「プレビュー」ウインドウについて
「プレビュー」ウインドウを使ってクリップの元のバージョンと出力されるバージョンを比較すれば、変更の結果をその場で表示させながら作業できます。バージョンを比較すれば、トランスコードにリソースと時間をかける前に、ファイルに割り当てた設定の効果を確認することができます。この機能を使って、出力メディアファイルの品質を確認します。
また、「プレビュー」ウインドウでプレビュー画面のサイズを大きくしたり、手動で I フレームを追加したり(MPEG-1 および MPEG-2 のみ)、インマーカーとアウトマーカーを使って、メディアファイルのトランスコード範囲を指定したりすることができます。
「プレビュー」ウインドウを使うと、トランスコードを実行する前にバッチ項目を再生して、フィルタ等の適用前後のクリップを比較し、出力メディアファイルの品質が十分なものかどうかを確認することができます。
「プレビュー」ウインドウには以下の項目があります。
プレビュー拡大/縮小選択メニュー: プレビュー画面のサイズを調整します。「100%」、「75%」、「50%」の 3 つの設定がありますが、「プレビュー」ウインドウのハンドルをドラッグすると、好きなサイズに設定することができます。
ソース/設定(出力)の表示切り替え: これらのボタンを使って、選択したバッチ項目のプレビューの表示をソースのアスペクト比とサイズに合わせるか、設定のアスペクト比とサイズに合わせるかを指定します。ソースビューボタンを押すとクロップ境界が表示されるので、クロップされる端(1 つまたは複数)を決めるのに使えます。設定ビューボタンを押すと、クロップ後のバージョンのメディアを、設定に指定されているアスペクト比とサイズでプレビューできます。
ソース/出力の情報: クリップのフレームサイズとフレームレートが、「プレビュー」ウインドウの左下コーナーに表示されています。クリップの継続時間(イン点からアウト点まで)は、右下コーナーに表示されます。ソース・ビュー・ボタンが選択されている状態では、ソース・メディア・クリップのフレームサイズとフレームレートを示します。出力ビュー・ボタンが選択されている状態では、このパッチ項目の設定のフレームサイズとフレームレートを示します。
メモ: クリップの合計継続時間(イン点とアウト点がない)を表示するには「バッチ」ウインドウでソースファイルを選択し、「インスペクタ」ウインドウ(「ウインドウ」>「インスペクタを表示」と選択)を開きます。
バッチ項目選択コントロール領域
バッチ項目選択領域は、「プレビュー」ウインドウに表示する特定の項目を「バッチ」ウインドウから選択するのに使います。
イン/アウトコントロール
バッチ項目を選択したら、イン/アウトコントロールを使用してイン点とアウト点のタイムコード情報を表示および変更できます。
イン点/アウト点のタイムコードフィールド: イン点とアウト点の正確な位置を、「時:分:秒:フレーム」の標準的なタイムコードフォーマットで表示できます。フィールドを選択して新しい値を入力すれば、手動で変更できます。新しい値が入力されると、そのタイムラインの、対応するイン点またはアウト点が現在のバッチ項目中の指定されたポイントへ移動します。
メモ: ソース・メディア・ファイルに、何らかのタイムコードが記録されているタイムコードトラックが含まれている場合は、イン点のタイムコードのフィールドとアウト点のタイムコードのフィールドに、クリップの開始および終了のタイムコードがそれぞれ表示されます。それ以外の場合は、タイムコードは 00:00:00:00 から開始します。
プレビュー画面領域
プレビュー画面領域には、現在選択されているバッチ項目が表示されます。
プレビュー画面にはまた、以下の項目があります。
画面分割スライダ: プレビュー画面の上辺に沿って画面分割スライダを適宜ドラッグし、ソース・メディア・ファイル(左側)と出力メディアファイル(右側)とを比較して表示します。画面分割は、上部にあるスライダの位置だけでなく、イメージを縦に 2 分割する垂直線によっても示されます。
クロップ境界: クロップ境界はソースビューでのみ表示されます。出力メディアファイルをクロップしたい向きに、ハンドルを使って赤い境界線や隅をドラッグします。クロップしない方向の寸法を保ちながら作業したい場合は、真ん中のハンドルを使ってフレームの 1 片全体をドラッグします。フレームをクロップするのに合わせて、プレビュー画面に新しい値(上下左右)が表示されます。また、「インスペクタ」ウインドウを開いていて、バッチのターゲットが選択されている場合は、「ジオメトリ」パネルのクロップの各フィールドの値も同様に変化するのを確認できます。出力ビューを選択すると、クロップ境界設定後の状態が表示されます。
タイムラインコントロール
タイムラインコントロールには、設定されているすべてのマーカーや現在のイン点、アウト点など、クリップに関する情報が表示されます。タイムラインは、特定のフレームに再生ヘッドを移動したり、イン点やアウト点を設定したりするのにも使えます。
再生ヘッドのタイムコード: タイムラインでの再生ヘッド位置のタイムコードが、「時:分:秒:フレーム」の標準的なタイムコード表示で表示されます。別の値を入力すると、再生ヘッドをタイムライン上の特定の位置に正確に移動することができます。
メモ: ソースメディアファイルに、何らかのタイムコードが記録されているタイムコードトラックが含まれている場合は、そのクリップのタイムコードが再生ヘッドのタイムコードのフィールドに表示されます。それ以外の場合は、タイムコードは 00:00:00:00 から開始します。
イン点とアウト点: ソース・メディア・ファイルの全体ではなく一部分のみをトランスコードしたいときに使います。これらのポイントをドラッグして、ソースメディアファイル内のトランスコードしたい範囲の始点と終点を指定します。ポイントをドラッグすると、「プレビュー」ウインドウの下部にあるイン点およびアウト点のタイムコードの値が変わります。(また、イン点設定ボタンやアウト点設定ボタンをクリックして、再生ヘッドの現在位置にイン点やアウト点を設定することもできます。)
重要: イン点やアウト点は、トランスコードが終了した後は保存されません。履歴テーブルからバッチを再実行したい場合は、もう一度クリップにこれらの点を適用する必要があります。イン点およびアウト点は、設定ではなくソースメディアファイルに割り当てられます。これにより、現在のバッチのソースメディアファイルに関連するほかの設定すべてについて、イン点およびアウト点の位置が同じになります。
再生ヘッド: 表示されているフレームがクリップ内のどの辺りにあるのかを、一目で確認できます。再生ヘッドをドラッグして、クリップ中の特定の場所にすばやく移動することができます。
マーカー: マーカーがクリップのどこに配置されているかを視覚的に示します。マーカーの色はマーカーのタイプを示しています。
青: 圧縮マーカー(手動で追加できる圧縮マーカーです。)
紫: チャプタマーカー(出力メディアファイルでチャプタごとやビジュアルアートワークごとに移動する際に使うことができる名前付きのマーカーです。)
赤: Podcast マーカー(出力メディアファイルでチャプタごとやビジュアルアートワークごとに移動する際に使うことができる名前付きのマーカーです。)
緑: 編集/カットマーカー(「Final Cut Pro」のシーケンスの編集点に自動的に追加される圧縮マーカーです。)
中央に点のあるグレイのバー: ポスターフレーム(このファイルのポスターフレームとして選択したフレームを示すバーです。)
詳細については、「マーカーとポスターフレームを使って作業する」を参照してください。
トランスポートコントロール
再生ヘッドを、前後のマーカーまたはイン点/アウト点の位置まで正確に移動させます。設定してあるマーカーの間をすばやく移動させるのに便利です。また、再生ヘッドをクリップの先頭/末尾にすばやく動かすのにも使えます。
「マーカー」ポップアップメニュー
「マーカー」ポップアップメニューを使用して、クリップのマーカーを管理します。どの設定でもマーカーを使うことができますが、出力ファイルにそれらのマーカーが実際に反映されるのは、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4 を使って、Podcast、H.264(Apple デバイス用)、QuickTime ムービー向けの出力ファイルフォーマットを設定している場合のみです。詳細については、「マーカーとポスターフレームを使って作業する」を参照してください。
「マーカー」ポップアップメニューから項目を選択して、マーカーとポスターフレームを追加したり、取り除いたり、表示したり、隠したり、編集したりします。
マーカーを追加/マーカーを取り除く: 実際の状態は、再生ヘッドがマーカー上にあるかどうかにより異なります。
編集: 再生ヘッドがマーカー上にある場合にのみ選択できます。「編集」を選択して表示されるダイアログでは、マーカーを構成できます。このダイアログから、マーカータイプを設定できるほか、URL やイメージを割り当てることができます。詳細については、圧縮マーカーや Podcast マーカーをクリップに追加するを参照してください。 チャプタ/Podcast マーカーを表示: チャプタマーカーおよび Podcast マーカー(名前付き)をタイムラインに表示するかどうかを指定します。チェックマークがついている場合は表示されます。
圧縮マーカーを表示: 圧縮マーカー(名前なし)をタイムラインに表示するかどうかを指定します。チェックマークがついている場合は表示されます。
編集/カットマーカーを表示: 「Final Cut Pro」など、ほかのアプリケーションによって編集点に自動的に配置されたマーカーをタイムラインに表示するかどうかを指定します。チェックマークがついている場合は表示されます。
ポスターフレームを設定: この項目を選択すると、現在のフレームがポスターフレームになります。ポスターフレームは、「iTunes」や Finder などのアプリケーションでビデオやオーディオのメディアファイルや Podcast チャプタを表す静止画です。デフォルトでは、ビデオファイルの最初のフレームがポスターフレームになります。
ポスターフレームを消去: ポスターフレームのマーカーを削除します。
ポスターフレームへ移動: 再生ヘッドをポスターフレームへ移動します。