アレンジ領域でドラムの置き換え/ダブリングを行う

「Logic Pro」には、ドラムの置き換えおよびダブリング機能があります。この機能を使うと、トラック全体を録音し直すことなく、オーディオトラックのドラムサウンドを変更できます。録音済みのドラム信号が 1 つあるオーディオトラックを使って、一致する MIDI トリガノートのあるソフトウェア音源トラックを作成し、これらの MIDI トリガノートで EXS24 を再生することができます。

録音済みドラム信号の置き換えまたはダブリングを行うには
  1. 変更するトラックを選択します。

    Figure. Arrange area showing audio track selected.
  2. 「トラック」>「ドラムの置き換え/ダブリング」と選択します(または対応するキーコマンドを使います)。

    「アレンジ」ウインドウで以下のことが行われます:

    • 選択したオーディオトラックのすべてのファイルでトランジェントが分析されます(以前に分析されたことがない場合)。検出されたトランジェントは黄色の線で表示されます。選択したトラックが縦方向に拡大表示されます。

    • 選択したオーディオトラックの下にソフトウェア音源トラックが作成され、音源スロットに EXS24 が挿入されます。

    • メディア領域に EXS24 用の「ライブラリ」タブが開きます。このタブで、プロジェクトに最適なサウンドを選択できます。

    • ソフトウェア音源トラックに、検出されたトランジェントに基づくトリガノートのある MIDI リージョンが作成されます。

    • パラメータの表示されたダイアログボックスが開きます。

    Figure. Arrange area showing the result of Drum Replacement or Doubling procedure.
  3. 必要に応じて以下のパラメータを設定します:

    Figure. Drum Replacement or Doubling dialog.
    • 「音源」ポップアップメニュー: キック、スネア、タムなどの音源から、処理したい音源を選択します。
    • 各モードボタン: 次の 2 つのモードのいずれかを選択します。
      • 置き換え: オリジナルのサウンドが新しいサウンドに置き換えられ、オリジナルのトラックのすべてのリージョンがミュートされます。
      • ダブリング: オリジナルのサウンドに新しいサウンドが追加されます。オリジナルのサウンドがミュートされません。
    • 「相対しきい値」スライダ: トランジェント生成のためのしきい値を定義します。指定した値を上回るトランジェントにトリガノートが生成されます。
    • 「試聴」ボタン: このボタンをクリックすると、現在の再生ヘッドの位置から両方のトラックがソロで再生されます。プロジェクトの中で、ドラムの置き換えに注意を必要とする部分に再生ヘッドを設定したり、こうした部分でサイクル領域を有効にしたりすることをお勧めします。このボタンをもう一度クリックすると再生が停止し、以前の再生位置に再生ヘッドが戻ります。さらに、両方のトラックのソロ状態が解除されます。
    • 「トリガーノート」ポップアップメニュー: ソフトウェア音源で作成されるトリガノートのピッチを設定します。デフォルトの「自動」設定では、トリガノートは次のように設定されます:
      • キック = C1(36)

      • スネア = D1(38)

      • タム = A1(45)

      • その他 = C3(60)、「自動」メニュー項目が淡色表示されます

      メモ: トリガノートを変更しても、音源の設定は変更されません。ただし、音源の設定を変更すると、トリガノートが「自動」または C3(60)に変更されます。

    • 「タイミングオフセット」スライダ: トリガノートの位置を手前(負の値に設定すると左側に移動)または後(正の値を設定すると右側に移動)にずらします。この値は通常は 0.0 ミリ秒(厳密にトランジェントのタイミングの位置に MIDI トリガノートが配置されます)に設定しておきますが、独自または他社製の音源を使う場合に調整が必要になることがあります。
    • 「平均アタック時間を設定」ボタン: ソース・オーディオ・トラックのすべてのリージョンの平均的なスライス位置のオフセットを設定します。
  4. 「OK」をクリックして操作を確定します。

    「OK」をクリックすると、オリジナルのオーディオトラックの縦方向の拡大がリセットされます。また、「置き換え」オプションを選択した場合はオリジナルのオーディオトラックのリージョンがミュートされ、トラックの選択が解除されます。ソフトウェア音源トラックに EXS24 用の MIDI トリガノートが作成され、このトラックが選択されます。

  5. 操作を取り消すには、「キャンセル」ボタンをクリックします。