ミキサーグループを操作する

ミキシングを始める前に、いくつかのチャンネルストリップを論理的なグループにまとめておくと便利です。「Logic Pro」では、最大 32 個のグループを作成できます。また、1 つのチャンネルストリップを複数のグループに入れることができます。たとえば、すべてのドラムのチャンネルストリップを 1 つのドラムグループにまとめます。こうすれば、各チャンネルストリップのパラメータ値の相対的な関係を維持しながら、1 つのコントロールを使ってグループ全体のメーター(音量、パンなど)を操作できます。

メモ: 同様の操作を実現するために、Aux チャンネルストリップを使ってサブグループを作成する方法もあります。詳細については、ミックスのサブグループを作成するを参照してください。

ミキサーのグループ設定について

各グループの動作は、グループ設定ウインドウで指定します。

グループ設定ウインドウを開くには
以下のいずれかの操作を行います:
  • チャンネルストリップを未使用のグループに割り当てます。

  • チャンネルストリップのグループスロットをクリックして、「グループ設定を開く」を選択します。

メモ: グループ設定ウインドウの開閉用三角ボタンをクリックして、設定の表示/非表示を切り替えることができます。また、ウインドウのサイズを縦方向と横方向で変更できます。

グループ設定ウインドウには以下の設定があります:

Figure. Group Settings window.
  • 「グループをアクティブに」チェックボックス: すべてのグループを有効にします。
  • 「オン」チェックボックス: 特定のグループを有効にします。
  • 「名前」フィールド: ダブルクリックして、選択したグループの名前を入力します。
  • 「H」チェックボックス: 特定のグループに含まれるすべてのトラックを隠します。

    メモ: グループ内のトラックの「トラックを隠す」ボタンが異なる状態になっている場合は、「H」チェックボックスに「–」が表示されます。

  • 「編集(選択部分)」チェックボックス: アレンジ領域でリージョンを選択したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップの、同じ横範囲に含まれるリージョンを選択します。
  • 「フェーズロックオーディオ」チェックボックス: オーディオのクオンタイズ時に、編集グループをフェーズロックするか独立させるかを指定します。
  • 「オートメーションモード」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップでオートメーションモードを変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップでオートメーションモードを変更します。
  • 「ボリューム」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップで音量フェーダーを変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップで音量レベルを変更します。

    メモ: チャンネルストリップ間の相対的な音量レベルは維持されます。

  • 「ミュート」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップでミュート状態を変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップでミュート状態を変更します。
  • 「入力」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップで入力状態を変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップで入力状態を変更します。
  • 「パン」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップでパンコントロールを変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップでパンコントロールを変更します。

    メモ: チャンネルストリップ間の相対的なパンポジションは維持されます。

  • 「ソロ」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップでソロ状態を変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップでソロ状態を変更します。
  • 「録音」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップで録音可能状態を変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップで録音可能状態を変更します。

    重要: 複数のチャンネルストリップを同時に録音可能状態にできるのは、それらが異なる入力ソースを使用している場合だけです。

  • 「センド 1」〜「センド 8」の各チェックボックス: センドスロット 1 〜 8 のセンドノブをそれぞれ連動させます。チャンネルストリップ間の相対的なノブ位置は維持されます。
  • 「カラー」チェックボックス: 1 つのチャンネルストリップのカラーを変更したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップにそのカラーを割り当てます。
  • 「トラックを拡大/縮小」チェックボックス: アレンジ領域でリージョンを拡大/縮小したときに、グループ内のすべてのチャンネルストリップのリージョンを拡大/縮小します。
  • 「トラックを隠す(H)」チェックボックス: グループ内の 1 つのトラックで「トラックを隠す」ボタンを選択したときに、グループ内のすべてのトラックで「トラックを隠す」ボタンを選択します。

ミキサーのグループ構成を編集する

このセクションでは、チャンネルストリップをグループに割り当てる方法、グループから取り除く方法、およびすべてのグループでパラメータの連動を無効にする方法について説明します。

チャンネルストリップをミキサーグループに割り当てる

1 つのチャンネルストリップを 1 つまたは複数のグループに割り当てることができます。

チャンネルストリップを 1 つのグループに割り当てるには
  1. チャンネルストリップのグループスロットをクリックして、グループメニューを開きます。

    Figure. Group slot, showing channel strip group membership.
  2. 32 個のグループのいずれか 1 つを選択します。

未使用のグループを選択した場合は、自動的にグループ設定ウインドウが開きます。すでに使用しているグループを選択した場合は、グループ設定ウインドウは開きません(ミキサーのグループ設定についてを参照してください)。

チャンネルストリップを複数のグループに割り当てるには
  • Shift キーを押しながら、グループメニューでグループを選択します。

グループスロットに、チャンネルストリップが属しているグループが表示されます。

Figure. Group slot, showing channel strip group membership.
最後に使用したグループ設定を別のチャンネルストリップにすばやく割り当てるには
  • Option キーを押しながら、チャンネルストリップのグループスロットをクリックします。

最後に使用したグループ設定(グループの複数選択も含む)が現在のチャンネルストリップに適用されます。

チャンネルストリップをミキサーグループから取り除く

1 つのチャンネルストリップを 1 つまたは複数のグループから取り除くこともできます。

1 つのグループからチャンネルストリップを取り除くには
  1. グループスロットをクリックしてグループメニューを開きます。

  2. チャンネルストリップを取り除くグループを選択します。

すべてのグループからチャンネルストリップを取り除くには
  1. グループスロットをクリックしてグループメニューを開きます。

  2. 「グループ解除」を選択します。

ミキサーグループを無効にする

グループクラッチを適用して、すべてのグループでパラメータの連動を一時的に無効にすることができます。これにより、たとえば、チャンネルストリップの音量を個別に変更できるようになります。

すべてのグループを一時的に無効にするには
以下のいずれかの操作を行います:
  • 「オプション」>「グループクラッチ」と選択します(または、「グループクラッチを切り替える」キーコマンドを使います。デフォルトはコマンド+ G キーです)。

  • グループ設定ウインドウで、「グループをアクティブに」チェックボックスの選択を解除します。

グループクラッチを有効にすると、すべてのグループスロットで文字の色が黄色(通常)から淡灰色(すべてのグループが一時的に無効)に変わります。

Figure. Group slots, showing all groups disabled.

ミキサーグループにオートメーションを設定する

ミックス機能(音量、パン、ミュートなど)にオートメーションを設定するときは、グループ内のいずれかのチャンネルストリップを、そのグループのミックス・オートメーション・マスターとして使用できます。マスターのチャンネルストリップでオートメーションパラメータ値を書き込むと、グループ内のほかのチャンネルストリップにもオートメーションモードに応じて同じ値が書き込まれます。

各チャンネルストリップのデータは個別に設定されます。そのため、後でグループを無効にしても、そのグループに属していたメンバーのオートメーションには影響しません。さらに、グループから取り除いたチャンネルストリップは個別に編集または変更することができます。

オートメーションの詳細については、オートメーションを操作するを参照してください。