はじめに

概要

このガイドでは、Apple Books で利用できるすべてのメディアとファイルのデリバリに関する情報を紹介します。具体的には EPUB 3 の制作に関する基本要件と、EPUB のさまざまなスタイルと機能のガイドラインについて説明します。

このガイドに加えて、Apple ブックガイドページの「ブックを準備する」セクションで参照用に 2 つのサンプル EPUB ファイルが掲載されています。

  • リフロー型ブックの例:Apple Books EPUB の例

  • 固定レイアウト型ブックの例:Apple ブックスの固定レイアウト EPUB の例

注記: Apple Books アセットガイド 5.3 以降は、EPUB 3 ファイルのみを対象としています。EPUB 2 の情報については、インターネットアーカイブ EPUB 2 のページを参照してください。

本リリースでの変更点

日付/バージョン

変更履歴

2023 年 9 月 - バージョン 5.3

EPUB 3.3 仕様の更新。

Apple Books アセットガイド 5.3 の変更点

EPUB 3.3 仕様

このエディションには、EPUB 3.3 仕様をサポートする重要な更新が含まれています。このエディションでは、EPUB 2 仕様への参照が削除されています。

Multi-Touch ブック

このエディションでは、マルチタッチブック (.ibooks) のサポートが削除されます。

デジタルブックの要件

デジタルブックの概要

Apple Books は、Pages やその他の他社製ツールで作成できる EPUB ファイル (.epub) のブックをサポートしています。

EPUB

Apple Books は EPUB 3.3 仕様をサポートしており、以前のバージョンの EPUB 3 と下位互換性があります。EPUB 3 仕様は、フローリングおよび固定レイアウト型ブックを作成するために使用されます。

  • リフロー型ブックは、テキストコンテンツを主とするブックに適しています。リフロー型ブックのテキストは、ユーザがサイズを変更でき、使用する画面サイズに合わせてテキストが再配置されます。コンテンツ自体の拡大・縮小は必要ありません。また、画像、オーディオ、ビデオ、およびインタラクティブ機能に対応しています。

  • 固定レイアウト型ブックは、精細な設計やレイアウトが必要とされるブック向けに作成できます。固定レイアウト型ブックは、フルブリード画像、オーディオ、ビデオ、インタラクティブ機能、読み上げ機能をサポートします。読み上げ機能は、ブックのテキストにナレーターの音声を設定できるようにするものです。

EPUB バージョン 3 の構造

EPUB 3 の構造の概要

EPUB 3 仕様:World Wide Web Consortium (W3C) EPUB 3 のページを参照してください。

EPUB 3 パッケージを解凍すると、1 つのファイルと 2 つのフォルダが表示されます。

  • ファイル:MIME タイプ

  • フォルダ:META-INF、OEBPS

OEBPS フォルダの中身

META-INF フォルダには、ブックのメタデータ情報が含まれています。複数のファイルを含めることができますが、container.xml ファイルは必ず 1 つ含める必要があります。このファイルは、EPUB パッケージの残りのファイルの処理方法を Apple Books に示すためのものです。詳しくは「コンテナ (container.xml)」を参照してください。

Open eBook Publication Structure (OEBPS) フォルダーには、ブックのコンテンツ、メタデータ、スタイル、および目次が含まれています。OEBPS フォルダーで、次の操作を行います。

  • パッケージドキュメント(.opf)には、メタデータ、マニフェスト、スパインなど、ブックに関する情報がすべて含まれています。詳しくは「パッケージドキュメント(.opf)」をご覧ください。

  • ナビゲーションドキュメント (toc.xhtml) には、ブックのナビゲーション方法や、目次、ランドマーク、ページリストなどの情報が含まれています。詳しくは「ナビゲーションドキュメント」をご覧ください。

次に、構造の各要素とその要件について説明します。

コンテナ (container.xml)

コンテナファイル (container.xml) は、主にパッケージ (.opf) ドキュメントへの参照が含まれています。

<?xml version="1.0"?><container version=“1.0" xmlns="urn:oasis:names:tc:opendocument:xmlns:container"> <rootfiles> <rootfile full-path="OEBPS/content.opf" media-type="application/oebps-package+xml"/> </rootfiles></container>

パッケージドキュメント(.opf)

EPUB 3 仕様:「パッケージドキュメント」を参照してください。

パッケージドキュメントには、メタデータ、マニフェスト、順序設定を含め、ブックに関する情報が含まれています。また、使用する EPUB のバージョン (バージョン 2 または 3) も定義しています。 EPUB 3 を使用するには、バージョンを 3.0 とする必要があります。

<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf"unique-identifier="bookid" version="3.0">

Metadata(メタデータ)

EPUB 3 仕様:「メタデータ」セクションを参照してください。

ブックに関するメタデータを含めることができます。少なくとも以下の項目を含める必要があります。

  • タイトル

  • ID

  • 言語

  • 更新日(最後にブックを変更した日付)

<metadata xmlns:opf="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"> <dc:title>Flowing Book</dc:title> <dc:identifier id="bookid">1234567890</dc:identifier> <dc:language>en</dc:language> <meta property="dcterms:modified">2023-06-01T01:00:00Z</meta> </metadata>

Manifest(マニフェスト)

EPUB 3 仕様:「マニフェスト」セクションを参照してください。

<manifest> は、すべてのコンテンツドキュメント、CSS、フォント、画像など、ブックを構成する各ファイルリストです。 properties 属性は、ブックのナビゲーションドキュメントおよびカバー画像を特定するのに使用します。

<manifest> <item id="cov" href="cover.xhtml" media-type=“application/xhtml+xml"/> <item id="tit" href="titlepage.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/> <item id="ch1" href="chapter1.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/> <item id="ch2" href="chapter2.xhtml" media-type=“application/xhtml+xml"/> <item id="end" href="endnotes.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/> <item id="bib" href="bibliography.xhtml" media-type="application/xhtml+xml"/> <item id="cht" href="chart.xhtml" media-type=“application/xhtml+xml"/> <item id="css1" href="stylesheet.css" media-type="text/css"/> <item id="font" href="fonts/font.ttf" media-type="application/x-font-ttf"/> <item id="toc" href="toc.xhtml" media-type="application/xhtml+xml" properties="nav"/> <item id="img1" href="cover-img.jpg" media-type="image/jpeg" properties="cover-image"/></manifest>

Spine(スパイン)

EPUB 3 仕様:「スパイン」セクションを参照してください。

<spine> は、ブックのコンテンツドキュメントの一方向の読み順を定義するリストです。 リストの最初の項目は、ブックの最初の項目になります。

<spine> <itemref idref="cov"/> <itemref idref="tit"/> <itemref idref="ch1"/> <itemref idref="ch2"/> <itemref idref="end" linear="no"/> <itemref idref="bib"/> <itemref idref="cht" linear="no"/></spine>

非線形コンテンツ(linear="no")は、メインコンテンツを補足する内容のもので、ブックの読み順とは関係ないドキュメントです。たとえば、非線形コンテンツには、グラフ、表、レビュー回答などがあります。詳しくは「非線形コンテンツ」をご覧ください。

ナビゲーションドキュメント

EPUB 3 仕様:「ナビゲーションドキュメント」を参照してください。

ナビゲーションドキュメント内の要素は、HTML5 の <nav> 要素を使用して作成されます。 それぞれのナビゲーション機能は同じ <nav> 要素構造を使用して作成されるため、nav 構造の使用目的を特定するために、epub:type 属性も含める必要があります。 ナビゲーションドキュメントはコンテンツドキュメントでもあり、そのためブックのページ内に表示できます。

ナビゲーション構造には、目次、ランドマーク、およびページリストが含まれます。

  • すべての書籍に目次が必要です。

  • ランドマーク構造は、カスタムサンプルを提供しない固定レイアウト型ブックに対しては必須となります。

  • ページリストは、どちらの形式でもオプションとなります。

Table of Contents(目次)

EPUB 3 仕様:「toc nav 要素」を参照してください。

Apple Books の主目次は、nav 要素に "toc"epub:type 値を指定して作成します。読者は目次を使用してブック内の重要な位置に移動します。パブリッシャーの方で、各エントリにページ番号を定義することはしません。異なるフォントや画面サイズに応じて、Apple Books がページ番号を算出します。

<nav epub:type="toc"> <ol> <li><a href="chapter1.xhtml">Chapter 1</a> <ol> <li><a href="chapter1.xhtml#figure1">Figure 1</a></li> </ol> </li> <li><a href="chapter2.xhtml">Chapter 2</a></li> </ol></nav>
リフロー型ブックの目次イメージ

Landmarks(ランドマーク)

ランドマーク構造は、表紙や参考文献など、ブック内の主要なコンポーネントファイルを定義したものです。nav 要素に "landmarks"epub:type 値を指定して作成します。Apple Books はブックのサンプルを切り出すときに、ランドマークを参照します。ランドマーク nav は、固定レイアウト型ブックでカスタムサンプルを提供しない場合に必要になります。

また、ランドマークは、リフロー型ブックの開始ページを定義するためにも使用されます。開始ページとは、ブックを最初に開いたときに読者が目にする最初のページです。Apple Books は "ibooks:reader-start-page"epub:type 値を含む最初のランドマーク項目を開きます。この値がランドマークナビゲーション構造に指定されていない場合は、次の epub:type ランドマーク値のいずれかを含む最初のスパイン項目を開きます。

  • bodymatter(本文)

  • acknowledgements(献辞)

  • dedication(献辞)

  • epigraph(題辞)

  • foreword(前書き)

  • preface(序)

  • introduction(前書き)

  • frontmatter(先付)

パッケージ内では、1 つの "landmarks"nav 要素のみが実行可能です。

ランドマーク構造は epub:type 属性を使用して、<nav> 要素およびそこに列挙されるドキュメント機能を識別します。 Apple では、ブック内の主要ファイルをすべて特定しておくことを推奨します。必須の epub:type 属性は、href 属性が参照する発行コンポーネントを記述します。epub:type 属性の値は大文字と小文字が識別されます。Apple は、ブックの最初の章に、"bodymatter"epub:type の値で、適切なタイプでタグ付けされた ("toc""titlepage""epilogue""preface" など) その他すべての epub:type 属性とともにラベル付けすることを推奨します。ランドマーク <nav> ブロック内では、各タイプに 1 つの epub:type 属性のみが許可されます。たとえば、"bodymatter" タイプの複数の epub:type 属性は許可されません。epub:type で使用できる値については、「EPUB 3 Structural Semantics Vocabulary」を参照してください。

ランドマークの例

<nav epub:type="landmarks"> <ol> <li><a href="coverpg.xhtml" epub:type="cover">Cover</a></li> <li><a href="titlepg.xhtml" epub:type="titlepage">Title Page</a></li> <li><a href="chapter.xhtml" epub:type="bodymatter">Start</a></li> <li><a href="bibliog.xhtml" epub:type="bibliography">Bibliography</a></li> </ol></nav>

page-list を使用したページマッピング

epub:type="page-list" 属性を使用する <nav> 要素は、物理的なブックのページに対応する EPUB 内のページを指定する手段を提供します。 これは特に、教室で先生が特定のページを開くよう生徒に指示する場合などに便利です。 オプションの epub:type="page-list" 属性を使用して、空の文字列を特定のページに定義し、番号付けされないようにすることもできます。 ページ番号には、ローマ式数字 (i、ii、iii)、文字 (a、b、c)、または番号 (1、2、3) も定義できます。 数字や単一文字以外のものを使用する場合は、有意で短い形式となるようにし、画面上で見えない部分がないことを必ず確認してください。

EPUB 3 の page-list のイメージ

page-list の例

ページリストはリフロー型と固定レイアウト型のブック両方にサポートされます。以下に、epub:type="page-list" を使用したページナビゲーションの例を示します。

<nav epub:type="page-list"> <h1>Pages</h1> <ol> <li><a href="cover.xhtml#coverpage">cover</a></li> <li><a href="titlepage.xhtml#titlepage">title</a></li> <li><a href="chapter1.xhtml#p01">i</a></li> <li><a href="chapter1.xhtml#p02">ii</a></li> <li><a href="chapter1.xhtml#p03">iii</a></li> <li><a href="chapter1.xhtml#p04">iv</a></li> <li><a href="chapter2.xhtml#p05">5</a></li> <li><a href="chapter2.xhtml#p06">6</a></li> <li><a href="chapter2.xhtml#p07">7</a></li> <li><a href="chapter2.xhtml#p08">8</a></li> <li><a href="endnotes.xhtml#p09">notes</a></li> <li><a href="bibliography.xhtml#p10">10</a></li> </ol></nav>

EPUB 3 の機能

EPUB 3 の機能の概要

このセクションでは、EPUB 3 ブックでサポートされる以下の機能について説明します。

  • ポップアップ形式の脚注

  • ページ送りの向き

  • テキストの向き

EPUB 3 でサポートされるその他の機能には、オーディオやビデオの埋め込み、朗読 (固定レイアウト型ブック)、インタラクティビティがあります。これらについては、このガイドの別のセクションで説明しています。

これらの機能に加え、プレゼンテーション MathML もサポートされます。詳細については、「W3C Math Home」を参照してください。

ポップアップ形式の脚注

EPUB 3 リフロー型のブックおよび固定レイアウト型のブックでは、任意の epub:type 値でフットノートをラベル付けすることにより、ポップアップフットノートを作成することができます。次の 2 つの要素を用いてポップアップフットノートを作成することができます。アンカー (<a>) 要素はポップアップをトリガーします。<aside> 要素はフットノートのテキストを格納します。両要素には epub:type 属性があり、それぞれの目的を識別します。epub:type="noteref" はポップアップをトリガーし、epub:type="footnote" はフットノートのテキストを示します。

リフロー型ブックの脚注

下の例では、アンカー要素 (<a>) が 2 つの属性を持ちます。 epub:type="noteref" およびポップアップのテキストを格納する要素の位置を参照するリンクです。

ポップアップのテキストを格納する <aside> 要素にも 2 つの属性があります。

  • id="myNote" はそれを参照するリンク内の href 属性の値に一致する値

  • epub:type="footnote"

<aside> 要素には footnoteepub:type があるため、そのテキストは、ブックの本文内では非表示になります。 テキストは、ポップアップのコンテキスト内でのみ読み手に見えるようになります。

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops">. . .<p> <a href="chapter.xhtml#myNote" epub:type="noteref">1</a></p><aside id="myNote" epub:type="footnote">Text in popup</aside>. . .</html>

注記: epub:type 属性の使用には、xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops<html> 要素に含めることが必要とされます。

対象のブックが右から左へなど特定のテキストの向きを必要とし、かつフットノートのテキストの向きを合わせたい場合は、フットノートのテキストを <p> 要素にラップし、テキストの向きを指定するスタイルを追加します。

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops"> . . .<p> <a href="chapter.xhtml#myNote" epub:type="noteref">1</a></p><aside id="myNote" epub:type="footnote"><p style="direction:rtl">Text in popup</p></aside>. . .</html>

注記: EPUB 3 のブックにポップアップ形式の脚注を追加する際に、<aside> エレメントを、<div> エレメントまたは <p> エレメントに置き替えることができます。脚注を非表示にする場合は、<aside> エレメントを使用し、通常の読書ビューに脚注を表示する場合は、<div> エレメントまたは <p> エレメントを使用します。<div> または <p> を使用した場合、ユーザが脚注のリンクをクリックすると、コンテンツがポップアップ形式で表示され、脚注もページ上のテキストの一部として表示されます。

ページ送りの向き

Apple Books のページ送りの向きは、デフォルトで左から右です。ただし、日本語や中国語のような一部の言語では、右から左にページを送る場合があります。Apple Books 3.0 以降では、両方向のページ送りの向きをサポートしています。ページ送りの向きの定義は、OPF の <spine> 要素に page-progression-direction を使用することで行います。page-progression-direction 属性はグローバル属性であるため、これによってブック全体のページ送り順が決まります。指定できる値は、"ltr" (左から右)、"rtl" (右から左)、および "default" です。"default" を指定した場合や属性を指定しなかった場合は、Apple Books がレンダリングの向きを選択できます。

<spine page-progression-direction="ltr"> <itemref idref="cov"/> <itemref idref="tit"/> <itemref idref="ch1"/> <itemref idref="ch2"/> <itemref idref="end" linear="no"/> <itemref idref="bib"/> <itemref idref="cht" linear="no"/></spine>

テキストの向き

Apple Books では、EPUB 3 標準の dir 属性で説明されているように、<package> 要素の dir 属性で定義された、右から左と左から右の両方のテキスト方向がサポートされています。

EPUB 3 標準の説明にあるとおり、Apple Books は CSS 3 Writing Mode を使用した縦書きと横書き両方のテキストの向きをサポートしています。テキストの向き (縦書きおよび横書き) は CSS の writing-mode プロパティで定義します。writing-mode は、下位要素で設定するのではなく、<body> または <html> 要素で設定する必要があります。サポートされる値は、horizontal-tb(横書きで上から下)、vertical-rl(縦書きで右から左)、および vertical-lr(縦書きで左から右)です。1 つのコンテンツドキュメントで使用できる writing-mode の値は 1 つのみです。ブックの中に横書きと縦書きの両方のテキストを含めたい場合は、コンテンツドキュメントごとに適切なテキストの向きを指定する必要があります。

html {-epub-writing-mode: vertical-rl;}

重要: macOS または iOS で提供される日本語フォントを使用したい場合は、読者の環境に事前にインストールされていることが前提となるため、ヒラギノ角ゴ ProN およびヒラギノ明朝 ProN を使用することを強くお勧めします。游ゴシック体、游明朝体、ヒラギノ丸ゴ ProN を使用する場合は、読者が Apple Books のフォントメニューからフォントをダウンロードして、これらのフォントを使用可能な状態にする必要があります。

日本語や中国語などの縦書きテキストのスクロールについての詳細は、リフロー型ブックのスクロールを参照してください。

注記: Tatechuyoko は、CSS プロパティの -webkit-text-combine ではなく、CSS プロパティの writing-mode で作成する必要があります。 下記の Tatechuyoko のセクションを参照してください。

Apple Books メニューの目次を水平方向ではなく垂直方向にレンダリングする必要がある場合は、ナビゲーションドキュメントの目次にテキストの方向を指定する必要があります。

縦中横

垂直方向のテキストには、Tatechuyoko と呼ばれる、短い水平方向の数字列またはラテン語系テキスト文字列を含めることをお勧めすることがあります。 Tatechuyoko で作成する場合、CSS プロパティの -webkit-text-combine を使用する必要があります。 例:

CSS 内では次のように指定します。

.number {-webkit-text-combine: horizontal;}

HTML ページ内では次のように指定します。

<span class="number">50</span>

言語

制作するブックの言語は、次の 2 か所で定義する必要があります。

  • OPF の metadata セクション

    <metadata xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" >...<dc:language>en</dc:language>...</metadata>

    言語の略号は、言語サブタグレジストリ (http://www.iana.org/assignments/language-subtag-registry) に記載されています。

  • Apple に提供するメタデータ内(Apple に提供する言語メタデータは OPF で指定する言語と同じである必要があります)。

注記: 中国語のブックでは、言語コードの言語(zh)と字体(Hans または Hant)の両方を指定する必要があります。簡体字中国語の言語コードは zh-Hans、繁体字中国語のコードは zh-Hant です。このコードは、ブックの OPF ファイルとメタデータの両方に <language> タグを使用して指定します。<language> タグの詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様Apple Books の注釈付きのメタデータ XML ファイルを参照してください。

言語に適したフォントの埋め込み

Apple Books では、iOS のシステムフォント経由でさまざまなフォントを選択できます。一部の言語では、より広範なフォントライブラリを必要とするものもあります。制作中のブックでより広範なフォントライブラリが必要な場合は、フォントを埋め込むことができます。EPUB 3 のリフロー型ブックおよび固定レイアウト型ブックの詳細については、ブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください。

ブックのバージョン設定

ブックのバージョン設定の概要

ブックアセットにバージョン番号を付けると、「バージョン指定」のブックになります。バージョン文字列は、ブックアセットのパッケージドキュメントの meta 要素内で提供されます。

新しいブックの場合、バージョン管理はオプションです。バージョン番号を使用していた以前に出版されたブックは、引き続きバージョン番号を使用する必要があります。

注記: サンプルアセットはバージョン管理できません。バージョン番号を含むサンプルファイルは配信がブロックされます。サンプルは、ソースアセットのバージョン番号を引き継ぎます。以前のバージョンのブックにカスタムサンプルが含まれていて、代替サンプルを提供しない場合は、古いサンプルが使用されます。以前のバージョンのブックにカスタムサンプルが含まれておらず、提供していない場合は、新しいサンプルが生成されます。

EPUB でのブックのバージョン設定

バージョン番号を送信するには、OPF ファイルの <package> 要素に次の prefix 属性を含めます。

<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" unique-identifier="bookid" version="3.0"   prefix="ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/">

注記: 上記の prefix の例では、ibooks:http:// 間のスペースが重要で、単一の通常のスペース文字である必要があり、改行、区切りではないスペース、あるいはいずれかの種類の空白文字であってはなりません。

ブックのバージョン文字列は、パッケージドキュメントの meta 要素内で指定されます。 meta 要素には "ibooks:version" のプロパティ値があります:

<meta property="ibooks:version">1.1.2</meta>

また、メタデータの XML デリバリで <version_whats_new> タグを使用して、アップデート版に加えられた変更点についての説明文を提供する必要があります。詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様注釈付きのブックのバージョン設定メタデータ XML ファイル を参照してください。

注記: ブックの新規バージョンを作成する場合は、ブックの異なるバージョン間でも OPF の idrefs が常に同じコンテンツを参照するべきであることに注意してください。 たとえば、ID "html9" は、HTML ファイルの実際の名前または順序設定の要素の順序が変更される場合でも、両方のブックのバージョンの同一の章を参照するものとします。 idrefs を同一に保つことにより、ブックの 1 つのバージョン内のある章に読者がつけた注釈は、新規バージョンに同期化される場合でも、適切な章に表示されます。 idrefs を同一に維持しない場合、注釈が新規バージョンで異なる章に適用されることになります。

バージョン番号

通常、バージョン番号の 1 つ目の数字は大幅な改訂を表します。2 つ目の数字はいくつかの変更や新しい情報を含んだ改訂、3 つ目の数字は誤字脱字や書式設定の問題の修正など、小さい改訂を示すのに使用されます。

例:書籍の最初のバージョンが 1.0 だった場合

  • その後のマイナーリビジョンは 1.0.1 になる可能性があります

  • より実質的な改訂は 1.1 になる可能性があります

  • 合計書き換えは 2.0 になる可能性があります

バージョン番号を指定する場合

  • バージョン番号を使用していた以前に出版されたブックは、引き続きバージョン番号を使用する必要があります。更新プログラムを発行するときに、新しいバージョン番号を入力します。

  • ドット区切りの整数を使用してください。最高で 2 つのドット、3 つの部分、各部 4 桁です。 例: 1111.1111.1111

  • 1.10 は 1.9 よりも大きいとみなされます。

  • 最初のゼロは無視されます。 1.01 は 1.1 とみなされます。

  • 数字以外の文字は使用できません。

  • ブックをアップデートするたびに、少なくとも右端のバージョン番号を変更する必要があります。

  • Apple Books に配信される最初のアセットにはバージョン 1.0 を使用することをお勧めします。バージョン番号は消費者向けであり、消費者への更新プログラムの配信を管理することを目的としています。必要に応じて将来のバージョンをインクリメントします。

ブックのカバーアート

  • ブックのカバーアート (外部カバー画像) とは Apple Books で表示されるものを指します。マーケティング画像とも呼ばれ、ブックアセットと一緒にデリバリします。ブックアセットの一部であるカバー画像 (内部カバー画像) とは異なります。内部カバー画像サイズの上限は、ブック内部の他の画像と同様で 560 万ピクセルです。

  • ブックのカバーアートは RGB カラーモードを使用する必要があり、また短い方の軸で少なくとも 1400 ピクセルとなるものとします。 最良の結果を得るためには、最低 300 dpi の画像を使用することが推奨されます。

  • ブックのカバーアートファイルは、.jpg または .jpeg の拡張子を持つ高品質な JPEG、あるいは .png の拡張子を持つ PNG でなければなりません。

  • ブック内部の画像に対する 560 万ピクセルのサイズ制限は、ブックアセットと一緒にデリバリする外部カバー画像 (マーケティング画像) には適用されません

  • 重要:イメージサイズの最小基準を満たすために小さいイメージを拡大して使用しないでください。過度に不明瞭なイメージや、ドットが荒いイメージは却下されます。

ブック制作の推奨事項

表現およびスタイル設定

ブックを制作する際の表現に関する推奨事項は以下のとおりです。

改行

コンテンツ領域の境界でテキストがクリップされないようにするには、長い単語、特にリンクされたテキストや見出しにソフトハイフンを挿入します。ソフトハイフンの詳細については、HTML 4.01 仕様の「テキスト」セクションを参照してください。

改ページ

改ページは、リフロー型のブックでサポートされています。章区切りのしるしとして改ページを配置する場合は、page-break-beforeで章の始めに区切りを設定するのではなく、page-break-after を使用して章の終わりに区切りを設定します。この修正により、目次に関する動作性能が改善されます。

改ページが要素の前または後に挿入される必要があることを示すために、CSS でのスタイルを page-break-before または page-break-after プロパティを使用して設定します。 そのようなプロパティに対する許容値は次のとおりです。

  • auto: 必要に応じて要素の前または後に改ページを挿入します

  • always: 要素の前または後に改ページを挿入します

次に、見出し 1 としてスタイル設定されたすべてのテキストの前に改ページを追加する CSS スタイルの例を示します。

h1{page-break-before:always;}

ダークテーマ向けにカスタムできるテキストの色

読者がダークテーマを選択した場合に、カスタムされたテキストの色を利用できるようになりました。ダークテーマ向けにカスタムされたテキストの色を Apple Books で表示させるには、class="ibooks-dark-theme-use-custom-text-color" を使用してください。

以下は、ダークテーマ向けにカスタムされたテキストの色を利用する方法の例です。

<html> <head> <style> :root { color-scheme: light dark } @media (prefers-color-scheme: dark) { p { color: white; } code { color: oldlace; } code.comment { color: aquamarine; } code.keywork { color: darkorchid; } code.text { color: gray; } code.variable { color: deepskyblue; } } @media (prefers-color-scheme: light) { p { color: black; } code { color: darkslategray; } code.comment { color: green; } code.keywork { color: magenta; } code.text { color: gray; } code.variable { color: dimgray; } } </style> </head> <body> <!-- Other content --> <div id="content" class="main"> <h3>Main Content Heading</h3> <p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.</p> <!-- The following DIV uses custom text colors with dark themes. --> <div id="code-sample-1" class="ibooks-dark-theme-use-custom-text-color"> <p>Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.</p> <code> <code class="comment">// Source Code Comment Line </code> <br/> <code class="keyword">function</code> <code class="variable">function-name</code>() { <code class="keyword">return</code> <code class="variable">variable-name"</code> ; } </code> </div> </div> </body></html>
  • 読者がダークテーマを選択すると、コンテナ内の子要素は指定された色を継承します。

  • class="ibooks-dark-theme-use-custom-text-color" を指定しない場合、読者がダークテーマを選択した際に Apple Books は白色のテキストを使用します。

ブックの裏表紙

  • HTML ブック内カバーページの背景色は未定義とします。 色を指定してしまうと、カバーページのカバー画像周囲に不均一な、暗めの境界が表示されることがあります。

ブック内部の画像の要件

画像を準備する際には、以下の点に留意してください。

  • すべての画像をデジタル形式で準備し、テキストを含めないようにする必要があります。テキストはすべて HTML を使用して作成する必要があります。画像にテキストを埋め込むと、多くのカスタマーから苦情が出るような問題が発生します。たとえば、辞書機能が使えない、テキストを検索できない、または VoiceOver 機能を使用しているユーザがブックにアクセスできなくなるなどです。そのため、テキストが埋め込まれたイメージを使用するブックは、Apple Books での販売が却下されます。

  • .jpg または .jpeg の拡張子を持つ JPEG (品質制限なし) または .png 拡張子を持つ PNG。

  • RGB(画面標準)。

    注記: ブックイメージの色空間を sRGB に設定することをお勧めします。この色空間は、ハードウェアで最適に機能します。

  • いずれかの透明な領域のある画像は、PNG フォーマットとし、できれば、WebKit PNG マスク付きの JPEG を使用するものとします。 透過性のない画像は JPEG とします。

  • 必ずブックをナイトモードでプレビューしてください。ナイトモードでは、画像の透明な領域は黒になります。透明な画像内に暗めのテキストがある画像の場合、そのテキストはナイトモードで判読困難になることがあります。白色背景の JPEG の使用が推奨されます。

  • EPUB で使用する画像は 560 万ピクセル以下とします。この制限値を超えない範囲で、想定される表示サイズの 1.5 倍以上の画像を使用することが推奨されます。ブック内部用の画像ファイルが 560 万ピクセルを超えていないか判断するには、画像の高さと幅を掛け合わせてください。

    • リフロー型の EPUB ブックでは、多数の画面サイズの適用性を維持するため、ビューポート単位で画像サイズを設定することが推奨されます。 例:

      • HTML:

        <img src="images/bears.jpg" alt="three bears peer at Goldilocks"/>
      • CSS:

        img { height: 50vh;}
  • 画像は HTML 内で img タグを使用して定義するものとします。 寸法および配置などのスタイルは CSS で定義するものとします。

  • コンテンツ内画像の適切な表示を確保するため、svg:image に画像をラッピングするのではなく、HTML imgタグを使用してください。

  • 推奨される最大サイズは、エンコードされていないイメージデータで、XHTML ファイル 1 つにつき約 10 MB です。

  • アクセシビリティのために、イメージに alt 属性を含める必要があります。値にはイメージの代わりとなる適切なテキストを記述する必要があります。Alt テキストは、HTML の <img> タグ内に含まれているイメージ要素のattributeを表すものです。テキストを記述するには、src(イメージソース)の後に alt 属性を配置し、イメージを説明するテキストを引用符で囲んで挿入します。テキストは、イメージがない場合に、そこに表示されるとつじつまが合うような文言にする必要があります。次に例を示します。

    <p>The hillside was covered in poppies.<img src="images/page1/flowers.jpeg"alt="The poppies are red, orange, and yellow, and a winding path leads to a house.">A dog was asleep on the porch.</p>

    以下の例はあまり有効ではありません。alt テキストが画像をテキスト的な置き換えになるものではなく、単に画像を示すものになっています。 画像なしで読む場合、上記の例も、そのテキストも表示されません。

    <p>The hillside was covered in poppies.<img src="images/page1/flowers.jpeg"alt="A bunch of poppies and a house.">A dog was asleep on the porch.</p>

    次のような alt 属性も許容されません: alt="none"alt="nothing"alt="image"、または alt="page 3". alt 属性の省略も許容されません。 装飾画像で、内容や意味を持たないものの場合、属性 alt="" は許容されます。

  • 最終的なイメージアセットは、ImageOptim(無償のオープンソース最適化ツール)などのツールを使ってイメージを最適化することをお勧めします。

外字

外字とは、文字セットやフォントセットにない文字を表す、小さなインライン画像を指します。外字は通常、現在は使用されなくなった日本語の古い記号や文字に使用されます。画像については、ページに収まるように Apple Books 側でそのサイズを調整しますが、外字を使用する場合は、特定の画像サイズを定義することをお勧めします。その場合は、定義する画像サイズが確実に反映されるよう、以下 2 つの方法のうちいずれか 1 つを使用して行ってください。これらの方法は、小さくインライン表示される外字のみに使用します。このような画像については必ず、iPhone のような小さい画面でテストを行うようにしてください。なお、さまざまなテーマで適切に表示されるように、外字の画像の背景色は透明に設定する必要があります。

  • ブックが EBPAJ ガイドに従って日本語で記述され、「gaiji」という言葉が含まれるクラス名がある場合、Apple Books は「gaiji」という言葉を含むクラス名を持つ画像のサイズを反映します。以下に例を示します。

    • 日本語で書かれたことを示す記述

      <metadata>. . .<dc:language>ja</dc:language>. . .</metadata>
    • EBPAJ ガイド 1.0 または 1.1 に従って定義されたことを示す記述

      1.0 の場合:

      <metadata>. . .<dc:description id="ebpaj-guide">ebpaj-guide-1.0</dc:description>. . .</metadata>

      1.1 の場合:

      <metadata>. . .<meta property="ebpaj:guide-version">1.1</meta>. . .</metadata>
    • 「gaiji」というイメージ要素、または「gaiji-」という接頭辞が付いたイメージ要素のクラス名

      img.gaiji {width: 1em;height: 1em;}img.gaiji-line {width: 1em;height: auto;}img.gaiji-wide {width: auto;height: 1em;}
  • カスタムクラス名:ブックが EBPAJ ガイドに従って定義されていない場合は、Apple Books が採用する画像サイズのカスタムクラス名を定義できます。カスタムクラス名はパッケージドキュメント(.opf)ファイルの metadata セクションで定義し、package 要素に ibooks という接頭辞を含める必要があります。以下にそのいくつかを紹介します。

    <package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" unique-identifier="bookid" version="3.0" prefix="ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/"> . . .  <metadata>  . . .  <meta property="ibooks:respect-image-size-class">gaiji</meta>. . .  </metadata></package>

    注記: メカニズム 2 は、メカニズム 1 より優先されます。つまり、カスタムクラスが定義されている場合、Apple Books はそのクラスの寸法を採用し、「gaiji」が含まれるクラス名を検索しません。

外字のアクセシビリティ

VoiceOver を利用する読者が外字イメージを読めるよう、次のいずれかを行ってください。

  • 特定のフォントにない文字を、外字を使って表示する場合は、代替テキストを Unicode 文字にする必要があります。

  • 絵文字のようなイメージを、外字を使って表示する場合は、そのイメージの内容を示す短い説明を使用します(「いいね!」、「日の出」、「笑顔の女性」など)。

  • 目的のフォントになく、Unicode でも表せない、新しい文字や自作の文字を外字で表示する場合は、その文字の読み方を表すために、代替テキストにひらがなまたはカタカナの読み仮名を使用します。

DRM

すべてのテキスト、フォント、および画像には、暗号化の一形態である DRM (Digital Rights Management) が適用されます。 オーディオ、ビデオ、PDF を含むその他のメディアには DRM は適用されません。

フォント

フォントの概要

ブックの書体はシステムフォントまたは埋め込みフォントを使って指定できます。システムフォント (デバイス内蔵のフォント) と埋め込みフォント (ブック内でデベロッパが提供するフォント) はどちらも標準 CSS を使用して定義します。埋め込みフォントについては必ず、OPF ファイル (.opf) のマニフェスト要素内で記述してください。リフロー型または固定レイアウト型のブックで埋め込みフォントを使用する場合は、"specified-fonts" オプションを true に設定する必要があります。例については、「ブックレイアウトのメタデータの定義」を参照してください。

注記: ブックで太字系のフォントを使用する予定がある場合は、埋め込みフォントの宣言時に太字の書体を含めます。これにより、iOS は通常のウエイトの書体から太字フォントを合成する必要がなくなります。

リフロー型ブックで "specified-fonts" プロパティが true に設定されている場合、読者はブックを読む際に自分で新しいフォントを選択できます。ただし、Apple Books のインターフェイスを通じて、いつでもブック本来のフォントに戻すことができます。

メモ:Apple Books のフォントはUTR (Unicode Technical Report) 50 draft 6のフォント配向性に関するガイドラインに従っています。

フォントの推奨事項

  • 特徴的なフォントファミリーは、メモが手書きであることを示すなど、意図した効果を達成するためだけに使用することをお勧めします。

  • リフロー型ブックの場合はユーザがフォントフェイス、フォントサイズ、および行揃えを調節できるという点を考慮し、ほぼあらゆる状況でブックが正しく動作するようブックのテストを行ってください。

  • フォントサイズは em または px で定義されるものとし、名前 (たとえば、極小、小、中、大) では定義してはなりません。

  • 最適な読みやすさとフォントサイズを提供できるよう、ブックの本文については、font-size をまったく定義しないか、定義する場合は font-size1em に設定する必要があります。

  • レイアウトでの問題を避けるため、組み込みフォントに関するフォントヒンティングおよびフォントメトリックを確認してください。 レイアウト上の問題およびテキスト分断を避けるためのテストを必ず行ってください。

  • OpenType、TrueType、SVG 埋め込みフォントを使用できます。

  • SVG テキストは、不規則なテキストパスの使用に限定されます。

  • 埋め込みフォントは OPF および CSS で宣言する必要があります。

  • フォントライセンスを確認してからフォントを埋め込む必要があります。

フォント難読化

Apple Books は、EPUB 3 仕様に含まれているフォント暗号化の方式である、フォント難読化をサポートしています。フォントの難読化については、「EPUB Reading Systems 3.3」の「Font obfuscation」を参照してください。

オーディオとビデオ

オーディオとビデオの概要

読書体験を豊かにするために、オーディオとビデオをブック内に埋め込むことができます。このセクションでは、EPUB ブック向けのビデオとオーディオのアセット要件と、コンテンツを埋め込む方法について説明します。

重要: 組み込みのオーディオまたはビデオコンテンツを持つブックの送信時は、.zip ファイルの最大ファイルサイズが 2 GB となることに注意してください。使いやすさを求める場合は、最大推奨サイズは 500 MB になります。ファイルが大きくなると、ダウンロード時間が長くなり、古いデバイスには重くなることもあります。

オーディオのエンコーディング

Apple では、オーディオを、.m4a の拡張子を持つ MPEG-4 ファイルとしてエンコードするよう推奨しています。

  • ステレオ

  • AAC/MP4

  • 256 kbps

メモ:ステレオが使用できない場合は、モノラル録音を使用することもできます。

オーディオの埋め込み例については、オーディオとビデオの埋め込みを参照してください。

ビデオのソースファイルの推奨事項

HD ソース

ブックに埋め込む HD ビデオには、ポスターフレームアートを含めてください。また、以下の要件を満たしている必要があります。

  • Apple ProRes 422(HQ)

  • ITU-R BT.709 規格の色空間。ファイルは正しく 709 にタグ付けされていること

  • VBR は 220 Mbps 以下が望ましい

  • 1920 x 1080 の正方形ピクセルのアスペクト比のマテリアル

  • 元のソースのネイティブフレームレート:

    • 元々 24 fps でオーサリングされた逆テレシネのコンテンツの場合は、23.98 プログレッシブフレーム

    • 元々テープなしワークフローのフィルムフレームレートでオーサリングされたコンテンツの場合は、24 プログレッシブフレーム

    • 元々 PAL 配信用にオーサリングされたコンテンツの場合は、25 プログレッシブフレーム

    • 元々 NTSC 配信用にオーサリングされたコンテンツの場合は、29.97 インターレースまたはプログレッシブ

    • 3:2 プルダウンを含む、テレシネされた 23.98 のコンテンツは使用できません

    • ソースは 24 で撮影されたが、29.97 でオーサリングされた HD ビデオは使用できません

  • すべてのソースに、Compressor や Dumpster で検証済みの正しいフィールド情報が含まれている必要があります。

  • コンテンツを letterbox、pillarbox、または windowbox でマット加工して納品できます。

  • ステレオオーディオトラック、非圧縮線形 PCM、チャンネルが LT と RT または L と R として適切にマップされていること

重要: すべてのビデオが 1 つ以上の黒フレームで開始かつ終了する必要があります。

SD ソース

ブックに埋め込む SD ビデオには、ポスターフレームアートを含めてください。また、以下の要件を満たしている必要があります。

  • Apple ProRes 422(HQ)

  • VBR は 40~60 Mbps が望ましい

  • 720 x 480 および 853 x 480 のエンコード済みピクセル。16:9 で表示するコンテンツの場合は 640 x 360、4:3 で表示するコンテンツの場合は 640 x 480

  • すべてのエンコード済みコンテンツに、コンテンツを 4:3 または 16:9 で表示するためのピクセルアスペクト比(pasp)を含める必要があります。

  • 元のソースのネイティブフレームレート:

    • 元々 24 fps でオーサリングされた逆テレシネのコンテンツの場合は、23.98 プログレッシブフレーム

    • 元々テープなしワークフローのフィルムフレームレートでオーサリングされたコンテンツの場合は、24 プログレッシブフレーム

    • 元々 PAL 配信用にオーサリングされたコンテンツの場合は、25 プログレッシブフレーム

    • 元々 NTSC 配信用にオーサリングされたコンテンツの場合は、29.97 インターレースまたはプログレッシブ

    • 3:2 プルダウンを含む、テレシネされた 23.98 のコンテンツは使用できません

    • ソースは 24 で撮影されたが、29.97 でオーサリングされた HD ビデオは使用できません

  • すべてのソースに、Compressor や Dumpster で検証済みの正しいフィールド情報が含まれている必要があります。

  • コンテンツを letterbox、pillarbox、または windowbox でマット加工して納品できます。

  • ステレオオーディオトラック、非圧縮線形 PCM、チャンネルが LT と RT または L と R として適切にマップされていること

ビデオのエンコーディング

Compressor 3.5.2 以降(Final Cut Studio 3 に含まれるアプリケーション)を使用してビデオをエンコードします。

  • Compressor の設定リストの「Apple デバイス」ディレクトリにある「H.264 for iPod video and iPhone 640x480」設定を選択します。

  • 「Encoder」パネルの設定インスペクタで、「iPod/iPhone (VGA) for native 4X3 content」または「iPod/iPhone (Anamorphic) for 16X9 recorded in a full 4X3 raster」(以下「アナモフィック」)を選択します。

  • アナモルフィックエンコーダーの命令を使用する場合は、アスペクト比スクロールから gear across を選択し、16:9 (640 x 480) を選択してください。 これにより、ジオメトリー区画に表示されるピクセルアスペクト値が生成されます。

  • 黒いボーダーまたは非アクティブなピクセルを削除するには、「ジオメトリ」パネルを使用してクロップ値を入力します。

  • クロップ値の精密度を検証したり、ソースや設定ボタンにアクセスしてアスペクト比設定の結果をテストしたりするには、Compressor の「バッチ」ウィンドウの「プレビュー」ボタンをクリックします。

注記: ビデオファイルは、MPEG-4 コンテナに HEVC (High Efficiency Video Coding) で格納するか、または MPEG-4 コンテナに H.264 で格納し、ファイル拡張子を.m4vにしてデリバリできます (.mp4も使用できますが、できるだけ使用しないようにします)。

ビデオのポスターフレーム

ポスターフレームは、ブック内にインラインで表示される画像です。 通常は、ビデオのクリップ (またはフレーム) です。 ポスターフレームのサイズとアスペクト比は、ビデオと同じとします。

オーディオとビデオの埋め込み

オーディオとビデオはすべて、標準の HTML5 を使用して XHTML ドキュメントに埋め込みます。

オーディオまたはビデオコンテンツが埋め込まれたブックを送信する場合は、以下のことに注意してください。

  • .zip ファイルの最大サイズは、2GB です。ファイルのサイズに比例して、カスタマーがブックをダウンロードするのにかかる時間も長くなります。

  • ダウンロードに時間がかからないようにするには、オーディオコンテンツとビデオコンテンツを最小限に抑えます。

  • すべてのオーディオファイルでサンプリングレートを同じにする必要があります。

  • 品質管理の目的で Apple がファイルを検査する必要があるため、ブックが Apple Books で公開されるまでに時間がかかる場合があります。

  • 最終的なブックのオーディオおよびビデオファイルには、契約やメタデータにかかわらず、DRM は適用されません。ただし、ブックのテキストには DRM が適用されます。

  • フォールバックビデオコンテンツは現在サポートされていません。すべてのビデオは、MPEG-4 コンテナに HEVC (High Efficiency Video Coding) で格納するか、または MPEG-4 コンテナに H.264 で格納する必要があります。

重要: OPF ファイルで、使用するオーディオファイルに対して正しい media-type が指定されていることを確認してください。たとえば、m4a ファイルの場合、media-type"audio/m4a" とする必要があります。media-type が正しくないと、カスタマーがブックを購入した後にオーディオが再生されません。この問題は、Apple Books へのデリバリ前に行うローカルテストでは発見しづらくなっています。

最適なユーザ体験を実現するため、オーディオコンテンツおよびビデオコンテンツは、EPUB ではそれだけを含む新しい行を使用し、かつ CSS で定義される text-align:center を使用して中央揃えでページに配置されるものとします。Apple Books はオーディオとビデオに対してデフォルトのサイズを設けています。標準のビデオ枠のサイズは 1:2 の比率であり、iPad では幅 300 ピクセル x 高さ 150 ピクセルで表示されます。ただし、この幅は CSS で定義することもできます。その場合は、画面幅に対する割合で指定するのが理想的です。ビデオとオーディオについては、画面サイズにかかわらず、Apple Books 側で必ずページ内に収まるよう調整します。レイアウトに関する問題を回避するためにも、ビデオ要素に特定の高さを設定しないでください。

注記: 読者が埋め込まれたメディアを再閲覧できるように、目次にメディアを指し示すエントリを追加することをお勧めします。

こちらの「ブックの準備」セクションにある EPUB の例 (Apple Books EPUB の例) を参照してください。

標準の HTML5 タグを使用してビデオまたはオーディオを埋め込むには、次のように指定します。

video src="video/H264-640x480.m4v" controls="controls" poster="images/posterimage.jpg"/>
<audio src="audio/loop.m4a" controls="controls"/>

ビデオタグには必ず、必須となるポスター画像を含めなければならないことにご留意ください。カスタマーはテキスト内のポスター画像を見て、ビデオを再生するためにその画像をクリックします。controls 属性は、読者がメディアの再生、一時停止、再生位置の調整を行えるようにするものです。autoplay 属性は、停止することなく、オーディオまたはビデオの再生を自動的に開始するものです。controls および autoplay はブール属性であるため、値にかかわらず、含めた時点でその属性は有効となります。たとえば、autoplay="false"autoplay="true" と同じです。なお Apple では、autoplay はサポートされてはいますが、使用しないことを推奨しています。実際にブックを読む環境を把握しているのは読者自身なので、読者の好きなようにブックを楽しめるようにすることが最善です。

次の 2 つの例は、EPUB にオーディオおよびビデオコンテンツを埋め込む方法を示します。その次のスクリーンショットは、埋め込んだオーディオとビデオがデバイス上でどのように表示されるかを示します。

オーディオ

<h3>Below is an embedded audio file.</h3>

<p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.Duis aute irure dolor in reprehenderit eu fugiat nulla pariatur.Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.</p>

<audio src="audio/loop.m4a" controls="controls"/>

<p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.</p>

ビデオ

<h3>Below is an embedded video file.</h3>

<p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur.Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.</p>

<video src="video/H264-640x480.m4v" controls="controls" poster="images/posterimage.jpg" />

<p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua.Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat.Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur.Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.</p>

ビデオが埋め込まれたブックのページ

リンク

リンクの概要

EPUB フォーマットは HTML をベースとするため、ブックコンテンツを拡大し、拡張するためにリンクが使用できます。 リンクは索引や巻末の注などとして、つまり著者のウェブサイトや発行者のウェブサイトなどのウェブ上やその他の外部リソースに対するリンクとして、ドキュメント内に配置可能です。

Apple Books には、Apple Books 内のブックに直接移動できるようにする非常にシンプルなリンク構造もあります。これは、自身の Web サイトまたはオンライン広告からのマーケティングに使用したり、カスタマーをブックの最後にほかの関連作品へ誘導するために EPUB 内で使用したりできます。ストアへのリンクに関する詳細については、「リソースとヘルプ」の「ブックのリンクを作成する」を参照してください。

Apple Books のブックに直接リンクさせる

Apple Books のブックに対するダイレクトリンクは、Apple Books Marketing Tools のページで生成します。

ブックの ISBN をベースにリンクを作成することもできます。 ISBN 番号を使用してブックの URL を設定するには、2 つの方法があります。

  • Apple Books 特有のリンクの例:

    <a href="http://itunes.apple.com/us/book/isbn9781451648553">Steve Jobs, by Walter Isaacson</a>

  • 一般的な ISBN リンク:

    <a href="urn:isbn:9781451648553">Steve Jobs, by Walter Isaacson</a>

統一資源名 (URN) の枠組み内でどのように国際標準図書番号 (ISBN) がサポートされるのかについて詳しくは、「Using International Standard Book Numbers as Uniform Resource Names」を参照してください。

Apple Books ではリフロー型ブックの巻末に、同じ著者によるほかのブックへのリンクが、人気順に自動で組み込まれます。

リンクのスタイル

リンクのスタイルと色をカスタマイズする場合は、CSS を使用できます。リンクの色を定義する場合は、 specified-fonts レイアウトメタデータも含める必要があります。ブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください。

PDF

PDF は、画像を PDF ファイルにリンクする標準のアンカー要素タグを使用して組み込まれます。 タップされた画像は、新しいウィンドウで PDF で開きます。新しいウィンドウでは、読み手が拡大縮小することができます。

注記: PDF を含める場合は、ブック全体の最大サイズが 2GB となることに注意してください。 大き目の PDF は、デバイスによっては動作が悪くなることがあります。

タグには PDF ファイルの参照を挿入し、イメージをアンカー要素でネスト(入れ子状に)します。

<p>Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit.</p><a href="pdf/sample.pdf"><img src="images/pdf.jpg"/></a>
PDF が埋め込まれたブックのページ

Adobe Page Template

  • Adobe Page Template XPGT は、現状でサポートされていません。代わりに、CSS3 を使用してください。

JavaScript インタラクティビティを含むブック

概要

インタラクティブなコンテンツは、リフロー型ブックと固定レイアウト型ブックの両方でサポートされています。このセクションでは、JavaScript によるインタラクティブ機能の作成に関する情報およびヒントを紹介します。なお、JavaScript によるインタラクティブ機能を備えた EPUB の場合、Apple Books 1.5 が必要となります。

また、こちらの「ブックの準備」セクションでも、インタラクティブ機能を含むブックの例 (Apple Books 固定レイアウト (フィックス型) EPUB の例) をお伝えしています。併せてご参照ください。

JavaScript インタラクティビティを含むブックのスクリプト開発の推奨事項

Apple Books は Safari と同様に JavaScript をサポートします。ブック内で JavaScript を使用すると、ドラッグ&ドロップのような機能が使用できるようになるほか、タッチまたはマウスイベントでオーディオやアニメーションを開始できるようになります。ただし、ブック用に開発するスクリプトについては、次の推奨事項を考慮する必要があります。

  • Mac OS および iOS デバイスの両方で実行可能なスクリプトを作成します。デスクトップコンピュータ上の対話機能にはマウスからの入力が必要とされ、iOS デバイス上の対話機能にはタッチ入力が必要とされます。

  • インタラクティブなブックの作成時には、ファイルのサイズおよび各ページ上での対話機能の量に注意します。対話機能はブックに対する強力な追加機能になりますが、動作性能が優先されなければなりません。

  • ブックは外部のリソースに依存するものであってはなりません。JavaScript でブック外のリソースにアクセスしないようにしてください。ブックは、自己完結している必要があります。

  • ブックにデータベースを含めることはできません。Apple Books は AJAX、HTML5 データベース、SQL のステータスを同期しないため、この情報を保存しません。ブックのインタラクティビティにそれらのリソースを含めないでください。

  • JavaScript は対話機能の開始に使用し、アニメーションや画面切り替えには CSS を使用します。JavaScript よりも CSS を使用して作成すると、アニメーションおよび画面切り替えの動作が最適になります。上下左右位置を設定するよりも CSS 3D トランスフォームを使用してください。ハードウェアアクセラレートによりスムーズな画面切り替えが表現されます。ただし、優先度の高い要素では予約しておく必要があります。

  • JavaScript の警告機能の使用は避けます。Apple は、ユーザにエラーを警告するためによく使用される JavaScript の警告機能を使用しないように推奨しています。当該機能を使用した場合、読者に警告が表示されることにご留意ください。

JavaScript インタラクティビティを含むブックのコンテンツのデザイン

次のセクションでは、JavaScript インタラクティビティを含むブックのコンテンツをデザインする際に注意すべき技術的問題点やデザインのヒントについて説明します。

デフォルトの動作の回避

デフォルトでは、Apple Books はメニュー、ページ送り、ズームを示すジェスチャーとクリックを認識します。ただし、JavaScript インタラクティビティを含むブックでは、読者が Apple Books のユーザインターフェイスオプションを表示させることなく、ブックのインタラクティブ部分を操作できるようにするために、Apple Books がジェスチャーやクリックを無視する必要のあるタイミングを識別する必要があります。インタラクティブ要素のこのデフォルトの動作は、preventDefault メッセージをイベントオブジェクトに送信することで無効にできます。

注記: ページ端の大部分を preventDefault の影響を受けないようにして、読み手がページをめくることができるようにするのは重要です

preventDefault について詳しくは、「Safari Web Content Guide」の「Handling Events」を参照してください。

iOS デバイスと macOS の両方に対応したデザイン

iOS デバイスと macOS の両方で機能するインタラクティブなブックをデザインしてください。デスクトップコンピュータでのインタラクティブ機能にはマウスによる入力が、iOS デバイスについてはタッチ入力が使用されます。つまり、プラットフォームに応じてタッチイベントまたはマウスイベントのどちらを使用するべきかを、スクリプトが判別する必要があります。プラットフォームがマウスイベントとタッチイベントのどちらをサポートしているのかを判別するには、EPUB 3 仕様書の「epubReadingSystem object」セクション内でで定義されている hasFeature メソッドを使用します。たとえば、navigator.epubReadingSystem.hasFeature('touch-events')true を返す場合は、JavaScript でタッチイベントを使用する必要があります。

ブックで加速度センサーやマルチフィンガージェスチャーなど iOS 固有の機能を使用する場合は、デスクトップコンピュータでサポートされるボタンなど、代わりの入力方法を含める必要があります。

指はマウスポインタよりも大きいため、インタラクティブオブジェクトには、指による操作に十分な大きさのヒットエリアを確保する必要があることに留意してください。なお、Apple Books ではデバイスの画面に収まるようページサイズの調整が行われます。このため、ヒットエリアのサイズは、viewport に定義されているページサイズに比例するのでデバイスの種類によって異なる場合があります。

インタラクティブオブジェクトを配置する場合は、ページ隅とテキストに近すぎないようにしてください。 ページ隅に近接しすぎるオブジェクトは、読み手が誤ってページをめくることになる可能性があります。 同様に、テキストに近接しすぎるオブジェクトは、読み手が誤って読み上げコンテンツの語の再読み上げを行うことになる可能性があります。

インタラクティブ操作用のヒント

ブック内の対話機能には、読み手が操作可能な対象に気づく手がかりとなる仕掛けを備えるようにしてください。 Mac OS では、CSS を使用してマウスのスタイルを設定すると、インタラクティブ領域がポインターで指示されます (http://www.w3schools.com/cssref/pr_class_cursor.asp を参照してください)。 iOS では、次のような視覚的な仕掛けを使用できます:

基本的なインタラクティビティ

  • ページ上で要素をアニメーションするか、または動かして、ページ上の要素やブック内の要素に対話機能があることを読み手に知らせます。 下の例は、タイトルページが空白ページで始まり、テキストと画像が画面に移動してくるものです。 この例は、後に続くページでの対話機能を示すものになります。

インタラクティビティのヒントの例

タッチによるインタラクティビティ

  • サウンドやアニメーションを開始する語の背後に太字のフォーマットを使用するか、または蛍光を適用します。 下の例では、winds の語にタッチすると風の音がするようになっています。

タッチによるトリガーの例
  • 蛍光、振動、またはうねりの効果をインタラクティブオブジェクトに適用します。 下の例は、左側の花に蛍光効果を適用し、中央の花に振動効果を適用し、右側の花にうねりの効果を適用したものです。

光彩を放つインタラクティブオブジェクトの例
  • アニメーション要素に、読み手に対して他の要素と対話することを求める動作を実行させます。 下の例では、脈動する星とまばたきする瞳によって、星が対話機能を持ち、月が画面上でドラッグできることを、読み手にわかるようにしています。

アニメーションが可能な要素の例
  • 場違いな要素、おかしな空白領域、または不完全な画像を使用して、読み手が奇妙に思う要素を探したり、空白を埋めたり、画像を完成させたりすることを要求するシーンを作成します。 下の 2 つの例は、1 つの赤い花が読み手に他の花の茎の対話機能に誘導するもの、そして空の丘陵斜面を花で覆われた景色にするものです。

インタラクティブなシーンの例
インタラクティブなシーンの例

要素のドラッグ&ドロップ

  • 別のレイヤーにあるように見えるような、ページ上で分離されているように見える要素を配置します。 ドラッグ&ドロップ要素の操作に対しては、必ずブックのテキストの背後になるようにして下さい。

ドラッグ&ドロップの例
  • 要素を浮動させる、振動させる、または移動するようにします。 下の例では、太陽の周りで回転するハローが、画面上で太陽がドラッグできることを読み手に示します。

ドラッグ&ドロップの例

コード例

本ガイド以外でも、こちらの「ブックの準備」セクションで、JavaScript によるインタラクティブ機能を含むブックの簡単な例 (Apple Books 固定レイアウト (フィックス型) EPUB の例) をお伝えしています。併せてご参照ください。この例では、ドラッグ&ドロップ、タッチによるオーディオ再生、タッチによる新しい要素の作成、タッチによる要素の状態の変更といった、主なインタラクティブ操作の例を紹介しています。

ページレイアウト

インタラクティブ機能のある固定レイアウト型ブックの場合、相互に隣り合う 2 つの Safari ウインドウのように、各ページはそれぞれ個別のウェブ表示となります。コンテンツは、2 つのページの真ん中にある本の背部分を境にして、各ページで孤立した状態になります。本文部分には、viewport に設定したサイズのアスペクト比と同じものを CSS で定義しなければなりません。

JavaScript インタラクティビティを含むブックのパフォーマンスを向上させるためのヒント

パフォーマンスを向上させるには、以下の点に留意する必要があります。

  • 画像の最適化がパフォーマンス向上の鍵となります。イメージを最適化する方法については、固定レイアウト型ブック内画像の最適化を参照してください。

  • ページごとのアニメーション数を制限し、最も必要なものだけにします。

  • アニメーションには JavaScript ではなく CSS を使用します。

  • 上下左右位置を設定するよりも CSS 3D トランスフォームを使用してください。 ハードウェアアクセラレートによりスムーズな画面切り替えが表現されます。ただし、優先度の高い要素では予約しておく必要があります。

  • ページが複雑にならないようにします。

  • JavaScript をブックに適切に設定することで、パフォーマンスが最適なものになります。 サードパーティの JavaScript ライブラリには大きすぎるものがあり、パフォーマンスを低下させることもあります。

技術的ガイドラインおよび要件

Apple Books 向けにデザインされた JavaScript インタラクティビティを含むブックは、次の技術的ガイドラインと要件に従っている必要があります。

OPF に JavaScript ファイルを含める

JavaScript は、XHTML 内ではなく、各ドキュメントに含まれるものとします。 すべての JavaScript ファイルは、OPF のマニフェストに含まれている必要があり、application/javascript の mimetype とする必要があります。

Apple Books JavaScript ライブラリを使用する

Apple Books JavaScript ライブラリ(ibooks.js)は、Apple Books 向けの JavaScript インタラクティビティを含むブックを簡単に開発できるようにするための、事前に記述された JavaScript の集合体です。Apple Books JavaScript ライブラリには、次の用途に適した機能が備わっています。

  • イベントを遅延させる

  • 要素をドラッグ可能にする

  • 要素をスタンプ可能にする

  • 要素を切り替え可能にする

  • オーディオを追加する

  • 定数を定義する

ibooks.js の使用にあたっては、まず、コーディングにスクリプトを含めます。

<head>  <meta name="viewport" content="width=575, height=432"/>  <meta content="text/html; charset=UTF-8"/>  <title>Fixed-Layout Example 3.2</title>  <link href="css/stylesheet.css" type="text/css" rel="stylesheet"/>  <link rel="stylesheet" href="css/page06.css" type="text/css" media="screen" title="no title" charset="utf-8"/>  <script src="js/ibooks.js" type="text/javascript" charset="utf-8"></script></head>

ページのロードが完了すると、ibooks.js は CSS クラスのビルドインを本文に追加します。 この追加されたクラスは、アニメーションのトリガーに利用できます。

イベントを遅延させる

コンテンツのロード後に、遅延イベントを始動したい場合があります。 ibooks-deferred-event を要素に加えることで、ibooks.js は、遅延後、CSS クラスの active を対象の要素に追加します。デフォルトで、ミリ秒単位のこの値は 1000 です。 この遅延は、HTML 属性 data-deferred-event-delay を追加し、ミリ秒単位の目的の値を設定することで、要素ごとに定義することができます。

<!-- "active" class appended after default delay, 1000ms --><div class="ibooks-deferred-event"></div>
<!-- "active" class appended 5000ms after content load --><div class="ibooks-deferred-event" data-deferred-event-delay="5000"></div>

要素をドラッグ可能にする

ドラッグ可能な要素はタッチイベントに応答するもので、ページ全体を移動できます。 HTML 要素は、単に CSS クラスの ibooks-draggable を追加することで、ドラッグ可能に設定することができます。

<!-- Makes the target element draggable --><div class="ibooks-draggable"></div>

要素をスタンプ可能にする

CSS クラスの ibooks-stampable を持つすべての要素は、スタンプ可能な要素の親コンテナとして動作します。 スタンプ可能な要素は、タッチジェスチャーに応答します。タッチ時、ibooks.js は CSS クラスの stamp を持つ空の <div> 要素を親のコンテナに付加します。 その後、付加された要素のスタイルが設定できるようになります。

ibooks.js は、有効なタッチ領域の定義を、SVG パスに依存します。SVG パスがない場合、ibooks.js はタッチイベントに応答しません。 SVG パッチは、丘の形状など、不規則な形のタッチ領域を定義する場合に特に便利です。

<div class="ibooks-stampable"><!--svg defines irregularly-shaped hit area for replicating script--><svg version="1.1" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" x="0px" y="0px"  width="1224px" height="792px" viewBox="0 0 1224 792" enable-background="new 0 0 1224 792"><path fill="#82983E" d="M612.806,387.128c-8.555,0-17.023,0.229-25.394,0.656c-50.48-31.565-116.654-60.656-189.107-60.656  c-8.653,0-16.846,0.42-24.805,1.205v136.949l14.525,0.023l296.721,0.478l215.824,0.347  C900.57,466.128,771.732,387.128,612.806,387.128z"/></svg></div>

要素を切り替え可能にする

ibooks.js は、CSS クラスの ibooks-toggleable を付加することにより、要素をトグル可能にする機能を提供します。タッチ要素で、CSS クラスの active がトグルされます。

<!-- Inactive, toggle-able element --><div class="ibooks-toggleable"></div><!-- Active, toggle-able element --><div class="ibooks-toggleable active"></div>

オーディオ

HTML 要素をオーディオのトリガーに使用することができます。そのためには、CSS クラスの ibooks-media-audio を追加して、HTML 属性の data-ibooks-audio-src の値を定義します。また、data-ibooks-audio-reset-on-play を定義すると、要素をタッチするたびにオーディオソースの再生位置がリセットされるようにすることができます。HTML 属性の "ibooks:pause-readaloud""true" に設定すれば、メディアの再生または一時停止後に朗読機能を一時停止できるようになります。詳細については、朗読コントロールの埋め込みを参照してください。

注記: オーディオソースは一度に1 つだけしか再生できません。

<!-- Toggles between play, pause on touch --><div class="ibooks-media-audio" data-ibooks-audio-src="audio/source.m4a"></div><!-- Plays source on touch, resets playback position to start on subsequent touches --><div class="ibooks-media-audio" data-ibooks-audio-reset-on-play="true" data-ibooks-audio-src="audio/source.m4a"></div>

定数を定義する

必要な場合には、ibooks.js の定数のほとんどが開発者により定義可能です。そうした変数は initConfigurables に配置されています。

/*** Configuration of user defined constants.*/iBooksBaseController.prototype.initConfigurables = function() {// CSS class name on active elementsiBooks.ACTIVE_CSS_CLASS = "active"; // CSS class name appended to body on page load iBooks.CSS_CLASS_ON_LOAD = "build-in"; // Delay in milliseconds before deferred events fire iBooks.DEFERRED_EVENT_DELAY = "1000";// CSS selector for page iBooks.PAGE_CSS_SELECTOR = ".page";// CSS class for stamped elementsiBooks.STAMPED_ELEMENT_CSS_CLASS = "stamp";};

Safari の Web インスペクタを使用する

Web インスペクタは、OS X 上のコンテンツの校正を簡単に行えるオープンソースのウェブ開発ツールで、Safari に組み込まれています。Web インスペクタは OS X 10.9(以降)上の Apple Books で有効にできます。ブックの制作中に、このツールを使用してブックの修正、デバッグ、最適化を簡単に行うことができます。

インスペクタをターミナルから有効にするには、次のコマンドを実行します。

defaults write com.apple.iBooksX WebKitDeveloperExtras -bool YES

EPUB では、いずれかのテキストを選択して右クリック(Mac では control キーを押しながらクリック)し、ショートカットメニューから「インスペクタを表示」を選択します。

このツールは DRM フリーのブックでのみ機能することに注意してください。

ブックの検証

すべてのブックが EPUB の標準仕様要件を満たしている必要があります。コンテンツの品質を確保するために、ブックのインポート時に行われる検証にパスする必要があります。ブックを Apple Books システムにインポートできない典型的な原因はいくつかあります。デリバリ前に、すべてのブックについて以下の要件を満たしていることを確認してください。

  • ブックは必ず、Transporter による検証をパスしなければなりません。

  • URI 中の英数字以外のすべての文字が有効で、適切にエンコードされている必要があります(たとえば、スペースは「%20」としてエンコードされている必要があります)。この問題は NCX ファイルの URI でよく見られ、ファイル名にスペースが含まれいてることが原因です。

  • EPUB に含まれるすべてのファイルが、ブックマニフェスト (OPFファイル) に列挙されていること。 マニフェスト化されていないファイルを含むブックは、ファイルが定義によって意図的にインクルードされていないため、インポートに失敗します。

  • UTF-8 および UTF-16 エンコーディングのみが、ブックに許容されます。 適切にエンコードされていないブックはインポートに失敗するため、正しい文字エンコーディングを使用することが重要です。

  • 最大ブックサイズは ZIP の標準仕様に従い、現在 2 GB に制限されています。

カスタム属性を使用する場合は、HTML5 データ属性である必要があります。 データ属性は名前空間の外側にある属性であり、文字列 data- で始まるものです。

HTML5 データ属性の詳細については、次のページを参照してください。

http://www.w3.org/TR/html5/dom.html#embedding-custom-non-visible-data-with-the-data-*-attributes

例:

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops"> <head>...</head> <body ... <p class="text" data-name="value">text</p> ... </body></html>

名前空間には、EPUB のコンテンツドキュメントで使用する要素と属性を含む XML 語彙を定義します。個々の名前空間は 1 つの URL と xmlns または xmlns: 属性を使って宣言します。例:xmlns:xhtml="http://www.w3.org/1999/xhtml"

上記の宣言では、xmlns: が属性で、xhtml がその接頭辞です。名前空間を宣言したあとは、その接頭辞をどの要素や属性の名前でもコロンで区切って使用できます。これによって、その要素または属性がどの XML 語彙を参照しているが特定されます。

デリバリ時に許可されない要素または属性に関連するエラーが発生する場合は、使用している特定の要素または属性が、EPUB で宣言されている名前空間の語彙に含まれていない可能性があります。この問題を解決するには、その要素または属性を有効なものに変更してください。

ブックのサンプル

ブックのサンプルについて

Apple Books はすべてのブックのサンプルを自動的に作成します(朗読機能付きブックを除く)。サンプルの構成はブックのタイプによって異なります。

Apple Books によるサンプルの自動生成を望まない場合は、.epub ファイルをカスタムで別に作成し、Apple Books でのサンプル用としてデリバリすることもできます。ただし、すべてのツールでこのオプションを使用できるとは限りません。コンテンツのデリバリ管理を外部に委託している場合は、委託先と作業を調整してください。詳細についても、そちらに直接お問い合わせください。

注記: 購入済みのブックは、読み手のライブラリ内でサンプルに置き換わります。 必ず、すべてのサンプルの内容がブックに含まれるようにしてください。

リフロー型ブックのサンプル

テキストが大部分を占めるブックの場合は、単語数に対する割合に基づいてサンプルが生成されます (使用される割合は契約で指定されています)。サンプルの始まりがどこになるかは、ブックの構造によって異なります。割合を算出する際の基となる単語数は、ブックの巻頭からカウントされます。リフロー型ブックの場合、epub:type 属性に "bodymatter" が指定されている最初のランドマークによって、ブックの巻頭が特定されます。その属性が指定されている場合、Apple Books はそのランドマーク内の href 属性で参照される spine 項目に指定されているブックのコンポーネントからサンプルの生成を開始します。次に、ランドマークの <nav> ブロックにある最初の項目と単語数に対する割合のうち、どちらか大きい方に沿ってサンプルが生成されます。たとえば、ランドマークの <nav> ブロックにある最初の項目に全体の単語数の 2% しか含まれておらず、契約で指定されている割合が 5% の場合、残りの 3% はランドマークの <nav> ブロックにある次の項目から取られます。その中に含まれている画像、動画、オーディオもすべてサンプルに取り込まれます。

ランドマーク構造に"bodymatter"属性が指定されていない場合、Apple Books はepub:type属性が"cover""frontmatter""toc""foreword""introduction""dedication"のいずれでもない最初のランドマークを見つけ、先の"cover""frontmatter""toc""foreword""introduction""dedication"ランドマークで参照されているブック構成要素のすぐ後の spine 項目から切り出しを開始します。

注記: "bodymatter" のランドマーク内にある href 属性によって参照されるブックのコンポーネントは、spine 項目リストで挙げられている最後の項目の近くに列挙しないことが推奨されます。単語数に対する割合に基づいてサンプルを生成する場合、Apple Books によって、参照されている spine 項目の前にあるブックのコンポーネントがサンプルに含まれる可能性があり、結果としてブック全体がサンプルに入ってしまう場合があります。

固定レイアウト型ブックのサンプル

絵本や、その他固定レイアウト型のブックの場合は、OPF ファイル内の <metadata> 要素の <meta property="rendition:layout"> タグに pre-paginated と記述する必要があります (記述方法については、「ブックレイアウトのメタデータの定義」を参照してください)。pre-paginated オプションによって、サンプルの生成方法が決まります。このオプションを指定しない場合、コンテンツが小説のようなテキスト主体のブックとしてサンプルが生成されます。一方このオプションを指定した場合は、単語数ではなくページ数に対する割合に基づいてサンプルが生成されます。Apple Books 側で、ブックの最初のページを特定し、合計ページ数に対する割合に基づいてサンプルの生成を行います (固定レイアウト型ブックの各ページは、表示形式が見開き 1 ページか 2 ページかにかかわらず、個別の XHTML ファイルにする必要があります)。サンプルの生成では、.opf のランドマークの <nav> ブロックによってブック本文の開始位置が特定されます。最適なサンプルが生成されるよう、epub:type="bodymatter" を使用してブック本文の始まりとなる箇所を示してください。固定レイアウト型ブックでランドマークの nav を指定する必要があるのは、カスタムサンプルを提供しない場合のみです。

インタラクティブなコンテンツを含むブックのサンプル

インタラクティブなコンテンツを含むブックは、動的で複雑な性質を持ちます。そのため、ブックに最適な品質のサンプルを提供するためには、独自のカスタムサンプルを作成することが推奨されます。ただし、カスタムサンプルの提供はオプションであり、必須ではありません。カスタムサンプルを作成するには、サンプルに含めるページで構成される .epub ファイルを別途作成し、<assets> ブロック内に type="preview" を指定してデリバリします。詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様Apple Books の注釈付きのメタデータ XML ファイルを参照してください。

注記: JavaScript インタラクティブを含み、朗読音声も付いているブックでは、サンプルの自動生成はサポートされません。

朗読音声付きブックのサンプル

朗読音声付きブックの場合は、OPF ファイル内の <metadata> 要素の <meta property="rendition:layout"> タグに pre-paginated を記述する必要があります(記述方法については、ブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください)。朗読機能付きコンテンツにはカスタムサンプルが必要です。カスタムサンプルを提供しないと、そのブックは Apple Books で使用できません。カスタムサンプルを作成するには、サンプルに含めるページで構成される .epub ファイルを別途作成し、<assets> ブロック内に type="preview" を指定してデリバリします。詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様Apple Books の注釈付きのメタデータ XML ファイルを参照してください。

リフロー型ブックのガイドライン

概要

この章では、リフロー型のブックの作成に関するガイドラインについて内容紹介します。 すべてのタイプのブックに適用される最適な実装については、デジタルブックの基本 を参照してください。

コンテンツの構造

  • リフロー型ブックでは、ナビゲーションドキュメントにランドマークを記述することが推奨されますが、必須ではありません。

  • リフロー型ブックでは、各章を独立した XHTML ドキュメントに分割します。Apple Books はドキュメント間に改ページを挿入します。

  • 章ごとにドキュメントを分けることによって、Apple Books でのパフォーマンスが向上します。

  • ヘッダーにはヘッダータグ(<h1><h2> など)を使用します。ヘッダーのように見せるために <p> スタイルを使用しないでください。Apple Books はブックのテキストを配置する際に HTML のセマンティクスに従います。ヘッダーの代わりに <p> を使用すると、不要なハイフンが入ってしまうなど、テキストのレイアウトが崩れてしまいます。

テキストの行揃え

行の高さを指定する場合は、テキストブロック間の余白やイメージのまわりの余白を、指定した行の高さの倍数にする必要があります。これは、ブックの中心線の反対側のテキストと行が揃うようにするためです。

行の高さの例

非線形コンテンツ

順序性のないコンテンツは、主要コンテンツを補完するドキュメントですが、ブックの読み取り順の範囲外です。たとえば、順序性のないコンテンツは、グラフ、表、レビューに対する回答などがあります。順序性のないドキュメントには、それを示すリンク (たとえば、<a href="answerkey.xhtml">See Answer</a>) を設定します。そのようなリンクは標準的なアンカー要素であり、テキストまたは画像に関連付けることができます。

注記: ノンリニアコンテンツはリフロー型ブック用であり、固定レイアウト型のブックではサポートされていません。

順序設定項目に順序性のないことを示すには、オプションの linear 属性に no の値を指定します。 linear 属性は順序設定項目に必須ではないことに注意してください。 linear 属性のないすべての項目はデフォルトで linear="yes" に設定されます。

読み手が順序性のないドキュメントへのリンクを選択する場合、コンテンツはブックの上に重なる別のウィンドウに表示されます。 ウィンドウはブックの順序設定の範囲外にあるため、レイアウトとフォーマット設定は維持されることになります。 コンテンツはブック内で検索可能であり、拡大縮小も可能です。 順序性のないドキュメントの例を下に示します。

非線形コンテンツの例

リソースとヘルプの「ブックの準備」セクションにある EPUB の例(Apple Books EPUB の例)は、非線形ドキュメントにリンクする例を示しています。

注記: <spine> が PDF を参照する場合、linear 属性は no に設定する必要があります。 linear 属性を yes に設定すると、送信に失敗します。

リフロー型ブックのスクロール

Apple Books には、読者がリフロー型ブックで選択できるいくつかの表示テーマがあります。たとえば、「ブック」、「フルスクリーン」、「スクロール」などです。「スクロール」テーマでは、横書きテキストの場合は縦にスクロールし、縦書きテキストの場合は横にスクロールします。こうしたスクロールによって、テキストの流れを中断せずに読むことができます。

デフォルトでは、日本語と中国語のブックは水平にスクロールし、その他の言語は垂直にスクロールします。 スクロール方向を再定義するには、ブックに対して、.opf ファイル内にメタデータ "ibooks:scroll-axis" を含める必要があります。 許容される値は、verticalhorizontal、および default です。 例:

<metadata>. . .<meta property="ibooks:scroll-axis">vertical</meta>. . .</metadata>

この例は、テキストが横書きの日本語または中国語のブックに適しています。Apple Books の「スクロール」テーマで横書きテキストを表示しているときは、縦の軸に沿って上から下にスクロールすると最も読みやすくなります。

Apple Books では、表が自動的に認識されます。リフロー型ブックに大きな表が含まれている場合は、ページの幅に収まるようにサイズが調整されます。読者が表をダブルタップすると、新しい Web ビューで表が開き、ブックの上に重なって表示されます。読者は このWeb ビューで表の拡大/縮小を行うことができます。

フォント

  • フォントサイズは em または % (パーセント値) で定義されるものとし、ピクセル (px) 単位や smalllarge などの名前で定義してはなりません。

  • ブックの主要テキストは、定義済みの font-size を持たない、または1emfont-size 、のいずれかにするものとします。 これにより、最適な読みやすさとフォントスケール設定が確保されます。

  • line-height を指定する場合は、font-size の倍数を単位のない値で指定します(例: line-height: 1.2;)。 em% などの単位を含めると、line-height で宣言されたエレメントより大きい font-size が指定されているエレメントにカスケードを許可したときに、テキスト行が重なって表示される場合があります。

固定レイアウト型ブックのガイドライン

概要

この章では、固定レイアウト型ブックの作成に関するガイドラインをお伝えします。すべてのタイプのブックに共通するベストプラクティスについては、「デジタルブックの概要」をご覧ください。固定レイアウト型ブックは、インタラクティブなコンテンツに適しています。本ガイド第 2 章の「JavaScript インタラクティビティを含むブック」も併せて必ずご確認ください。なお、補足用ドキュメントについては、固定レイアウト型ブックでサポートされていません。

固定レイアウト型ブックは、子供向けの絵本、料理本、アートブックなど、デザイン性の高いブックの作成に使用してください。テキストを上に重ねた画像や、フルブリードレイアウトの画像については、このブック形式のみでサポートされます。リフロー型ブックではサポートされません。固定レイアウト型ブックでは CSS の position プロパティがサポートされていることから、こうした画像の使用が可能となっています。この章では、固定レイアウト型ブックの作成時に遵守すべきガイドラインをお伝えします。ガイドラインに沿っていないブックを作成した場合、表示に問題が生じることがあります。

また、こちらの「ブックの準備」セクションでも、固定レイアウト型ブック (Apple Books 固定レイアウト (フィックス型) EPUB) の例をお伝えしています。併せてご参照ください。

注記: 固定レイアウトは、ブック全体に影響するグローバルな定義です。 固定レイアウトはページ単位では使用できません。

ドキュメントの設定

固定レイアウト型ブックはリフロー型ブックと類似する点も多いですが、リフロー型にはない機能として以下の点が挙げられます。

  • Apple Books 3.0 以降では、EPUB 3 規格の固定レイアウト型ブックがサポートされます。EPUB 3 を使用すると、見開きを 2 ページにすることも、1 ページにすることも可能となります。見開き 2 ページのブックの場合、デフォルトでは本の背、ページ、ページめくりのエフェクトを備えた書籍らしい造りとなります。見開き 1 ページのブックの場合、デフォルトでは見開き 1 ページの PDF のような見た目となり、書籍らしい造りではなくなります。

  • 見開き 2 ページの固定レイアウト型ブックにおいて、英語のブックなどページ送りが左から右のものの場合は、最初のページが見開きの右側に、日本語のブックなどページ送りが右から左のものの場合は、最初のページが見開きの左側となります。通常、この最初のページがカバーページを兼ねます。

  • 固定レイアウト型ブックの場合、各 XHTML ドキュメントの冒頭で、ブックの高さと幅を <meta> タグを使って定義します。たとえば、<meta name="viewport" content="width=600, height=1000" /> のように記述します。ブックのアスペクト比は、このデータに基づき Apple Books が定義します。寸法は、ブック全体で同一として、<body> タグ内で記述したものとも一致している必要があります。

EPUB 3 固定レイアウト型

EPUB 3 固定レイアウト型ブックを作成する場合、「EPUB 3 の構造の概要」と「EPUB 3 の機能の概要」に定義されている EPUB 3 の要件のほか、固定レイアウト型ブックのみに適用される、本セクションのガイドラインもご確認ください。

  • 固定レイアウト型ブックの場合、OPF ファイル内で <metadata> 要素の <meta property="rendition:layout"> タグで pre-paginated と記述する必要があります。詳しくは「ブックレイアウトのメタデータの定義」をご覧ください。

  • 固定レイアウト型ブックでは、カスタムサンプルを提供しない場合に限り、ランドマークナビゲーション構造が必要になります。このデータは、Apple Books でのブックサンプル作成時に、ブック本文の開始位置を特定するために使用されます。詳しくは「Landmarks (ランドマーク)」をご覧ください。

縦スクロール

マンガなどの一部のブックでは、1 回の連続スクロールで空白や隙間がないままコンテンツが表示されるように設計されています。縦スクロールにより、読者はコンテンツを上から下へ表示して読むことができます。Apple Books のコンテンツドキュメントは、<spine> 要素内の列挙順で表示されます。これにより、ブック内の読む順序が線形に決まります。縦スクロールを指定することにより、コンテンツドキュメント間に空白を挿入せず、連続してコンテンツを表示します。

上から下へ読むデザインのブックでは、以下のガイドラインに留意してください:

  • 縦スクロール指定の固定レイアウト型ブックは、デバイスの縦向き表示に最適化されているため、マンガなどのコンテンツを切れ目なく上から下に読むことができます。

  • 縦スクロール指定の固定レイアウト型ブックを作成する際は、OPF ファイル内にある <metadata> 要素の <meta property="rendition:flow"> タグで scrolled-continuous と記述してください。記述方法について詳しくは「ブックレイアウトのメタデータの定義」をご覧ください。

    <metadata xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" >

    <dc:title>Fixed-Layout Book</dc:title>

    <dc:identifier id="bookid">0123456789</dc:identifier>

    <dc:language>en</dc:language>

    <meta property="rendition:layout">pre-paginated</meta>

    <meta property="rendition:spread">portrait</meta>

    <meta property="rendition:flow">scrolled-continuous</meta>

    </metadata>

  • 読者は、フォントの環境設定で縦スクロールモードを選択することで、縦スクロールモードをオンにすることが出来ます。

  • 固定レイアウト型ブック内の画像は、560 万ピクセル以下とします。ピクセル数は、画像の高さと幅を掛け合わせることで算出できます。詳しくは「固定レイアウト型ブック内画像の最適化」をご覧ください。

ブックレイアウトのメタデータの定義

EPUB 3 固定レイアウト型ブックでは、<metadata> 構造体を使用してブックのレイアウトを定義します。EPUB 2 では、このメタデータは Apple Display Options ファイルで定義していましたが、EPUB 3 では、OPF ファイル内で <metadata> 要素を記述し、ここで定義します。以下の例を参照してください。

<metadata xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" > <dc:title>Fixed-Layout Book</dc:title> <dc:identifier id="bookid">0123456789</dc:identifier> <dc:language>en</dc:language> <meta property="dcterms:modified">2012-08-15T00:00:00Z</meta> <meta property="rendition:layout">pre-paginated</meta> <meta property="rendition:spread">none</meta> </metadata>

以下に、使用可能なレイアウトプロパティの属性を示します。

rendition:layout

例:

<meta property="rendition:layout">pre-paginated</meta>

これは、ブックがリフロー型か固定レイアウト型かを指定するものです。サポートされる値は、reflowable (標準のリフロー型ブック) および pre-paginated (固定レイアウト型ブック) です。EPUB 2 における fixed-layout : true|false に該当するものです。

rendition:spread

下記は、見開きページごとに 2 つのコンテンツドキュメントを指定する例です。

<meta property="rendition:spread">auto</meta> または <meta property="rendition:spread">both</meta>

下記は、見開きページごとに 1 つのコンテンツドキュメントを指定する例です。

<meta property="rendition:spread">none</meta>

これは見開き当たり 1 つまたは2 つのコンテンツドキュメントがあるかどうかを定義します。 サポートされる値は、autoboth、およびnoneです。

rendition:flow

spine 項目ごとに連続したスクロール表示でコンテンツを表示させる例:

<meta property="rendition:flow">scrolled-continuous</meta>

縦スクロールモードで空白や隙間なく 1 回の連続スクロールでブックを表示する場合は、本属性の定義が必要です。(「縦スクロール」を参照してください。)属性の定義がされない場合、ブックの縦表示において、コンテンツドキュメント間に空白が挿入されます。

ibooks:specified-fonts

例:

<meta property="ibooks:specified-fonts">true</meta>

これはブックに組み込みフォントがある場合に定義する必要があります。これは、EPUB 2 で specified-fonts : true|false に等価なものになります。

ヒント: specified-fonts 属性を使うと、ユーザが選択した行端揃えの設定が上書きされます。この場合、埋め込みフォントを使用する必要はありません。Apple Books の環境設定では、ユーザはテキストの表示オプションとして両端揃えを選択できます。このオプションが選択されると、指定したテキストの行揃え設定がすべて上書きされ、見出しも含め、ブック内のすべての段落が両端揃えになります。specified-fonts 属性を true に設定することで、テキストの行揃えを維持できます。 この属性を設定しておけば、ユーザがブックを読むときに別のフォントを選択しない限り、CSS スタイルシートに指定されているフォント設定が維持されます。万が一ユーザが別のフォントを選択した場合でも、段落の行揃えはユーザの設定に戻りますが、見出しのテキストの行揃えは維持されます。ユーザが後で「元の」フォントに戻すと、テキストに指定されている行揃えの設定になります。

注記: EPUB 3 固定レイアウト型ブックを作成する場合、OPF ファイル内で <package> 要素を記述し、そこに次の prefix 属性を含める必要があります。

<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" unique-identifier="bookid" version="3.0"

   prefix="rendition: http://www.idpf.org/vocab/rendition/#">

Table of Contents(目次)

固定レイアウト型ブックは、ナビゲーションが直感的でわかりやすくなるサムネイル形式の目次に対応しています。固定レイアウト型ブックでは、デフォルトでこの目次形式が指定されています。EPUB 3 のブックでは、HTML5 の <nav> 要素を指定することで、従来型であるリスト形式の目次も作成されます。リスト形式の目次は、料理本など、個別の章やセクションがあるページ数の多いブックには非常に役立つものですが、ページ数の少ない絵本にはあまり効果的ではなく、使用しないほうがよい場合があります。EPUB 3 ブックにリスト形式の目次を適用しないようにするには、ナビゲーションドキュメント内で <nav epub:type="toc"> ブロックに 1 つの項目のみを含めてください。サムネイル形式の目次はこの場合でも適用されます。以下は、サムネイル形式の目次例です。

固定レイアウト型ブックの目次の例

EPUB 3 固定レイアウト型ブックでは、epub:type="page-list" 属性を使用して、Apple Books で各ページに割り当てるページ番号を定義できます。たとえば、デフォルトではブックの最初のページが 1 ページ目と定義されますが、最初のページが表紙の場合、そこにページ番号を付与するのは適切ではありません。このような場合、番号を付けないページには、pageList または epub:type="page-list" で文字列を空白とすることで定義できます。このほか、最初のページには i、ii、iii や a、b、c を定義し、本文のページ番号には 1、2、3 を定義することも可能です。固定レイアウト型ブックに <pageList> または epub:type="page-list" を使用する場合は、Apple Books 2.0 以降が必要です。

下に、EPUB 3 場合の <nav> ブロック内の epub:type="page-list" の例を示します:

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?><html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops" epub:prefix="ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0">. . . <nav epub:type="page-list"> <ol> <li><a href="page001.xhtml"> </a></li> <li><a href="page002.xhtml">i</a></li> <li><a href="page003.xhtml">ii</a></li> <li><a href="page004.xhtml">iii</a></li> <li><a href="page005.xhtml">iv</a></li> <li><a href="page006.xhtml">v</a></li> <li><a href="page007.xhtml">vi</a></li> <li><a href="page008.xhtml">vii</a></li> </ol> </nav>. . . </body></html>

注記: 上記の prefix の例では、ibooks:http:// 間のスペースが重要で、単一の通常のスペース文字である必要があり、改行、区切りではないスペース、あるいはいずれかの種類の空白文字であってはなりません。

固定レイアウト型ブックでのフォントの使用方法

フォントは、リフロー型ブックと同様、opf および CSS で定義します。固定レイアウト型ブックのフォントについては、「フォントの概要」に記載の推奨事項に加え、次の事項が適用されます。

  • フォントサイズには em ではなくピクセルを使用します。

  • テキストの配置はピクセル単位で指定する必要があります。

  • 文字間の空間設定、フォントサイズ、テキスト配置に小数を使用しない。 小数値は、たとえば、5.255px のようなものです。

  • 理想的なfont-size (ピクセル単位) は、viewportheightの ~3% です。たとえば、<meta name="viewport" content="width=600, height=1000” />の場合は、font-sizeを 30px (1000 x .03) にすることをお勧めします。

固定レイアウト型ブック内画像の最適化

固定レイアウト型ブックで使用する画像については、「ブック内部の画像の要件」に記載の推奨事項に加え、次のガイドラインに従う必要があります。

  • 固定レイアウト型ブック内の画像は、JPEG フォーマットまたは PNG フォーマットとします。ファイルのサイズを抑える必要があり、かつ画像に透過処理が不要な場合は、JPEG を使用してください。JPEG の方が、ファイルのサイズは小さくなり、動作も向上します。品質レベルは 85 に指定することが推奨されます。

  • 固定レイアウト型ブック内の画像は、560 万ピクセル以下とします。ピクセル数は、画像の高さと幅を掛け合わせることで算出できます。

レイアウト

  • Apple Books はビューポートに収まるようにブックのサイズを調整するため、横方向に適したブックと縦方向に適したブックの両方とも、デバイスの向きが変わった場合でもその意図した方向でのレイアウトが維持されます。

  • 読者は自分が最も読みやすい拡大/縮小レベルでブックを読むことを選択できます。

  • 固定レイアウト型ブックの作成時、ブックを削除して新しいバージョンに差し替えた場合も、Apple Books に以前のブックの外観が表示されることがあります。これはキャッシュ機能によるものです。ブックの編集中に差し替えを多数行うことが予想される場合は、パッケージドキュメント (.opf ファイル) 内でメタデータを修正することも有用です。この場合、日付が更新されたメタデータに対して反復処理が行われます。以下に例を示します。

    <metadata xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"> <dc:title>Fixed-Layout Example 3.2</dc:title> <dc:identifier id="bookid">0123456789</dc:identifier> <dc:language>en</dc:language> <meta property="dcterms:modified">2012-08-15T00:00:00Z</meta> </metadata>

テキスト

固定レイアウト型ブックのテキストについては、次のガイドラインに従う必要があります。

  • 「波形」のテキストや厳密に書式設定されたテキストは、SVG のテキストパスを使用して作成できます。SVG の使用は控えめにすることをお勧めします。

    波形のテキスト

注記: SVG テキストの選択は、各文字がそれ自身の <tspan> にある場合に最適です。

  • 絶対配置を使用して固定レイアウト型ブック内にテキストを配置する場合は、単語単位ではなく、文節または段落単位でテキストを配置することをお勧めします。単語単位で配置すると、テキストを選択したり、検索したりする際に操作しにくくなります。

音読ブック

概要

朗読音声付きブックでは、ナレーターの音声が収められたオーディオファイルを使って、ページ上のテキストを朗読させることができます。また朗読の際、読み上げられているテキストをハイライトすることができます。読者は、セッションが途切れないように自動でページをめくるように選択することも、手動でページをめくるように設定することもできます。画面をタップすると、ブックの右上隅にコントロールが表示され、朗読の設定をカスタマイズできます。朗読コンテンツを使用できるのは、固定レイアウト型ブックのみです。Apple Books では、SMIL (Synchronized Multimedia Integration Language) のサブセットで、EPUB 固有のものとなる「メディアオーバーレイ」という機能を使用して、テキストとオーディオを同期します。このセクションでは、メディアオーバーレイ、SMIL ファイルに関する情報と、メディアオーバーレイを使用して Apple Books の朗読コンテンツを制作する場合のヒントについて説明します。

朗読ブックには、カスタムプレビューが必要です。「朗読音声付きブックのサンプル」を参照してください。

朗読機能のユーザインターフェイスについて

読み上げ機能を持つブックには、上のツールバー内にオーディオボタンが配置されます。 オーディオボタンをタップすると、ボリュームスライダー、ページめくりオプションメニュー、読み上げ開始/読み上げ停止ボタンのあるポップオーバーが開きます。 読み上げは現在のページから始まり、オーディオの使用に応じてテキストが強調表示されます。 自動ページめくりがオンの場合、ページのオーディオコンテンツの再生終了後にページはめくられます。

朗読インターフェイス

Apple Books 向けの朗読コンテンツを制作するツール

Apple Books 向けの朗読コンテンツを制作するには、以下のものが必要です。

  • 固定レイアウト型ブック

  • ナレーションのオーディオファイル

  • オーディオファイル内に時間を指定するオーディオ編集ツール

注記: このドキュメントでは、無料のクロスプラットフォーム対応オーディオ編集ツールである Audacity を使用して、オーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングする方法を内容紹介します。 別のオーディオ編集ツールを使用してオーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングしてもかまいません。 オーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングする手順は、使用するツールによって異なります。

メディアオーバーレイの構造

読み上げ機能のナレーション時に、読み上げられているテキストを、単語単位または文節単位に強調表示する、あるいはまったく強調表示をしない設定が可能です。 読み上げ機能の強調表示は、Media Overlay を使用して行われます。Media Overlay は、オーディオファイルの一部を対応するテキストの語句に同期させる EPUB3 の機能です。テキストの語句は、標準の HTML id を使用して認識されます。対応するオーディオは、開始時間および終了時間に参照されます。特定されたテキストとオーディオは SMIL XML ファイルを使用して一緒に組み合わせられます。SMIL ファイルには組み合わされた <par> 要素が含まれ、それぞれが <audio> 要素と <text> 要素を含みます。 <text> 要素と <audio> 要素がそれぞれ、必要とされる src 属性を含みます。<text> 要素に使用される src 属性は、特定される語、テキスト語句、または文節を指し示すフラグメント識別子 (# (hash) で始まる src 属性の終わりに追加されるセグメント) を持つ URL を使用します。<audio> 要素に使用されるsrc 属性は、EPUB バンドル内のオーディオファイルの位置を示す URL です。<text> 要素内の単語や文節の強調表示はフラグメント識別子により定義され、<audio> 要素内の対応するスピーチ対象の単語や文節は clipBegin および clipEnd 属性により定義されます。

注記: オーディオは、タイトルページから開始し、タイトルと著者がそのオーディオの一部として朗読されるように設定することをお勧めします。

SMIL ファイルの例

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><smil xmlns="http://www.w3.org/ns/SMIL" version="3.0" profile="http://www.idpf.org/epub/30/profile/content/"> <body> <par id="par1"> <text src="page1.xhtml#word0"/> <audio src="audio/page1.m4a" clipBegin="5s" clipEnd="15s"/> </par> <par id="par2"> <text src="page1.xhtml#word2"/> <audio src="audio/page1.m4a" clipBegin="15s" clipEnd="25s"/> </par> </body></smil>

HTML ファイルの例

<p> <span id="word0">Shall</span> <span id="word1">I</span> <span id="word2">compare</span> <span id="word3">thee</span> <span id="word4">to</span> <span id="word5">a</span> <span id="word6">summer's</span> <span id="word7">day?</span></p>

メモ

  • すべての <par> 要素は、ブックのナレーション順に従うものとします。 (たとえば、<par id=”par2”><par id=”par1”> の次にくる必要があります。)

  • 読み上げ機能時の単語の強調表示は、コンテンツ作成者の定義に応じて、詳細なもの、または大雑把なものに設定できます。 子供向けのブックに関しては、単語ごとの強調表示が強く推奨されます。 テキスト ID 属性は、文節レベルでも定義することができます。

  • ハイライトの書式は、CSS を使用して定義します。ハイライトの色を設定したり、ハイライトの色をテキストと同じ色にしてハイライトが見えないようにすることもできます。「メディアオーバーレイの CSS スタイル」を参照してください。

  • XHTML ドキュメント 1 つにつき、1 つの SMIL ドキュメントを作成します。

オーディオなしのページ

オーディオなしのページでは、ページをめくるタイミングを設定できます。Apple Books には、方向ごとに、単ページと見開きの 2 つのデフォルトの拡大/縮小レベルがあります。読者がページを拡大すると、ナビゲーション中に各ページが単独でフォーカスされます。読者が見開き表示にすると、表示中の見開きページ全体がナビゲーションの対象とみなされます。

  • 「ページ移動」が「自動」に設定されている場合、Apple Books はオーディオが関連付けられていないページまたは見開きページが表示されたときに朗読を 3 秒間一時停止します。3 秒経過すると、朗読が再開され、次のページまたは見開きページに進みます。

  • ページ移動」が「手動」に設定されている場合、Apple Books はオーディオのないページまたは見開きページを開き、すぐにページの隅を折り返して、ページをめくるよう読者に促します。

  • この動作をオーバーライドし、見開き全体をスキップするには、スキップ対象の見開きに対応する <par> を設定し、0 時間を定義します。 3 秒より長い一時停止時間を設定する場合には、オーディオファイルにその時間を組み込んでください。

メディアオーバーレイ用のオーディオの処理

このセクションでは、開始時間と終了時間の指定など、オーディオ付きページの設定方法について説明します。

オーディオファイルに開始時間と終了時間を指定する

ナレーション用オーディオは、1 つの長いオーディオファイルでも、連続したクリップでもかまいません。 オーディオ編集ツールで、オーディオファイル内の単語またはテキストフレーズの開始時間と終了時間をマーキングすることが可能であり、SMIL ファイル内でも簡単に定義できます。

注記: 無料のクロスプラットフォーム対応オーディオ編集ツールである Audacity を使用して、オーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングする方法を下に内容紹介します。 別のオーディオ編集ツールを使用してオーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングしてもかまいません。手順は使用するオーディオ編集ツールによって異なります。

Audacity を使用して、オーディオファイル内に開始時間および終了時間をマーキングする:

  1. オーディオファイルをインポートします。

  2. カーソルを目的の開始時間に移動します。

  3. Command+B を押して、カーソル位置にラベルを設定します。

  4. 空白なしの命名規則を使用してラベルに名前を付けます。

  5. ラベルトラックで、新規に追加したマーカーの右側のハンドルを終了時間までドラッグします。 ラベルは範囲を表現し、フレーズの開始時間および終了時間の両方をマーキングしています。

  6. ラベルをエクスポートするには、「ファイル」「ラベルの書き出し」を実行し、テキストドキュメントとしてラベルを保存します。

最終的なオーディオファイルは、Apple Books の標準オーディオエンコーディングのガイドラインに沿ってエンコードする必要があります。オーディオトラックはステレオ、拡張子は .m4a として、256 kbps の AAC としてファイルをエンコードしてください。

Audacity の例

メディアオーバーレイの CSS スタイル

朗読ブックでは、朗読中のコンテンツがハイライトされます。Apple Books のデフォルトのハイライトは青色ですが、メディアオーバーレイのアクティブクラス用に独自の CSS スタイルを定義することで別のスタイルを指定できます。このクラスでは、コンテンツがアクティブであることを示す標準 CSS スタイル(色、テキストシャドウなど)を使用できます。ブックのテキストに定義済みの色がある場合(デフォルトの黒以外)は、ブックに定義済みの -epub-media-overlay-active 色を含める必要があります。これによって、そのテキストの色が、朗読中の単語に使用される Apple Books のデフォルトの色を上書きします。

各ユーザのオーバーレイアクティブクラスを定義するには、メタプロパティactive-classを使用してパッケージドキュメント (.opf) メタデータにクラス名を定義する必要があります。 例:

<meta property="media:active-class">-epub-media-overlay-active</meta>

次に、クラス名をスタイルシートにインクルードします。 CSS の例:

.-epub-media-overlay-active {    color: red;}

メディアオーバーレイのスタイルを設定する際には、次の推奨事項に従ってください。

  • 全体で同じ色を使用します。擬音語などの特殊な音に対応するテキストを目立たせたいなど、特定の目的がある場合を除き、ハイライトの色は変更しないでください。

  • フォントの色と背景色の両方を引き立たせる色を使用します。理想的な色は、各ブックのデザインや背景によって異なります。

  • 高彩度色を強調するパステルカラーや淡い色は使用しないでください。

アンビエントサウンドトラック

アンビエントサウンドトラックをブックに追加するには、属性 epub:type="ibooks:soundtrack" のオーディオ要素を含め、xmlns:epub 名前空間と epub:prefix="ibooks:" 名前空間の両方を含めるようにします (下記コード例を参照してください)。

注記: ブック全体で単体のサウンドトラックにするのが最適です。 それぞれの見開きに新しいサウンドトラックを定義する場合は、前のサウンドトラックの終わりと新しいサウンドトラックの開始に遅延があることに注意してください。

アンビエントサウンドトラックの例

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops"epub:prefix="ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/">... <audio epub:type="ibooks:soundtrack" src="audio/sonata14.m4a"/>...</html>

注記: 上記の prefix の例では、ibooks:http:// 間のスペースが重要で、単一の通常のスペース文字である必要があり、改行、区切りではないスペース、あるいはいずれかの種類の空白文字であってはなりません。

ブック全体で 1 つのサウンドトラックを使用する場合は、すべての XHTML ドキュメントに同じオーディオファイルを含めます。 これにより、ドキュメント全体でこのサウンドトラックが切れ目なく再生されます。このオーディオファイルはループ再生されます。

理想的なパフォーマンスを実現するには、CSS を使用してページ境界の外にサウンドトラックオーディオを配置します。

audio { position: absolute; top: -30px;}

朗読コントロールの埋め込み

ブックにメディアオーバーレイが含まれている場合は、Apple Books のツールバーに自動的に朗読コントロールが表示されますが、ブックのコンテンツに開始、終了、切り替え用のコントロールを埋め込むこともできます。その場合は、readaloud 属性を使います。この属性を記述する場合は、<html>ibooks 名前空間と接頭辞も含める必要があります。

接頭辞の例

epub:prefix="ibooks: http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0"

注記: 上記の prefix の例では、ibooks:http:// 間のスペースが重要で、単一の通常のスペース文字である必要があり、改行、区切りではないスペース、あるいはいずれかの種類の空白文字であってはなりません。

埋め込みコントロールの例

<p ibooks:readaloud="startstop">Read Aloud</p>

次の属性を使用できます。

"start"readaloud を起動します

"stop"readaloud を停止します

"startstop"readaloud が停止されている場合に再生し、再生されている場合には readaloud を停止します。

ページめくりのスタイルの定義

組み込まれた読み上げ制御機能のページめくりのスタイルを定義できます。 ページめくりのスタイルは、自動または手動のいずれかです。 これら 2 つの値は、読み上げ機能のメニューから直接、自動または手動ページめくりを選択するのと同様に機能します。

例:

<p ibooks:readaloud="startstop" ibooks:readaloud-turn-style="automatic">Automatic</p><p ibooks:readaloud="startstop" ibooks:readaloud-turn-style="manual">Manual</p>

朗読ブックのナレーションの制御

デフォルトでは、読み上げブックに読み上げ機能のナレーションに加え、オーディオファイルまたはビデオファイルが含まれる場合、メディアは読み上げ機能に平行して再生されます。 読み上げ機能の動作は、わずかな簡単な変更で制御可能です。

読み上げ機能の動作を制御するには、名前空間が http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/" に設定されていることを確認してください。たいていの場合、ドキュメントの HTML タグ上で処理可能です。

  • Apple Books JS ライブラリを使用する場合は、data-pause-readaloud 属性を"true" の値に設定してトリガー要素に追加します。

  • <audio> または <video> 要素を使用している場合は、pause-readaloud 属性の値を "true" の値に設定してトリガー要素に追加します。

ユーザがメディア要素を操作するときは、メディアが再生中の間はナレーションが一時停止し、メディアの再生が終了するとナレーションが再開します。

下の例に、静的なメディア要素の pause-readaloud 属性の使用方法を示します:

<video src="video/H264-640x480.m4v" ibooks:pause-readaloud="true" controls="controls" poster="images/posterimage.jpg"/>
<audio src="audio/loop.m4a" ibooks:pause-readaloud="true" controls="controls"/>

次の例は、Apple Books JS ライブラリでpause-readaloud属性を使用する場合の記述です。

<div class="ibooks-media-audio" data-ibooks-audio-src="audio/loop.m4a" data-ibooks-pause-readaloud="true">Audio</div>

data-ibooks-audio-reset-on-playを含む Apple Books JS を使用する場合は、その値を"true"に設定すると、ユーザがメディア要素をトリガーするたびにメディア要素が最初から再生されるように制御できます。

この属性を使用するには、Apple Books 1.5 以降が必要となります。

朗読コントロールのスタイル設定

その時の状態に応じて、.-ibooks-media-overlay-enabled を使用して "startstop" 要素のスタイルを設定します。

html #mybutton {    /* style when readaloud is stopped */ color: green;}
html.-ibooks-media-overlay-enabled #mybutton {    /* style when readaloud is playing */ color: red;}

SMIL ファイルとオーディオファイルを EPUB に追加する

SMIL ドキュメントおよびオーディオファイルは、OPF のマニフェストに含める必要があります。 SMIL およびナレーション用オーディオファイルの列挙に加えて、SMIL ドキュメントは、XHTML ドキュメントの media-overlay 属性を含めて、対応する XHTML ドキュメントとクロス参照される必要があります。 media-overlay 属性は、対応する SMIL ドキュメントの id 名に等価な値を持ちます。

重要: OPF のオーディオファイルに正しい media-type が指定されていることを確認してください (m4a ファイルに適した media-type は "audio/m4a" です)。media-type が正しくないと、カスタマーがブックを購入した後にオーディオが再生されません。この問題は、Apple Books へのデリバリ前に行うローカルテストでは発見されません。

マニフェストの例

<manifest> ... <item id="page1" href="page1.xhtml" media-type="application/xhtml+xml" media-overlay="mo-page1"/> <item id="audio1" href="page1.smil" media-type="application/smil+xml"/> <item id="narrat" href="audio/page1.m4a" media-type="audio/m4a"/> ...</manifest>

Media Duration

パッケージドキュメントは、ブック全体の再生時間と同様に、それぞれの Media Overlay の再生時間を含んでいる必要があります。 refines 属性は SMIL ドキュメントの ID を参照します。

以下に例を示します。

<package> <metadata xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" > . . . <meta property="media:active-class">-epub-media-overlay-active</meta> <meta property="media:duration">0:00:48</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage001">0:00:03</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage002">0:00:06</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage003">0:00:06</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage004">0:00:05</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage005">0:00:15</meta> <meta property="media:duration" refines="#moPage007">0:00:12</meta> . . . </metadata>

改訂履歴

ガイド変更履歴

次の表に、これまでの仕様と改定事項を示します:

日付/バージョン

概要

2022 年 4 月 10 日 - バージョン 5.2.14

ブック内部の画像に対する要件と、ブックのダイレクトリンクを生成する方法を更新しました。

2022 年 12 月 12 日 - バージョン 5.2.13

ダークテーマ向けにカスタムできるテキストの色について情報を追加しました。

2021 年 4 月 5 日 - バージョン 5.2.12

縦スクロールをサポートしました。スクリーンショットのサイズを追加しました。

2019 年 10 月 28 日 - バージョン 5.2.11

ビデオファイルを、MPEG-4 コンテナに HEVC で格納してデリバリできるようになりました。

2019 年 6 月 24 日 - バージョン 5.2.10

固定レイアウト型ブックのフォントに関する推奨事項を追加しました。朗読音声付きブックのメディアオーバーレイに関する推奨事項を追加しました。

2018 年 10 月 8 日 - バージョン 5.2.9

フォントとオーディオに関する推奨事項を追加しました。ブランド表記を適宜 iBooks から Apple Books に変更しました。

2017 年 4 月 12 日 - バージョン 5.2.8

余分な文字が含まれているコード例を修正しました。

2016 年 11 月 16 日 - バージョン 5.2.7

SMIL ファイルの media-type (メディア形式) タグのフォーマットについて、わかりやすく書き換えました。

2016 年 7 月 21 日 - バージョン 5.2.6

フォントのサイズ設定を訂正しました。マイナーな変更を加えました。

2016 年 5 月 17 日 - バージョン 5.2.5

フォントのガイドラインを追加しました。 テキストの行揃えと脚注について明確にしました。 フォントサイズと内部画像について修正を加えました。

2016 年 2 月 16 日 - バージョン 5.2.4

固定レイアウト型ブックの方向設定および綴じに関するタグが非推奨となったため、その旨を記載しました。外字イメージおよび埋め込みオーディオのガイドラインを追加しました。

2015 年 7 月 9 日 - バージョン 5.2.3

ブックの内部画像の要件を変更しました。

2014 年 10 月 22 日 - バージョン 5.2.2

iBooks リンクフォーマット追加。 新しいブック校正ツールの内容紹介。 MathML の内容紹介明確化。

2014 年 9 月 18 日 - バージョン 5.2.1

リフロー型の EPUB ブックの画像サイズ設定が変更となったため、その旨を記載しました。ビデオポスターフレームのアートワークについて明記しました。リンクについて明記しました。中国語コードの実装について明記しました。FixedLayout_3-2.epub の固定レイアウト型ブックの例の名前を変更、および FlowingExample3-1.epub のリフロー型ブックの例を変更しました。

2014 年 4 月 9 日 - バージョン 5.2

画像の要件および推奨事項の変更。 使用可能 EPUB 校正ツールの追加と変更。 オーディオまたはビデオの組み込み方法の変更。 ブックのバージョン設定の変更。 バージョン番号を新バージョン体系に合わせ、5.1 Revision 2 から 5.2 へ本仕様書のバージョン番号の変更。

2013 年 8 月 13 日 - バージョン 5.1.2

JavaScript との対話機能のあるブックの設計上の留意事項の追加。 iBooks で使用可能な日本語フォントの明示。 ブックの新規バージョンの作成時、OPF の idrefs を旧ブックと同一に維持すること。 リフロー型のブック内のスクロール動作の詳細内容紹介。 ブックカバーアートの詳細内容紹介。 内部画像のピクセル制限の増加。 新 iPad のスクリーンショットサイズについての更新。 サンプルカットの詳細内容紹介。 タイポの内容紹介の更新。 iBooks に対する iBookstore のブランド付けの変更。

2013 年 2 月 21 日 - バージョン 5.1.1

画像サイズ、テキストの向き、バージョン設定について明記しました。縦中横のレイアウトがサポート対象となったため、その旨を記載しました。固定レイアウト型ブック内のブック綴じを非表示にするレイアウトプロパティが追加となったため、その旨を記載しました。文字の規定の向きを示す UTR#50 の Rev.6 に iBooks が準拠したため、その旨を記載しました。順序性のないドキュメントが固定レイアウト型ブックとしてサポートされない点について明記しました。

2012 年 10 月 31 日 - バージョン 5.1

EPUB 3 のサポートに関する情報を追加しました。バージョン設定を追加しました。外字のサポートを追加しました。新しい EPUB 3 のサポートに基づき、朗読ブックを変更しました。リンク形式を変更しました。名前の更新に伴い、ibook.js を ibooks.js に (iBook JS は iBooks JS に) に変更しました。全体で名前空間を更新しました。EPUB 2 関連のすべてのセクションを削除しました。EPUB 2 については、Apple Books アセットガイド 5.0を参照してください。

2012 年 5 月 30 日 - バージョン 5.0

ブックマーケティング画像の要件の変更。 推奨画像フォーマットのリストから TIFF を削除。

2012 年 4 月 3 日 - バージョン 4.9

リフロー型と固定レイアウト型のブックの両方がカスタムページ番号を設定可能となったため、その旨を記載しました。Multi-Touch ブックに関する章を追加しました。画像とリフロー型ブックのベストプラクティスを記載しました。スクリーンショットの素材要件を追加しました。朗読音声付きブックにカスタムプレビューが必須であることを明記しました。

2011 年 12 月 8 日 - バージョン 4.8

本ガイドの構成を整理および簡潔にし、余分なセクションを削除しました。本ガイドに含まれている「標準 EPUB」という表現をすべて「リフロー型ブック」に変更しました。表の処理について明記しました。フォントおよび固定レイアウト型ブックの推奨事項を追加しました。インタラクティブなコンテンツを含むブックに関するセクションを追加しました。HTML コメント内のインライン CSS が無視されるようになったため、その旨を記載しました。<spine> で参照される PDF は linear=no に設定する必要がある旨を記載しました。

2011 年 7 月 13 日 - バージョン 4.7.4

朗読コンテンツのデリバリ方法に関する章を追加しました。

本ガイド全体にいくつかの訂正を加えました。

2011 年 6 月 16 日 - バージョン 4.7.3

iBooks 1.3 でサポートされない機能の説明を削除しました。

2011 年 6 月 1 日 - バージョン 4.7.2

マルチメディアアセットのデリバリ要件について明確にしました。

2011 年 3 月 1 日 - バージョン 4.7

linear="no" の使用例へのリンク追加。 HD ソースのカラースペース要件追加。

2011 年 2 月 9 日 - バージョン 4.6

フルブリード画像のサイズ推奨事項の削除。 画像に組み込みテキストなしの明示。

2010 年 12 月 21 日 - バージョン 4.5.1

固定レイアウト型ブック (子供向けの絵本、料理本、アートブックなど) のサポートが追加されたため、その旨を記載しました。組み込みフォントおよび linear="no" のサポートが追加されたため、その旨を記載しました。標準 EPUB (リフロー型ブック) において、改ページのサポートが追加されたため、その旨を記載しました。

2010 年 12 月 1 日 - バージョン 4.5

ブックのスタンドアローン素材仕様の初リリース。 本ガイドはブックに対するビデオソースおよびオーディオソースフォーマットのみ記載。ミュージック、フィルム、テレビに関するフォーマットは対象外。 iBooks 向けブックコンテンツの準備に関するベストプラクティスを内容紹介する章の追加。

Apple Books アセットガイド 5.2.14 での変更点

内部ブック画像: ピクセル制限

内部カバー画像などブック内部の全画像に対するサイズ上限値が、400 万ピクセルから 560 万ピクセルに上がりました。

リンク

ブックに対するダイレクトリンクの生成方法を変更しました。詳しくは「Apple Books のブックに直接リンクさせる」をご覧ください。

Apple Books アセットガイド 5.2.13 での変更点

ダークテーマに関する表現およびスタイル設定

ダークテーマ向けにカスタムされたテキストの色を使用できるようになりました。詳しくは「表現およびスタイル設定」を参照してください。

Apple Books アセットガイド 5.2.12 での変更点

固定レイアウト型ブック:縦スクロール

マンガなどの一部のブックでは、1 回の連続スクロールで空白や隙間がないままコンテンツが表示されるように設計されています。縦スクロールにより、読者はコンテンツを上から下へ表示して読むことができます。Apple Books のコンテンツドキュメントは、<spine> 要素内の列挙順で表示されます。これにより、ブック内の読む順序が線形に決まります。縦スクロールを指定することにより、コンテンツドキュメント間に空白を挿入せず、連続してコンテンツを表示します。

縦スクロールを指定するには、OPF ファイル内にある <metadata> 要素の <meta property="rendition:flow"> タグで、scrolled-continuous を使用してください。詳細は、「縦スクロール」を参照してください。

スクリーンショット

11 インチ iPad デバイス (iPad Pro、iPad Air (第 4 世代)) および 10.5 インチ iPad デバイス (iPad (第 8 世代、第 7 世代)、iPad Pro、iPad Air) に対し、スクリーンショットサイズの要件が追加されました。

11 インチ:

  • 1668 x 2388 ピクセル (縦向き)

  • 2388 x 1668 ピクセル (横向き)

  • 1640 x 2360 ピクセル (縦向き)

  • 2360 x 1640 ピクセル (横向き)

10.5 インチ:

  • 1668 x 2224 ピクセル (縦向き)

  • 2224 x 1668 ピクセル (横向き)

Apple Books アセットガイド 5.2.11 での変更点

ビデオのエンコーディング

ビデオファイルのデリバリは、MPEG-4 コンテナに H.264 で格納するほかに、MPEG-4 コンテナと HEVC (High Efficiency Video Coding) の組み合わせも可能です。

iBooks アセットガイド 5.2.10 の変更点

固定レイアウト型ブック:フォントの推奨事項

固定レイアウト型ブックに理想的な font-size (ピクセル単位) は、viewportheight の〜 3 % です。たとえば、<meta name="viewport" content="width=600, height=1000” /> の場合、font-size は 30px (1000 x .03) とすることが推奨されます。

朗読ブック:メディアオーバーレイの CSS スタイル

メディアオーバーレイのスタイルを設定する際には、次の推奨事項に従ってください。

  • 全体で同じ色を使用します。擬音語などの特殊な音に対応するテキストを目立たせたいなど、特定の目的がある場合を除き、ハイライトの色は変更しないでください。

  • フォントの色と背景色の両方を引き立たせる色を使用します。理想的な色は、各ブックのデザインや背景によって異なります。

  • 高彩度色を強調するパステルカラーや淡い色は使用しないでください。

iBooks アセットガイド 5.2.9 の変更点

フォント:推奨事項

ブックで太字系のフォントを使用する予定がある場合は、埋め込みフォントの宣言時に太字の書体を含めます。これにより、iOS は通常のウエイトの書体から太字フォントを合成する必要がなくなります。

オーディオ:推奨事項

オーディオを埋め込む際に、OPF のオーディオファイルに正しい media-type が指定されていることを確認してください (m4a ファイルに適した media-type は "audio/m4a" です)。media-type が正しくないと、カスタマーがブックを購入した後にオーディオが再生されません。この問題は、Apple Books へのデリバリ前に行うローカルテストでは発見されません。

オーディオのエンコーディング

本ガイドの以前のバージョンでは、オーディオをステレオとしてエンコーディングする必要があるとしていましたが、ステレオが使用できない場合は、モノラル録音を使用することもできます。

ストアのブランド名

ブランド名の iBooks と iBooks Store をすべて Apple Books に変更しました。ただし、本ガイドの改訂履歴に記載されている旧バージョンの名前と、iBooks アプリケーションの旧バージョンの名前は除きます。XML の ibooks で使用されているタグ、属性名、属性値、ファイル名は変更していません。iBooks Author の名称と拡張子の .ibooks についても変更はありません。

iBooks アセットガイド 5.2.8 の変更点

訂正

以前に掲載した画像関連のコード例に一部、不要な文字(en.lproj/)が含まれていましたが、本ガイドの改訂版から削除しました。

iBooks アセットガイド 5.2.7 の変更点

朗読ブック:SMIL ファイルの説明の明確化

朗読ブックに SMIL ファイルを追加する際に、OPF のオーディオファイルに正しい media-type が指定されていることを確認してください (m4a ファイルに適した media-type は "audio/m4a" です)。media-type が正しくないと、カスタマーがブックを購入した後にオーディオが再生されません。この問題は、iBooks へのデリバリ前に行うローカルテストでは発見されません。SMIL ファイルとオーディオファイルを EPUB に追加するを参照してください。

固定レイアウト型ブック:レイアウトの説明の明確化

EPUB 3 で固定レイアウト型ブックを制作する際には、OPF ファイルの <package> 要素に次の prefix 属性を含める必要があります。

<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" unique-identifier="bookid" version="3.0"   prefix="rendition: http://www.idpf.org/vocab/rendition/#">

詳細については、ブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください。

固定レイアウト型ブック:テキストの配置

絶対配置を使用して固定レイアウト型ブック内にテキストを配置する場合は、単語単位ではなく、文節または段落単位でテキストを配置することをお勧めします。単語単位で配置すると、テキストを選択したり、検索したりする際に操作しづらくなります。詳細は「テキスト」をご覧ください。

マーケティングのスクリーンショット

iPad Pro 12.9 インチ Retina ディスプレイ用のスクリーンショットをデリバリできます。 以下に、ピクセル単位のサイズ(幅 x 高さ)を示します。

  • 2048 x 2732 (iPad Pro 縦向き)

  • 2732 x 2048 (iPad Pro 横向き)

iBooks アセットガイド 5.2.6 の変更点

リフロー型ブック:フォントのガイドラインの訂正

本ガイドの前のバージョンでは、フォントのガイドラインの例で、line-height パラメータとするべきところを誤って font-size パラメータと記載していました。正しくは、「line-height を指定する場合は、font-size の倍数の値を単位なしで設定します(例:line-height: 1.2;)」です。

マイナーな変更

他のドキュメントへの相互参照を、参照先のドキュメントの該当するセクションに直接リンクするように更新しました。 サンプルファイルへの参照が、「リソースとヘルプ」にある「ブックの準備」セクションに直接リンクされるようになりました。

iBooks アセットガイド 5.2.5 の変更点

リフロー型のブック: フォントのガイドライン

line-height を指定する場合は、font-size の倍数を単位のない値で指定します(例: line-height: 1.2;)。 em% などの単位を含めると、line-height で宣言されたエレメントより大きい font-size が指定されているエレメントにカスケードを許可したときに、テキスト行が重なって表示される場合があります。

テキストの行揃え: 詳細内容紹介

iBooks には、ユーザがテキストを両端揃えで表示できるオプションがあります。このオプションが選択されると、指定したテキストの行揃え設定がすべて上書きされ、ブック内のすべての段落が両端揃えになります。テキストの行揃えを指定したとおりに維持したい場合は、specified-fontstrue に設定します。この属性を設定しておけば、ユーザがブックを読むときに別のフォントを選択しない限り、CSS スタイルシートに指定されているフォント設定が維持されます。フォントの詳細についてはフォントの概要を参照してください。specified-fonts の使用の詳細についてはブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください。

ポップアップ脚注: 詳細内容紹介

EPUB 3 ブックにポップアップ形式の脚注を追加する場合は、ポップアップ形式の脚注の説明にあるとおり、<aside> 要素を使用することも、<div> または <p> 要素を使用することもできます。<aside> 要素の代わりに、<div> または <p> 要素を使用することができます。脚注を非表示にする場合は <aside> 要素を使用し、通常の読書ビューに脚注を表示する場合は、<div> または <p> 要素を使用します。<div> または <p> を使用した場合は、ユーザが脚注のリンクをクリックするとコンテンツがポップアップ形式で表示されるだけでなく、脚注がページのテキストの一部としても表示されます。

リフロー型のブック: フォントサイズの修正

このガイドの旧バージョンでは、リフロー型のブックのフォントサイズを設定する際に、em またはピクセル (px) 単位のどちらかを使用することが推奨されていました。 ただし、ピクセル単位を使用すると、ユーザがフォントサイズを調整できなくなります。 フォントサイズは em またはパーセント値 (%) で定義される必要があります。

内部画像: 訂正

次の画像に関するガイドラインで、svg:imgsvg:image に変更されました。コンテンツ内画像の適切な表示を確保するため、svg:image に画像をラッピングするのではなく、HTML img タグを使用してください。

iBooks アセットガイド 5.2.4 の変更点

固定レイアウト型ブック:方向設定のロック

iOS に画面分割機能が追加されたことにより、ブックの方向設定をロックすることができなくなりました。したがって、方向設定のロックに関する文章と例、および以下のプロパティは本書から削除されました:

rendition:orientation

ibooks:ipad-orientation-lock

ibooks:iphone-orientation-lock

固定レイアウト型ブック:ブック綴じ

これまで、見開きページごとに 2 つのドキュメントを使用する固定レイアウト型ブックは、本の背、ページ、ページめくりのエフェクトを備えた書籍らしい造りを保持していました。この書籍らしい造りの設定は、ibooks:binding プロパティで上書きすることが可能でした。今後は、固定レイアウト型ブックで書籍らしい造りがサポートされなくなるため、ブック綴じ用プロパティに関する文章と例を本ドキュメントから削除しました。

外字画像

外字の画像がすべてのテーマ (セピアや夜間) で適切に表示されるようにするために、画像の背景は透明に設定してください。透明以外の設定では、テーマによっては背景色が浮き上がって見える場合があります。

埋め込みオーディオ

標準的なビデオパネルのサイズはアスペクト比 1:2 で、iPad 上で幅 300 ピクセル、高さ 150 ピクセルの表示です。ただしこのサイズは CSS で定義することもでき、可能であれば画面幅のパーセント値として指定します。iBooks は画面サイズによらず、ビデオとオーディオがページに合うように調節します。レイアウト上の問題が発生しないようにするために、ビデオ要素の高さを明確に設定しないでください。

訂正

SMIL 文書のマニフェスト例の media-type 設定が正しく示されていませんでした。media-type 値は、次に示すように audio/mpeg から audio/m4a に変更されています:

<manifest> ... <item id="narrat" href="audio/page1.m4a" media-type="audio/m4a"/> ...</manifest>

非推奨

rendition:orientation

ibooks:ipad-orientation-lock

ibooks:iphone-orientation-lock

ibooks:binding

iBooks アセットガイド 5.2.3 の変更点

内部ブック画像: ピクセル制限

内部カバー画像のサイズ上限値は、ブック内部のすべての画像と同様、320 万ピクセルから 400 万ピクセルに拡大されています。

iBooks アセットガイド 5.2.2 の変更点

iBooks リンクフォーマット

iBooks Author を使用して作成されたブックでは、HTML ウィジェットから同じブックの別の場所へのリンクを設定する、あるいは EPUB (.epub) ブックまたは他の Multi-Touch (.ibooks) ブックへのリンクを設定することができます。 Multi-Touch ブックにリンクを設定する場合は、図、章、節、ページ番号など、特定の位置に対するリンクを設定できます。 詳細については、リンク を参照してください。

ブック校正

OS X Yosemite 以降の iBooks にはブック校正機能があり、読者の iBooks で EPUB がどのように表示されるかを確認することができます。 Mac および iOS デバイスに校正機能を設定しておくと、EPUB に加えた変更が、同期した Mac や iOS デバイス上の iBooks に自動的に反映されます。 そのため、ブックをデリバリする前や、販売用に送信する前に、表示や機能が意図したとおりに動作するかどうかを確認できます。

MathML についての内容紹介を明確化

「上記の機能に加え、MathML もサポートされています。」という文章を、「これらの機能に加え、プレゼンテーション MathML もサポートされます。」に変更しました。

iBooks アセットガイド 5.2.1 の変更点

画像

EPUB リフロー型ブック内の画像のサイズを設定する際に、コンテナ <div> 要素を指定する必要がなくなりました。画像サイズを設定する場合は、さまざまな画面サイズに適応できるようにするために、ビューポート単位を使用します。例については、「ブック内部の画像の要件」を参照してください。

画像は HTML 内で img タグを使用して定義するものとします。 寸法および配置などのスタイルは CSS で定義するものとします。

リンク

EPUB ではリンクがデフォルトで下線付きの青字で表示されるとする説明を削除しました。

ビデオポスターフレームアート

ポスターフレームは、ブック内にインラインで表示される画像です。 通常は、ビデオのクリップ (またはフレーム) です。 ポスターフレームのサイズとアスペクト比は、ビデオと同じとします。

中国語のブック: 詳細内容紹介

中国語のブックでは、言語コードの言語(zh)と字体(Hans または Hant)の両方を指定する必要があります。簡体字中国語の言語コードは zh-Hans、繁体字中国語のコードは zh-Hant です。このコードは、ブックの OPF ファイルとメタデータの両方に <language> タグを使用して指定します。<language> タグの詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様Apple Books の注釈付きのメタデータ XML ファイルを参照してください。

iTunes Connect のセクション名

iTunes Connect のモジュール名の変更に伴い、本ガイドに記載されているそれらの名称を変更しました(「コンテンツのデリバリ」を「リソースとヘルプ」に変更など)。

iBooks アセットガイド 5.2 の変更点

画像

EPUB ブック内の画像サイズを設定するときは、さまざまな画面サイズに適応できるようにするために、ビューポート単位を使用することをお勧めします。本ガイドの前のバージョンでは、パーセント単位の使用を推奨していました。例については「ブック内部の画像の要件」を参照してください。

Apple では、ブック画像 (EPUB および Multi-Touch ブックの両方) にカラースペースを sRGB に設定することを推奨します。 このカラースペースはハードウェア上で最高の機能を発揮するもので、iBooks の著者はこのカラースペースを使用する画像を最適化することができます。

オーディオとビデオの埋め込み

EPUB に埋め込むオーディオやビデオの高さ属性と幅属性は、HTML または CSS のいずれかで定義できます。 高さ属性と幅属性は、HTML の例からは削除されています。 「オーディオとビデオの埋め込み」を参照してください。

EPUB 校正

Safari Web Inspector は、OS X 上のコンテンツの校正を簡単に行えるオープンソースのウェブ開発ツールで、Safari に組み込まれています。 Web Inspector は OS X (バージョン 10.9 以降) 上の iBooks で有効にできます。 ブックの制作中に、このツールを使用してブックの修正、デバッグ、最適化を簡単に行うことができます。 詳細については、Safari の Web インスペクタを使用するを参照してください。

ブックのバージョン設定

ブックは、バージョン設定ありまたはバージョン設定なしのいずれかに設定可能です。「versioned book (バージョン設定ありブック)」は、バージョン番号付きで発行されたブック素材を示します。 EPUB 3 および Multi-Touch ブックのみ、バージョン設定ありの設定が可能です。「バージョン設定なし」ブックは、割り当てられたバージョン番号を持たないもので、EPUB 2 および EPUB 3 のブックに適用可能なものです。

「バージョン指定なし」ブック(EPUB 2 または EPUB 3)の新しいブックアセットをデリバリする際には、<version_whats_new> タグに新しいバージョンでの変更点を説明するテキストを入力できます。アセットが事前にバージョン番号を割り当てられていない限り、バージョン番号を入力する必要はありません。詳細については、Apple Books ブックパッケージ仕様を参照してください。

サンプル素材はバージョン設定ありであるべきではありません。しかし、サンプルファイルのバージョン番号を設定しない場合、バージョン番号は無視されることになります。 サンプルは、ブック素材のバージョン番号を継承します。

スキーマバージョン

新しいスキーマバージョンと番号をそろえるために、本ガイドのバージョン番号を 5.1 から 5.2 に変更しました。

iBooks アセットガイド 5.1.2 の変更点

JavaScript 対話機能

JavaScript との対話機能を持つブックのデザイン方法について内容紹介するこのセクションは、Mac OS および iOS の両方に必要となる技術上の考慮事項を含むように修正されています。 詳細については、JavaScript との対話機能のあるブックのセクション を参照してください。

日本語フォント: 詳細内容紹介

垂直記述モードでは、文字は iBooks で使用可能なフォントセットおよび絵文字に応じて自動的に回転します。 日本語テキストに用いるべきシステム提供のフォントを下に記載します:

  • ヒラギノ角ゴ ProN

  • ヒラギノ明朝 ProN

  • ヒラギノ丸ゴ ProN

  • 游ゴシック体

  • 游明朝体

重要: macOS または iOS で提供される日本語フォントを使用したい場合は、読者の環境に事前にインストールされていることが前提となるため、ヒラギノ角ゴ ProN およびヒラギノ明朝 ProN を使用することを強くお勧めします。游ゴシック体、游明朝体、ヒラギノ丸ゴ ProN を使用する場合は、読者が iBooks のフォントメニューからフォントをダウンロードして、これらのフォントを使用可能な状態にする必要があります。

ブックのバージョン設定

ブックの新規バージョンを作成する場合は、ブックの異なるバージョン間でも OPF の idrefs が常に同じコンテンツを参照するべきであることに注意してください。 たとえば、ID "html9" は、HTML ファイルの実際の名前または順序設定の要素の順序が変更される場合でも、両方のブックのバージョンの同一の章を参照するものとします。 idrefs を同一に保つことにより、ブックの 1 つのバージョン内のある章に読者がつけた注釈は、新規バージョンに同期化される場合でも、適切な章に表示されます。 idrefs を同一に維持しない場合、注釈が新規バージョンで異なる章に適用されることになります。

リフロー型のブック: スクロールについての詳細内容紹介

デフォルトでは、日本語と中国語のブックは横にスクロールし、他のすべての言語は縦にスクロールします。スクロール方向の定義を変更する場合は、OPF ファイル(.opf)で "ibooks:scroll-axis" プロパティを使用します。例については、リフロー型ブックのスクロールを参照してください。

外部ブックカバーアート: 詳細内容紹介

ストアに表示されるブックのカバーアート (マーケティング画像とも呼ばれます) は、ブックアセットに付随して配信される画像であり、ブックアセットに含まれるカバー画像とは異なります。

ブックのカバーアートは RGB カラーモードを使用する必要があり、また短い方の軸で少なくとも 1400 ピクセルとなるものとします。 最良の結果を得るためには、最低 300 dpi の画像を使用することが推奨されます。

内部ブック画像: ピクセル制限

内部カバー画像のサイズ上限値は、すべての内部ブック画像と同様、200 万ピクセルから 320 万ピクセルに拡大されています。

スクリーンショット: 詳細内容紹介

ステータスバーを持たない新しい iPad のスクリーンショットのサイズが訂正されています。 下に、すべてのスクリーンショットの幅 x 高さでのサイズを示します。 ステータスバーを取り除くためスクリーンショットをクロップする場合、その分のピクセルは高さから差し引かれます。

  • 1024 x 768 (iPad 1/2 横向き)

  • 1024 x 748(iPad 1/iPad 2 横向き、ステータスバーなし)

  • 768 x 1024 (iPad 1/2 縦向き)

  • 768 x 1004 (iPad 1/2 縦向き、ステータスバーなし)

  • 2048 x 1536 (新型 iPad 横向き)

  • 2048 x 1496 (新型 iPad 横向き、ステータスバーなし)

  • 1536 x 2048(新型 iPad 縦向き)

  • 1536 x 2008(新型 iPad 縦向き、ステータスバーなし)

サンプルカット: 詳細内容紹介

本ガイドの前バージョンでは、プレビュー用サンプルをカットするために iBooks が語数のパーセンテージ方式を使用する方法を内容紹介するときに、「ブックの始まり」が意味するところが規定されていませんでした。サンプルの開始位置は、ブックの構造によって変わることがあります。パーセンテージが算出される語数は、ブックの始まりからカウントされます。リフロー型のブックに関しては、始まりは epub:type 属性が "bodymatter" である最初のランドマークの検出で特定されます。その属性が指定されている場合、ランドマーク内の href 属性が参照する spine 項目内の発行コンポーネントからサンプルをカットします。"bodymatter" 属性が指定されていない場合、iBooks は、epub:type 属性が "cover""frontmatter""toc""foreword""introduction""dedication" のいずれでもない最初のランドマークを探し、先の "cover""frontmatter""toc""foreword""introduction"、または "dedication" ランドマークで参照されるコンポーネントに続く順序設定項目で開始します。

たとえば、ランドマーク構造が"cover""frontmatter""page1" および "bibliography"epub:type属性を含んでいた場合、iBooks は、"frontmatter" ランドマーク内で参照される spine コンポーネントを検索し、ランドマークで参照されるコンポーネントに続く順序設定項目でサンプルカットを開始します。

注記: ランドマーク内の属性が参照する発行コンポーネントは、項目リストの最後の項目に近接して列挙されることが推奨されます。語数のパーセンテージに基づいてサンプルをカットする場合、iBooks は参照される順序設定項目の前に位置する発行コンポーネントを含む場合がありえるため、iBooks サンプルにブック全体を含んでしまうこともあります。href"bodymatter"spine ではない

訂正

ブックバージョン設定のセクション、目次、および「固定レイアウト型ブックのガイドライン」の章の「アンビエントサウンドトラック」セクションで、誤記を修正しました。それらセクションでは、prefix の例で、ibooks: および http:// 間のスペースが欠落していました。ibooks:http:// 間のスペースは重要です。通常の半角スペースを 1 つ入力してください。改行、NBSP、その他通常と異なるスペースを入力しないでください。

iBooks アセットガイド 5.1.1 の変更点

テキストの向き:Tatechuyoko

縦書きテキストでは、桁の少ない数字やラテン語系のテキストを横書きに配置することが望ましい場合があり、これを縦中横と呼びます。縦中横を作成するには、CSS プロパティの -webkit-text-combine を使用する必要があります。詳細については、テキストの向きを参照してください。

テキストの向き:詳細内容紹介

それぞれのコンテンツドキュメントは、1 つの writing-mode 値をサポートできます。ブック内に水平テキストおよび垂直テキストの両方が必要になる場合は、それぞれのテキストの向きを別々のコンテンツドキュメントに対して区分する必要があります。Tatechuyoko は、CSS の writing-mode プロパティを使用して作成してはなりません。

外字画像

VoiceOver を利用する読み手に、外字イメージにアクセスできるようにするには、外字イメージ用に alt 属性を含める必要があります。詳細については、ブック内部の画像の要件を参照してください。

ブックカバー/マーケティング画像

画像サイズに対する 200 万のピクセル制限はブックアセットに付随して送付される外部カバー画像 (マーケティング画像) には適用されません。これは、ブックアセット内の画像にのみ適用されます。

ブックのバージョン設定

Apple では、iBooks に配信される最初の素材はバージョン 1.0 にすることを推奨します。 バージョン番号は読者に提示するものであり、また読者に配信する更新を管理する意味もあります。 将来的なバージョンは、妥当な形で加算される方向になるものとします。

「プレビュー」の語は「サンプル」に変更されています。 追加事項のテキストが表示される箇所に内容紹介文が追加されています。

フォント

iBooks のフォントは UTR (Unicode Technical Report) 50 draft 6 のフォント方向設定ガイドラインに準拠しています。

リフロー型のブック: 垂直テキストをスクロールする

iBooks には、読者がリフロー型ブックで選択できる表示テーマがあります。「スクロール」テーマでは、横書きテキストの場合は縦にスクロールし、縦書きテキストの場合は横にスクロールします。これは、テキストが横書きの日本語または中国語のブックに便利です。iBooks の「スクロール」テーマで縦書きテキストを表示しているときは、横の軸に沿って右から左にスクロールすると最も読みやすくなります。スクロール動作の詳細とブックのスクロール方向の定義に必要なメタデータについては、リフロー型ブックのスクロールを参照してください。

固定レイアウト型ブック:ブック綴じの非表示

見開きページごとに 2 つのドキュメントを使用する固定レイアウト型ブックに、本のような造りを適用しない場合は、binding レイアウトプロパティを挿入し、false の値を設定します。こうすることで、ブック綴じを非表示にすることができます。「ブックレイアウトのメタデータの定義」を参照してください。

固定レイアウト型ブック:詳細内容紹介

補足用ドキュメントは固定レイアウト型ブックでは使用できません。リフロー型ブックでのみ使用できます。

読み上げブック: 詳細内容紹介

 readaloud 属性を記述する場合は、<html> に iBooks の名前空間と接頭辞も含める必要があります。例については、朗読コントロールの埋め込みを参照してください。

iBooks アセットガイド 5.1 の変更点

EPUB 3 のサポート

iBooks 3.0 は、リフロー型のブックと固定レイアウト型ブックの両方に対して EPUB 3 をサポートしており、ポップアップ形式の脚注、ページ送りやテキストの向きの指定、インタラクティブ機能、Presentation MathML などの機能に対応しています。詳細については、「EPUB 3 の機能」を参照してください。

バージョン 3 EPUB の構造は、バージョン 2 EPUB のものとは異なります。 バージョン 3 EPUB にはパッケージドキュメント (.opf) およびナビゲーションドキュメント (toc.xhtml) が含まれています。 パッケージドキュメントには、メタデータ、マニフェスト、順序設定を含め、ブックに関するすべての情報が含まれています。 ナビゲーションドキュメントには、ブックのナビゲーション方法や目次、ランドマーク、ページリストなどの情報が含まれています。 EPUB 3 では、Apple Display Options ファイルがパッケージドキュメントのレイアウトメタデータに置き換えられています。 バージョン 3 EPUB の構造 を参照してください。

ブックのバージョン設定

EPUB 3 ブックと Multi-Touch ブックでは、iBooks で以前公開したことのあるブックの新しいバージョンを公開するときに、ブックにバージョン情報を付けることができます。ブックをアップデートすると、iBooks 上の旧バージョンのブックがそのブックに差し替えられ、公開されます。旧バージョンのブックをすでにダウンロードしているカスタマーには、新しいバージョンがダウンロード可能であることが通知されます。カスタマーが新しいバージョンのダウンロードを選択すると、カスタマーのデバイス上の旧バージョンのブックが新しいバージョンに差し替えられます。Multi-Touch ブックの場合は、iBooks Author バージョン 2 でブックのバージョン設定を行います。iBooks Author で公開済みのブックの新しいバージョンを公開する際に、公開過程でバージョン情報を付けるかどうかを選択できます。EPUB については、EPUB でのブックのバージョン設定を参照してください。

音読ブック

朗読ブックでは、朗読中のテキストがハイライトされます。 iBooks を使うと、ブックのページに朗読コントロールを埋め込むことができます。 iBooks 3.0 では、埋め込んだ朗読コントロールにページめくりのスタイル(自動または手動)を定義できます。 詳細については、メディアオーバーレイの CSS スタイルを参照してください。

EPUB 3 では、新しい要件として、パッケージドキュメントに各メディアオーバーレイの継続時間とブック全体のナレーションオーディの継続時間を含めることが必須になりました。詳細については、SMIL ファイルとオーディオファイルを EPUB に追加するを参照してください。

リンク

自分の Web サイト、オンライン広告、またはブック内から iBooks 上のブックに直接リンクさせることができます。 リンク構造は、ISBN に準じたものにできます。 詳細については、Apple Books のブックに直接リンクさせるを参照してください。

リンクのスタイルをカスタマイズするには、CSS を使用して、アンカー要素の色とスタイルを定義します。スタイルをカスタマイズする場合は、レイアウトメタデータの specified-fontsめる必要があります。ブックレイアウトのメタデータの定義を参照してください。

画像

ブックのカバーアートとブック内の画像のサイズについて明確にしました。外字のサポートを追加しました。詳細については、ブック内部の画像の要件を参照してください。

スクリーンショット

ブックあたり最大 5 枚のスクリーンショットをデリバリできます。

その他の変更

更新された名前に対応し、ibook.js は ibooks.js (iBook JS から iBooks JS) に変更されています。 iBooks 名前空間は、xmlns:ibooks="http://vocabulary.itunes.apple.com/rdf/ibooks/vocabulary-extensions-1.0/" に変更されています。

iBooks アセットガイド 5.0 の変更点

ブックのカバーアート

マーケティング画像とも呼ばれる、iBooks に提示されるブックのカバーアートは、RGB カラーモードを使用する必要があり、また短い方の軸で少なくとも 1400 ピクセルとする必要があります。 ブックのカバーアートファイルは、.jpg の拡張子を持つ高品質な JPEG、または .png の拡張子を持つ PNG でなければなりません。 小さい画像のサイズを最小画像サイズ寸法基準に見合うように拡大しないようにしてください。 ひどくぼやけた画像やピクセルノイズのある画像は受け付けられません。

iBooks アセットガイド 4.9 の変更点

リフロー型ブックと固定レイアウト型ブック:カスタムページ番号

リフロー型のブックおよび固定レイアウト型ブックでは、iBooks がそれぞれのページに割り当てるページ番号を定義するために、<pageList> が使用できます。たとえば、ブックの最初のページはデフォルトでページ 1 ですが、カバーページが 1 ページ目になるブックもあり、番号付けされるべきでないこともあります。 <pageList> を使用すれば、空の文字列を特定のページに定義し、番号付けされないようにすることもできます。ページ番号には、ローマ式数字 (i、ii、iii)、文字 (a、b、c)、または番号 (1、2、3) も定義できます。数字や単一文字以外のものを使用する場合は、有意で短い形式となるようにし、デバイス上で見えない部分がないことを必ず確認してください。 <pageList> の使用には、iBooks 2.1 以降が必要です。

iPad 向け Multi-Touch ブック

最適な実装、素材要件、iPad 向け Multi-Touch ブックのエンコーディングについて、新しい章が追加されています。 Multi-Touch ブックには、iBooks 2.0 以降、iOS 5.0 以降、Mac OS X 10.7.3 Lion 以降と iTunes 10.5.3 以降が必要です。

NCX ファイルについての詳細内容紹介

最適な読み手の使用感を実現するため、NCX には navMap 要素を必要とします。iBooks は NCX に提供されたデータを使用して、読み手が見る目次を構成します。 navMap 要素は、1 つ以上の navPoint 要素を含む必要があります。各 navPoint は、目次内の項目を作成するものです。ただし、navMap が 1 つの navPoint のみを含む場合、iBooks は、固定レイアウト型ブックの作成時に便利になることのあるリスト型の目次を抑止します。 たとえば、絵本は章がないため、リスト型の目次を必要としません。iBooks は常に固定レイアウト型ブックにはサムネイルの目次を作成します。

画像: 最適な実装

ブックのテスト時には、必ずナイトモード (テーマ下のナイトオプション) でのプレビューを行ってください。 夜間読書のテーマは、暗めの環境で目に優しいブックの表示を提供します。 ナイトモードでは、画像の透明な領域は黒になります。 透明な画像内に暗めのテキストがある画像の場合、そのテキストはナイトモードで判読困難になることがあります。 その場合は、白色背景の JPEG の使用が推奨されます。

Apple では、最高 200 万ピクセルを上限として、意図された表示用サイズの少なくとも 1.5 倍の大きさの画像を提供することを推奨します (画像高さ x 画像幅は、2,000,000px 未満とします)。 たとえば、単一ページのフルブリード画像は、1200px x 1600px とします。

リンク

iBooks で公開されているブックへのリンクを設定する場合は、URL の先頭に、http:// ではなく、itms-books:// を使用します。これにより、iBooks アプリケーションを離れることを知らせる最初のメッセージを表示することなく、読者を iBooks 上のブックに直接リンクさせることができます。詳細は、Apple Books のブックに直接リンクさせるを参照してください。

リフロー型のブック: フォントの最適な実装

フォントサイズは em (em) またはピクセル (px) で定義されるものとし、小や大などの名前で定義してはなりません。ブックの主要テキストは、既定の font-size を持たない、または 1emfont-size、のいずれかにするものとします。これにより、最適な読みやすさとフォントスケール設定が確保されます。

音読ブック

朗読ブックには、カスタムプレビューが必要です。 「朗読音声付きブックのサンプル」を参照してください。

スクリーンショット要件

スクリーンショットは、PNG (.png) または JPEG (.jpg) フォーマットで、フルサイズの iPad 1/2 画像 (1024 x 768 または 768 x 1024) またはフルサイズの新しい iPad 画像 (2048 x 1536 または 1536 x 2048) でなければなりません。 より見やすくするため、ステータスバーを削除してもかまいません (iPad 1/2 で 1004 x 768 または 748 x 1024 の画像、または新しい iPad で 2028 x 1536 または 1536 x 2028)。 スクリーンショットはブックの最初の送付時のみに提供するものであることに注意してください。

Adobe Creative Suite 5.5 のエラーの解決

InDesign でエクスポートした EPUB で発生する XHTML エラーの原因となる Adobe Creative Suite 5.5 のバグが修正されました。InDesign CS5.5 でこの問題が発生した場合は、7.5.2 アップデートを適用して、EPUB ファイルを再生成してください。アップデート版は、https://www.adobe.com/downloads/ から入手できます。

iBooks アセットガイド 4.8 の変更点

リフロー型のブック: テキストアラインメント

行の高さを指定する場合は、テキストブロック間の余白を、指定した行の高さの倍数にする必要があります。これは、ブックの中心線の反対側のテキストと行が揃うようにするためです。 「テキストの行揃え」を参照してください。

リフロー型のブック: 表

リフロー型のブックでは、iBooks が大きめの表のサイズをページ幅内に収まるように設定します。 読み手が表をダブルタップすると、表がブックの上に掛かる新規のウェブ画面に開きます。 このウェブ画面で、読み手は表の拡大縮小が可能です。

リフロー型のブック: 順序設定項目

<spine> が PDF を参照する場合、linear 属性は no に設定する必要があります。 linear 属性を yes に設定すると、送信に失敗します。

CSS のスタイル

XHTML ドキュメントで <style> タグを使用して CSS スタイルをインラインに定義する場合、留意するべき変更点があります。 iOS 5 では、XHTML ドキュメント内の HTML コメントは、CSS にインラインである場合でも、常にコメントとして処理されます。 この動作は XHTML 標準に準拠したものです。 これまで、スタイルタグ内の HTML コメントは無視されていたため、HTML コメント内にスタイルを適用し、iOS 5 で開始すると、<!--> でネストされた <style> は無視されることになります。 必要であれば、ブックが適正であることを確認してください。

画像 Alt 属性の詳細内容紹介

アクセシビリティのために、イメージにalt属性を含める必要があります。alt属性の使用に関するベストプラクティスについては、ブック内部の画像の要件を参照してください。

固定レイアウト型ブック:最適な実装

固定レイアウト型ブックの制作時に、ブックを削除したり、アップデートしたバージョンに差し替えた後であっても、iBooks にブックの外観が記憶されていることがあります。これはキャッシュ機能によるものです。ブックの編集中に多数の変更を加える場合は、ブック校正ツールを使用することをお勧めします(メモ:2014 年 10 月現在、ブック校正ツールは OS X Yosemite の iBooks に搭載されています)。OPF のメタデータに編集日を含める方法もあります。この日付を変更すると、iBooks のキャッシュ機能が回避されます。

固定レイアウト型ブックは、.opfファイルの <guide> ブロックに、type="text"<reference> を含む必要があります。

音読ブック

朗読ブックに、ナレーションに加え、オーディオファイルやビデオファイルが含まれている場合は、<audio>または<video>要素にpause-readaloud属性 (iBooks JS を使用している場合はdata-pause-readaloud) を含めることができます。名前空間はhttp://apple.com/ibooks/html-extensionsに設定し、pause-readaloud"true"に設定する必要があります。この属性を使用するには、iBooks 1.5 が必須です。詳細については、朗読コントロールの埋め込みを参照してください。

JavaScript インタラクティビティを含むブック

デリバリ要件とインタラクティブなコンテンツを含むブックの推奨事項に関する新しいセクションを追加しました。

Adobe Creative Suite 5.5 のエラー

Adobe Creative Suite 5.5 には、InDesign でエクスポートした EPUB で発生する XHTML エラーの原因となる可能性のあるバグがあります。 詳細については、ブックの検証を参照してください。

iBooks アセットガイド 4.7.4 の変更点

読み上げコンテンツ

固定レイアウト型ブック内に、Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL) の EPUB 固有の補助セットである、Media Overlays を使用して、読み上げコンテンツを追加することができます。 SMIL ファイルはオーディオをテキストに同期させ、読み手は語の読み上げに応じて進むことができます。単語が読みに応じて強調表示されるブックもあります。詳細については、読み上げブック を参照してください。

iBooks アセットガイド 4.7.3 の変更点

訂正

iBooks アセットガイドの前バージョンに、iBooks 1.3 の機能に関する誤った記載がありました。

iBooks アセットガイド 4.7.2 の変更点

マルチメディア送付要件

マルチメディア EPUB に組み込まれたビデオは、H.264 ビデオコーデックを使用し、MP4 または M4V ファイル拡張子で終わる必要があります。 マルチメディア EPUB に組み込まれたオーディオは、AAC オーディオコーデックを使用し、MP4 または M4A ファイル拡張子で終わる必要があります。

iBooks アセットガイド 4.7 の変更点

<spine> 要素

<spine> には、属性が linear="yes"(デフォルトの設定)の項目を最低 1 つ含める必要があります。linear 属性の値のない spine 項目は、デフォルトで linear="yes" に設定されます。linear="no" 属性が設定された spine 項目は、別のウィンドウで開きます。詳細と例へのリンクについては、非線形コンテンツを参照してください。

サンプル

「iTunes Producer 経由で送付する場合、カスタムサンプルの作成はそのときにオプションになりません。」の文章を削除しました。 iTunes Producer を使用してサンプルを送付することができるようになっています。

アセット

HD ビデオソースは、709 カラースペースとしてタグ付けする必要があります。

iBooks アセットガイド 4.6 の変更点

画像: 詳細内容紹介

画像セクションから次の文章が削除されています: 「200 万ピクセルを上限として、少なくとも 1476 x 1970ピクセル (iPad 上の iBooks で単一ページのサイズの 2 倍) のフルブリード画像が推奨されます。」 この文章は、そのサイズ (1476 x 1970 ピクセル) が 200 万ピクセルを超える画像になるため、削除されています。

画像内にテキストを組み込むと、多数のカスタマーからの苦情が出るような問題が発生することがあります。そのようなテキストは辞書や検索を行うことができず、また障害をお持ちの読者にアクセスできない部分のあるブックになってしまいます。 そのため、組み込まれたテキストのある画像付きのブックは iBooks での販売が拒否されることになります。

iBooks アセットガイド 4.5.1 の変更点

絵本のサポート

カスタマーが固定レイアウト型ブック (絵本) を開いたときの表示方法をサポートするための新しい機能が追加されました。固定レイアウト型ブックには、EPUB が固定レイアウト型 ("fixed-layout"=true) であることを示す表示オプションを設定する必要があります。固定レイアウト型ブックには、この他にも、EPUB を 2 ページの見開きで開く表示オプションと、縦向きまたは縦向きに開く表示オプションを指定します (「テキストの向き」を参照してください)。表示オプションは、プラットフォーム (iPad と、iPhone および iPod touch の別) ごとに指定できます。

組み込みフォントのサポート

EPUB はサポート済みのシステムフォントに加え、組み込みフォントを使用できるようになっています。 組み込みフォントを使用する場合は、EPUB がフォントを含むことを指定する必要があります。 そうしない場合、組み込みフォントが認識されず、ユーザ指定のフォントが代わりに使用されることになります。

ナビゲーションのサポート

OPF .opf ファイルで、<spine> 要素がコンテンツの順序性のある読み上げ順を示すために使用されます。 ブックの読み手が「次ページ」ナビゲーションを使用した場合、ページは順序設定に応じて表示されます。 順序設定項目がブックの主要な流れに対して補助的である場合 (たとえば、教科書内の回答など)、 no に設定されたオプション linear の属性を使用して、読み順を妨げないように項目をスキップすることができます。

改ページのサポート

標準のリフロー型 EPUB では、CSS プロパティのpage-break-beforepage-break-afterを使用して、要素の前後に改ページを追加することができます。詳しくは「表現およびスタイル設定」を参照してください。

iBooks アセットガイド 4.5 の変更点

ブックのスタンドアロン素材仕様の初リリース。 (バージョン番号 4.5 は、現行のバージョン体系に対応するために使用されました。) 本ガイドはブックに対するビデオソースおよびオーディオソースフォーマットのみ記載。ミュージック、フィルム、テレビに関するフォーマットは対象外。 iBooks 向けブックコンテンツの準備に関するベストプラクティスを内容紹介する章の追加。