2 つのオシレータ、リングモジュレータ、およびノイズジェネレータの出力信号は、各信号経路ボタンの状態に応じて、Ultrabeat の出力セクションへルーティングされます。このルーティングは、直接、またはフィルタとディストーションセクションを経由して行われます。
信号は 2 つのイコライザ(EQ)、Pan Modulation/Stereo Spread セクション(初期設定の順番)を経由して、出力セクションに渡された後、選択したサウンドの最終レベルが設定され、トリガ動作が調節されます。
2 つのイコライザバンドは、ほぼ同一の機能を備えています。パラメータについては一緒に説明しますが、「band 1」(出力セクションの下部の EQ)と「band 2」は個別に調節できます。
「band 1」はローシェルビング EQ を、「band 2」はハイシェルビング EQ を使用できます。
シェルビングモードは、上側の EQ タイプボタンをクリックすると有効になり、設定周波数より高い、または低い周波数は、すべて増加または減少します。
ピークモードは、下側のボタンをクリックすると有効になり、設定した周波数付近の周波数だけが影響を受けます。
メモ: シェルビング EQ は、シンセサイザーのローパスフィルタおよびハイパスフィルタと同じように動作します。主な違いは、ローパスおよびハイパスフィルタは特定の周波数を抑制する(フィルタ除去する)だけですが、シェルビング EQ は対象の周波数を増幅することもできます。
Option キーを押しながらゲインノブをクリックすると、ニュートラルの位置に設定されます。ゲインノブの上にある小さな「0」の文字をクリックしても、同じ結果が得られます。
Option キーを押したまま「Hz」パラメータをクリックすると、値がニュートラル位置に設定されます。「Hz」パラメータで選択できる最初のバンドは 200 Hz、2 番目のバンドは 2000 Hz です。デフォルトの周波数は、周波数帯域ごとに異なるシェルビング特性に従って選択さています。「band 1」は低周波数を、「band 2」は高周波数をフィルタリングするように設計されています。
シェルビングフィルタを使用する場合、Q 値が大きくなると、スレショルド周波数付近の帯域がより強調されます。
ピーク EQ を使用する場合、Q 値は、選択した周波数帯域の幅によって決まります:Q 値が低いと、ゲインコントロールを使った増幅または低減の対象として広い帯域が選択され、Q 値が高いと、非常に狭い帯域が選択されます。
各 EQ バンドは、周波数応答カーブのパラメータ変化を表示します。このディスプレイによって、各バンドのゲイン、「Hz」、「Q」の各パラメータにただちにアクセスできます。
左右にドラッグすると、EQ 周波数が変更されます。
上下にドラッグすると、ゲインが変更されます。
EQ カーブのピーク(最大点)で表示されるハンドルをドラッグすると、Q 値が変更されます。
EQ の出力信号は、Pan Modulation/Stereo Spread セクションへ渡されます。このセクションでは、ステレオ空間のサウンドの配分をモジュレートしたり(「Pan Modulation」モード)、サウンドのステレオ空間を広げたり(「Stereo Spread」モード)することができます。
「Pan Modulation」は、「mod」(および「via」)のソースに応じてドラムサウンドのパン位置をさまざまに変化させます。
メモ: ここで設定したモジュレーションは、Ultrabeat のアサインメントセクションのミキサーで設定したパン位置と関連しています。
メモ: このセクションに表示されたパン位置を表す赤線は、直接動かすことはできません。この線を動かすには、ミキサーセクションのパンノブを回転させます。
「voice volume」ノブを使って、個々のドラムサウンドの出力音量を調節します。厳密に言えば、「Env 4」を使用して、「Env 4」のアタックフェーズ後に選択したドラムサウンドの最大レベルを設定していることになります。
メモ: 4 番エンベロープ(Env 4)は常に「voice volume」につながっており、選択したサウンドのレベルを制御します。キット内の各サウンドにはこのほかに 3 つのエンベロープとその他のモジュレーションソースがあり、ほかの合成パラメータを制御するために使用できます。
「voice volume」に対する 4 番エンベロープの強さは、「via」のソースによってモジュレートできます。
メモ: 「voice volume」は、ミキサーのスライダによる操作より先に行います。この方法によって、個々のドラムサウンドの初期音量を、ドラム・キット・ミキサーの相対レベル(アサインメントセクションのミキサーで調整します)から独立して設定できます。
Ultrabeat が連続して受け取るノートの処理方法は、サウンドごとに定義されます。Ultrabeat によるこの処理を制御できるパラメータは、「voice volume」ノブの下のトリガ・モード・セクションにあります。
この機能が一般的に使用されるのは、ハイハットサウンドをプログラミングする場合です。実際にハイハットを再生すると、オープンハイハットの派手な響きは、クローズハイハットのノートによってカットオフまたはミュートの状態になります。この機能は通常ハイハットモードと呼ばれます。
メモ: 「Single Trigger」モードの場合、同じサウンドの現在再生中のノートだけがカットオフされます。グループに割り当てられたサウンドにより、グループ内のほかのすべてのサウンドが、ノートの違いにかかわらずカットオフされます。
メモ: ゲート機能を使用すると、ノートオフイベント後、ホストシーケンサー(「Logic Pro」など)や Ultrabeat の内蔵シーケンサーで特定のサウンドが再生されなくなります。リズムトラックをプログラミングするときは、ノートの長さが重要かつクリエイティブな要素となることがあります。