Denoiser

Denoiser では、しきい値の音量レベルより小さいノイズを除去したり減衰したりすることができます。Denoiser では、高速フーリエ変換(FFT)分析を利用して音量が小さく倍音構造が比較的単純な周波数帯域を認識します。続いて、このレベルが低く複雑ではない帯域を目的の dB レベルに減衰します。Denoiser のメインパラメータを参照してください。

Denoiser を過度に用いるとアルゴリズムによる影響が現れ、たいていは元の雑音よりひどいものになってしまいます。グラスノイズの抑制と除去には、「Smoothing」セクションの 3 種類のノブを使用するとよいでしょう。Denoiser の「Smoothing」パラメータを参照してください。

Denoiser を使うには
  1. ほとんど雑音しか聞こえない部分を探し、その部分の信号が除去されるように「Threshold」の値を設定します。

  2. オーディオ信号を再生し、「Reduce」の値を設定します。ノイズが最大限除去され、該当する信号は最大限残るようにします。

  3. ノイズが生じた場合は、スムージングパラメータを使います。

Figure. Denoiser window.

Denoiser のメインパラメータ

Denoiser には以下のメインパラメータがあります:

Figure. Main parameters.
  • 「Threshold」スライダ/フィールド: しきい値レベルを設定します。このレベルを下回る信号は Denoiser によって低減されます。
  • 「Reduce」スライダ/フィールド: しきい値より小さい信号に適用するノイズの減衰量を設定します。ノイズを減衰する際は、6 dB 減衰するごとに音量レベルが半分になる(6 dB 増幅するごとに音量レベルが倍になる)ことに注意してください。

    メモ: ノイズフロアが非常に高い場合(- 68 dB 以上)、聞いてみて特に不具合がなければ、- 83 〜- 78 dB 程度にまでノイズレベルを下げれば十分でしょう。雑音が 10dB 以上、すなわち音量でいえば半分以下に減衰することになります。

  • 「Noise Type」スライダ/フィールド: 削減したいノイズのタイプを指定します。
    • 値 0 は、ホワイトノイズ(どの周波数帯にもノイズが均一に存在している状態)を表します。

    • 正の値では、ピンクノイズ(低域のレスポンスが大きいハーモニックノイズ)になります。

    • 負の値では、ブルーノイズ(テープヒスノイズ)になります。

  • グラフィックディスプレイ: オーディオ素材の最も低い音量レベル(ほとんどまたはすべてがノイズ)がどのように低下するかを表示します。パラメータの値を変更すると瞬時に反映されるため、注意が必要です。

Denoiser の「Smoothing」パラメータ

Denoiser には以下のスムージングパラメータがあります:

Figure. Smoothing parameters.
  • 「Frequency」ノブ/フィールド: 隣接する周波数に滑らかに移行するように、その値を調整します。ある周波数帯にノイズしかないことが検出された場合、「Frequency」パラメータの値が大きいほど、Denoiser は隣接周波数帯を減衰させて、グラスノイズを抑えようとします。
  • 「Time」ノブ/フィールド: Denoiser が最大の減衰率に達するまでの時間、または減衰を中止するまでの時間を設定します。これは最も単純な形式のスムージングです。
  • 「Transition」ノブ/フィールド: 隣接する音量レベルへ滑らかに移行するように、その値を調整します。ある音量の範囲にノイズしかないことが検出された場合、「Transition」パラメータの値が大きいほど、Denoiser は隣接する音量レベルの信号を減衰させて、グラスノイズを抑えようとします。