「シェイプ」ビヘイビア

「シェイプ」ビヘイビアは、特に、「Motion」で作成されたシェイプに適用する目的で設計されています。ストロークやほかのシェイプを描画した後、「シェイプ」ビヘイビアを適用してシェイプのコントロールポイントをリグル、反復、またはランダム化するか、筆圧をさまざまなペイントストロークの特性にマップします。

筆圧を適用

このビヘイビアは、スタイラスペンとタブレットを使って作成したペイントストロークに適用する目的で設計されたものです。ストロークを作成したら、このビヘイビアを使って、ストロークの作成時におけるタブレット上でのスタイラスペンの筆圧に従ってペイントストロークの幅、不透明度、間隔、アングル、またはジッタに影響を与えることができます。

メモ: このビヘイビアのパラメータは、「インスペクタ」の「詳細」パネルにある「筆圧」パラメータと同じものです。「詳細」パネルのパラメータとこのシェイプビヘイビアのどちらを使っても、ペイントストロークに筆圧データを適用できます。「詳細」パネルの「筆圧」パラメータと「筆圧を適用」シェイプビヘイビアを組み合わせて使用することで、同じ筆圧データを使って複数のストロークパラメータ(「不透明度」、「幅」、「ジッタ」など)に影響を与えることができます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • 最小圧: 筆圧感度の最小しきい値を調整します。最小値よりも小さい圧力値は 0 にリマップされます。「不透明度」と「幅」の場合、これらリマップされた値は表示されません。「間隔」、「アングル」、「ジッタ」の場合、値は変更されません。最小圧と最大圧をグラフにプロットした場合、「最小圧」は最小値、つまり 0 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 最大圧: 筆圧感度の最大しきい値を調整します。最大値よりも大きい圧力値は 1 にリマップされます。「不透明度」、「幅」、「間隔」、「アングル」、および「ジッタ」では、これらの値で効果が最大になります。最小圧と最大圧をグラフにプロットした場合、「最大圧」は最大値、つまり 1 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 調整: エフェクトの強度を決定します。最小筆圧(0)と最大筆圧(1)の間にマップされた値に、このスライダ(または値フィールド)で指定された値を乗算した値に基づき塗り付けの出力範囲を定義します。それから、この量がパラメータ(幅、不透明度など)に乗算(「幅」、「不透明度」、「間隔」、「ジッタ」の場合)または加算(「アングル」の場合)されて適用されます。このコントロールは、「ストローク」パネルの「調整」パラメータから独立しています。
  • 反転: このチェックボックスを使うと、ビヘイビアで作成されたストロークの属性を反転できます。たとえば、筆圧がストロークの不透明度に影響するように設定されている場合、このチェックボックスを選択すると、ストロークの透明な領域がより不透明に、不透明な領域がより透明になります。
HUD コントロール

HUD 内のパラメータは「インスペクタ」のパラメータと同じものです。

ペン速度を適用

スタイラスペンまたはマウスを使ってペイントストロークを作成するときは、このビヘイビアを使って、ペンストロークの速度に基づきペイントストロークの幅、不透明度、間隔、アングル、またはジッタに影響を与えることができます。

メモ: 「ペン速度を適用」ビヘイビアは、マウスを使って作成したペイントストロークにも適用されます。

HUD 内のパラメータは「インスペクタ」のパラメータと同じものです。

メモ: 「ペイントストロークツール」HUD では、ストロークの作成前に、スタイラスペンの速度がストロークにどのような影響を与えるかを選択できます。「ペン速度を適用」ビヘイビアを使うと、同じ筆圧データを使ってストロークの複数のパラメータ(「不透明度」、「幅」、「ジッタ」など)に影響を与えることができます。「ペンの速度」パラメータは「シェイプ」インスペクタの「詳細」パネルにも表示されます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • 最小速度: ペン速度感度の最小しきい値を調整します。最小値よりも小さい速度値は 0 にリマップされます。「不透明度」と「幅」の場合、これらの値は表示されません。「間隔」、「アングル」、「ジッタ」の場合、値は変更されません。最小速度と最大速度をグラフにプロットした場合、「最小速度」は最小値、つまり 0 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 最大速度: ペン速度感度の最大しきい値を調整します。最大値よりも大きい速度値は 1 にリマップされます。「不透明度」、「幅」、「間隔」、「アングル」、および「ジッタ」では、これらの値で効果が最大になります。最小速度と最大速度をグラフにプロットした場合、「最大速度」は最大値、つまり 1 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 調整: エフェクトの強度を決定します。最小速度(0)と最大速度(1)の間にマップされた値に、このスライダ(または値フィールド)で指定された値を乗算した値に基づき塗り付けの出力範囲を定義します。それから、この量がチャンネル(幅、不透明度など)に乗算(「幅」、「不透明度」、「間隔」、「ジッタ」の場合)または加算(「アングル」の場合)されて適用されます。このコントロールは、「ストローク」パネルの「調整」パラメータから独立しています。
  • 反転: このチェックボックスを使うと、ビヘイビアで作成されたストロークの属性を反転できます。たとえば、ペンの速度がストロークの幅に影響するように設定されている場合に、このチェックボックスを選択すると、ストロークの幅が狭い部分が幅広に、幅広の部分が狭くなります。
HUD コントロール

HUD 内のパラメータは「インスペクタ」のパラメータと同じものです。

ペンチルトを適用

スタイラスペンを使って「ペイントストローク」ツールでペイントストロークを作成するときは、このビヘイビアを使って、ストローク作成時のペンのチルトに基づきペイントストロークの幅、不透明度、間隔、アングル、またはジッタに影響を与えることができます。

メモ: 「ペンチルトを適用」シェイプビヘイビアを組み合わせて使用することで、同じチルトデータを使って複数のストロークパラメータ(「不透明度」、「幅」、「ジッタ」など)に影響を与えることができます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • チルトの軸: 「チルトを計算」を「座標軸」に設定したときに表示されるダイヤルおよび値スライダです。このパラメータを使って、チルトを測定する軸を指定できます。
  • 最小チルト: チルト感度の最小しきい値を調整します。最小値よりも小さいチルト値は 0 にリマップされます。「不透明度」と「幅」の場合、これらリマップされた値は表示されません。「間隔」、「アングル」、「ジッタ」の場合、値は変更されません。最小チルトと最大チルトをグラフにプロットした場合、「最小チルト」は最小値、つまり 0 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 最大チルト: チルト感度の最大しきい値を調整します。最大値よりも大きいチルト値は 1 にリマップされます。「不透明度」、「幅」、「間隔」、「アングル」、および「ジッタ」では、これらの値で効果が最大になります。最小チルトと最大チルトをグラフにプロットした場合、「最大チルト」は最大値、つまり 1 を表します。最小値と最大値の間のグラフ領域が出力値にリマップされます。
  • 調整: エフェクトの強度を決定します。最小チルト(0)と最大チルト(1)の間にマップされた値に、このスライダ(または値フィールド)で定義された値を乗算した値に基づき塗り付けの出力範囲を定義します。それから、この量がパラメータ(幅、不透明度など)に乗算(「幅」、「不透明度」、「間隔」、「ジッタ」の場合)または加算(「アングル」の場合)されて適用されます。このコントロールは、「ストローク」パネルの「調整」パラメータから独立しています。
  • 反転: このチェックボックスを使うと、ビヘイビアで作成されたストロークの属性を反転できます。たとえば、ペンのチルトがストロークの幅に影響するように設定されている場合に、このチェックボックスを選択すると、ストロークの幅が狭い部分がより幅広に、幅広の部分が狭くなります。
HUD コントロール

HUD 内のパラメータは「インスペクタ」のパラメータと同じものです。

シェイプを反復

「シェイプを反復」ビヘイビアは、シェイプのコントロールポイントに対して 2 つの値を交互に適用することで、そのシェイプをアニメートします。1 分あたりの反復回数のほか、大きい値と小さい値をどのくらい離すかを、カスタマイズすることができます。このビヘイビアは、キーフレームで作り出すには時間がかかる流動的な(ヨガのような)シェイプの動きを作るのに役立ちます。

「シェイプを反復」ビヘイビアがシェイプに適用されると、デフォルトでシェイプのすべてのコントロールポイントが影響を受けます。「レイヤー」リストでこのビヘイビアが選択されているときは、シェイプビヘイビアの青いスプライン上に、影響を受けるコントロールポイントが白で強調表示されます。コントロールポイントを無効にするには、コントロールポイントをクリックします。無効になったポイントは青で表示されます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • 位相: ビヘイビアで、指定した反復の開始点を調整するためのスライダです。このパラメータを使うと、複数のシェイプに位相だけが異なる「反復」ビヘイビアを適用することで、すべてが違って見えるようにすることができます。
  • 波高: コントロールポイントの反復範囲の最大値を調整するためのスライダです。コントロールポイントは、振幅値と振幅値を負にした値との間を行き来します。値を大きくすると、毎回の反復の始点から終点にかけて大きく振れることになります。
  • 速度: 反復の速度を、反復回数/分で調整するためのスライダです。値を大きくすると、反復が速くなります。
  • 位相を互い違いにする: このチェックボックスを選択した場合、各コントロールポイントのモーションが、隣接するコントロールポイントから 180 度の位相でオフセットされます。
HUD コントロール

「シェイプを反復」HUD には「波形」、「位相」、「振幅」、「速度」、および「位相を互い違いにする」パラメータが表示されます。

シェイプをランダム化

「シェイプをランダム化」ビヘイビアを使うと、シェイプの各ポイントにランダムなオフセットを適用することによって、シェイプのコントロールポイントをアニメートできます。このビヘイビアは、シェイプに対して高速で変化に富んだエフェクトを作り出すのに便利です。

「シェイプをランダム化」ビヘイビアがシェイプに適用されると、デフォルトでシェイプのすべてのコントロールポイントが影響を受けます。「レイヤー」リストでビヘイビアが選択されている場合、影響を受けるコントロールポイントが中心に白のドットのある青になり、青のシェイプ・ビヘイビア・スプライン上に並びます。コントロールポイントを無効にするには、コントロールポイントをクリックします。無効にされたポイントは、中心に暗いドットのある濃い青になります。

Figure. Canvas window showing a shape with the Randomize Shape behavior applied.
「インスペクタ」のパラメータ
  • 量/乗算: 「適用モード」が「追加」、「除外」、または「追加と除外」に設定されている場合は、このパラメータが「量」になり、「適用モード」が「乗算」に設定されている場合は、「乗算」になります。このパラメータによって、ランダム化ビヘイビアを生成する最大値が決まります。
  • 周波数: 1 秒あたりのランダムな変化の回数を調整するためのスライダです。値を大きくすると変化が速くなり、値を小さくすると変化が遅くなります。
  • ノイズ量: 設定した「周波数」にランダムな変数を重ね合わせるスライダです。「ノイズ量」の値を大きくすると、影響を受けるパラメータに、より不規則な変化が生じます。
  • リンク: このビヘイビアを、X、Y、Z の値から成る 2 次元パラメータ(「歪み」など)または 3 次元パラメータ(「位置」や「回転」など)に適用した場合に、このパラメータが表示されます。X と Y の頂点に適用される変形を同じにしたい場合に、このチェックボックスを選択します。たとえば、X を +10 変化させると、Y も同じように +10 変化します。
  • アングルを保持: このチェックボックスを選択した場合、接線ハンドルが平坦(のまま)になり、カーブの連続性が維持されます。
  • ランダムシード: 新しい「ランダムシード」の数値を生成するためのボタンです。このビヘイビアのほかのパラメータに基づいて、一連の値を新しくランダムに生成するためにこの数値が使われます。
HUD コントロール

「シェイプをランダム化」HUD には、「量」、「乗算」、「適用」、「周波数」、「ノイズ量」、「リンク」、および「アングルを保持」パラメータが表示されます。

シーケンスペイント

「シーケンスペイント」ビヘイビアを使うと、ペイントストロークの個々の塗り付けを時間の経過に合わせて順番にアニメートできます。塗り付けを個別にアニメートするには、この方法しかありません。ストロークパラメータにキーフレームを設定したり、ほかのビヘイビアを適用したりすると、ストローク内のすべての塗り付けに一様に適用されます。

「シーケンスペイント」ビヘイビアは、「シーケンステキスト」および「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアと非常によく似ており、テキストレイヤーの文字またはリプリケータパターンのエレメントを使ってシーケンス内の「回転」、「カラー」、「不透明度」、「調整」、および「位置」パラメータをアニメートできます。「シーケンスペイント」ビヘイビアでは、そのパラメータのリストに「幅」を追加することにより、ペイントストロークの塗り付けを使ったシーケンスアニメーションの作成を可能にしています。

Figure. Canvas window showing a line with the Sequence Paint behavior applied.

シーケンスビヘイビアの使用例については、「「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを使う」を参照してください。

「インスペクタ」のパラメータ
  • シーケンスペイント: シーケンス処理の選択/選択解除を切り替えるためのチェックボックスです。アニメーションのシーケンス処理の前に、「インスペクタ」で少なくとも 1 つのパラメータをビヘイビアに追加し、そのパラメータの値を設定する必要があります。「インスペクタ」または HUD で行った調整は、パラメータを追加するまで反映されません。
  • シーケンスコントロール: これらのパラメータには、ペイントストロークでアニメーションがどのように移動するかを変更できるコントロール(アニメーションの移動方向の変更など)が含まれます。
  • 開始: このパラメータは、「ユニットのサイズ」が「カスタム」に設定されている場合に使用でき、アニメーションが適用されるストローク上の塗り付けの始点を指定できます。
  • 終了: このパラメータは、「ユニットのサイズ」が「カスタム」に設定されている場合に使用でき、アニメーションが適用されるストローク上の塗り付けの終点を指定できます。
  • スプレッド: 塗り付け間の遷移を緩やかにするには、スライダまたは値スライダを使って「スプレッド」の値を大きくします。(このパラメータは、「ユニットのサイズ」を「すべて」に設定した場合には使用できません。)
  • ループ: 継続時間中、アニメーションシーケンスがペイントストロークを移動する回数を設定します。

    メモ: 「トラバース」パラメータを「カスタム」に設定した場合、「ループ」は使用できません。

  • 位置: 「トラバース」ポップアップメニューから「カスタム」を選択したときにのみ表示されます。このスライダを使って、ストローク内でアニメーションが行われる位置を定義します。

    「カスタム」トラバースオプションの使いかたについて詳しくは、「シーケンスリプリケータのカスタムな「トラバース」オプションを使用する」を参照してください。

HUD コントロール

「シーケンスペイント」HUD には、「シーケンス処理」、「ユニットのサイズ」、「スプレッド」、「トラバース」、「ループ」、および「終了時の状態」パラメータが表示されます。

ポイントをトラック

このビヘイビアを使うと、シェイプまたはマスクのコントロールポイントを、移動しているクリップまたはアニメートされたオブジェクトまでトラッキングするか、既存のトラッキングデータをシェイプまたはマスクに適用することができます。「ポイントをトラック」ビヘイビアの使いかたについては、「「シェイプ」の「ポイントをトラック」ビヘイビア」を参照してください。

シェイプをリグル

このビヘイビアは「ランダム化」ビヘイビアと同様に作用しますが、エフェクトが遅くなります(ダンスクラスの前にエスプレッソを飲みすぎたようなシェイプを想像してください)。

Figure. Canvas window showing a shape with the Wriggle Shape behavior applied.

「シェイプをリグル」ビヘイビアがシェイプに適用されると、デフォルトでシェイプのすべてのコントロールポイントが影響を受けます。「レイヤー」リストでこのビヘイビアが選択されているときは、シェイプビヘイビアの青いスプライン上に、影響を受けるコントロールポイントが白で強調表示されます。コントロールポイントを無効にするには、コントロールポイントをクリックします。無効になったポイントは青で表示されます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • 量/乗算: 「適用モード」が「追加」、「除外」、「追加と除外」に設定されている場合は、このパラメータは「量」になり、「適用モード」が「乗算」に設定されている場合は、「乗算」になります。このスライダを使って、リグルビヘイビアによって生成される最大値を定義します。
  • 周波数: 1 秒あたりのランダムな変化の回数を調整するためのスライダです。値を大きくすると変化が速くなり、値を小さくすると変化が遅くなります。
  • リグルのオフセット: 同じ「リグル」ビヘイビアを複数のシェイプに適用する場合に、一連のランダムな値をオフセットすることができるスライダです。各シェイプに適用する「リグル」ビヘイビアをそれぞれでオフセットすることで、同期した動きにならないようにすることができます。
  • ノイズ量: このスライダでは、設定した「周波数」にランダムな変動を重ね合わせます。「ノイズ量」の値を大きくすると、影響を受ける頂点に、より不規則な変化が生じます。
  • リンク: このビヘイビアを、X、Y、Z の値から成る 2 次元パラメータ(「歪み」など)または 3 次元パラメータ(「位置」や「回転」など)に適用した場合に、このパラメータが表示されます。このチェックボックスを選択すると、ビヘイビアのエフェクトでそれぞれの値の比率が維持されます。
  • アングルを保持: このチェックボックスを選択した場合、接線ハンドルが平坦(のまま)になり、カーブの連続性が維持されます。
  • ランダムシード: 新しい「ランダムシード」の数値を生成するためのボタンです。このビヘイビアのほかのパラメータに基づいて、一連の値を新しくランダムに生成するためにこの数値が使われます。
HUD コントロール

「シェイプをリグル」HUD には、「量」、「乗算」、「適用」、「周波数」、「リグルのオフセット」、「ノイズ量」、「リンク」、および「アングルを保持」パラメータが表示されます。

なぞり描き

「なぞり描き」ビヘイビアを使うと、時間の経過と共にキャンバスにペイントストロークまたはアウトラインを簡単に描画することができます。このビヘイビアでは、手書きのテキストのエフェクトを作成したり、よくある連続旅行地図のエフェクトを作成したり、手書きでスケッチしたようなアルファマスクによる遷移を作成したり、ビジネスプレゼンテーション用のアニメーションのグラフを作成したり、モニタのバーンインを避けるグラフィックスを作成したりできます。このビヘイビアは、「ペイントストローク」ツールで作成されたペイントストロークに適用することも、既存のシェイプに追加することもできます。時間の経過に伴うシェイプの描画、消去、描画と消去、反対に描画などの操作が可能です。

アウトラインの付いた塗りつぶしシェイプに「なぞり描き」を適用した場合は、シェイプのアウトラインだけが描画されます。

メモ: 「シェイプ」インスペクタの「スタイル」パネルで「最初の点のオフセット」と「最後の点のオフセット」パラメータを手動でアニメートすることで、「なぞり描き」ビヘイビアと同じエフェクトが得られます。

「インスペクタ」のパラメータ
  • ストロークの長さ: このスライダによって、描画または消去するストロークの長さをパーセントで指定します。値が 100 %の場合は、「最初の点のオフセット」および「最後の点のオフセット」で規定されているストロークの長さ全体が使われます。「ストロークの長さ」が 50 %に設定されている場合、ストロークの 50 %の描画が完了すると、(ストロークの最初の部分から)消去が開始され、ビヘイビアの継続時間中は常にストロークの半分の長さだけが表示されるようになります。
  • ストロークのオフセット: このスライダによって、シェイプ上でストロークが開始される位置をオフセットします。値は、シェイプに定義された始点からの位置をシェイプの全長に対するパーセントで表します。
  • カスタム速度: このパラメータは、「速度」を「カスタム」に設定した場合に使用できるようになります。「キーフレームエディタ」で「カスタム速度」の速度カーブを変更できます。たとえば、カスタム値にキーフレームを設定して、ストロークをパスの特定のパーセントまで描いたら、戻し、また進めるという移動をアニメーションの最後まで繰り返すことができます。
  • 終点のオフセット: このスライダによって、ビヘイビアの最後を定義済みのアウト点から内側にオフセットして、最後の値を保持します。つまり、表示されるペイントストロークをストロークのパスの終点からオフセットします。
HUD コントロール

「なぞり描き」HUD には、「シェイプのアウトライン」、「ストロークの長さ」、「ストロークのオフセット」、「方向」、「速度」、および「カスタム速度」パラメータが表示されます。

「なぞり描き」ペイントストロークを作成する

ストロークを描画するときにその動きを記録することによって、複数のフレームにわたって描かれるペイントストロークを作成できます。また、既存のシェイプに「なぞり描き」ビヘイビアを適用することによって、アウトラインが時間の経過に基づいて描くこともできます。

「ペイントストローク」ツールを使って「なぞり描き」ペイントストロークを作成する

このセクションでは、ツールバーの「ペイントストローク」ツールを使ってなぞり描きのペイントストロークを作成する方法について説明します。複数のフレームにわたって描かれるペイントストロークを作成するには、「ペイントストロークツール」HUD で「なぞり描き」チェックボックスを選択します。ストロークを作成すると、「ビヘイビア」インスペクタに詳細パラメータが表示されます。

時間の経過に伴ってストロークをペイントするには
  1. ツールバーで、「ペイントストローク」ツールをクリックします(または P キーを押します)。

    「ペイントストロークツール」HUD が表示されます。HUD が表示されない場合は、F7 キーまたは D キーを押します。

  2. 「ツール」HUD で、「なぞり描き」チェックボックスを選択して、ほかに必要なストローク設定があれば選択します。

  3. キャンバスでストロークを作成します。

  4. ストロークを描き終えたら、Esc キーを押してペイントモードを終了します。

    「ペイントストロークツール」HUD に代わって、「シェイプ」HUD が表示されます。「レイヤー」リストで、ストロークに「なぞり描き」シェイプビヘイビアが適用されます。「なぞり描き」パラメータを変更するには、ビヘイビアを選択し、HUD または「ビヘイビア」インスペクタを使います。

    ストロークが「ペイント」される速度(ストロークの描画にかかった時間を含む)は、ストロークの時間の範囲(フレーム)にわたってマップされます。ストロークの描画速度が速いほど、「なぞり描き」ビヘイビアの継続時間が短くなります。

    メモ: 「Motion」環境設定の「プロジェクト」パネルにある「レイヤーの作成位置」オプションが「現在のフレーム」に設定されている場合、ペイントストロークは現在の再生ヘッドの位置で作成されます。「プロジェクトの先頭」に設定されている場合、ストロークはフレーム 1 で作成されます。

  5. プロジェクトを再生します。ストロークが、プロジェクトの再生に合わせてペイントされていきます。

  6. ストロークがペイントされる速度を変更するには、「タイムライン」またはミニタイムラインでビヘイビアの継続時間を調整します。

    追加のパラメータを変更することもできます。たとえば、ストロークの描画速度をカスタマイズしたり、ストロークを一定の割合だけ描画したり、オフセットしたり、逆の順序で描画したりできます。「なぞり描き」ビヘイビアで使用可能なこれらのパラメータについては、前述の通りです。

既存のシェイプを使って「なぞり描き」のペイントストロークを作成する

既存のシェイプに「なぞり描き」ビヘイビアを適用して、シェイプのアウトラインを時間の経過と共に描くことができます。「なぞり描き」ビヘイビアはアウトラインのみに影響するため、「シェイプ」パラメータの「アウトライン」が有効になっている必要があります。

Figure. Canvas window showing example of the Write On behavior applied to an existing shape.

メモ: 既存のシェイプに「なぞり描き」ビヘイビアを追加すると、ビヘイビアの継続時間は適用先シェイプの継続時間と同じになります。

既存のシェイプを使って「なぞり描き」ストロークを作成するには
  1. 使用するシェイプを選択し、HUD または「シェイプ」インスペクタでそのシェイプの「アウトライン」チェックボックスを選択します。

    メモ: 「塗りつぶし」チェックボックスを選択されたままにすることもできますが、「なぞり描き」ビヘイビアの影響を受けるのはアウトラインに限られます。

  2. ツールバーで「ビヘイビアを追加」ポップアップメニューから「シェイプ」>「なぞり描き」と選択します。

    「レイヤー」リストに「なぞり描き」ビヘイビアが表示されます。再生ヘッドがシェイプの先頭にある場合は、シェイプの表示が消え、パスのみが表示されます。

  3. プロジェクトを再生します(スペースバーを押します)。

    アウトラインがビヘイビアの長さにわたって描画されます。

  4. ストロークがペイントされる速度を調整するには、「タイムライン」またはミニタイムラインでビヘイビアの継続時間を調整します。

  5. ストロークの情報を調整するには、「シェイプ」インスペクタを使います。詳しくは、「シェイプのパラメータ」を参照してください。