分散処理の基本

分散処理は、処理能力向上のために選択された複数のコンピュータに作業を分散することで処理を高速化します。ユーザが処理したいジョブのバッチを Apple Qmaster 分散処理システムで実行すると、このシステムはジョブを最も効率的な方法でほかのコンピュータに割り当てます(詳細については、「Apple Qmaster システムはどのようにバッチを分散するか」を参照してください)。

バッチを Apple Qmaster 分散処理システムで実行させるコンピュータをクライアントと呼びます。ジョブとは、「Compressor」のプリセットとソースのペア、Shake ファイルといった処理タスクのことです。その他、UNIX コマンドを使ってレンダリングの指示やファイルの位置/保存先などを指定するファイルやコマンドも含まれます。

Figure. Diagram showing the batch, the Apple Qmaster cluster, and the processed files.

バッチとは、同時に実行されて処理される 1 つまたは複数のジョブを指します。プロセスとしては、複数のページを持つ文書を 1 つのワープロアプリケーションからプリントし、ファイルのスプールと処理がバックグラウンドで行われるのに似ています。1 つのバッチには 1 つのジョブしか含められませんが、通常は複数のジョブを同時に実行させて処理したいと考えます。同様に、複数の人々が同じ Apple Qmaster システムを同時に使用し、同じ時間枠内に複数のクライアントコンピュータにバッチを実行させることができます。バッチの管理と分散は、次のセクションで説明する Apple Qmaster クラスタコントローラとして指定されたコンピュータで行います。

分散処理システムの設定には、3 つのアプローチがあります:

重要: 分散処理(「このコンピュータプラス」、QuickCluster、管理クラスタ)の利用時に、ユーザの認証が要求される場合があります。これは、「Apple Qmaster」では、処理中のコンピュータがメディアファイルにアクセスできるようにするためのメディアファイルへのリンクがあるフォルダを、NFS 共有を使用して共有する必要があるためです。この共有によって、このフォルダは、その IP アドレスを知っている任意のコンピュータで使用できるようになります。機密性の高いメディアを分散処理で扱う場合は、コンピュータがファイアウォールで保護されていることを確認してください。

分散処理システムを構成するさまざまなコンポーネントについて詳しくは、「Apple Qmaster 分散処理システムの基本的なコンポーネント」を参照してください。