トーンホイールによるサウンド生成

トーンホイールによるサウンド生成は、エアホーンやサイレンに似ています。とは言っても、回転するホイールの穴を空気が流れるのではありません。ギターと同じように、電磁式のピックアップを使ってサウンドを拾います。

トーンホイールは「歯」の付いた金属製の円盤で、これを磁気ロッドの端で回転させます。円盤の歯によって磁場に変化が起こり、誘導電圧が生じます。この電圧(トーン)をフィルタにかけ、ビブラートやエクスプレッションの効果を加えてから増幅します。

長い駆動軸(ドライブシャフト)を、同期式の交流モーターで駆動します。このシャフトには 24 個の駆動ギア(サイズは 12 種類)が接続されています。このギアがトーンホイールを駆動します。周波数は、ギア比および歯車の歯の数によって決まります。ハモンドはこの方法で、ほぼ正確な平均律のスケールを実現しました。

パイプオルガンは多重レジスタ(音栓)を備えていますが、ハモンドオルガンも同じように、それぞれのジェネレータが複数の役割を果たしています。高周波用のホイールは、高い音の基音と同時に、低い音の倍音成分も生成しています。これにより、オルガンサウンド全体にわたって、正確な音程、およびオクターブ間で音量が安定するというメリットがもたらされます。