「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを使う

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを使うと、リプリケータのエレメントを時間の経過に合わせて順番にアニメートできます。エレメントを個別にアニメートするには、この方法しかありません。セルパラメータにキーフレームを設定したり、ほかのビヘイビアを適用したりすると、パターン内のすべてのエレメントに一様に適用されます。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを使うと、「位置」、「カラー」、「調整」、「回転」、「不透明度」など、リプリケータセルのパラメータを選択して適用し、リプリケータパターンの各エレメントを通じて連鎖的にこれらのパラメータをアニメートすることができます。

Figure. Canvas window showing replicator with Sequence Replicator behavior applied.

シーケンスのアニメーションの開始点は、リプリケータの「開始点」または「ビルドスタイル」に基づいています。たとえば、スパイラルリプリケータの「開始点」パラメータを「中央」に設定した場合、シーケンスのアニメーションはスパイラルの中央から始まり、外側に移動します。タイル状に塗りつぶされる矩形リプリケータの「開始点」を「左上」に設定すると、「ビルドスタイル」は「全体」に設定され、シーケンスはパターンの左上隅のエレメントから始まり、右下隅に向かって移動します。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアは、リプリケータオブジェクトにも、リプリケータのセルにも適用できます。複数のセルを持つリプリケータの各セルに適用すると、セルごとにアニメーションを作成できます。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを作成した後、「ライブラリ」にビヘイビアを保存することができます。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアをリプリケータに適用するには
以下のいずれかの操作を行います:
  • 「レイヤー」リストまたは「タイムライン」でリプリケータを選択し、ツールバーの「ビヘイビアを追加」ポップアップメニューから「リプリケータ」>「シーケンスリプリケータ」と選択します。

    Figure. Add Behavior pop-up menu in the toolbar.
  • 「ライブラリ」で「ビヘイビア」カテゴリを選択し、次に「リプリケータ」サブカテゴリを選択します。スタックから「レイヤー」リスト、キャンバス、または「タイムライン」のリプリケータに、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアをドラッグします。

「シーケンスリプリケータ」コントロールが「ビヘイビア」インスペクタに表示されます。

「インスペクタ」の「シーケンスリプリケータ」コントロールの上に「パラメータ」ポップアップメニューが表示されます。このメニューは、ビヘイビアにパラメータを追加したり、追加したパラメータを削除したりするために使用します。追加したパラメータによって、どの情報がアニメートされるかが決まります。

「パラメータ」ポップアップメニューの下に、「シーケンスコントロール」パラメータが表示されます。これらのパラメータで、追加したパラメータを画面上のエレメントにどのように適用するかを指定します。これらのコントロールには、アニメーションの方向、アニメーションが個々のエレメントに適用されるのか、パターン全体に適用されるのか、パターンがアニメーションを繰り返すサイクル数などを設定するためのオプションが用意されています。

Figure. Inpsector showing Sequence Replicator behavior parameters.

重要: アニメーションのシーケンス処理の前に、「インスペクタ」で少なくとも 1 つのパラメータをビヘイビアに追加し、そのパラメータの値を設定する必要があります。パラメータが追加されるまでは、HUD または「インスペクタ」の「シーケンスコントロール」を調整しても無効です。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアにパラメータを追加する

次の例では「回転」、「不透明度」および「調整」の各パラメータが、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアに追加されます。「シェイプ」が「バースト」で「開始点」が「中央」に設定されたリプリケータにそのビヘイビアが適用されています。

Figure. Canvas window showing replicator prior to applying Sequence Replicator behavior.
「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアにパラメータを追加して、アニメートさせるには
  1. 「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを選択した状態で、「ビヘイビア」インスペクタを表示します。

  2. 「パラメータ」行で、以下の操作を行います:

    1. 「パラメータを追加」ポップアップメニューから「回転」を選択します。

    2. 「パラメータを追加」ポップアップメニューから「不透明度」を選択します。

    3. 「パラメータを追加」ポップアップメニューから「調整」を選択します。

      「追加」および「取り除く」ポップアップメニューの上に、追加したパラメータが表示されます。これらのパラメータ値を設定するまで、アニメーションは行われません。

      シーケンス調整のエフェクトを確認するため、プロジェクトを再生します(スペースバーを押します)。これらのエフェクトは以降のステップで有効になります。

  3. 「アニメーションを記録」がオフになっている(「マーク」>「アニメーションを記録」にチェックマークが付いていないか、ツールバーの「記録」ボタンが無効になっている)ことを確認します。

  4. 「回転」をアニメーションでセルがスピンする最大値(または最小値)に設定します。

    この例では、「回転」は 160 度に設定されています。

    各エレメントは、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアの継続時間中、パターンの上を 0 〜 160 度回転します。

    Figure. Canvas window showing replicator with Sequence Replicator behavior applied.

    メモ: (セルコントロールで)エレメントがすでに回転している場合、エレメントは最初の回転値からさらに 160 度回転します。

    各エレメントの回転と表示が終わった後、次のエレメントがアニメーションを開始します。このエフェクトを滑らかに表示するには、「スプレッド」の値を増やします。

  5. 「スプレッド」の値を増やします。

    この例では、「スプレッド」は 12 に設定されています。

    「スプレッド」の値を変更すると、より滑らかなアニメーションが作成できるだけでなく、パターンのアピアランスが大幅に変化します。

    Figure. Canvas window showing replicator with increased Spread value.
  6. エレメントの「不透明度」をアニメーションで使う最低値に設定します。

    この例では、「不透明度」は 0 に設定されています。

    各エレメントは、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアの継続時間中、パターン上で不透明度 100 %から 0 %まで変化してフェードアウトします。

    Figure. Canvas window showing replicator with Opacity animating over the duration of the behavior.

    メモ: エレメントに透明度が設定されている場合、エレメントは最初の不透明度から 0 %にフェードアウトします。

  7. 「調整」の値を増やします。

    この例では、「調整」が 190 %に設定されています。

    Figure. Canvas window showing replicator with Scale value set to 190%.

    アニメーションは追加したパラメータの最初の値から始まり、シーケンスリプリケータのパラメータで指定した値まで変化します。アニメーションはパターンの開始点から始まり(「リプリケータ」インスペクタか HUD の「開始点」または「ビルドスタイル」パラメータで設定)、パターンの最後まで移動します。

シーケンスコントロールのパラメータを調整する

シーケンスのアニメーションを作成した後、シーケンスコントロールのパラメータを使って、シーケンスがリプリケータのパターンを移動する方法を変更できます。次のセクションでは、前の例で使用したプロジェクトを続けて使用します。

シーケンスがパターンを移動する方法を変更するには
  1. 「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを選択した状態で、「ビヘイビア」インスペクタを表示します。

  2. シーケンス処理の効果を確認するため、プロジェクトを再生します(スペースバーを押します)。

    デフォルトではシーケンス処理は「終了」に設定されています。これは、アニメーションがセルの最初の値から始まり、そのパラメータの「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアで設定した値まで移動することを示します。シーケンスのアニメーションの始点は、パターンのビルドまたは開始点(「リプリケータ」インスペクタの「開始点」パラメータまたは「ビルドスタイル」パラメータで指定)に基づいています。この例では、パターンの開始点のエレメントは、完全に不透明、調整が 100 %、回転が 0 度の状態から始まります。シーケンスがパターンの最後に向かって移動するにつれて、エレメントは透明になっていき(最後は完全に透明になります)、190 %に拡大され、160 度回転します。

    Figure. Canvas window showing replicator with Sequencing set to "To."
  3. 「シーケンス処理」ポップアップメニューで、「開始」を選択します。

    アニメーションは、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアで設定した値から、セルの最初の値まで移動します。これは「終了」シーケンス処理オプションとは逆の処理です。

    Figure. Canvas window showing replicator with Sequencing set to From.
  4. 「シーケンス処理」ポップアップメニューで、「スルー」を選択します。

    シーケンスはセルの最初の値から始まり、「シーケンスリプリケータ」で設定した値まで変化し、さらに最初の値まで戻るという完全なアニメーションを全体を通して実行します。これは、「終了」および「開始」の 2 つのシーケンス処理を組み合わせた場合に似ています。

    Figure. Canvas window showing replicator with Sequencing set to Through.
  5. 「ユニットのサイズ」ポップアップメニューから「すべて」を選択します。

    シーケンスのアニメーションは、リプリケータのすべてのエレメントに同時に適用されます。デフォルトは「オブジェクト」です。これにより、シーケンスのアニメーションは、パターンの開始点に基づいて、リプリケータのエレメントに適用されます。

    Figure. Canvas window showing replicator with Sequencing set to All.
  6. 「ループ」の値を増やします(最低でも 3 に設定します)。

    デフォルトでは、シーケンスのアニメーションは全編が 1 回再生されます。「ループ」パラメータの値は、リプリケータオブジェクトの継続時間中、アニメーションが繰り返される回数を指定します。

  7. 「終了時の状態」ポップアップメニューから「ピンポン」を選択します。

    デフォルトでは、「終了時の状態」パラメータは、「ホールド」に設定されていて、シーケンスのアニメーションを 1 サイクル実行した後、最初からもう一度サイクルを開始します。「ピンポン」に設定すると、アニメーションが順方向に 1 回再生された後、逆方向に再生され、再び順方向に再生されるといったように再生されます。

    メモ: 「ループ」の値が 1 以下の場合、「終了時の状態」パラメータは意味を持ちません。

「シーケンスリプリケータ」コントロール

以下のパラメータを使って、シーケンスのアニメーションを変更します。パラメータの「追加」と「削除」ポップアップメニューを除き、これらのパラメータは「シーケンスリプリケータ」HUD にも表示されます。

  • 開始: このスライダは、「ユニットのサイズ」ポップアップメニューから「カスタム」を選択した場合に使用できます。シーケンスアニメーションがリプリケータパターン上を移動するときに、シーケンスアニメーションが適用されるエレメント範囲の開始オフセットを指定します。上のイメージでは、「開始」は 10 %に設定されています。
  • 最後: このスライダは、「ユニットのサイズ」ポップアップメニューから「カスタム」を選択した場合に使用できます。シーケンスアニメーションがリプリケータパターン上を移動するときに、シーケンスアニメーションが適用されるエレメント範囲の最後を指定します。デフォルトでは、「最後」は 10 %に設定されます。上のイメージでは、「最後」は 30 %に設定されています。

    メモ: 「シーケンス処理」ポップアップメニューを「カスタム」に設定すると、「ユニットのサイズ」パラメータの「カスタム」オプションは適用されません。

  • スプレッド: このスライダを使って、アニメーションの減衰の量を制御します。エレメント間の遷移を緩やかにしたい場合は、「スプレッド」の値を大きくします。
  • ループ: このスライダを使って、継続時間中、アニメーションシーケンスがリプリケータパターンを移動する回数を設定します。

    メモ: 「トラバース」パラメータを「カスタム」に設定した場合、「ループ」は使用できません。

シーケンスリプリケータのカスタムな「トラバース」オプションを使用する

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアで「トラバース」パラメータを「カスタム」に設定すると、位置のキーフレームを作成して、シーケンスのエフェクトが任意の時点でどこにあるかを指定できます。これにより、リプリケータのパターンを独自の方法で移動するシーケンスのアニメーションを作成することができます。この例では、カスタムな「トラバース」オプションを使ってキーフレームを作成することにより、円リプリケータシェイプの回りのエレメントのサイズを調整する方法について説明します。

「カスタムトラバース」パラメータを使うには
  1. リプリケータに「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを適用した後、「ビヘイビア」インスペクタで、シーケンスに含めたいパラメータを追加します。

  2. 追加するパラメータの値を設定します。

    この例では、「調整」パラメータを追加して、調整値を 200 %に設定します。

    Figure. Canvas window showing replicator with a Sequence Replicator behavior in which Scale is set to 200%, Sequencing is set to Through, and Spread is set to 4.

    「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアにパラメータを追加する方法について詳しくは、「「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアにパラメータを追加する」を参照してください。

  3. 「トラバース」ポップアップメニューから「カスタム」を選択します。

    「位置」パラメータを使用できるようになります。位置スライダを使ってキーフレームを設定し、シーケンスがリプリケータパターンをどのように移動していくかを指定します。

  4. A キーを押して、キーフレームの記録を有効にします。

  5. アニメーションを開始するフレームで、「場所」スライダをドラッグして(または隣接する値スライダを使って)シーケンスを開始する場所を設定します。

    スライダをドラッグするにつれて、シーケンスがパターンエレメントを移動していきます。「位置」パラメータに表示される値は、パターン内でのシーケンスの位置をパーセント単位で示します。0 はパターンの開始点を表し、100 %はパターンの最後を表します。

    「インスペクタ」では、「場所」パラメータにキーフレームが追加されます。

  6. キーフレームを設定する次のフレームに移動して、場所スライダを移動します。

  7. 手順 6 を繰り返して、必要なキーフレームをすべて作成します。

  8. プロジェクトを再生します(スペースバーを押します)。

    キーフレームの位置に対応して、アニメーションがリプリケータオブジェクトを移動していきます。この例では、円が一定の方向に縮小/拡大するのではなく、円周が不規則に縮小/拡大します。

    Figure. Canvas window showing replicator with animated Location parameter.

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアと「パラメータ」ビヘイビアを使用する

「Motion」のほかのすべてのレイヤーと同じように、「シーケンスリプリケータ」パラメータに「パラメータ」ビヘイビアを追加して、キーフレームを設定することなく多様で複雑なエフェクトを作成することができます。

「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアに「パラメータ」ビヘイビアを適用するには
  1. 「レイヤー」リストまたは「タイムライン」で、「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアを選択します。

  2. 「インスペクタ」で、「パラメータ」ビヘイビアを追加したいパラメータを Control キーを押しながらクリックし、「パラメータビヘイビアを追加」サブメニューからビヘイビアを選択します。

    メモ: 「パラメータ」ビヘイビアを追加できるのは、「アニメーション」メニューを含むパラメータだけです。「アニメーション」メニューは、パラメータ行の右側にマウスを合わせると表示されます。

    「パラメータ」ビヘイビアが追加され、「ビヘイビア」インスペクタで「シーケンスリプリケータ」ビヘイビアの上に表示されます。「シーケンスリプリケータ」パラメータの「アニメーション」メニューにビヘイビア・アイコンが表示されます。

    Figure. Behaviors Inspector showing Parameter behavior icon in the Animation menu for the Sequence Replicator behavior.

    メモ: 「リグル」または「ランダム化」パラメータビヘイビアが「シーケンスリプリケータ」パラメータに追加されると、「サブオブジェクトに適用」チェックボックスが利用できるようになります。パターンの各エレメントで異なるランダムなビヘイビアを表示するようにしたい場合は、このチェックボックスを選択します。

    「パラメータ」ビヘイビアの使いかたについて詳しくは、「「パラメータ」ビヘイビア」を参照してください。