トランスフォームプリセットについて

このセクションでは、17 種類の各トランスフォームプリセットの用途とその使いかたのヒントを説明します。

ピッチをランダム化

ノートイベントにランダムなピッチを設定します。

Figure. Transform window showing Random Pitch.

条件領域の「ピッチ」の値を変更して、選択範囲を変更します。

ベロシティをランダム化

ノートイベントにランダムなベロシティを設定します。

Figure. Transform window showing Random Velocity.

条件領域の「ベロシティ」の値を変更して、選択範囲を変更します。

ピッチ、ベロシティ、長さをランダム化

ノートイベントにランダムなピッチ、ベロシティ、および長さを設定します。

Figure. Transform window showing Random Pitch, Velocity, Length.

条件領域の「ピッチ」、「ベロシティ」、「長さ」の値を変更して、選択範囲を変更します。

クレッシェンド

イベントノートグループのベロシティ値を少しずつ緩やかに増減します(デクレッシェンドまたはディミヌエンド)。

Figure. Transform window showing Crescendo.
  • クレッシェンドをかけたいノートイベントを含む領域(「位置」)を選択します。

  • 操作領域のベロシティ値を 1 〜 127 の範囲で選択します。

  • 緩やかなクレッシェンドにしたい場合は、低めの値を設定します。

  • ディミヌエンドにするには、「ベロシティ」の上側のフィールドに高めの値を設定し、下側のフィールドに低めの値を設定します。

14 ビットピッチベンドをスケール

14 ビットの情報をそのまま保持しながら、ピッチベンドデータの値を調整します。ピッチベンドイベントの長さは 14 ビット値で保持され、-8192 〜 8191 の範囲の十進数の値で表されます。

Figure. Transform window showing Scale 14 Bit PitchBd.
  • 操作領域の上側の値フィールドで、微小ピッチベンドの値(LSB)と有効ピッチの値(MSB)を選択します。

  • 下側の値フィールドに 14 ビット値を設定すると、スケールされた(乗算された)イベントに加算されます。

2 倍の速度

イベントの位置と長さを半分にすることで、テンポを倍の速さにします。デフォルトでは、操作領域の「位置」と「長さ」の「割る」フィールドの値はそれぞれ「2.0000」に設定されています。

Figure. Transform window showing Double Speed.

この 2 つのフィールドの値を「4.000」に設定すると、テンポの速さは 4 倍になります。

このプリセットをドラムリージョンに対して実行すると、いろいろと面白い効果を与えることができます。以下の例は、「フォー・オン・ザ・フロア」のドラムパターンのキック、スネア、ハイハット、その他のパーカッション音からなるリージョンを Hyper Editor で表示したものです。

Hyper Editor で「2 倍の速度」プリセットを試すには
  1. Hyper Editor の名前カラムでドラムサウンドをクリックします。

    リージョン内の特定のピッチのノートイベントがすべて選択されます。

  2. 「位置」フィールドと異なる値を「長さ」フィールドに設定します(または、逆に、「位置」フィールドの値を変更します)。

  3. その他のドラムまたはパーカッション音についても、同じ操作を行います。

    予想もしなかった不思議なポリリズムが生まれます。

この例からも分かるように、同じリージョンに対して同じ変換操作を加えるだけでなく、異なるトランスフォームプリセットを組み合わせて(交互に使うことで)、ある種の効果を作り出すことができます。

半分の速度

イベントの位置と長さを倍にすることで、テンポを半分の速さにします。デフォルトでは、操作領域の「位置」と「長さ」の「掛ける」フィールドの値はそれぞれ「2.0000」に設定されています。

Figure. Transform window showing Half Speed.

操作領域で「掛ける」フィールドの値を「1.5000」に設定すると、テンポはおよそ 3 分の 1 に減速します。

ヒューマナイズ

選択したノートイベントの位置、ベロシティ、および長さにランダム値を加算します。クラビネットやピアノ伴奏などのリズミックパート、およびドラムやパーカッションのリージョン(またはイベント)に適しています。厳密にクオンタイズされた素材や手動で入力したノートに人間味を加えます(MIDI ステップインプット録音を参照してください)。

Figure. Transform window showing Humanize.

「位置」、「ベロシティ」、または「長さ」のパラメータ値を変更して、それぞれのイベントパラメータのランダム係数を増減できます。

位置を逆方向

選択部分のイベント(通常、ノートイベント)の位置を逆方向にします。

Figure. Transform window showing Reverse Position.

条件領域の「位置」の値を変更して、選択範囲を変更します。

ピッチを逆方向

全ノートイベントのピッチを反転します。

Figure. Transform window showing Reverse Pitch.

操作領域で「反転」フィールドの値を変更して基準点のノート番号を設定すると、基準点を中心にノートイベントのピッチが入れ替わります。

トランスポーズ

すべてのノートイベントをトランスポーズします。

Figure. Transform window showing Transposition.
  • 操作領域の「足す」フィールドの値を(半音単位で)必要な値に変更します。

  • 下にトランスポーズする場合は、このフィールドに負の値を設定します。

指数ベロシティ

ベロシティカーブの変化の度合いを調整します。このプリセットの使用は、ソフトウェア音源や MIDI 音源のパートに限られます。ベロシティは通常、音源の音量の初期値設定に使われますが、フィルタエンベロープを切り替えて音の明暗を調整するのにもよく使われます。リージョンを変換する方が、MIDI 音源やソフトウェア音源のベロシティ調整やフィルタのパラメータを変更するより場合よりもはるかに手間がかかりません。

Figure. Transform window showing Exponential Velocity.

操作領域で「ベロシティ」フィールドの値を変更すると、ベロシティカーブが変化します。これは、下のマップ領域にただちに反映されます。

ベロシティリミッター

ベロシティの最大値を設定します。ベロシティに上限を設けるので、耳障りな楽器の音をうまく抑えることができます。

Figure. Transform window showing Velocity Limiter.

操作領域で「最大値」フィールドの値を変更して、ベロシティの最大値を設定します。これは、下のマップ領域にただちに反映されます。

固定ノート長

ノートを一定の長さにそろえます。多くの楽器に使用できますが、ドラムを始め、ピアノ、クラビネット、ベースなどのリズムパートに特に役立ちます。

Figure. Transform window showing Fixed Note Length.

操作領域で「長さ」フィールドの値を変更して、選択したすべてのイベントの長さをその値にそろえます。短いイベントも長いイベントも、設定した値の長さにそろえられます。

最大ノート長

ノートイベントの最大長を設定します。

Figure. Transform window showing Maximum Note Length.

操作領域で「最大値」フィールドの値を変更して、ノートイベントの長さの最大値を設定します。既存のノートイベントで、設定した長さよりも短いものは変更されません。設定した長さより長いものは短くされます。

最小ノート長

ノートイベントの最小長を設定します。

Figure. Transform window showing Minimum Note Length.

操作領域で「最小値」フィールドの値を変更して、ノートイベントの長さの最小値を設定します。既存のノートイベントで、設定した長さよりも長いものは変更されません。設定した長さよりも短いものは長くされます。

ノートの長さをクオンタイズ

ノートの長さをクオンタイズします。このプリセットは、ノートの終了位置を実際にクオンタイズします。

Figure. Transform window showing Quantize Note Length.

操作領域で「長さ」フィールドの値を変更して、ノートの終了位置をクオンタイズする長さを設定します。