DeEsser は特定の周波数を対象とするコンプレッサーで、複雑なオーディオ信号の特定の周波数帯を圧縮します。これは、信号のヒス(歯擦音)を除去するために使われます。
高周波数をカットするために EQ の代わりに DeEsser を使う利点は、信号を静的にではなく動的に圧縮することにあります。これにより、信号に歯擦音が存在しない場合に、サウンドが暗い雰囲気になるのを防ぐことができます。DeEsser では、アタックおよびリリースの時間が大幅に短縮されます。
DeEsser を使用するときは、圧縮する周波数範囲(「Suppressor」の周波数)と、分析する周波数範囲(「Detector」の周波数)を別々に設定できます。この 2 つの周波数範囲は、DeEsser の「Detector」および「Suppressor」周波数範囲ディスプレイで簡単に比較できます。
周波数が「Detector」のしきい値を超過すると、「Suppressor」の周波数範囲が減少します。
DeEsser では、周波数を分離するネットワーク(ローパスフィルタとハイパスフィルタを使用したクロスオーバー)は使用されません。周波数帯を分離して減算するため、位相カーブを変えることはありません。
DeEsser ウインドウの左側には「Detector」パラメータ、右側には「Suppressor」パラメータがあります。中央には「Detector」ディスプレイおよび「Suppressor」ディスプレイと、「Smoothing」スライダがあります。