「ポイントをトラック」のワークフロー

「ポイントをトラック」ビヘイビア(「シェイプ」ビヘイビアカテゴリ内にあります)は、シェイプ、マスク、ペイントストロークに使用する目的で設計されています。「ポイントをトラック」ビヘイビアは、以下の方法で使用します:

メモ: 解析されたオブジェクトの動きを、(シェイプのコントロールポイントではなく)シェイプまたはマスク全体に適用するには、「マッチムーブ」ビヘイビアを使用します。

「ポイントをトラック」パラメータについて詳しくは、「「ポイントをトラック」のコントロール」を参照してください。

コントロールポイントをクリップにトラッキングする

このセクションでは、「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用して、シェイプまたはマスクの頂点をクリップにトラッキングする方法の一般的な概要を説明します。次の例では、「ポイントをトラック」ビヘイビアが、背景クリップ内で車の分離に使用されている 7 つのコントロールポイントで構成された大まかなマスクに適用されています。

「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用してマスクをトラッキングするには
  1. キャンバスに背景クリップを表示し、マスクツールを使って背景クリップの一部を分離します。

    マスクの操作について詳しくは、「レイヤーまたはグループにマスクをかける」を参照してください。

  2. マスクオブジェクトを選択し、ツールバーの「ビヘイビアを追加」ポップアップメニューから「シェイプ」>「ポイントをトラック」と選択します。

    ビヘイビアがマスクオブジェクトに追加され、シェイプ上の各コントロールポイントにトラックが表示されます。トラックの順番は、シェイプを描画したときの順番と同じで、コントロールポイント 1 がトラック 1、コントロールポイント 2 がトラック 2、などとなります。

    Figure. Canvas window showing several trackers applied to an object.
  3. トラックをドラッグして、参照パターン上の位置を微調整します。

    ドラッグすると、トラック周囲の領域が拡大表示されます。

    Figure. Canvas window showing magnified inset that appears when a tracker is dragged.
  4. トラックを無効にするには、「ビヘイビア」インスペクタで、該当するチェックボックスを選択解除します。

    メモ: 関連付けられたトラックを持たないコントロールポイントは変更されません。

  5. HUD または「ビヘイビア」インスペクタで、「解析」ボタンをクリックします。

    マスクのコントロールポイントが参照パターンにトラッキングされます。

    この例では、自動車をクリップのほかの部分から分離できるように、マスクは移動している自動車をトラッキングしています。左側の図は、オリジナルの変更されていないクリップを示します。右側の図では、トラッキングされたマスクによって自動車が分離される(サチュレーションが低下した背景として表示される)ため、自動車とその背景は同じイメージの一部でありながら別々のエフェクトを適用することができます。マスクは、強いブラーおよびサチュレーション低下のエフェクトから自動車を保護します。

    Figure. Canvas window showing a tracked mask.

    すべてのビヘイビアと同様、「ポイントをトラック」ビヘイビアも「レイヤー」リストの新しいシェイプにドラッグまたはコピー(Option キーを押したままドラッグ)できます。ビヘイビアを新しいシェイプに適用すると、新しいシェイプのコントロールポイントにトラックが適用されます。オリジナルのトラッキングされたシェイプよりも新しいシェイプの方がコントロールポイントが多い場合、オリジナルのトラックポイントだけが適用されます。たとえばオリジナルのトラッキングされたシェイプに 3 つのコントロールポイントがあり、新しいシェイプには 5 つのコントロールポイントがある場合、新しいシェイプのコントロールポイントのうち最初の 3 つにトラックが適用されます。オリジナルのトラッキングされたシェイプよりも新しいシェイプの方がコントロールポイントが少ない場合、新しいシェイプ上の既存のポイントだけにトラックが適用されます。

    メモ: ペイントストロークには通常、膨大な数のコントロールポイントが含まれています。「ポイントをトラック」ビヘイビアをストロークに適用する前に、コントロールポイントを削除するか無効にして、ペイントストロークを単純にしてください。コントロールポイントではなく、ストローク全体をトラッキングするには、「マッチムーブ」ビヘイビアを使用します。

シェイプオブジェクトをアニメーションソースとして使用する

このセクションでは、「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用して、オブジェクト(この例では別のシェイプ)のアニメーションをシェイプまたはマスクの頂点に適用する方法の一般的な概要を説明します。アニメーションシェイプのアニメーションを別のシェイプに適用すると、オブジェクトがお互いに遊んでいるように見える、楽しいアニメーションを簡単に作成できます。

このワークフローの場合、使用するプロジェクトに、キーフレームまたはビヘイビアでアニメートされたオブジェクトが含まれている必要があります。

1 つのシェイプのアニメーションを別のシェイプのコントロールポイントに適用するには
  1. 2 つのシェイプが含まれるプロジェクトで、キーフレームまたは「基本モーション」ビヘイビアを使用していずれかのシェイプをアニメートします。

    この例では、単純な線シェイプが「スピン」ビヘイビアでアニメートされます。

    キーフレームを使用したアニメーションについて詳しくは、「キーフレームとカーブ」を参照してください。「基本モーション」ビヘイビアについて詳しくは、「「基本モーション」ビヘイビア」を参照してください。

  2. 「ポイントをトラック」ビヘイビアを非アニメーションシェイプに適用します。

    「ポイントをトラック」ビヘイビアは、「レイヤー」リストで最も近くにあるアニメーションオブジェクトのアニメーションデータを継承します。(「ポイントをトラック」ビヘイビアのインスペクタの「ソース」ウェルにそのアニメーションオブジェクトのサムネールが表示されます。)

    この例では、「ポイントをトラック」ビヘイビアがベジェシェイプに適用されています。

    Figure. Canvas window showing a source object, a Bezier shape with Track Points behavior, and the HUD showing the referenced source object.

    メモ: 別のアニメーションオブジェクトを参照するには、そのオブジェクトを「ポイントをトラック」ビヘイビアの「ソース」ウェルまでドラッグするか、「レイヤー」リストのビヘイビアにドラッグします。

  3. 「ビヘイビア」インスペクタで、「変形」ポップアップメニューから「ソースに吸着」を選択します。

    ラインのスピンアニメーションを「ベジェ」シェイプに適用します。頂点の接線はソースオブジェクトの変形と一致しているため、「ベジェ」シェイプでは形状が変更されます。

    Figure. Canvas window showing two objects moving in tandem while retaining their original relative positions.
  4. ソースオブジェクトの変形に合わせて接線を揃えるには、「ビヘイビア」インスペクタの「接線を揃える」チェックボックスを選択します。

    Figure. The Align Tangents checkbox.

    ラインのスピンアニメーションを「ベジェ」シェイプに適用します。接線は、シェイプに沿って、元のアングルで揃えられたままです。

    Figure. Canvas window showing same two objects with Align Tangents checkbox enabled.

    メモ: デフォルトでは、「変形」ポップアップメニューの「ソースに合わせる」が選択されています。「変形」ポップアップメニューについては、「「ポイントをトラック」のコントロール」を参照してください。