オーディオリージョンを結合する

オーディオリージョンの結合は非破壊編集です。「Logic Pro」では、結合したオーディオ素材用に常に新しいファイルが作成されます(ミックスダウンと呼ばれます)。

この新しいオーディオファイルは、お使いのハードディスクに保存(プロジェクトフォルダ内)され、自動的にオーディオビンに追加されます。結合したリージョンは、オリジナルのリージョンと置き換わります。

ミックスダウンが行われない状況

複数のリージョン(モノまたはステレオ)が同一トラック上に並んでおり、それがハサミツールで 1 つのリージョンとしてカットして取り出されていた場合、ミックスダウンは行われません。この状況では、1 つのリージョンが領域全体の上に作成されます。こうすると、ディスク容量を消費することなく、意図した操作を実行できます。

メモ: 「Logic Pro」では、リージョン間にギャップがあったとしても、互いの関連を認識できます。判断の材料となるのは、アレンジ領域にあるリージョンの相対的な位置と、元のオーディオファイルにあるリージョンの相対的な位置との対応関係です。

別々のサイドにパンされたトラック上にある 2 つのリージョンをミックスしようとしても、ミックスダウンは行われません。なぜなら、作成される 2 つのミックスダウンファイルは、(リージョンを使用する領域で)オリジナルのオーディオファイルと同一のものになるからです。

クリップスキャンを使った実際のミックスダウン

複数トラックからのオーディオデータ(リージョン単位)を組み合わせた場合、各トラックの現在のパン値および音量値により、新しいオーディオファイルのパンおよび音量の設定が決まります。

ステレオ・オーディオファイルの両サイド(2 つのトラックそれぞれのモノチャンネル)を組み合わせたい場合、まず要素となるモノサイドのパンコントロールをそれぞれ左いっぱいおよび右いっぱいに設定します。

デジタル・クリッピング・スキャンとミックスダウンの後、選択していたリージョンが、ミックスダウンしたオーディオファイル全体を含む 1 つのリージョンに置き換えられます。

ミックスダウンについての考えが変わった場合は、「編集」>「取り消す」機能(コマンド+ Z キー)でオリジナルのオーディオリージョンを復元できます。これを実行する場合はダイアログが表示されるので、新しく作成したミックスのオーディオファイルを保存するか削除するか選択します。保存する場合はオーディオビンに残るため、後で利用や処理ができます。

ミックスダウン中は分解能 32 ビットのクリップスキャン機能により、可能な限り高いレベルがクリッピングなしで維持できます。

トラック上のオーディオリージョンのミックスダウン

重なっている複数のオーディオリージョンが 1 つのトラック上で選択された場合、ミックスダウンは行われません。新しいオーディオファイルを作成するダイアログが表示され、そのファイル名はトラックの最初のリージョンの名前から付けられます。次に選択したリージョンがミックスされますが、音量は同じでクリップスキャンもありません。

2 つのリージョン間に空のセクションがある場合、この空のセクションは無音のパッセージとして新しいオーディオファイルに追加されます。

デジタルミックスダウンでのオーディオクロスフェード

デジタルミックスダウンは、選択したリージョン間でのクロスフェードをサポートしています。

クロスフェードのパラメータは「オーディオ」環境設定の「一般」パネルで指定します。このパネルにアクセスするには、「Logic Pro」>「環境設定」>「オーディオ」>「一般」と選択します(または「結合用のオーディオ・クロスフェード・オプション」キーコマンドを使います)。

Figure. General Audio preferences showing crossfade parameters.

2 種類のフェーダーがあります:

  • クロスフェードタイム(ミリ秒): クロスフェード全体の長さです。クロスフェードをオフにするには、この値をゼロに設定します。
  • クロスフェードカーブ: 直線的なクロスフェードにするには、この値をゼロに設定します。ほかの値(正または負)の場合、指数関数的なフェードが得られます。フェードアウトとフェードインは常に対称であるため、レベルのずれを防止できます。プリセットの値は、「時間」= 0 ms、「カーブ」= 0(直線的なフェード)です。