プラグインウインドウの上端にあるヘッダ領域は、すべてのプラグインで共通です。プラグインを使用する上で重要な機能がいくつか用意されています。
プラグインウインドウの右上隅にあるアイコンをクリックします。
プラグインウインドウのヘッダの左端にあるボタン(鎖のマーク)はリンクボタンです。
1 つのプラグインウインドウで、開いているすべてのプラグインを表示します。新しいプラグインを開くたびに、ウインドウはそのプラグインを表示するためにアップデートされます。
アレンジで別のトラックを選択すると、表示しているプラグインウインドウがアップデートされて新しく選択したトラック/チャンネルストリップに対応するスロット番号が表示されます。
音源チャンネルストリップ 1 に割り当てられているトラック 1 が、ES1 インスタンスを読み込んでいます(音源スロットに)。
音源チャンネルストリップ 2 に割り当てられているトラック 11 が、EXS mkII インスタンスを読み込んでいます。
トラック 1 と 11 を切り替えると、プラグインウインドウが自動的にアップデートされて ES 1 と EXS24 mkII をそれぞれ表示します。
プラグインを削除せずに無効にしたい場合やチャンネルストリップに残したまま無効にしたい場合は、そのプラグインをバイパスします。バイパスされたプラグインは、システムリソースを消費しません。
プラグインウインドウのヘッダの左側にある「バイパス」ボタンをクリックします。
Option キーを押しながら、チャンネルストリップの該当するインサートスロットまたは音源スロットをクリックします。
バイパスするプラグインのインサートスロットがブルーからグレイに変わり、プラグインが現在バイパスされていることを示します。
プラグインの現在のすべてのパラメータ設定は、プロジェクトファイルに保存されています。これらの設定は、次に読み込まれるときに自動的に呼び出されます。また、プラグインパラメータへの変更を保存して呼び出すこともできます。これらの設定は、設定領域から個別の設定(またはプリセットとも言います)として保存し、呼び出します。
設定領域は、「バイパス」ボタンの右に表示されます。
このセクションでは、設定領域で利用できるさまざまな機能を使います。
「設定」フィールドをクリックして「設定」メニュー(「チャンネルストリップ設定」メニューではなく、プラグインウインドウの方のメニュー)を開きます。
以下のいずれかの操作を行います:
メニューまたはカテゴリのサブメニューを参照して、使用する設定を選択します。
「設定を読み込む」コマンドを選択します。ダイアログボックスが開きます。そのプラグインタイプで使用できる設定のみが表示されます。プラグインごとにパラメータセットは異なるため、ファイルフォーマットもそれぞれ異なります。
メモ: また、「アレンジ」ウインドウの「メディア」領域の「ライブラリ」タブからプラグイン設定を選択することもできます。プラグイン設定の選択に「ライブラリ」を使うを参照してください。
プラグインウインドウのヘッダで、前の設定を選択するには左向きの矢印をクリックし、次の設定を選択するには右向きの矢印をクリックします。
以下のいずれかのキーコマンドを使います:
次のプラグイン設定
前のプラグイン設定
次のプラグイン設定または EXS インストゥルメント
前のプラグイン設定または EXS インストゥルメント
次のチャンネルストリップ設定、プラグイン設定、または EXS インストゥルメント
前のチャンネルストリップ設定、プラグイン設定、または EXS インストゥルメント
プラグインの設定メニューを参照して、使用する設定を選択します。
「設定を読み込む」コマンドを選択し、ダイアログから設定を選択します。
プラグインパラメータを調整します。
「比較」ボタンが青色に変わり(テキストの色は白)、プラグインパラメータに変更を加えたけれども、編集したプラグイン設定をプロジェクトに保存していないことを示します。
「比較」ボタンをクリックすると、元からプロジェクトに保存されている設定が再生されます。
「比較」ボタンが黒くなります(テキストの色は白)。
もう一度「比較」ボタンをクリックすると、編集したプラグイン設定に戻ります。
「比較」ボタンが再び青色に変わります(テキストの色は白)。
この機能によって、プラグインの設定を 2 バージョン用意してオーディオや音源トラックの再生を試聴できます。調整したバージョンは、「設定」メニューから新しいプラグイン設定として保存できます。保存すると、「比較」ボタンが黒くなり、無効になります。
「比較」ボタンは、調整した設定と参照設定を比較します。参照設定は、プロジェクトを最後に保存したときに保存された設定です(プロジェクトを開いてから保存した場合も含めてその最新の設定です)。
この方法では、プロジェクトを保存するだけで参照設定を簡単に変更できることになります。
「設定」メニューの「設定をリセット」を選択します。
プラグインウインドウのヘッダの「コピー」ボタンをクリックします(または、「設定」メニューの「設定をコピー」を選択します)。
すべてのパラメータ設定がプラグイン設定のクリップボードにコピーされます。これは、グローバルな Logic Pro クリップボードとは別のものです。
プラグインウインドウのヘッダの「ペースト」ボタンをクリックします(または、「設定」メニューの「設定をペースト」を選択します)。
メモ: このオプションは、同じタイプのプラグインどうしでのみ機能します(たとえば、2 つのコンプレッサインスタンスなど)。ES2 や一部の ES2 ベースの GarageBand instruments などのプラグインは、いくつかのパラメータが共有されているため、これらのプラグインでは自由にパラメータ設定をコピー&ペーストできます。(プラグインウインドウの内容を切り替えるを参照してください。)
「設定を保存」を選択すると、現在のプラグインパラメータの値が設定として保存されます。この操作は既存の設定を上書きします。
「設定を別名で保存」を選択すると、設定に名前を付けて、フォルダの場所も指定して保存できます。「別名で保存」ダイアログで新しいフォルダを作成することもできます。
メモ: フォルダの場所(既存または新しく作成した)は、関連するプラグインのフォルダにする必要があります。たとえば、ES2 フォルダの「Lead Synths」サブフォルダに、Euro Lead という名前で設定を保存できます。
いずれかのプラグインタイプの「設定」フォルダに#default という名前で設定を保存します。
そのプラグインタイプを表示すると、このデフォルト設定が必ず読み込まれます。#default 設定は、新しいプラグイン設定を作成する際の土台にできるほか、「さまざまな調整」を行う際のバックアップ設定とすることができます。
「設定」メニューの「設定を削除」を選択します。
プラグインを設定に互換性がある別のプラグインに置き換えると、新しいプラグインは置き換えられたプラグインの設定を自動的に使用します。
たとえば、ES2 ベースの GarageBand 音源を ES2 に置き換えると、挿入した ES2 では、元の ES2 ベースの GarageBand 音源と同じ設定が使用されます。これは、ほとんどの EXS ベースの GarageBand 音源にもあてはまりますが、ハイブリッドモーフィングとハイブリッドベーシックの 2 つは例外です。
「チャンネルストリップを表示」メニューまたは「Insert を表示」メニューを使って、開いているプラグインウインドウを 2 通りの方法で割り当て直すことができます。
「チャンネルストリップを表示」メニューをクリックすると、同じプラグインを使用しているすべてのチャンネルストリップ間でプラグインウインドウを切り替えることができます。たとえば、トラック 1 と 6 に ES2 を挿入している場合、これらのチャンネルストリップを切り替えて、それぞれのトラックの ES2 インスタンスのパラメータを調整できます。
「Insert を表示」メニューをクリックすると、選択しているチャンネルストリップのプラグインスロットを切り替えることができます。たとえば、あるチャンネルストリップでイコライザと ES2 プラグインを使用している場合、この 2 つのプラグインを切り替えることができます。
プラグインパラメータは、コントロール表示とエディタ表示の 2 つの形式で表示できます。エディタ表示は、プラグインのグラフィカルインターフェイスを表示します(1 つでも存在する場合)。
コントロール表示は、プラグインのすべてのパラメータを表示します。パラメータの左には数値を設定できるフィールドと水平方向のスライダがあります。これらのフィールドは、データ値の表示と入力の両方で使用します。
プラグインウインドウのヘッダの「表示」メニューから「コントロール」または「エディタ」を選択します。
サイドチェーン入力に対応しているすべてのプラグインには、プラグインウインドウのヘッダの右側に「サイドチェーン」メニューが表示されます。このメニューから、オーディオ、入力、または Aux チャンネルストリップをサイドチェーンを介してプラグインにルーティングできます。
音源チャンネルストリップのセンドスロットをクリックし、ポップアップメニューから使用していないバスを選択します。
これにより、Aux チャンネルストリップが作成されます。
Aux チャンネルストリップの出力スロットをクリックし、ポップアップメニューから「出力なし」を選択します。
これにより、Aux チャンネルストリップの出力信号がオフになり、音が出なくなります。
音源チャンネルストリップから必要なプラグインを開き、新規作成した Aux チャンネルストリップをプラグインの「サイドチェーン」メニューから選択します。
プラグインは「サイドチェーン」メニューで選択した Aux チャンネルストリップのオーディオを処理し、自身の挿入先の音源チャンネルストリップのオーディオは処理しません。
プラグインをトリガするタイミングは、サイドチェーン入力の信号ピーク(送信された音源信号)とプラグインのしきい値パラメータの両方によって判断されます。
サイドチェーン処理の例は次の通りです:
ドラムトラックをサイドチェーン入力信号としてトリガに使用して、サスティンのかかったパッドサウンドをノイズゲートを通して送信してみます。すると、ドラムトラックの信号ピークに合わせたリズミカルなパッドサウンドが得られます。
ベースギターのチャンネルにノイズゲートを挿入し、サイドチェーンとしてキックドラムのトラックでトリガしてみます。すると、ベースギターのタイミングはキックドラムの信号に合わせて正確になります。
サイドチェーンは、ミュージックミックスとナレーターをミックスするのにも使用できます。この処理を行うには、ミックスをコンプレッサにルーティングしてから、ナレータートラックを使用してサイドチェーン処理する必要があります。このタイプの設定では、ミュージックはナレーターが話すときに音が小さくなり、話していないときは大きくなります。このエフェクトは、ダッキングとも言います。この機能を有効にするには、「Automatic Gain Make-up」または「Auto Gain」コントロール(Compressor プラグインで該当する場合)を無効にする必要があります。