リージョンの編集部分を時間位置にスナップさせる

ある時間位置でリージョンを開始または終了させたい場合、アレンジ領域でリージョンを移動したり、リージョンのサイズを変更したりします。たとえば、音楽ベースのプロジェクトであれば、リージョンの開始位置を小節や拍に合わせることができます。

「Logic Pro」にはスナップ機能があり、リージョンを移動またはサイズ変更したときに、リージョンの開始位置と終了位置が、選択したグリッド値の位置と自動的にそろいます。

ヒント: アレンジ領域のローカルメニューバーで「表示」>「グリッド」と選択してメニュー項目をオンにしておくと、「スナップ」ポップアップメニューによってリージョンが指定のグリッド位置に自動でそろえられる様子を確認できます。

リージョンをグリッドにスナップするには
  • 「スナップ」ポップアップメニュー(アレンジ領域の上部)で次のいずれかの値を選択します:

    Figure. Arrange area showing the Snap pop-up menu.
    • スマート: 編集操作を行うと、現在のバールーラのディビジョン値と拡大/縮小レベルに従って、最も近い小節、拍、サブ拍などにスナップします。
    • 小節: 編集操作を行うと、最も近い小節にスナップします。
    • ビート: 編集操作を行うと、小節内の最も近い拍にスナップします。
    • ディビジョン: 編集操作を行うと、最も近いディビジョン値にスナップします。(ディビジョン値は、トランスポートとバールーラに表示される拍子記号です。)
    • ティック: 編集操作を行うと、最も近いクロックティック(1 拍の 1/3840)にスナップします。
    • フレーム: 編集操作を行うと、最も近い SMPTE フレームにスナップします。
    • QF(クォーターフレーム): 編集操作を行うと、最も近い SMPTE クォーターフレームにスナップします。
    • サンプル: 編集操作を行うと、最も近いサンプルにスナップします。

メモ: サンプルが正確に編集できるかどうかは拡大/縮小レベルによります。拡大/縮小レベルが十分でないと、正確なサンプル編集はできません。「アレンジ」ウインドウの下部にある拡大/縮小スライダと、「ズーム 1/2/3 として保存」または「ズーム 1/2/3 を呼び出す」キーコマンドを利用すれば、作業を迅速に行うことができます。

スナップ機能は相対的です。つまり編集操作によって最も近い小節や拍などにスナップし、リージョンの元の位置からの距離はそのまま保たれます。たとえば、あるリージョンが 1.2.1.16 の位置にあり、これを小節 2 付近に進めたとします(「スナップ」ポップアップメニューで「小節」に設定)。すると、このリージョンは 2.1.1.1(小節 2 の開始位置)ではなく、2.2.1.16 の位置にスナップします。相対的なスナップは「絶対値にスナップ」オプションで変更できます。

相対的ではなく絶対的な位置にスナップするには
  • 「スナップ」ポップアップメニュー(アレンジ領域の上部)で「絶対値にスナップ」オプションを選択します。

有効になると、このオプションの左側にティックが表示されます。この機能は、選択したスナップのグリッドディビジョンと連携して動作します。

たとえば、「スナップ」ポップアップメニューで「絶対値にスナップ」と「小節」を選択した状態で、リージョンを位置 1.2.1.16 から小節 2 付近に移動すると、相対的な位置 2.2.1.16 ではなく、位置 2.1.1.1(小節 2 の開始位置)にスナップされます。

「スナップ」ポップアップメニュー設定は、以下の編集操作に適用されます:

グリッドを一時的に無効にする

一時的にスナップグリッドを無効にすると、より細かい編集や調整が可能になります。

スナップグリッドを無効にするには
以下のいずれかの操作を行います:
  • Control キーを押しながら編集操作を行います:

    • 拡大/縮小レベルが低い(巨視的またはワイド表示の)場合、トランスポートバーで選択したディビジョン値(1/16 など)を基に、編集時のグリッドサイズが決まります。

    • 拡大/縮小レベルが高い(微視的またはクローズアップ表示の)場合、拡大率や縮小率によって編集グリッドサイズが変わります。

  • Control キーと Shift キーを押しながら編集操作を行います:

    • 拡大/縮小レベルが低い(巨視的またはワイド表示の)場合、編集のグリッドはティックに変わります。

    • 拡大/縮小レベルが高い(微視的またはクローズアップ表示の)場合、編集のグリッドはサンプルに変わります。

拡大/縮小レベルと「スナップ」値との関係について

拡大/縮小レベルが非常に高く(つまり微視的で)、選択した「スナップ」値では移動や編集が大きくなってしまう場合、「スナップ」値は一時的に淡色表示され、「スマート」スナップが自動的に使われます。

拡大/縮小レベルが非常に低く(つまり巨視的で)、「スナップ」値が細かい(たとえば「ディビジョン」や「フレーム」を選択している)場合、マウスの動きは大きなグリッド単位になります。このような場合、拡大/縮小レベルを変更するか、Control キーを押しながら実際に選択した「スナップ」値を使います。

Control + Shift キーを使うと、マウスの動きに応じてリージョン(または編集ツール)が 1 単位動くという操作が解消されます。つまり、リージョン(または編集ツール)を 1 ピクセル移動する際、場合によってはマウスを横方向に大きく動かす必要があります。ヘルプタグで、正確な値を確認しながら編集を行ってください。

4/4 の小節のリージョンを短縮し、4 は鳴るけれども最後の小節の「4 アンド」は鳴らないようにしたいとします。

「スナップ」が「ビート」の場合にリージョンを 1 ディビジョン分短くするには
  1. 4 分音符がバールーラ上で見えるようになるまで画面表示を横方向に拡大/縮小します。

  2. リージョンの右下隅をつかんで左にドラッグし、4 分音符 1 つ分リージョンを短縮します。

  3. Control キーを押し、マウスをゆっくりと右に動かし、リージョンをディビジョン 1 つ分だけ長くします。

    この間ヘルプタグには、リージョン開始位置、トラック番号、および現在のリージョンの長さが小節、拍、ディビジョン、ティックの単位で表示されます。右側の 3 つの数字は 3 1 0 となるはずです。