グループ化したトラックのオーディオリージョンに、トラック間の位相精度を維持したまま位相を固定したクオンタイズを適用できます。グループ化したトラックのオーディオリージョンに含まれるすべてのトランジェントが評価され、各トランジェント群の最初のトランジェントの位置にクオンタイズマーカーが追加されます。これらのクオンタイズマーカーに基づいて、選択したクオンタイズ方法がすべてのリージョンに適用されます。
重要: フェーズロック・オーディオ・クオンタイズを適用するには、グループ化したオーディオトラックのすべてのオーディオリージョンで開始位置と終了位置が一致している必要があります。
最初に、必要なオーディオトラックをグループ化して、フェーズロック編集を有効にする必要があります。この操作はトラックを録音する前に行うことをお勧めしますが、必要であれば録音後でもかまいません。その場合、トラックの編集を開始する前にグループを作成する必要があります。
ミキサーで、複数のオーディオ・チャンネル・ストリップを選択します。
選択したチャンネルストリップのいずれかのグループスロットをクリックし、ポップアップメニューから未使用のグループを選択します。
「グループ設定」ウインドウが開きます。
「グループ設定」ウインドウで、「フェーズロックオーディオ」の上にある「編集(選択部分)」チェックボックスを選択します。
これで、グループのフェーズロック編集が有効になります。
「グループ設定」ウインドウを閉じます。
オーディオトラックのグループに対してフェーズロック編集を有効にすると、グループ内の各トラックのトラックヘッダに Q ボタンが表示されます。このボタンは、インスペクタのトラックパラメータボックスにある「Q リファレンス」チェックボックスと同じ役割を持ちます。Q ボタンをオンにすると、そのトラックに含まれるすべてのリージョンのトランジェントがクオンタイズ処理でリファレンスポイントとして使用されます。Q ボタンをオフにすると、そのトラックに含まれるいずれのリージョンのトランジェントもクオンタイズ処理でリファレンスポイントとして使用されません。
以下のいずれかの操作を行って、アレンジ領域を Flex 表示にします:
アレンジ領域のローカル「表示」メニューで「Flex 表示」を選択します(または、「Flex 表示を隠す/表示」キーコマンドを使います)。
「アレンジ」ウインドウのツールバーの Flex 表示ボタンをクリックします(表示されている場合)。
これにより、アレンジ領域の各オーディオトラックのトラックヘッダに Flex モードボタンが表示されます。
以下のいずれかの操作を行って、グループ化したトラックの Flex モードを設定します:
アレンジ領域のトラックリストで Flex モードポップアップメニューをクリックして、適切なモードを選択します。
トラックパラメータボックスで「Flex モード」ポップアップメニューを開いて、適切なモードを選択します。
グループ化した各トラックに、選択した Flex モードが割り当てられます。これらのトラック上のすべてのオーディオファイルが分析されて、トランジェントが調べられます。検出された各トランジェントにはトランジェントマーカーが追加されます。
ヒント: 以下の手順では、操作対象のリージョンを拡大表示すると作業がしやすくなります。
Q リファレンスとして使用するトラックの 1 つをサンプルエディタで開き、トランジェントが適切な位置にあることを確認します。サンプルエディタでは、トランジェントを追加、削除、または位置調整できます。詳細については、サンプルエディタでトランジェントマーカーを使って編集するを参照してください。
Q リファレンスとして使用するすべてのトラックで手順 3 を繰り返します。
メモ: Q リファレンスとして使用しないトラックのトランジェントは調整する必要はありません。これらのトラックのタイミングは、Q が参照されるトラックのトランジェントに基づいてサンプル精度で調整されます。
アレンジ領域のトラックヘッダで、Q リファレンスとして使用するトラックの Q ボタンをクリックします。
これによって、既存のトランジェントマーカーの上にクオンタイズマーカーが自動的に配置されます。クオンタイズマーカーと通常の Flex マーカーは簡単に見分けることができます。クオンタイズマーカーには、上部にオレンジのハンドルがありません。
以下のいずれかの操作を行って、クオンタイズ処理時に参照しないトラックを除外します:
トラックヘッダの Q ボタンをオフにします。
トラックを選択し、インスペクタのトラックパラメータボックスにある「Q リファレンス」チェックボックスの選択を解除します。
除外したトラックでは、グループのほかのメンバーとのフェーズロックは維持されたままになりますが、そのトランジェントマーカーはクオンタイズ処理時に参照されません。
編集グループ内で Q ボタンをオンにしたすべてのトラックのトランジェントがオーディオクオンタイズの際に参照されます。この時点で、クオンタイズマーカーの位置はすべてのトラックで同じです。つまり、クオンタイズがフェーズロックされます。
クオンタイズ処理を実行するには、インスペクタのリージョンパラメータボックスで「クオンタイズ」ポップアップメニューを開き、クオンタイズ値を選択します。