リージョンのエイリアスを作成する

「Logic Pro」のエイリアスは Finder のエイリアスと同じようなものです。外観はリージョンに似ていますが、実際のデータは入っていません。エイリアスは、オリジナルリージョンのデータを参照し、いわばそれを映しているだけです。

親リージョンとエイリアスリージョンの関係について

オリジナルのリージョンのデータを変更すると、エイリアスのリージョンすべてに即座に反映されます。エイリアスは以下の場合に役立ちます:

  • アレンジメント内で何度もリフやフレーズを繰り返す場合、オリジナルのリージョンのコピーを作成するよりエイリアスを使用した方が簡単です。

  • あるパートがしっくりしない場合、オリジナルを変更するだけでアレンジメント全体に変更の効果が波及します。

ただし、アレンジメント内で 1 点(たとえばピッチがシフトしているバース)だけを変更したい場合、そのエイリアスを独立したリージョン(リージョンのコピー)に変換できます。

ただし、エイリアスも親リージョンから一定のレベルは独立しています:

  • エイリアスは独自のリージョンパラメータを保有しています。

  • エイリアスには個別に名前を付けられます。エイリアスの名前はイタリックで表示されます。エイリアスリージョンに名前を付けると、その親リージョンの名前がエイリアス名の下に表示されます(拡大/縮小レベルが適当な場合)。

Figure. Region showing parent name below the alias name.

親リージョンの名前を変更すると、すべてのエイリアスリージョンに反映されます。

メモ: MIDI リージョンのエイリアスは編集できません。エイリアスをダブルクリックすると、「Logic Pro」では、エイリアスを実リージョンへ変換しようとしているか、またはオリジナルを編集しようとしているものとみなされます。リアルコピーを作成して編集するか、またはオリジナルを編集するかどうかを確認されます。

MIDI リージョンのエイリアスを作成する

エイリアスは MIDI のリージョンおよびフォルダに対して作成できます。このセクションではリージョンという言葉は、MIDI のリージョンおよびフォルダのみを指します。

メモ: オーディオリージョンにはクローンのオーディオリージョン(リージョンに依存関係のないコピー)しか作成できません。(リージョンのクローンを作成するを参照してください。)

エイリアスを作成するには
以下のいずれかの操作を行います:
  • Option + Shift キーを押しながら、エイリアスを作成したい位置までリージョンをドラッグします。

  • エイリアスの作成先とするトラックを選択し、再生ヘッドを置き、エイリアスの作成元とするリージョンを指定したら、「MIDI」>「エイリアス」>「作成」と選択します(または「エイリアスを作成します」キーコマンドを使います)。

選択したトラック上にある、現在の再生ヘッド位置の先頭にエイリアスが現れます。

複数のリージョンが選択されていた場合、リージョン間の相対的な時間位置とトラック位置は維持されます。選択したトラックは、タイムライン上にある最初のリージョンの宛先トラックとなります。

「リージョンを繰り返す」コマンドを使うこともできます。(リージョンの複数のコピーを作成するを参照してください。)

MIDI リージョンエイリアスを再割り当てする

既存のエイリアスに対し、別のオリジナルリージョンを割り当てられます。これは、構成は正しいがパートが間違っているといった場合のアレンジメント作業に特に便利です。新しいトラック上の適切な位置にリージョンをコピーし、エイリアスを作成し、既存のリージョンをミュートにしてから再生ボタンをクリックすることもできますが、以下に説明する手順の方がはるかに簡単です:

エイリアスを割り当て直すには
  1. エイリアスと、新しくオリジナルにする予定のリージョンの両方を選択します。

  2. 「MIDI」>「エイリアス」>「再割り当て」(または「エイリアスの参照情報を更新」キーコマンドを使います)。

オリジナルまたはエイリアスリージョンを検索する

あるエイリアスのオリジナルがどこにあるか分からなくなってしまった場合、検索できます。

エイリアスのオリジナルリージョンを検索および選択するには
  • エイリアスを指定してから、「MIDI」>「エイリアス」>「オリジナルを選択」と選択します(または「エイリアスのオリジナルを探す」キーコマンドを使います)。

リージョンから作成したエイリアスを検索するには
  • 「MIDI」>「エイリアス」>「リージョンのすべてのエイリアスを選択」と選択します(または対応するキーコマンドを使います。デフォルトは Shift + A キーです)。

エイリアスが存在していれば特定され、選択されます。

参照元が不明なエイリアスを選択する/削除する

1 つまたは複数のエイリアスが参照しているソースリージョンを削除する場合は、エイリアスを依存関係のない MIDI リージョンに変換するかそのまま残すかを確認されます。

  • この手順をキャンセルするときは、「キャンセル」をクリックします。

  • すべてのエイリアス MIDI リージョンがリアルコピーに変換するときは、「変換」をクリックします。

  • 親リージョンが削除してすべての(参照元が不明な)エイリアスリージョンを残すときは、「そのまま残す」をクリックします。こうした参照不明のエイリアスは不要ですが、ユーザが後で新しいオリジナルに再割り当てする可能性があるので、自動的には削除されません。

プロジェクトファイルに不要なエイリアスがいくつかある場合、参照元が不明なエイリアスを選択して削除することで簡単に整理できます。

参照元が不明なエイリアスをすべて選択するには
  • 「MIDI」>「エイリアス」>「すべての参照不明エイリアスを選択」と選択します(または対応するキーコマンドを使います)。

参照元が不明なエイリアスをすべて削除するには
  • 「MIDI」>「エイリアス」>「すべての参照元が不明なエイリアスを削除」と選択します(または対応するキーコマンドを使います)。

エイリアスをリアルリージョンに変換する

「MIDI」>「エイリアス」>「リージョンのコピーに変換」(または「エイリアスをリージョンのコピーに変換」キーコマンド)を使って、エイリアスからリアルリージョンにできます。内容はエイリアスが参照していたオリジナルリージョンと同一ですが、再生パラメータはリージョンのものとなります。リアルリージョンなので編集が自由にできます(つまりオリジナルの親リージョンが新しいリアルリージョンに影響しなくなります)。

メモ: エイリアスをダブルクリックしてダイアログを開き、リアルコピーを作成して編集するか、またはオリジナルを編集するかを指定できます。