このセクションで説明している方法を使用して、オーディオを直接アレンジ領域に追加したり、オーディオビンに追加したりすることができます。
オーディオビンは、アレンジ領域で使用するかどうかに関係なく、プロジェクトに追加されたすべてのオーディオファイルの集中管理場所です。すべてのファイルが最終的な作品で実際に使用されるとは限らないとしても、これは、プロジェクトに関連するすべてのファイルを 1 カ所に保管しておくのに便利です。
オーディオファイルは、アレンジ領域に追加すると、自動的にオーディオビンに追加されて、アレンジメントにオーディオリージョンとして表示されます。これらのリージョンのデフォルト長は、オーディオファイル全体を含めることができる長さです。これらのリージョンは、アレンジ領域でサイズ変更、カット、および移動することができます。
このセクションで説明している方法を使えば、WAV、AIFF、CAF、MP3、SDII、AAC、Apple ロスレス、および Apple Loops ファイルを読み込むことができます。
Apple Loops は、アレンジメントに追加されるときにいくつかの特別な機能を提供します。詳しくは、緑と青の Apple Loops についてを参照してください。
ReCycle ファイルの処理方法は異なります。ReCycle ファイルをプロジェクトに追加するを参照してください。
アレンジメントにオーディオファイルを直接追加するには、以下のいずれかの方法を使用できます:
鉛筆ツールを使用して、アレンジのオーディオトラックの任意の位置を Shift キーを押しながらクリックします。
「オーディオファイルを読み込む」コマンドを使用します。
ブラウザ、オーディオビン、ループブラウザ(つまり、Mac OS X Finder)で特定のファイル名を探し出し(ブラウズまたは検索し)、それを単純にアレンジ領域にドラッグします。ブラウザでファイル名をダブルクリックすると、選択したアレンジトラックの現在の再生ヘッドの位置にファイルが追加されます。
アレンジ領域で鉛筆ツールを選択します。
Shift キーを押しながら、アレンジ領域の適切な位置でオーディオトラックをクリックします。
「ファイルを開く」ダイアログボックスで挿入したいファイルをブラウズして選択します。
「再生」ボタンをクリックすると、選択されているオーディオファイルがプレビューされます。
「再生」ボタンが「停止」に変わります。これをクリックすると再生が停止します。
「開く」ボタンをクリックすると、アレンジ領域でクリックした位置で、選択したトラックにファイルが追加されます。
アレンジ領域でオーディオトラックを選択します。
「ファイル」>「オーディオファイルを読み込む」と選択します(または、対応するキーコマンドを使います)。
「ファイルを開く」ダイアログボックスで挿入したいファイルをブラウズして選択します。
「再生」ボタンをクリックすると、選択されているオーディオファイルがプレビューされます。
「再生」ボタンが「停止」に変わります。これをクリックすると再生が停止します。
「開く」ボタンをクリックすると、アレンジの再生ヘッドの位置で、選択したトラックにファイルが追加されます。
ブラウザ、ループブラウザ、または Finder からアレンジ領域のオーディオトラックにファイルを直接ドラッグします。
すべてのトラックタイプにオーディオファイルをドラッグできますが、再生はオーディオトラックでしかできません。
メモ: オーディオファイルを直接、空の「アレンジ」ウインドウ(トラックなし)、または既存のトラックの下の空白の領域にドラッグできます。オーディオトラックおよび対応するチャンネルストリップが自動的に作成されて、オーディオリージョン(ファイルの全長)がトラック上に配置されます。さらに、このファイルはオーディオビンに追加されて、対応するリージョンが自動的に作成されます。
オーディオビン、Finder またはブラウザで、Shift キーを押しながら連続したファイルをクリックするか、コマンドキーを押しながら非連続のオーディオファイルをクリックします。
ファイルをアレンジ領域までドラッグして、マウスボタンを放します。
メモ: オーディオファイルのファイルを追加する場合は、「オーディオファイル」>「ファイルをアレンジに追加」と選択して使用することもできます。再生ヘッドの位置によって最初のオーディオリージョンの作成位置が決まります。
「選択したファイルをアレンジに追加」ダイアログボックスに表示される次のオプションを選択します:
オーディオビンは、アレンジ領域で使用するかどうかに関係なく、プロジェクトに追加されたすべてのオーディオファイルの集中管理場所です。すべてのファイルが最終的な作品で実際に使用されるとは限らないとしても、これは、プロジェクトに関連するすべてのファイルを 1 カ所に保管しておくのに便利です。
ここまでに説明したすべてのオーディオファイル追加方法によって、ファイルはオーディオビンに自動的に配置されます。アレンジ領域にファイルを直接追加する方法では、ファイルに関連するリージョンがオーディオビンに作成されます。
オーディオビンには、プロジェクト(オーディオビン)にファイルを追加できる機能、およびオーディオビンからアレンジ領域にファイルを追加できる機能もあります。
Finder またはブラウザで、Shift キーを押しながら連続したファイルをクリックするか、コマンドキーを押しながら非連続のオーディオファイルをクリックします。
ファイルをオーディオビンまでドラッグして、マウスボタンを放します。
メモ: ブラウザからファイルを追加する場合は、アクションメニューの「選択したオーディオファイルをビンに追加」を選択することもできます。
「オーディオファイル」>「オーディオファイルを追加」と選択します(または対応するキーコマンドを使います。デフォルトは Control + F キーです)。
以下のダイアログボックスが開きます。
オーディオファイルをブラウズして選択します。
「再生」ボタンをクリックして試聴できます。
「追加」ボタンをクリックします。
下方のファイル表示領域にファイルが表示されます。
別のオーディオファイルをブラウズして選択し、「追加」ボタンをクリックします。
ファイル表示領域に必要なすべてのファイルが追加されるまでこの処理を繰り返します。
誤ってファイルを追加した場合は、ファイル表示領域でそのファイルを選択して、「削除」ボタンをクリックしてください。
メモ: フォルダを選択して、「すべてを追加」ボタンをクリックすれば、フォルダ内のすべてのファイルを追加することもできます。誤って違うフォルダからすべてのファイルを追加した場合は、「すべてを削除」ボタンを押してリストから削除してください。これでファイルがハードディスクから削除されるわけではありません。
「終了」をクリックして、選択したファイルをオーディオビンに追加します。
メモ: すでにオーディオビンに追加されているファイルは淡色表示になり、選択できません。これで混乱や重複が避けられます。
オーディオビンで、ファイル名を選択します。
Delete キーを押します。
これでファイルはプロジェクトからは削除されますが、ハードディスクから削除されるわけではありません。プロジェクトからオーディオファイルを完全に削除できるようにする唯一の方法は、オーディオビンの中にあります。アレンジ領域で(消しゴムツールを使うか Delete キーを押して)オーディオリージョンを削除しても、オーディオファイルへのリファレンスが削除されるだけで、プロジェクトから削除されるわけではありません。
警告: 「オーディオファイル」>「ファイルを削除」コマンド(またはデフォルトのキーコマンド、Control + Delete キー)を使用するときは十分に注意してください。これで、選択したファイルはプロジェクトだけではなくハードディスクからも削除されます。削除したオーディオファイルはゴミ箱に移動されますが、ゴミ箱を空にするまでゴミ箱からは削除されません。
「Logic Pro」では、次の圧縮オーディオファイルフォーマットを直接、再生できます:
AAC
圧縮フォーマット:MPEG-4 AAC
サンプルレート:8 kHz、11.025 kHz、12 kHz、16 kHz、22.05 kHz、24 kHz、32 kHz、44.1 kHz、48 kHz、64 kHz、88.2 kHz、または 96 kHz
MP3
44.1 kHz ファイル
48 kbps 以上でエンコードされたステレオファイル、32 kbps 以上でエンコードされたモノラルファイル
「iTunes」/「Logic」のエンコードファイル
Apple ロスレスファイル
これらのファイルは、「Logic Pro」に読み込まれたときに自動的に変換されるわけではありません。圧縮オーディオファイルがアレンジ領域に追加されて、オーディオファイル全体を含む大きさのリージョンが作成されます。このリージョンは、アレンジ領域の通常のオーディオリージョンと同じ方法で編集できます。すなわち、このリージョンに対してカット、ループ、名前変更などを行うことができます。
メモ: 圧縮オーディオファイルには、フェードを割り当てることも、ファイルを編集して変更することもできません。
圧縮オーディオファイルをポイントしているオーディオリージョンは、次の記号で示されます:
アレンジ領域で、オーディオファイルを参照しているオーディオリージョンを選択し、アレンジ領域のローカルメニューで「オーディオ」>「リージョンを新規オーディオファイルに変換」と選択します(または「リージョンを新規オーディオファイルに変換します」キーコマンドを使います。デフォルトは Option +コマンド+ F キーです)。
オーディオリージョンで範囲指定されているオーディオファイルの一部が、新しいオーディオファイルに変換されます。
オーディオビンでオーディオファイルを選択してから、オーディオビンのローカルメニューで「オーディオファイル」>「ファイルをコピー/変換」を選択します(Control キーを押しながらオーディオビンをクリックするか、対応するキーコマンドを使うこともできます)。
重要: デジタル著作権管理(DRM)の枠組みで保護されている圧縮オーディオファイルを「Logic Pro」で開くことはできません。iTunes Store で販売されている音楽のうち、種類によっては DRM フリーの曲を購入できる場合もあります。一部の曲は DRM 保護されたフォーマットでのみ販売されていますが、その他の曲は DRM フリーと DRM 保護の両方のフォーマットで販売されています。
オーディオファイルをプロジェクトに追加すると、「Logic Pro」によって自動的にオーディオファイルのオーバービューが作成されます。これは、波形を表示するのに使用されるグラフィックファイルです。
オーディオファイルのオーバービューデータの計算はウインドウに表示されます。この計算はバックグラウンドで実行されるので、「Logic Pro」での作業を継続できます。
「オーバービューの計算を高速化」オプションを選択すると計算速度が大幅にアップします。ただし、ユーザの操作を完全に妨げるほどではありませんが、その他の操作速度はダウンします。「Logic Pro」 では、プロジェクト間で「オーバービューの計算を高速化」オプションの状態が記憶されます。
ファイル録音を置き換えた(リージョンを使用した)場合や外部サンプルエディタでの編集を行った場合、「オプション」>「オーディオ」>「オーバービューを更新」と選択すれば、選択したファイルのオーバービューを手動で更新できます。
「Recycle」は、製造元 Propellerhead 社のソフトウェア・アプリケーションの名称で、主にループ(繰り返し使用されるオーディオファイル)の編集および生成を行うためのツールです。「Recycle」で使用される固有のファイルフォーマットを「Logic Pro」で直接読み込んで使用できます。また、ReCycle ファイルを Apple Loops に変換することもできます。
メモ: 「Logic Pro」で ReCycle ファイルを使用する場合は、REX Shared Library © Propellerhead Software をインストールする必要があります。ReCycle ファイルについて詳しくは、Propellerhead 社の Web サイトを参照してください。
「Logic Pro」では、次の ReCycle ファイルフォーマットを読み込むことができます:
次のいずれかを実行して、読み込む ReCycle ファイルを選択します:
「ファイル」>「オーディオファイルを読み込む」と選択して、AIFF、SDII、MP3、または WAV オーディオファイルではなく ReCycle ファイルを選択します。
鉛筆ツールを使用して Shift キーを押しながらオーディオトラックをクリックし、ReCycle ファイルを選択します。
Finder からオーディオトラックに ReCycle ファイルをドラッグします。
ReCycle ファイルの読み込みダイアログボックスで設定を選択し、「OK」をクリックします。
ReCycle ファイルを Apple Loops またはオーディオファイルとして読み込まない場合は、フォルダトラックに ReCycle ファイルフォルダが作成されます。このフォルダには、適当な位置に ReCycle ファイルのスライス(フォルダ内の縮小リージョンとして表示できます)が含まれます。
これらのスライスはいずれも、同じオーディオファイルを参照します。このファイルはオーディオビンにあります。
メモ: ReCycle ファイルフォルダを別のオーディオトラックに移動しても、(フォルダ内のトラックの)オーディオチャンネルストリップの出力先は変更されません。ReCycle オーディオデータを聴くには、フォルダを開いて、オーディオチャンネルストリップの出力先を手動で変更する必要があります。
ReCycle ファイル読み込みダイアログボックスで「Apple Loop にレンダリング」オプションを使用します。
ブラウザのツールメニューで「ReCycle ファイルを Apple Loops に変換」コマンドを選択します。
ファイル選択ダイアログボックスを使用しなくても、「Logic Pro」と「Recycle」の間で互いにデータを転送できます。
アレンジ領域でオーディオリージョンを選択します。
アレンジ領域のローカルメニューで「オーディオ」>「ReCycle ループとしてコピー」と選択します。
選択したオーディオリージョンのデータがクリップボードにコピーされます。
「Recycle」で「Paste as new Document」コマンドを使用して、新規の ReCycle 書類(アレンジ領域で選択したオーディオデータが含まれる)を作成します。
メモ: 転送されるオーディオリージョンのサイズは 10 MB 以下に制限されますが、ほとんどの ReCycle ループはそれだけあれば十分です(たとえば、70 bpm、4/4 の 8 小節ステレオループでは約 5 MB を使用します)。
「Recycle」で「Copy Loop」コマンドを使用します。
これによって、「Recycle」で現在編集中のループがクリップボードにコピーされます。
アレンジ領域のローカルメニューで「オーディオ」>「ReCycle ループをペースト」と選択して、このループをアレンジ領域にペーストします。
この結果は、ReCycle ファイル読み込みオプションの場合と同じになります。