位置の直接指定やサイクルジャンプなども含む)を使って「Logic Pro」から制御することができます。ただし、「Logic Pro」は、接続された機器での巻き戻しや早送りが終了するまで待つ必要があります。また、「MIDI マシンコントロール」が有効な状態で再生ヘッドをドラッグすると、マウスボタンを放すまで MMC ロケートコマンドが断続的に送られることになります。
Control キーを押しながらトランスポートバーの同期ボタンをクリックし、ショートカットメニューで「MIDI マシンコントロール(MMC)」コマンドを選択します。
「ファイル」>「プロジェクト設定」>「同期」と選択し、「MIDI」タブの「MMC を送信」オプションを選択します。
「Logic Pro」では最大 64 の MMC トラックをサポートしているので、MIDI マシンコントロールを介して Alesis ADAT などの機器を操作できます。
各アレンジトラックは、テープデッキのアイコン(#305)が付いた音源を選択することでテープ(制御)トラックとして機能させることができます。
テープデッキのアイコンが付いた音源を 1 つ作成するだけで、外部レコーダの制御に必要なトラックにいくつでも割り当てることができます。トラックを専用のフォルダにまとめておくと便利です。このトラックは、「アレンジ」ウインドウのトラックリストの一番上に置かれている必要があります。トラックをフォルダにまとめている場合は、そのフォルダがリストの最初のトラックになっている必要があります。
テープデッキアイコンは、実際にオブジェクトの動作に影響する唯一のアイコンです。それ以外のアイコンはすべて表示上のものにすぎません。
テープトラックが現在の録音用トラックになっている場合、各機能は次のように動作します:
テープトラックを選択すると、テープマシン側の対応するトラックが録音可能になり、それ以外のトラックの録音可能状態はオフになります。複数のトラックを録音用に選択するときは、Shift キーを押しながらクリックします。
トランスポートバーの録音ボタンは、テープマシンに録音ストローブコマンドを送信します。このとき「Logic Pro」は MIDI 録音モードになり、MMC 再生コマンドがテープマシンに送信されます。「Logic Pro」は、MMC機器からタイムコードを受信するまで処理を開始しません。
「オートパンチ」機能を使っている場合、テープマシンはパンチ・イン・ロケータの場所で録音モードになり、パンチ・アウト・ロケータの位置で録音が停止します。
Control + Shift キーを押しながらトラックをクリックすると(テープトラック以外でも)、テープマシンの各トラックの録音可能状態を個別に切り替えることができます(選択したトラックがオンになり、それ以外のトラックがオフになります)。Control キーを押しながらトラックをクリックすると、その他のすべてのトラックの録音可能モードがオフになります。現在の録音トラックがテープ・デッキ・アイコンに割り当てられている場合(上記参照)、Control キーは使わないでください。
テープトラックが録音トラックとして選択されている場合は、「録音を切り替える」キーコマンドが録音状態を切り替えるものとして使用されます。
MMC 制御の録音を行うと、「Logic Pro」ではテープトラック上に空の MIDI リージョンが自動的に作成されます。これは、テープマシン上で録音が行われたということを示すものです。オートパンチ機能によって制御されたものも含め、すべての MMC 録音で同様のことが行われます。複数のテープトラックを(Shift +クリックで)録音トラックにしていた場合は、同じ数のリージョンが作成されます。テープトラック上に同じ開始位置を持つ MIDI リージョンが存在する場合、そのトラックには新たな MIDI リージョンは作成されません。これは、リージョンのオーバーラップを避けるための措置です。
停止コマンドを 2 回繰り返すと、プロジェクトが先頭に巻き戻されます。
MMC 録音ボタンを使用すれば、「Logic Pro」でテープマシン上のトラックの録音を準備するのも簡単になります(MMC 録音ボタンオブジェクトを参照してください)。
MMC 制御の録音を停止するときは、停止ボタンかスペースキーを押します。一連の MMC 録音コマンドに対する反応はテープマシンによって異なります。場合によっては、テープが実際には再生されているのに「Logic Pro」ではそのトラックが録音中であるかのように表示されることも(さらにひどいケースでは、その逆も)あります。そのため、録音を終了する際は必ず停止ボタンかスペースキーを押して確実に終了させるようにしましょう。