コマンドラインから Compressor アプリケーションを実行するには、Compressor コマンドを使います。このコマンドには、ジョブを実行するときに指定できる多数のコマンドラインオプションが用意されています。
以下のコマンドラインの説明では、山かっこ(< >)でコマンドに必須の引数を示し、角かっこ([ ])で省略可能な引数を示します。
次に、クラスタでジョブを実行するコマンドの構文を示します。Compressor コマンドは、/Applications/Compressor.app/Contents/MacOS/ にあります。
この例で、‑jobpath、‑settingpath、‑destinationpath は、この順番で、実行するジョブの数だけ繰り返すことができます。
メモ: すべてのオプションが必要なわけではありません。たとえば、クラスタは、-clustername または -clusterid のいずれかで指定できます。両方を指定する必要はありません。両方指定すると、-clusterid のみが使われます。
また、-batchfilepath を指定した場合は、-jobpath、-settingpath、および‑destinationpath を指定する必要はありません。以前に保存されたバッチファイルにジョブ、設定、書き出し先に関する情報が含まれているためです。
-batchfilepath の例:
ジョブの実行が成功すると、バッチ ID(識別子)とジョブ ID(識別子)がシェルに表示されます。そのため、「Share Monitor」でバッチ処理の進行状況をモニタすることができます。
次の表で、ジョブを実行するためのコマンドオプションをそれぞれ説明します。
実行コマンドのオプション | 説明 |
---|---|
‑clustername <name> | ジョブの送信先となるクラスタの名前を指定します。このクラスタ名を使用して、「Compressor」がネットワーク上で目的のクラスタを探します。 |
‑password <value> | -clusterid または -clustername で指定したクラスタのユーザパスワードです。 |
‑batchname <name> | バッチの名前を指定し、「Share Monitor」で識別しやすくします。 |
‑clusterid <user name:password@IP address:port number> | また、-clusterid を使用してクラスタ ID(IP アドレス)およびポート番号を指定し、-clustername の代わりにすることができます。(クラスタ ID とポート番号を指定しておくと、ネットワーク上でクラスタを検索する時間が短縮されます。)IP アドレスとポートは次のように指定します: "tcp://<ip address>:<port>" クラスタがパスワードを要求する場合には、「Compressor」の「Apple Qmaster 共有」ウインドウで QuickCluster に設定したパスワードか、「Apple Qadministrator」で手動で作成したクラスタに設定したパスワードを入力する必要があります。フォーマットは、-clusterid [username:password]@<ip address>:<port> です。ユーザ名はチェックされないので任意の名前でかまいませんが、パスワードは有効なものにする必要があります。次のように、-password と -clusterid を組み合わせることもできます: -clusterid @<ip address>:<port> -password <password>
クラスタの IP アドレスとポート番号(clusterid)は、Compressor -show で確認できます。 |
‑priority <value> | ジョブの優先レベルを指定します。 |
‑jobpath <url> | ソースファイルの場所を指定します。 |
‑settingpath <url> | ジョブで使用する設定がある場所を指定します。 |
‑destinationpath <url> | ジョブの書き出し先ファイルの URL を指定します。 |
‑info <xml> | バッチまたはジョブの詳細情報を指定します。 |
‑timeout <seconds> | 「Compressor」がクラスタの検索を終了するまでの秒数を指定します。デフォルト値は 30 です。この値を 0 にするとタイムアウトの制限がなくなり、「Compressor」はクラスタを探す必要がある限りネットワークの検索を続けます。 |
‑show | クラスタの ID 情報を表示します。情報が表示されるクラスタは、‑clustername または -clusterid で指定されたものか、指定がなければすべてのクラスタになります。 |
‑help | Compressor コマンドに必要なパラメータに関する情報が表示されます。 |
ここでは、一般的な Compressor コマンドの例を示します。
次のコマンドでは、ローカルネットワーク上のすべてのクラスタ名およびクラスタ ID を表示します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します(「Final Cut Pro」という文字列にスペースが含まれているため引用符を使用)。
見つかったすべてのクラスタの名前と ID を表示します。
コマンドのタイムアウトを 10 秒に設定します。
次のコマンドでは、パスワードのない名前で識別されるクラスタでジョブを実行します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します。
このジョブを MyCluster という名前のクラスタに送信します。
My First Batch というバッチ名を割り当てます(文字列にスペースが含まれているため引用符を使用)。
「~/ムービー/MySource.mov」でジョブの MySource.mov ファイルを検索します。
「~/ライブラリ/Application\ Support/Compressor/Settings/MPEG-4.setting」にある MPEG-4 設定を使用します(文字「\」は、文字列「Application Support」に含まれるスペースを維持するために使用)。
MyOutput.mp4 という名前の出力ファイルを「~/ムービー」フォルダに書き込みます。
コマンドのクラスタの検索タイムアウトを 5 秒に設定します。
次のコマンドでは、パスワードが設定された名前で識別されるクラスタでジョブを実行します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します。
このジョブを MyCluster という名前のクラスタに送信します。
「testpassword」というパスワードを入力します。
My First Batch というバッチ名を割り当てます。
「~/ムービー/MySource.mov」でジョブの MySource.mov ファイルを検索します。
「~/ライブラリ/Application\ Support/Compressor/Settings/MPEG-4.setting」にある MPEG-4 設定を使用します。
MyOutput.mp4 という名前の出力ファイルを「~/ムービー」フォルダに書き込みます。
コマンドのクラスタの検索タイムアウトを 5 秒に設定します。
次のコマンドでは、パスワードのない IP アドレスで識別されるクラスタでジョブを実行します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します。
IP アドレス tcp://192.168.1.148 のポート 62995 にあるクラスタにこのジョブを送信します。
My First Batch というバッチ名を割り当てます。
「~/ムービー/MySource.mov」でジョブの MySource.mov ファイルを検索します。
「~/ライブラリ/Application\ Support/Compressor/Settings/MPEG-4.setting」にある MPEG-4 設定を使用します。
MyOutput.mp4 という名前の出力ファイルを「~/ムービー」フォルダに書き込みます。
コマンドのクラスタの検索タイムアウトを 5 秒に設定します。
次のコマンドでは、IP アドレスで識別されるクラスタに対し、ユーザ名とインラインパスワードを指定してジョブを実行します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します。
このジョブをユーザ「username」、パスワード「testpassword」として IP アドレス tcp://192.168.1.148 のポート 62995 にあるクラスタに送信します。
My First Batch というバッチ名を割り当てます。
「~/ムービー/MySource.mov」でジョブの MySource.mov ファイルを検索します。
「~/ライブラリ/Application\ Support/Compressor/Settings/MPEG-4.setting」にある MPEG-4 設定を使用します。
MyOutput.mp4 という名前の出力ファイルを「~/ムービー」フォルダに書き込みます。
コマンドのクラスタの検索タイムアウトを 5 秒に設定します。
次のコマンドでは、IP アドレスで識別されるクラスタに対し、パスワードを使用しますがユーザ名は指定しないでジョブを実行します。
このコマンドには、以下の要素が含まれています:
「Compressor」のある場所を示します。
このジョブをパスワード「testpassword」として IP アドレス tcp://192.168.1.148 のポート 62995 にあるクラスタに送信します。
My First Batch というバッチ名を割り当てます。
「~/ムービー/MySource.mov」でジョブの MySource.mov ファイルを検索します。
「~/ライブラリ/Application\ Support/Compressor/Settings/MPEG-4.setting」にある MPEG-4 設定を使用します。
MyOutput.mp4 という名前の出力ファイルを「~/ムービー」フォルダに書き込みます。
コマンドのクラスタの検索タイムアウトを 5 秒に設定します。