パーティクルシステムを使う

パーティクルシステムは洗練されているにもかかわらず、セットアップが簡単で、使いかたもシンプルです。このセクションでは、「ライブラリ」の「パーティクルエミッタ」カテゴリからの作成済みパーティクルシステムの使いかたについて説明します。その後で、簡単なパーティクルシステムを自作する方法について説明します。

パーティクルシステムとレイヤーサイズ

パーティクルシステムは通常、消滅する前にキャンバスより大きくなったり、キャンバスの端からはみ出して移動するパーティクルを作成することができます。このため、レイヤーまたはグループのサイズがキャンバスの寸法よりもはるかに大きくなる場合があります。キャンバスからはみ出したパーティクルは表示されません(「表示」メニューで「表示領域をすべて表示」が有効になっている場合を除く)。ただし、プロジェクトにはそのまま残るため、処理することは可能です。拡大するパーティクルを含むレイヤーにフィルタを適用する場合、またはそのようなレイヤーをソースオブジェクトとして使う場合は、「グループ」インスペクタにある「固定解像度」チェックボックスを選択します(オブジェクトとしてグループを選択した場合のみ使用可能)。「固定解像度」パラメータにより、グループに固有の幅と高さを設定できるため、その値を超えたオブジェクトは切り取られます。詳しくは、「グループのサイズを固定する」を参照してください。

パーティクルライブラリを使う

プロジェクトにパーティクルシステムを追加する最も簡単な方法は、「ライブラリ」の「パーティクルエミッタ」カテゴリにあるプリセットを使うことです。さまざまな種類のパーティクルエフェクトがあり、その中から選択することができます。目的に近いものが見つかったらプロジェクトに追加して、後からパラメータを簡単にカスタマイズできます。パーティクルシステムをプロジェクトに追加する方法は、ほかのオブジェクトの場合とまったく同じです。

Figure. Library showing Particle Emitters categories.
「ライブラリ」からパーティクルシステムを追加するには
  1. 「ライブラリ」で「パーティクルエミッタ」カテゴリをクリックします。

  2. 「SF」、「パイロ」、「自然」などのパーティクルサブカテゴリをクリックします。

  3. 「ライブラリ」スタックでパーティクルプリセットを選択します。

    選択したパーティクルエミッタのアニメーションプレビューは、プレビュー領域で再生されます。

    メモ: プレビューの再生が始まらない場合は、プレビュー領域の「再生」ボタンをクリックします。「ファイルブラウザ」または「ライブラリ」で選択した項目が自動再生されるようにするには、「Motion」>「環境設定」と選択し(または Command +カンマ記号(,)を押し)、「一般」パネルの「ファイルブラウザとライブラリ」セクションにある「シングルクリックで自動的に項目を再生」チェックボックスを選択します。

  4. 使いたいパーティクルプリセットが見つかったら、以下のいずれかの操作を行います:

    • 「適用」ボタンをクリックして、選択したパーティクルシステムをプロジェクトに追加します。キャンバスの中央に追加されます。

      メモ: 「Motion」環境設定の「プロジェクト」パネルで、「レイヤーの作成位置」を「プロジェクトの先頭」に設定した場合、先頭のフレームにパーティクルシステムが追加されます。

    • パーティクルシステムを、「ライブラリ」スタックからキャンバス内の表示したい位置までドラッグします。

    • パーティクルシステムを、「ライブラリ」スタックから「レイヤー」リストまたは「タイムライン」のグループにドラッグします。パーティクルシステムがキャンバスの中心に表示されます。

    • パーティクルシステムを、「ライブラリ」スタックから「タイムライン」のトラック領域にドラッグします。新しいパーティクルを開始したいフレームまでドラッグしたら、マウスボタンを放します。

    新しいパーティクルシステムのレイヤーが、すでに追加されているほかのレイヤーと合成されてプロジェクトに表示されます。

モーションブラーおよびパーティクル

以下のパーティクルエミッタの効果を最適化するには、プロジェクトでモーションブラーを有効にします:

  • Jelly Bands

  • Light Transit 01

  • Light Transit 02

  • Light Transit 03

  • Light Transit 04

  • Rain Streaks

  • Silly String 01

  • Silly String 02

メモ: モーションブラーを有効にするには、キャンバスの上のステータスバーにある「レンダリング」ポップアップメニューで「モーションブラー」を選択するか、「表示」>「レンダリングオプション」>「モーションブラー」と選択します(または Option + M キーを押します)。

「ライブラリ」からパーティクルシステムを追加すると、プレビュー領域に表示されていた通りに動作します。必要に応じて、HUD でパーティクルシステムのエミッタパラメータを編集すると、独自の用途に合わせることができます。

メモ: プロジェクトに追加した後でなければ、パーティクルシステムは変更できません。

HUD には、作成されたパーティクルのサイズおよび数、パーティクルが画面上に表示されている時間、パーティクルの移動速度およびその移動する方向と領域など、選択したパーティクルシステムの最も基本的なパラメータが表示されます。HUD でセルのパラメータを編集するには、「レイヤー」リストまたは「タイムライン」で個々のセルを選択します。

パーティクルの HUD の使いかたについて詳しくは、「パーティクルシステムのエミッタをカスタマイズする」を参照してください。パーティクルシステムのパラメータをカスタマイズする方法の全般的な説明については、「エミッタとセルのパラメータ」を参照してください。

カスタムの簡単なパーティクルシステムを作成する

「Motion」にはさまざまなパーティクルシステムのプリセットが用意されていますが、まったく新しいものを作成したいことも多いでしょう。パーティクルシステムを作成するには、まず、新しいパーティクルエミッタでセルのソースとして使うレイヤーをプロジェクトから選択します。

「Motion」で作成した静止画像グラフィックス、アニメーションやビデオのクリップ、シェイプなど、エミッタのセルのソースとして、プロジェクト内のどのレイヤーも使用できます。エミッタを作成するときに選択したレイヤーが、パーティクルシステムの最初のセルになります。「レイヤー」リストでは、セルはエミッタレイヤーの下にサブレイヤーとして表示されます。セルによってキャンバス内に生成される実際のパーティクルの見た目が決まります。

メモ: グループをエミッタセルのソースとして使うこともできますが、コンピュータの処理のパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。

エミッタを作成するには
  1. エミッタによって生成されるパーティクルのセルソースとして使用するレイヤーを作成します。

    この例では、「ライブラリ」内にある「basic blur」イメージなど(「コンテンツ」カテゴリの「パーティクルイメージ」サブカテゴリ内)、シンプルな白い円形グラデーションのイメージを使います。

    Figure. Canvas window showing a simple white circle object.
  2. キャンバスで、パーティクルシステムの中心にする位置にオブジェクトを移動します。

  3. オブジェクトを選択して、以下のいずれかの操作を行います:

    • ツールバーで「パーティクルを作成」ボタンをクリックします。

      Figure. Make Particles button in the Toolbar.
    • E キーを押します。

エミッタをプロジェクトに追加すると、以下のようになります:

  • 「レイヤー」リストにエミッタが選択された状態で表示されます。

  • エミッタの下には「パーティクル化」されるイメージを含むセルが表示されます。

  • 元のソースレイヤー(セルソース)は無効になっています。

    メモ: 不透明度やシアーなど、元のソースレイヤーに加えられた変更は、エミッタ作成後のパーティクルにも適用されます。

  • キャンバスにエミッタの境界ボックスが表示されます。

  • 先頭のパーティクルは、キャンバスの元のレイヤーと同じ位置に表示されます。パーティクルが選択されているように見えますが、境界ボックスがエミッタ全体を表しています。

  • 「エミッタ」HUD が表示されます。HUD が表示されない場合は、F7 キーを押します。

    メモ: フレームレートが 30 フレーム/秒(fps)を超えるプロジェクトの場合は、プロジェクトの先頭フレームに(先頭のパーティクルではなく)境界ボックスだけが表示されることがあります。「Motion」ではデフォルトでパーティクルが 1 秒につき 30 個というレートで生成されるため、すべてのフレームにパーティクルが表示される保証はありません。

    デフォルトでは、(セルが 1 つの)新規パーティクルシステムの先頭フレームには、パーティクルが 1 つあります。プロジェクトを再生する(スペースバーを押す)と、さらにパーティクルが生成されてエミッタの中心から放出されます。

    Figure. Canvas window showing a particle system at frame 1.

    デフォルトでは、新規セルはフレームごとにすべての方向にパーティクルを 1 つ放出(30fps プロジェクトの場合)し、各パーティクルは、5 秒間の表示時間中(30 fps のプロジェクトでは 150 フレーム)、1 秒ごとに 100 ピクセルずつエミッタから遠ざかります。

    Figure. Canvas window showing particle system at frame 30.

    メモ: 「パーティクルセル」インスペクタの「初期値」パラメータでデフォルトのビヘイビアを変更して、先頭のフレームで一気にパーティクルを放出させることもできます。詳しくは、「エミッタとセルのパラメータ」を参照してください。

パーティクルシステムの予測性

パーティクルシステムを作成したり、既存のパーティクルシステムのパラメータを変更したりすると、各パーティクルのパスが即座に計算されて事前に決定されます。パーティクルの数と動きはランダムに見えるかもしれませんが、システムのパラメータに基づいており完全に予測可能です。同じパラメータを使って同じパーティクルシステムを 2 回再生すれば、パーティクルの動きは正確に同じになります。一連のランダム値を新しく事前決定したい場合は、求めている結果が得られるまで繰り返し「ランダムシード」設定を変更してみてください。

1 つのエミッタ内で複数のセルを使う

最初からパーティクルシステムを作成する場合は、1 つのセルだけでなく複数のセルを使うこともできます。「レイヤー」リストで 1 つのエミッタ内に複数のセルを置けば、さまざまな種類のパーティクルが重なり合って放出されるパーティクルシステムを作成できます。

1 つのエミッタには、必要な数だけセルを追加できます。各セルには専用のパーティクルセルのパラメータがあって、そのセルからパーティクルをどのように作成するかを制御できます。「レイヤー」リストでセルを選択すると、そのセル専用の「パーティクルセル」が「インスペクタ」に表示されます。複数のセルがあるパーティクルシステムの場合は、各セルのパラメータに従って各セルから同時にパーティクルが生成されます。

1 つのエミッタ内で複数のセルを使う例については、「例 2:アニメーションの魔法の粉を作成する」を参照してください。

追加のセルを作成するには、最初にエミッタを作成するときに複数のレイヤーを選択するか、追加のソースレイヤーを「レイヤー」リストのエミッタにドラッグします。

メモ: 複数のソースを使ってパーティクルシステムを作成する場合、生成されたエミッタはソースの位置を平均化した場所に配置されます。

パーティクルシステムのエミッタをカスタマイズする

エミッタを作成すると、「エミッタ」インスペクタと「パーティクルセル」インスペクタのデフォルトパラメータに従ってパーティクルシステムが動きます。エミッタの HUD を使うと、これらの最も重要なパラメータを必要に応じて簡単に変更できます。

パーティクルエミッタの HUD を表示するには
  • エミッタを選択します。

    エミッタを選択すると、HUD が表示されます。HUD が表示されない場合は、F7 キーを押します。

HUD を使って簡単なスモークエフェクトを作成する

この例では、「エミッタ」HUD を使ってスモークエフェクトを作成します。「カスタムの簡単なパーティクルシステムを作成する」で作成したエミッタを使用してください。

選択したパーティクルシステムを調整する前に、パーティクルシステムのエフェクトを完全に確認できるフレームまで、「タイムライン」で再生ヘッドをドラッグして進めておくと便利です。そうすれば、調整の結果をすぐに確認できます。

Figure. Canvas window showing a particle system at frame 30.

この例では、各パーティクルのサイズが大きすぎて、パーティクルシステムのテクスチャが見分けにくくなっています。

「エミッタ」HUD を使ってパーティクルのアピアランスを変更するには
  1. 「エミッタ」HUD で、「調整」スライダを左にドラッグし、各パーティクルのサイズを小さくして個々のパーティクルがはっきりするようにします。

    Figure. HUD and Canvas window showing Emitter controls and the effect of reducing the scale.
  2. エミッタの HUD で放出コントロールの外側のリング(青い矢印付きの円)をクリックして右にドラッグし、パーティクルが作成される領域(放出範囲)の角度を制限する狭い範囲を指定します。

    ドラッグしていくと、放出範囲を決定する 2 点は、放出コントロールの中心の周囲を対称に回転します。放出範囲が次のような右向きの角度になったら、マウスボタンを放します。(放出範囲を調整するとキャンバスでパーティクルの位置が変化し、調整の結果をすぐに確認できます。)

    Figure. HUD and Canvas window showing the effect of limiting the emission range and direction.
  3. パーティクルを上に向って放出させるには、放出範囲内をドラッグし、青い矢印が中心のコントロールよりいくらか右よりの上方向を指すまで反時計回りに回転させます。外側にドラッグし続けると、矢印が長くなります。

    Figure. HUD and Canvas window showing effect of changing emission direction.

    HUD での新しい設定を反映して、キャンバス内でパーティクルの放出角度がアップデートされます。

    留意事項:矢印のアングルでパーティクルの放出角度を制御し、矢印の長さでパーティクルの速度を制御します。矢印が長いほどパーティクルの動きが速くなり、短いほど遅くなります。

    この時点でパーティクルはすべて正しい方向に動いていますが、パーティクルの数はあまり多くありません(まだ炎が弱いのでしょう)。

  4. エミッタの HUD で、「発生量」スライダを右側にドラッグして、エミッタで作成されるパーティクルの数を増やします。

    発生量を増やすと、より多くのパーティクルが作成され、ほぼ 1 つにまとまった「スモーク」の列が形成されます。パーティクルはエミッタから遠ざかるにつれて、さらに離れていきます。

    Figure. HUD and Canvas window showing effect of changing the birth rate.

    このように 1 つのオブジェクトを使って、ゆっくりと空に立ち上るスモークの列を作ることができます。

    HUD のコントロールは非常に便利ですが、「インスペクタ」の「エミッタ」パネルおよび「パーティクルセル」パネルにはカスタマイズ可能なさらに多くのパラメータが用意されています。詳しくは、「エミッタとセルのパラメータ」を参照してください。

エミッタの HUD パラメータ

HUD には、パーティクルシステムのサイズおよびシェイプを変更する際に必要な、頻繁に使うエミッタコントロールが含まれています。これらのパラメータは「エミッタ」インスペクタにあるパラメータの一部です。2D プロジェクトでは、「エミッタ」HUD にスライダのグループと放出コントロールがあり、「放出範囲」、「放出角度」、「速度」の 3 つのパーティクル・システム・パラメータを視覚的に操作できます。

Figure. HUD showing 2D emitter controls.

「エミッタ」インスペクタで「3D」を有効にすると、「エミッタ」HUD に追加の 3D コントロールが表示されます。3D の場合、放出コントロールは「エミッションの緯度」と「エミッションの経度」パラメータを変更します。

Figure. HUD showing 3D emitter controls.

エミッタと 3D 変形ツール(ツールバー内)を選択すると、「3D エミッタ」HUD が拡大して、エミッタを含むグループが 2D か 3D かに関係なく、X、Y、Z 空間でエミッタを変形できる追加のコントロールが表示されます。

Figure. HUD showing emitter controls when Adjust 3D Transform tool is selected.

HUD での 3D 変形コントロールの使いかたについて詳しくは、「3D 変形ツール」を参照してください。

複数のセルが含まれているパーティクルシステムの場合、エミッタの HUD のパラメータを使うと、互いに関連する各セルのパラメータのエフェクトを同時に変更できます。つまり、異なる調整値を持つ 2 つのセルで構成されたパーティクルシステムの場合、HUD で調整値を変更すると、両方のセルのサイズが同時に変更されます。たとえば、HUD で調整を 200%増やしても両方のセルの調整は 200%に変わりませんが、元の調整値に相対してセルのサイズが変更されます。

Figure. Canvas window showing a particle system with two cells, each scaled relative to its original size.

このため、セルが複数あるエミッタでは、HUD パラメータはパーセンテージで表示されます。1 つのセルのパラメータを変更すると、セルパタメータが直接調整されます。

  • 発生量: 作成される 1 秒あたりのパーティクルの数を指定するスライダです。
  • 表示時間: 各パーティクルを画面上に表示する時間を(秒で)指定するスライダです。
  • 調整: セルの元のサイズに対する各パーティクルのサイズを指定するスライダです。
  • 放出範囲: パーティクルが放出される角度を定義するスライダです。
  • 放出コントロール: 次に説明するように、いくつかのパラメータを同時に変更できるグラフィカルなコントロールです:
    • 放出範囲(2D のみ): グラフィカルな放出コントロールの外側リングで 2 点をドラッグして、パーティクルを生成する際の範囲を指定します。つまり、「放出範囲」パラメータは、パーティクルの生成時に放出する範囲を円グラフ上の範囲によって定義します。このグラフィカルなコントロールは、「放出範囲」スライダと同じパラメータを制御します。
    • 放出角度(2D のみ): 青い矢印を時計回りまたは反時計回りにドラッグして、パーティクルが放出される際の方向を(「放出範囲」コントロールで定義した角度内で)変更します。
    • 放出速度(2D のみ): 青い矢印を外側または内側にドラッグして、エミッタからどれくらいの速さでパーティクルを放出するかを指定します。

      HUD でグラフィカルな放出コントロールをより正確に操作するには、以下の修飾キーを使います:

      • Shift キー(放出角度の調整時): 「アングル」の増分を 45 度に制限します。
      • Shift キー(放出範囲の調整時): 2D のエミッタを使って作業する場合、増分を 22.5 度に制限します。
      • Command キー: 2D のエミッタを使って作業する場合、放出角度だけを調整します。
      • Option キー: 2D のエミッタを使って作業する場合、放出速度だけを調整します。
  • 「エミッションの緯度」/「エミッションの経度」コントロール(3D のみ): 3D パーティクルエミッタを使っている場合(「エミッタ」インスペクタで「3D」チェックボックスを選択した場合)、HUD の放出コントロールによって「エミッションの緯度」と「エミッションの経度」パラメータを変更できます。

    球の円心をドラッグして、パーティクルの放出方向(緯度と経度)を変更します。「エミッタ」インスペクタでは特定の値を入力することもできます。

    Figure. HUD showing 3D emission control sphere rotated and offset.

    「放出範囲」スライダ(球の上)をドラッグして、パーティクルを生成する際の範囲を指定します。つまり、このコントロールは 3D 空間でパーティクルを生成する際の放出範囲の円錐のサイズを定義します。

    Figure. HUD showing 3D emission control with reduced Emission Range.

パーティクルエミッタと「情報」インスペクタ

エミッタのパラメータは「情報」インスペクタでも変更できます。以下のセクションでは、パーティクルシステムで「情報」インスペクタの一部のパラメータを使う方法について簡単に説明します(「情報」インスペクタのすべてのパラメータについて説明するわけではありません)。「情報」インスペクタのパラメータについて詳しくは、「「情報」インスペクタのパラメータ」を参照してください。

メモ: パーティクルセルを選択すると、「情報」インスペクタには「タイミング」パラメータだけが表示されます。これにより、パーティクルセルのイン点とアウト点を制御することができます。

重要: 「情報」インスペクタで実行できる一部の操作や特定のフィルタまたはマスクを適用すると、グループがラスタライズされます。ラスタライズは、「Motion」のレイヤー(パーティクルシステムを含む)の動作に影響を及ぼす場合があります。詳しくは、「ラスタライズについて」を参照してください。

変形パラメータ

パーティクルシステムを再生するとシステムのパラメータに従ってセルが複製され、キャンバス内に各パーティクルが作成されます。すべてのパーティクルはエミッタの位置に対応して放出されるため、キャンバスでエミッタの位置を変更すると、そのシステムの個々のパーティクルの位置も変更されます。

Figure. Canvas window showing a particle system moved as a contained system.

この大まかな原則には 1 つ例外があります:ビヘイビアまたはキーフレームを使ってエミッタの位置がアニメートされる場合、パーティクルは後続フレームでのエミッタの位置変更に関係なく、放出時点でのパーティクルの位置に対応して移動します。次の例では、アニメートされたエミッタが画面を横切り、変化するエミッタの位置に関係なく元の軌道を維持したパーティクルの尾が残ります。

Figure. Canvas window showing an animated particle system.

「パーティクルセル」インスペクタの「エミッタに吸着」パラメータでこのビヘイビアを変更します。0%に設定すると、パーティクルはエミッタとは完全に独立して動作します。100%に設定すると、アニメートされるエミッタの位置に従ってパーティクルが移動します。「ドラッグ」など適用されたビヘイビアによっては、パーティクルがエミッタに従って移動しない場合もあります。

エミッタのほかの変形パラメータ「回転」、「調整」、「シアー」、および「アンカーポイント」)を変更すると、エミッタから放出されるパーティクルの分布が変化し、個々のパーティクルが変形されます。たとえば、エミッタを作成して「シアー」パラメータを変更すると、パーティクルがエミッタの新しい平面に対応して放出され、パーティクルの分布が変化します。同じ平面に沿うようにパーティクルの分布が傾きます。

Figure. Particle system with Shear effect applied.

ブレンド

エミッタの不透明度またはブレンドモードのパラメータを変更すると、パーティクルシステム全体に適用されます。ブレンドモードについて詳しくは、「ブレンドモードを使う」を参照してください。「不透明度を保持」設定について詳しくは、「「不透明度を保持」オプション」を参照してください。

メモ: エミッタで、パーティクルを付加してブレンドしたり(「パーティクルセル」インスペクタの「アディティブブレンド」チェックボックスを使う)、通常にブレンドしたりできます。

ライティング

62D または 3D のエミッタと 3D のプロジェクトのライトを相互に作用させることができます。パーティクルにライトを適用するには「シェーディング」ポップアップメニュー(エミッタの「情報」インスペクタの「ライティング」セクション内)を「オン」または「継承」に設定する必要があります。ライトの使いかたについて詳しくは、「ライティング」を参照してください。

シャドウ

2D または 3D のエミッタを使用して、3D のプロジェクトに影を落としたり受けたりすることができます。「エミッタ」インスペクタで「3D」チェックボックスを選択した場合、3D パーティクルが影を落とすようにするためには、「パーティクルをレンダリング」ポップアップメニュー(「3D」チェックボックスの下)で「グローバル 3D で(高品質)」が選択されている必要があります。シャドウの使いかたについて詳しくは、「シャドウ」を参照してください。

反射

2D または 3D のエミッタを使用して、3D プロジェクトに反射を投げることができます。ただし反射を受けることができるのは 2D エミッタだけです。反射の使いかたについて詳しくは、「反射」を参照してください。

メモ: 「エミッタ」インスペクタで「3D」チェックボックスを選択した場合、「反射」コントロールは「情報」インスペクタに表示されません。

ドロップシャドウ

ドロップシャドウは、2D のパーティクルシステム(エミッタ全体またはシステムの個別のパーティクル)に適用できます。エミッタ全体にドロップシャドウを適用するには、エミッタを選択し、「情報」インスペクタで「ドロップシャドウ」アクティブ化チェックボックスを選択します。

メモ: 「エミッタ」インスペクタで「ボックス」または「球」のエミッタシェイプ、あるいは「3D」 チェックボックスを選択した場合は、エミッタの「情報」インスペクタで「ドロップシャドウ」パラメータを使用できません。

ドロップシャドウをシステムの個別のパーティクルに適用するには、「レイヤー」リストで(淡色表示されている)ソースオブジェクトを選択してから、「情報」インスペクタで「ドロップシャドウ」アクティブ化チェックボックスを選択します。ドロップシャドウの操作について詳しくは、「ドロップシャドウ」を参照してください。

タイミング

作成したパーティクルシステムの継続時間は、作成に使った元のソースオブジェクトの継続時間に関係なく、必要に応じて延長または短縮できます。パーティクルシステムの継続時間は、エミッタオブジェクトの継続時間によって決定されます。「情報」インスペクタ、「タイムライン」、またはミニタイムラインでエミッタのイン点またはアウト点を変更すると、パーティクルシステム全体の継続時間が変更されます。

デフォルトでは、システムの各セルによってエミッタの継続時間にわたってパーティクルが生成されます。生成されたパーティクルそれぞれの継続時間は、セルの継続時間ではなくパーティクルを生成したセルの「表示時間」パラメータによって決定されます。

セルの継続時間によって、新しいパーティクルを生成する継続時間が制御されます。セルの継続時間を変更するには、「タイムライン」で継続時間の位置、またはイン点とアウト点をドラッグします。この方法で、各セルのパーティクルがいつ放出されるかを決めるタイミングを調整できます。

Figure. Timeline tab showing emitter with varied cell durations.

たとえば、3 種類のパーティクルの表示をずらすことによって、爆発をシミュレートするパーティクルシステムを作成することができます。まず、密集した白の閃光を中心から放出します。0.5 秒後に、広範囲にわたって拡散するオレンジ色の爆発パーティクルを放出します。その 1 秒後に、2 つのレイヤーの下から、白とオレンジのパーティクルが徐々に消えていくに従って、熱い煙が放出されます。

Figure. Canvas window showing three-stage explosion.

「タイムライン」またはミニタイムラインで、エミッタより前に開始するようにセルを移動できます。これによって、パーティクルが描画される前にパーティクルシミュレーションが開始される“プレロール”を作成することができます。

「タイムライン」でレイヤーのタイミングを調整する方法について詳しくは、「タイムラインを使う」を参照してください。