Touch Track オブジェクト

Touch Tracks オブジェクトを使用すると、1 つのノートイベントで MIDI リージョンやフォルダの演奏を開始できます。リアルタイムで新しいアレンジメントを作成できることから、ライブ演奏には理想的な形となります。

Touch Tracks を使用してオーディオをトリガすることはできません。以下のセクションにおける「リージョン」とは、フォルダと MIDI リージョンのことで、オーディオリージョンを指すものではありません。このような制限はありますが、オーディオリージョンを(ファイルとして)EXS24 mkII に読み込み、Touch Tracks で演奏するという方法は可能です。

Touch Tracks オブジェクトを作成するには
以下のいずれかの操作を行います:
  • アレンジ領域から MIDI リージョンまたはフォルダを「エンバイロメント」ウインドウにドラッグします。

  • 「エンバイロメント」ウインドウのローカルメニューから「新規」>「Touch Tracks」と選択します。

    Figure. Touch tracks object and its parameter box.
Touch Tracks オブジェクトを使用するには
以下のいずれかの操作を行います:
  • Touch Tracks オブジェクトをアレンジトラックに割り当てます。

  • Touch Tracks オブジェクトを MIDI 信号パス内に配置します。

以下に、注意点を示します:

「Touch Tracks」ウインドウ

Touch Tracks オブジェクトをダブルクリックすると、「Touch Tracks」ウインドウが開きます。

Figure. Touch Tracks window.

このウインドウは、「マップドインストゥルメント」ウインドウに似ています。入力ノートは左側のキーボードで選択し、出力リージョンの割り当てやパラメータはその行の列で設定します。マップドインストゥルメントについて詳しくは、マップドインストゥルメントオブジェクトを参照してください。

縦線は、設定が上の行と同じであることを示します。縦線の下の行も同じ縦線である場合に上の行を変更すると、下の行には以前の値が表示されるようになります。(上の行の変更には従いません。)

ノートをリージョンに割り当てる

MIDI リージョンまたはフォルダを「エンバイロメント」ウインドウにドラッグすると、自動的に Touch Tracks オブジェクトが作成されます。すべてのノートは(最初に)このリージョンをトリガします。中央の C は、オリジナルのピッチでリージョンやフォルダを再生し、ほかのノートは、中央の C を基準にトランスポーズして再生します。

「入力名」カラムには入力ノートが表示され、右の「リージョン/フォルダ」カラムには割り当てられたリージョン/フォルダの名前が表示されます。左側のキーボードでは、個々のノートを選択したり、いくつかのキー上をドラッグしてピッチの範囲を選択したりできます。これで「アレンジ」ウインドウから MIDI リージョンやフォルダをドラッグすると、選択したノート(またはノートの範囲)にのみ割り当てられます。

グループ

Hyper Editor のグループと同じように機能します。あるリージョンをトリガすると、同じグループ内のほかの(再生中の)リージョンは停止します。

「オフ」設定は、リージョンがいずれのグループにも割り当てられていないことを示します。

トランスポーズ

「Touch Tracks」ウインドウのキーにリージョンをドラッグすると、そのキーによりリージョンがオリジナルのピッチで(トランスポーズせずに)再生されます。リージョンをトランスポーズするには、「トランスポーズ」カラムでトランスポーズの量を設定します。

キー範囲が選択されている場合、「Touch Tracks」ウインドウにリージョンをドラッグすると、(キー範囲内の)近辺のキーに対して自動的にトランスポーズが増分して設定されます。

リージョンを「エンバイロメント」ウインドウにドラッグして Touch Tracks オブジェクトを作成した場合、C3 キーを押すとリージョンが通常のピッチでトリガされ、ほかのキーを押すと(C3 を基準に)それぞれトランスポーズして再生されます。

ベロシティ

「ベロシティ」カラムでは、トリガノートのベロシティ値に対するリージョンの感度を設定します。100%であれば非常に強く反応し、50%は中程度、オフにするとベロシティに反応しません。

トリガモード

「トリガ」カラムは、リージョンの再生方法を設定します。

  • マルチ: トリガノートを押すと、リージョンの再生が始まります。もう一度押すと、最初に始めたリージョンの再生を止めずに、さらにリージョンの再生を始めます。
  • シングル: トリガノートを押すと、リージョンの再生が始まります。もう一度押すと再生が止まり、リージョンの再生がもう一度始まります。
  • ゲート: トリガノートを放すまで(またはリージョンが終わるまで)、リージョンの再生が続きます。
  • ゲートループ: トリガノートを放すまで、リージョンが繰り返し再生されます。
  • 切り替える: トリガノートを押すと、リージョンの再生が始まります。もう一度押すと、再生が止まります。
  • ループを切り替える: トリガノートを押すと、リージョンのループ再生が始まります。もう一度押すと、再生が止まります。
開始

このカラムでは、リージョンの開始と終了のクオンタイズを設定します。「自由」を選択した場合、クオンタイズは実行されません。「次の 1/16」、「次の 1/4」、または「次の 1/1」はそれぞれ、トリガノートを鳴らしたときにリージョンの再生を開始/終了するタイミングとして、次の 1/16 分音符か 1/4 分音符の位置、または次の小節の先頭を使用します。

ディレイ

このカラムでは、リージョンの開始点に遅延を割り当てます。設定する遅延は、列の右側にティック単位で表示されるか、左側のノート値で表示されます。

「ディレイ」と「開始」を使用すると、リージョンを再生する位置を小節内の任意の個所に設定できます。たとえば、「開始」を 1/1 にして、「ディレイ」を 480 ティックに設定すると、小節内の 2 つ目の 1/8 分音符の位置から再生が始まります。