Guitar Amp Pro
Guitar Amp Pro は人気の高いギターアンプのサウンドと、それらで使用されるスピーカーをシミュレートできます。ギターの信号を直接処理して、数々の高品質なギター・アンプ・システムを通じて演奏したギターのサウンドを再現することができます。
Guitar Amp Pro は、サウンドのデザインや処理の実験にも利用できます。これは別の音源にも使うことができるため、たとえばギターアンプの音響特性をトランペットやボーカルのパートに適用することも可能です。
Guitar Amp Pro でエミュレートされているアンプ、スピーカー、EQ モデルをさまざまに組み合わせれば、音色を劇的に変えることも微妙に変えることもできます。エミュレートされているアンプとキャビネットの信号は、仮想マイクを使って取り込まれます。マイクは 2 種類から選ぶことができ、位置を変えられます。また、Guitar Amp Pro は、リバーブ、ビブラート、トレモロなどの従来のギター・アンプ・エフェクトもエミュレートしています。
「Guitar Amp Pro」ウインドウはパラメータの種類によってセクションが分かれています。
Guitar Amp Pro のモデルを作成する
アンプ「モデル」は、アンプ、スピーカーキャビネット、EQ の種類、マイクの種類で構成されています。インターフェイス上部のポップアップメニューを使って、各種のアンプやキャビネットなどを独自に組み合わせることができます。マイクの位置と種類は、左右の黄色い領域で選択します。
「Settings」メニューを使って、新しい組み合わせのアンプコンボを設定ファイルとして保存できます。この設定ファイルには、パラメータの変更内容も含まれます。
アンプモデルの作成方法については、以下のセクションで説明しています:
Guitar Amp Pro のアンプを選択する
インターフェイスの最上部近くにある「Amp」ポップアップメニューから、アンプのモデルを選択できます。
UK Combo 30W: サウンドに癖がなく、クリーントーンや張りの良いリズムパートに適しています。
UK Top 50W: 高周波数域が強いため、クラシカルなロックサウンドに適しています。
US Combo 40W: クリーンなサウンドのアンプモデルです。ファンクやジャズのサウンドに適しています。
US Hot Combo 40W: 高い中周波数域が強調されるため、ソロのサウンドに理想的なモデルです。
US Hot Top 100W: このアンプでは、「Master」設定が低くなっていても非常に厚いサウンドを出せるため、広がりのある「活気あふれた」サウンドに仕上がります。
Custom 50W: 「Presence」パラメータをゼロにセットすると、スムーズなフュージョンのリードサウンドに最適なアンプモデルとなります。
British Clean(GarageBand): ロックミュージックでは 1960 年代からからほぼ原型のまま使われてきた、クラシックなブリティッシュ A 級コンボをシミュレートします。このモデルは、クリーントーンや張りの良いリズムパートに適しています。
British Gain(GarageBand): ブリティッシュ・チューブ・ヘッドのサウンドをエミュレートし、ロック風のパワフルなリズムパートや、サスティンが豊富なリードギターに適しています。
American Clean(GarageBand): クリーントーンや張りの良いサウンドに使われる、伝統的なフル・チューブ・コンボをエミュレートします。
American Gain(GarageBand): 現代的なハイゲインヘッドをエミュレートしているため、ディストーションのかかったリズムやリードのパートに適しています。
Clean Tube Amp: ゲインが非常に低いチューブ・アンプ・モデルをエミュレートします(ディストーションは入力レベルや「Gain」/「Master」設定を大幅に上げた場合にのみ発生します)。
Guitar Amp Pro のスピーカーキャビネットを選択する
スピーカーキャビネットは、選択したアンプから引き出せるトーンの種類に大きく影響する場合があります。スピーカーパラメータは、インターフェイスの最上部近くにあります。
Guitar Amp Pro のイコライザを選択する
「EQ」ポップアップメニューとアンプ- EQ リンクボタンは、インターフェイスの最上部近くにあります。
Guitar Amp Pro のゲイン、トーン、プレゼンス、およびマスターコントロールを使う
インターフェイスの上半分に、左から右に向かって「Gain」、「Bass」、「Mids」、「Treble」、「Presence」、および「Master」ノブが V 字型に並んでいます。
「Gain」ノブ: 入力信号に適用するプリアンプ処理の度合いを設定します。このコントロールによるエフェクトは、どのアンプモデルを選択するかによって異なります。たとえば、「British Clean」アンプモデルを使用している場合は、「Gain」設定を最大にすると力強く張りの良いサウンドを出すことができます。「British Gain」アンプまたは「Modern Gain」アンプを使用している場合は、同様の「Gain」設定でも強いディストーションが生じるため、リードパートのソロに適しています。
「Bass」ノブ、「Mids」ノブ、「Treble」ノブ: EQ モデルの周波数域のレベルを調整します。実物のギターアンプにあるトーンコントロールのノブに似ています。
「Presence」ノブ: 高周波数域のレベルを調整します。「Presence」パラメータは、Guitar Amp Pro の出力(「Master」)段階にのみ影響します。
「Master」ノブ: アンプのスピーカーへの出力音量を設定します。通常、真空管アンプでは「Master」レベルを上げると、より厚みのある飽和したサウンドとなり、信号がさらに歪んで力強く(音量が大きく)なります。「Master」を高く設定すると出力が極端に大きくなり、スピーカーや聴覚を損なうおそれがあります。「Master」レベルは徐々に上げるようにしてください。Guitar Amp Pro では、「Master」パラメータで音質特性を調整し、最終出力レベルはインターフェイス下部にある「Output」パラメータで設定します。Guitar Amp Pro の出力レベルを設定するを参照してください。
Guitar Amp Pro のエフェクトセクションを理解する
エフェクトパラメータにはトレモロ、ビブラート、リバーブがあり、多くのアンプに見られるプロセッサをエミュレートしています。
ポップアップメニューを使って、トレモロ(サウンドの振幅または音量をモジュレート)またはビブラート(ピッチをモジュレート)のどちらか一方を選択できます。
リバーブはトレモロまたはビブラートエフェクトのいずれかに追加することも、単独で使うこともできます。
エフェクトを使用または調整するには、まず対応する左側のオンボタンをクリックしてオンにする必要があります。オンにすると、オンボタンは赤くなります。
メモ: 信号経路内では、「Presence」および「Master」コントロールよりも前に位置するエフェクトセクションが、プリアンプされた(マスター前)信号を受け取ります。
トレモロ、ビブラート、リバーブについては、以下のセクションで説明しています:
Guitar Amp Pro のトレモロエフェクトとビブラートエフェクトを使う
トレモロとビブラートは、エフェクトセクションのオンボタン、「FX」ポップアップメニュー、「Depth」ノブ、「Speed」ノブ、「Sync」ボタンで操作します。トレモロはサウンドの振幅または音量をモジュレートし、ビブラートはピッチをモジュレートします。
「Depth」ノブ: モジュレーションの強さを設定します。
「Speed」ノブ: モジュレーションの速度をヘルツ単位で設定します。低めに設定にすると滑らかで浮遊感のあるサウンドになり、高めに設定にすると回転翼の音のような効果を生み出します。
Guitar Amp Pro のリバーブエフェクトを使う
リバーブは、最下部近くにあるリバーブセクションのオンボタン、「Reverb」ポップアップメニュー、「Level」ノブで操作します。リバーブはトレモロまたはビブラートエフェクトのいずれかに追加することも、単独で使うこともできます。
「Level」ノブ: プリアンプ処理されたアンプ信号にかけるリバーブの量を設定します。
Guitar Amp Pro のマイクパラメータを設定する
「Speaker」メニューでスピーカーキャビネットを選択した後は、エミュレートするマイクのタイプと、スピーカーに対するマイクの位置を指定できます。「Microphone Position」パラメータは左側の黄色い領域で、「Microphone Type」パラメータは右側の黄色い領域で使うことができます。
「Microphone Position」のパラメータ
Guitar Amp Pro の出力レベルを設定する
「Output」スライダは、エフェクトセクションの下、インターフェイス最下部にあります。これは Guitar Amp Pro の最終レベルコントロールとして機能し、「スピーカー裏の」音量コントロールのようなもので、チャンネルストリップの次のプラグインスロットや、「Output」チャンネルストリップに送られる出力のレベルを設定するのに使用します。
メモ: このパラメータは「Master」コントロールとは別のもので、2 つの目的で使用されます。1 つにはサウンドデザインのため、もう 1 つにはアンプセクションのレベルを制御するためです。