アルペジエータオブジェクト

アルペジエータオブジェクトは、コードをアルペジオに変換します。現在押している複数のノートが 1 音ずつ、選択可能なパターン(上、下、ランダムなど)で演奏されます。演奏速度は、全音符から 768 分音符の範囲で選択できます。

新しいアルペジエータを作成するには
  • 「新規」>「アルペジエータ」と選択します(または、「新規アルペジエータ」キーコマンドを使います)。

Figure. Arpeggiator object and its parameter box.

アルペジエータには、方向、ベロシティ、速度(分解能)、ノート長、開始点のクオンタイズ(スナップ)、リピート、オクターブ、およびベロシティオフセット(クレッシェンド)を表すパラメータが用意されています。パラメータはすべてリアルタイムで MIDI 制御でき、きわめて多様な変化を持たせることができます。

アルペジエータオブジェクトを使用するには、これを MIDI 信号パス上に配置し、「Logic Pro」を起動しておく必要があります。(技術上の理由から、アルペジエータはサイクルジャンプでリセットします。)

通常、アルペジエータはアレンジトラックに割り当て、その出力を音源にケーブル接続します。もちろん、MIDI 信号パス上の任意の個所に挿入することも可能です。

アルペジエータを設定したら、生の MIDI 入力で使うことも、MIDI リージョンの再生用に使うこともできます。シーケンサーインプットオブジェクトにケーブル接続すれば、アルペジエータの出力を録音することも可能です。この場合、出力のないトラックに録音するか、アルペジエータから MIDI アウトプットへの接続を切断してください。

アルペジエータのパラメータボックス

アルペジエータのパラメータボックスには、以下のパラメータが含まれます:

  • 方向: アルペジオの方向を指定します。以下のいずれかの設定を選択できます:
    • アップ: 最低音から最高音に上昇アルペジオを行います。
    • ダウン: 最高音から最低音に下降アルペジオを行います。
    • アップ/ダウン: 上昇アルペジオと下降アルペジオを続けて行います。最高音と最低音が 2 回鳴ります。
    • 自動: 2 番目の音が最初の音の前に来るか、後に来るかによって、上昇か下降かが決まります。
    • アップ/ダウン 2: 上昇アルペジオと下降アルペジオを続けて行います。ただし、最高音と最低音は 2 回鳴りません。
    • ランダム: アルペジオをランダムに行います。
    • すべて: すべての音を同時に鳴らします(「繰り返す」が有効の場合に便利です)。
  • ベロシティ: アルペジオで演奏するノートのベロシティを決めます。以下のいずれかの設定を選択できます:
    • 1 〜 127: 固定ベロシティ値を使用します。
    • オリジナル: 録音されたノートのベロシティをそのまま使用します。
    • ランダム: 1 からオリジナルの値までの範囲のベロシティをランダムに使用します。
  • キー範囲: アルペジオコードのピッチ範囲を定義します。この範囲外の音は、出力に直接送られます。アルペジオのコードの上の音でソロ演奏をする場合や、コードよりも下の音でベースラインを演奏する場合に便利です。
  • 分解能: アルペジオのリズム音価(分音の速度)を設定します。「なし」を設定すると、アルペジエータはオフになります。
  • 長さ: アルペジオで演奏するノートの長さを定義します。「オリジナル」設定は、受信(または録音)したノートの長さをそのまま使用します。
  • スナップ: この値を「なし」以外に設定すると、アルペジエータは、次の指定分音に「Logic Pro」が達するのを待ってから、アルペジオを開始します。アルペジオとほかの MIDI データとのリズムを合わせる場合に便利です。
  • 繰り返す : このオプションを選択すると、コードを押さえている間、アルペジオが繰り返されます。選択を解除すると、アルペジオは 1 回で終わります。
  • オクターブ : 1 〜 10 オクターブまで、アルペジオを繰り返します。
  • クレッシェンド: ここで設定したベロシティの値が、アルペジオを繰り返すたびに追加されていきます(「繰り返す」パラメータが選択されている必要があります)。
  • ベースをコントロール: アルペジエータオブジェクトの 10 個のパラメータはすべて、MIDI の連続コントローライベントで制御が可能です。「ベースをコントロール」パラメータは、最初のパラメータ(「方向」)のコントローラ番号を決定します。そのほかのパラメータは、これに続くコントローラ番号によって制御されます。

    「ベースをコントロール」の選択を解除すると、アルペジエータの MIDI 制御は無効になります。