インスペクタ

「Motion」でイメージ、クリップ、およびエフェクトを変更するときは、パラメータを調整します。パラメータは、プロジェクトの各特性を定義する数字属性です。「インスペクタ」は、スライダ、ダイヤル、ポップアップメニュー、チェックボックスなど、パラメータを変更するためのコントロールがある場所です。(「インスペクタ」のコントロールの詳細については、「ユーザインターフェイスのコントロール」を参照してください。)

「Motion」でイメージ、クリップ、またはエフェクトを選択すると、そのパラメータコントロールが「インスペクタ」で使用可能になり、調整ができるようになります。つまり、「インスペクタ」は状況依存型です。「インスペクタ」の表示内容は、選択されているオブジェクトに応じて変わります。「インスペクタ」にオブジェクトのパラメータを表示するには、そのオブジェクトを選択する必要があります。

「インスペクタ」には 4 つのパネルがあり、各パネルには選択しているオブジェクトのパラメータコントロールが表示されます。最初の 3 つのパネルは、「情報」、「ビヘイビア」、「フィルタ」です。どのオブジェクトを選択していても表示されます。4 番目のパネルは、一般にオブジェクトパネルと呼ばれ、選択しているオブジェクトの種類によってその名前とコンテンツが変わります。

「インスペクタ」を開くには
以下のいずれかの操作を行います:
  • 「Motion」のワークスペースの左上隅にある「インスペクタ」をクリックします。

  • 「ウインドウ」>「インスペクタ」と選択します(または Command + 3 キーを押します)。

「インスペクタ」が開きます。

メモ: 「インスペクタ」が開いているとき、「ウインドウ」>「インスペクタ」と選択する(または Command + 3 キーを押す)と、「インスペクタ」、「ファイルブラウザ」、および「ライブラリ」が表示されているパネルが隠れれ、キャンバスの作業領域が最大化されます。

「インスペクタ」、「ファイルブラウザ」、および「ライブラリ」が表示されているパネルをしまう/広げるには
以下のいずれかの操作を行います:
  • 「インスペクタ」が開いている状態で、「ウインドウ」>「インスペクタ」と選択します(または Command + 3 キーを押します)。

  • 「Motion」のワークスペースの左下隅にある「i」ボタンをクリックします。

パラメータのいくつかのグループが、表示したり隠したりできる 1 つのグループにまとめて表示されます。コントロールの表示/非表示を切り替える方法は 2 通りあります。

「表示/隠す」ボタンを使ってコントロールのグループを表示する/隠すには
  1. そのグループの名前がある行の右端(「リセット」ボタンの左)にカーソルを置きます。

  2. パラメータを表示するときは「表示」、隠すときは「隠す」をクリックします。

    Figure. Pointer hovering over Show button in the Inspector.
ダブルクリックでコントロールのグループを表示する/隠すには
  • グループ名のある行の中で空の領域をダブルクリックします。

    Figure. Inspector showing an open group of parameters and a closed group of parameters.

「インスペクタ」のプレビュー領域

プレビュー領域には、オブジェクトの視覚的プレビューや、複数のフレームで構成される動くフッテージが表示されます。「インスペクタ」のプレビュー領域は、「ファイルブラウザ」および「ライブラリ」のプレビュー領域と似ていますが、「適用」ボタンや「読み込む」ボタンがありません。

Figure. Inspector showing Preview area.

情報

このパネルは「情報」インスペクタとも呼ばれ、選択したオブジェクトの基本属性を設定するためのコントロールが表示されます。たとえば、「変形」コントロール(位置、縮小/拡大、回転など)、「ブレンド」コントロール(不透明度やブレンドモードなど)、「シャドウ」コントロール、「四隅の角」コントロール、「クロップ」コントロール、オブジェクトのイン点とアウト点を指定するためのコントロールなどがあります。

メモ: 「情報」インスペクタで使用できるパラメータコントロールは、選択しているオブジェクトの種類によって異なります。たとえば、3D グループを選択している場合、パネルに「ライティング」と「反射」コントロールは表示されますが、「クロップ」、「ドロップシャドウ」、および「四隅の角」コントロールは表示されません。

プロジェクトオブジェクト(「レイヤー」リストの一番上にあります)が選択されている場合は、プロジェクトの背景のカラー、アスペクト比、フィールドレンダリング、モーションブラー、反射などを変更できるコントロールが「インスペクタ」で使用可能になります。プロジェクトの情報について詳しくは、「プロジェクトの情報」を参照してください。

ビヘイビア

「ビヘイビア」インスペクタとも呼ばれるこのパネルには、適用したビヘイビアの属性を調整するためのコントロールが表示されます。オブジェクトにビヘイビアが適用されていない場合、「ビヘイビア」インスペクタは空のままになります。オブジェクトに複数のビヘイビアが適用されている場合は、ビヘイビアごとにグループ分けされたコントロールが縦に並んでこのパネルに表示されます。最後に適用されたビヘイビアのコントロールが一番上に表示されます。

フィルタ

「フィルタ」インスペクタとも呼ばれるこのパネルには、適用したフィルタの属性を調整するためのコントロールが表示されます。オブジェクトにフィルタが適用されていない場合、「フィルタ」インスペクタは空のままになります。オブジェクトに複数のフィルタが適用されている場合は、フィルタごとにグループ分けされたコントロールが縦に並んでこのパネルに表示されます。最後に適用されたフィルタのコントロールが一番上に表示されます。

オブジェクト

「オブジェクト」インスペクタとも呼ばれるこのパネルには、選択されているオブジェクトの種類によって異なるコントロールが表示されます。パネルの名前も状況依存型であり、選択されているオブジェクトの種類によって変化します。さまざまな「オブジェクト」インスペクタについて説明します:

  • オブジェクト: オブジェクトが選択されていないときに表示されます。この「オブジェクト」パネルには、パラメータはありません。
  • イメージ: イメージ、イメージシーケンス、ムービー、またはドロップゾーンが選択されているときに表示されます。メディアが選択されている場合、このパネルには「ドロップゾーン」チェックボックスが表示されるので、選択されているイメージがドロップゾーンの対象であるかどうかが確認できます。このチェックボックスが選択されているときは、追加のパラメータが使用可能となります。詳細については、「「ドロップゾーン」パラメータ」を参照してください。
  • グループ: 選択したオブジェクトがグループの場合に表示されます。このパネルの「タイプ」パラメータを使って、グループを 2D から 3D に、または 3D から 2D に変換できます。2D グループと 3D グループとでは使用可能なパラメータが異なります。

    2D に設定すると、「固定解像度」パラメータが使用可能になります。このパラメータを使用すると、グループのサイズを手動で定義できます。デフォルトでは、固定解像度は無効で、グループのサイズはそのグループにあるレイヤーによって決まります。詳しくは、「グループのサイズを固定する」を参照してください。

    メモ: 「固定解像度」チェックボックスを選択すると、グループは「固定幅」と「固定高さ」パラメータで指定したサイズまでグループのアンカーポイントを中心にクロップされます。

    3D に設定している場合は、「平坦化」および「レイヤーの順番」パラメータが使用可能になります。「平坦化」チェックボックスを選択すると、3D グループ内のすべての要素がカードや看板のようにフラットになります。「レイヤーの順番」チェックボックスを選択すると、プロジェクトの要素が Z 空間の順番ではなく、「レイヤー」リストの順番に従ってソートされます。詳しくは、「レイヤーの順番と深度」を参照してください。

  • プロジェクト: プロジェクトオブジェクト(「レイヤー」リストの上部にあります)が選択されている場合に表示され、「公開」および「スナップショット」パネルを含みます。「公開」パネルには、テンプレートで公開の設定がされているすべてのパラメータのリスト(フィルタのオンスクリーンコントロールを除く)が表示されます。「スナップショット」パネルは、テンプレートのさまざまな表示アスペクト比を作成するために使用されます。公開とテンプレートについて詳しくは、「Final Cut Pro X 用のテンプレートを作成する」を参照してください。
  • カメラ: カメラが選択されているときに表示され、表示のアングル、フィールドの深度のパラメータなど、シーンカメラ固有のコントロールが表示されます。カメラの使いかたについて詳しくは、「カメラ」を参照してください。
  • ライト: ライトを選択すると表示されます。ライトの種類、色、強さ、減衰を変更するためのコントロールがあります。「シャドウ」チェックボックスを選択すると、ポイントライトとスポットライトでできる影を制御するパラメータを使用できるようになります。ライトと影の操作方法について詳しくは、「ライティング」または「シャドウ」を参照してください。
  • リグ: リグを選択すると表示されます。複数のパラメータを 1 つのコントロールにマップするためのウィジェットの種類を選択できるボタンがあります。リグについて詳しくは、「リグを使用する」を参照してください。
  • メディア: プロジェクトパネルの「メディア」リストで項目を選択すると表示されます。(詳しくは、「プロジェクトパネル」を参照してください。)これらのパラメータのほとんどは、ディスク上のファイルの属性や「Motion」によるこれらファイルの解釈の方法に関するものです。プロジェクトの複数のオブジェクトが 1 つのメディアファイルを参照できるため、このパネルにはリンクされているオブジェクトのリストが表示されます。このパネルでの変更は、選択されているメディアファイルを参照するすべてのオブジェクトで反映されます。メディアパラメータの操作方法の詳細については、「ソースメディアのパラメータ」を参照してください。
  • テキスト: テキストを選択すると表示されます。このインスペクタには、テキストに影響するコントロールがすべて表示されます。「テキスト」インスペクタは次の 3 つのパネルに分かれています:
    • フォーマット: フォント、サイズ、文字間隔、カーニング、行揃え、配置、行間(行間隔)などを調整するための標準のコントロールが含まれます。また、プロジェクトで使用するテキストの内容を編集できる広いテキスト入力フィールドもあります。「フォーマット」パネルには、テキストスタイルのプリセットのポップアップメニューも表示されます。
    • スタイル: 選択したテキストの塗りつぶし、アウトライン、グロー、およびドロップシャドウを調整するためのコントロールが表示されます。各部分はグループに分かれているため、カテゴリ名の横にあるチェックボックスで選択/選択解除を切り替えられます。「スタイル」パネルには、テキストスタイルのプリセットのポップアップメニューも表示されます。
    • レイアウト: 表示されるパラグラフスタイルのコントロールを使って、パス上のテキスト、方向、レンダリング、ビヘイビアを適用するときにテキストオブジェクトが受ける影響、アンカーポイントの使用方法を設定できます。また、このパネルには、タイプオンエフェクトを作成するコントロールやテキストのパスオプションを変更するコントロールがあります。テキストパラメータの操作方法の詳細については、「テキストを作成する/編集する」を参照してください。
  • マスク: マスクを選択すると表示されます。表示されるコントロールを使って、マスクのシェイプを変更したり、複数のマスクの相互作用を定義したり、マスクを反転したり、マスクのシェイプを滑らかにしたり柔らかさを調整したり、キャンバス内のマスクの色を変更したりできます。このインスペクタには、マスクのコントロールポイントの位置を調整する値スライダも表示されます。マスク属性の操作方法の詳細については、「マスクパラメータ」を参照してください。
  • イメージマスク: イメージマスクを選択すると表示されます。このインスペクタには、「マスク」コントロールと「マスクオプション」コントロールが表示されます。これらのコントロールを使って、マスクのソース、参照フレーム(ソースがクリップの場合)、オフセット、ラップモード、ソースチャンネル、ブレンドモードなどを変更できます。詳しくは、「イメージマスクをレイヤーに適用する」を参照してください。
  • シェイプ: シェイプを選択すると表示されます。このインスペクタには、シェイプに影響するコントロールが表示されます。コントロールは次の 4 つのパネルに分かれています:
    • スタイル: シェイプの塗りつぶしやアウトラインと、アウトラインやペイントストロークのブラシタイプを変更するためのコントロールがあります。このパネルには、シェイプのスタイルのプリセットを選択できるポップアップメニューも表示されます。
    • ストローク: ペイントストロークを変更するためのコントロールが表示されます。これらのコントロールを使用して、ストロークのカラーやブラシ調整を設定したり、不透明度、間隔、幅などのパラメータを調整したりできます。
    • 詳細: ペイントストロークの一塗りをパーティクルのようにアニメーション表示するコントロールが表示されます。
    • ジオメトリ: 表示されるコントロールを使って、シェイプのタイプを変更したり、シェイプを開閉したり、シェイプを滑らかにしたり、値スライダを使ってシェイプのコントロールポイントの位置を調整したりできます。シェイプの操作方法の詳細については、「シェイプ、マスク、およびペイントストロークを使う」を参照してください。
  • エミッタ: エミッタの形状、空間(2D または 3D)、アングル、および範囲を含め、パーティクルエミッタを変更するためのコントロールが表示されます。また、このパネルからセルのコントロールにもアクセスできます。複数のセルがあるエミッタの場合、これらのコントロールはすべてのセルに適用されます。パーティクルの使いかたの詳細については、「パーティクルを操作する」を参照してください。
  • パーティクルセル: パーティクルのセルを変更するためのコントロールが表示されます。パーティクルのセルは「レイヤー」リストまたは「タイムライン」のレイヤーリストでのみ選択できます。このパネルには、発生量、速度、アングル、色などの属性のコントロールが表示されます。
  • リプリケータ: リプリケータの形状、空間(2D または 3D)、パターン、サイズ、セルコントロールなどの属性を変更するためのコントロールが表示されます。リプリケータの使いかたの詳細については、「リプリケータを使う」を参照してください。
  • リプリケータセル: リプリケータのセルを変更するためのコントロールが表示されます。リプリケータのセルは「レイヤー」リストまたは「タイムライン」のレイヤーリストでのみ選択できます。このパネルには、アングル、カラー、調整などの属性のコントロールが表示されます。
  • ジェネレータ: 選択したジェネレータのパラメータと属性が表示されます。たとえば、「レンズフレア」ジェネレータであれば、「中心」、「サイズ」、「強度」の各パラメータがあります。表示されるパラメータは、選択したジェネレータによって異なります。ジェネレータの詳細については、「ジェネレータを操作する」を参照してください。
  • オーディオトラック: プロジェクトパネルの「オーディオ」リストまたは「オーディオタイムライン」で選択したオーディオファイルを調整するためのコントロールが表示されます。レベル、パン、出力バスなどを調整できます。オーディオの操作方法について詳しくは、「オーディオを操作する」を参照してください。
  • マスター: プロジェクトパネルの「オーディオ」リストで選択したマスターのオーディオトラックを調整するためのコントロールが表示されます。プロジェクト内のオーディオトラックのレベル、パン、出力バスなどを調整できます。オーディオの操作方法について詳しくは、「オーディオを操作する」を参照してください。