EXS24 サンプラー音源について

サンプラー音源とは、EXS24 mkII に読み込めるファイルのことを言います。EXS24 mkII の「Cutoff」ノブの上にあるサンプラー音源ポップアップメニューを使用してサンプラー音源を読み込みます。ここでサンプラー音源を選択すると、その音源で使用するオーディオファイルが自動的にハードディスク(またはほかのディスク)からコンピュータの RAM に読み込まれます。

サンプラー音源のファイルには、どのサンプル(オーディオファイル)を EXS24 mkII で使用し、それらをどのようにゾーングループに割り当てるのかに関する情報が格納されています。読み込んだサンプラー音源は、ソフトウェアインストゥルメントと同じように演奏したり録音したりします。EXS24 mkII ゾーンおよびグループの概要およびEXS24 サンプラー音源と設定の違いを参照してください。

EXS24 mkII ゾーンおよびグループの概要

サンプラー音源はゾーンとグループで構成されます:

  • ゾーンとは、個々のサンプル(オーディオファイル)がハードディスクから読み込まれる場所のことです。

  • ゾーンはグループに割り当てることができます。グループには、グループ内のすべてのゾーンを同時に編集できるパラメータがあります。グループは好きな数だけ定義できます。

ゾーンとグループについては、EXS24 mkII インストゥルメントエディタの概要およびそれ以降のセクションを参照してください。

EXS24 mkII は、AIFF、WAV、SDII、CAF のオーディオ・ファイル・フォーマットと互換性があります。オーディオファイルは EXS24 mkII にサンプルとして読み込まれます。各オーディオファイルは、EXS24 mkII のインストゥルメントエディタ・ウインドウで自動的にゾーンへ割り当てられます。これらのゾーンを編集、整理してサンプラー音源を作成することができます。ゾーンのオーディオファイルの使いかたについて詳しくは、EXS24 mkII のゾーンおよびグループを編集するを参照してください。

重要: サンプラー音源にはオーディオファイルそのものは含まれません。サンプラー音源には、使用するオーディオファイルのファイル名、パラメータ設定、ハードディスク上での保存場所に関する情報のみが保存されています。サンプラー音源で使用しているオーディオファイルを削除したりファイル名を変更したりすると、サンプラー音源からそのオーディオファイルを見つけることができなくなるので、そのような操作をオーディオファイルで行うときは注意してください。ただし、オーディオファイルをシステム内の別の場所に移動することは可能です。この場合、EXS24 mkII にサンプラー音源を読み込む際に移動したオーディオファイルを検索できます。

EXS24 サンプラー音源と設定の違い

サンプラー音源は、プラグインウインドウのヘッダに保存されているプラグイン設定とは別の独立した存在です。それぞれに、パラメータウインドウのパラメータ値を処理する場合の利点と欠点があります。

通常、現在のパラメータウインドウ設定は、読み込まれたサンプラー音源に保存されます。この場合、読み込まれたサンプラー音源に保存されている設定が現在のパラメータウインドウの設定によって上書きされます。新しいサンプラー音源を保存することもできます。

一方でプラグイン設定には、パラメータウインドウで行ったすべてのパラメータ調整が保存されますが、これらの設定は読み込まれるサンプラー音源とは別物です。プラグイン設定には関連する音源へのポインタが含まれているにすぎないため、設定を読み込むと割り当てられたサンプラー音源も読み込まれます。

では、サンプラー音源にパラメータウインドウの値を保存できるのに、プラグイン設定があるのはなぜでしょうか。

プラグイン設定とサンプラー音源を分離することによって、サンプラー音源をシンセサイザーの波形のように使用することができます。たとえばギターのようなエンベロープ、モジュレーション、およびフィルタパラメータの値を使用してプラグイン設定を作成することができます。そしてサンプラー音源ポップアップメニューを使用してフルートなどの音源を(既存の設定なしで)読み込み、爪弾いたりかき鳴らしたりしたようなフルートのサウンドを作ることができます。

重要: 説明したようにサンプラー音源を使うには、サンプラー音源に設定が保存されていないことが必要です。

既存のサンプラー音源から設定を取り除くには
  1. まず、「options」>「インストゥルメントを別名で保存」コマンドを使用して、目的のサンプラー音源のコピーを作成します(EXS24 mkII オプション・ポップアップ・メニューのコマンドを使うを参照)。

  2. 「options」>「インストゥルメントから設定を削除」コマンドを使用して、コピーした音源から設定を取り除きます。

    メモ: 「Logic Pro」に付属するすべてのサンプラー音源には設定が保存されているため、これらの音源をこれまでの説明のように使用する場合は、上記の手順に従う必要があります。