ES2 には、音のパラメータをランダムに変化させるという、独特の機能が組み込まれています。変化させる対象を限定したり、その範囲を設定したりすることも可能です。ランダマイズによるサウンドの変化は、創造力を喚起し、新しい音作りの助けになります。また、時には楽しみも与えてくれることでしょう。
「Filter」セクションの下にある「RND」ボタンをクリックします。
ボタンを押すごとに変化が生じ、それを何度でも繰り返すことができます。
メモ: この機能は、実際の演奏時にランダムに音を変化させるというものではありません。「RND」ボタンをクリックするたびにパラメータ値をランダムに変化させる機能です。演奏時にランダムにモジュレートしたい場合は、ランダムな LFO 波形を生成し、アナログパラメータを使ってピッチの設定をランダムに変化させます。
ヒント: ランダマイズ処理によって気に入った音ができたときは、保存しておくことをお勧めします。プラグインウインドウの「設定」メニューで、設定に新しい名前を付けて保存できます。
「RND」ボタンの右にある「RND Int」スライダを使って、ランダムパラメータの変化量を設定できます。
スライダを右側に動かします。
この機能でパラメータを変化させる場合は、元の設定ファイルとは無関係に、現在の設定値を基準として値が変化します。したがって、「RND」を繰り返しクリックすれば、当初の設定からはどんどん離れていくことになります。
バリエーションを作成するたびに設定ファイルを読み込みます。必要に応じて、新しい名前を付けて保存してください。
サウンドのある部分は、すでに思い描いている通りの音質が得られている場合があります。それらの完成している部分には、手を加えたくないものです。たとえば、パーカッシブな音としての感じは思い通りのものができており、それを生かしながら音色を多少変化させてみたいとします。この場合、アタック時間がランダムに変化するのを避けるために、オシレータやフィルタに関するパラメータの変化を制限することができます。そのためには、ランダマイズの対象を「Waves」または「Filters」に設定して、エンベロープパラメータを処理対象から除外します。
メモ: マスターレベル、フィルタのバイパス、およびオシレータのオン/オフはランダマイズできません。また、ベクトルエンベロープをランダマイズする場合、「Solo Point」パラメータは「off」に設定されます。
ランダマイズするパラメータ群を、次のように制限できます:
パラメータグループ | 説明 |
---|---|
All | 前述の例外を除き、すべてのパラメータをランダマイズします。 |
All except router and Pitch | ルーターに関するパラメータと基本的なピッチ設定(オシレータでの半音単位の設定)を除き、すべてのパラメータをランダマイズします。オシレータでの微調整はランダマイズの対象です。 |
All except Vector Env | ベクトルエンベロープ関連のパラメータを除き、すべてのパラメータをランダマイズします。律動的な雰囲気はランダマイズされずそのまま残ることになります。 |
Waves | オシレータの波形およびデジウェーブのパラメータのみをランダマイズの対象とします。ほかのパラメータ(チューニング、ミキシング、ルーターを介したモジュレーション経路)は対象になりません。 |
DigiWaves | すべてのオシレータで新しいデジウェーブが選択されます。ほかのパラメータ(チューニング、ミキシング、ルーターを介したモジュレーション経路)は対象になりません。 |
Filters | ランダマイズの対象になるフィルタ関係のパラメータは、1 番および 2 番フィルタの「Filter Structure」(直列/並列)、「Blend」、「Filter Mode」、「Cutoff Frequency」、および「Resonance」です。2 番フィルタの「Fatness」および「Filter FM」もランダマイズされます。 |
Envs | 3 つのエンベロープジェネレータ(ENV 1、ENV 2、ENV 3)のすべてのパラメータがランダマイズの対象になります。ベクトルエンベロープは対象外です。 |
LFOs | 両方の LFO のパラメータすべてがランダマイズの対象になります。 |
Router | すべてのモジュレーション経路について、「Intensity」、「Target」、「via」、および「Source」の各パラメータがランダマイズの対象になります。 |
FX | エフェクト関連のパラメータすべてがランダマイズの対象になります。 |
Vector Envelope | ベクトルエンベロープ関係のパラメータすべてがランダマイズの対象になります。プレーナーパッドの X 軸、Y 軸に割り当てるモジュレーションターゲットも含まれます。 |
Vector Env Mix Pad | ベクトルエンベロープの各ポイントに対応する、オシレータのミキシング比率(三角領域の四角いアイコンの位置)がランダマイズの対象になります。モジュレーションのリズムやテンポ(各ポイントの時間パラメータ)は対象になりません。 |
「Vector Env XY Pad」オプション | プレーナーパッドの四角いアイコンの位置(ベクトルエンベロープの各ポイントに対応する)がランダマイズの対象になります。ただし、X 軸、Y 軸に割り当てるモジュレーションターゲットは含まれません。モジュレーションのリズムやテンポ(各ポイントの時間パラメータ)も対象になりません。
次のいずれかを選択して、一方向のみのランダマイズを設定できます:
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Vec Env Times | ベクトルエンベロープの各ポイントについて、時間のパラメータがランダマイズの対象になります。 |
Vec Env Structure | ベクトルエンベロープの構造がランダマイズの対象になります。これには、時間、サスティンポイント、ポイントの個数、およびループに関する、すべてのパラメータが含まれます。 |
Vec Env Shuffle Times | ベクトルエンベロープの(ループの)シャッフル時間がランダマイズの対象になります。「Loop Mode」が「Forward」または「Backward」に設定されている場合は、「Loop Smooth」の値も対象になります。 |