EVB3 のドローバーコントロールを使用する

EVB3 では、上段と下段の鍵盤にそれぞれ 9 つ、およびペダル鍵盤に 2 つの、合計 20 のドローバーが用意されています。上段鍵盤のドローバーは左側に、ペダル鍵盤のドローバーは中央に、下段鍵盤のドローバーは右側にそれぞれ表示されています。

Figure. Drawbars.

ミキサーに付いているフェーダーとは、上下が逆向きの関係になります。ドローバーを下に引き降ろすと、対応する周波数成分が強くなります。標準的な MIDI フェーダーユニットで操作するときのドローバーの MIDI コントロールも、動かす方向が逆になっています。

基本的に、各周波数成分は、特定のレベルでミックスされた正弦波です。レベルはドローバーの位置で決定されます。この方法で周波数成分を追加することで、上段および下段の鍵盤で生成されるオルガンの全体的なサウンドを作成できます。これは、基本的な加算方式の音声合成です。詳しくは、ドローバーによる加算方式の音声合成を参照してください。ドローバーを操作しながら演奏してみれば、加算方式の音声合成の基本的な原理はすぐに理解できます。

低音域のペダル鍵盤用に 2 つのドローバーを使用できます。低音域の波形は、上段および下段の鍵盤で生成される波形とは異なり、純粋な正弦波ではありません。ペダル鍵盤のサウンドには、本物の Hammond B3 の低音を忠実に再現する、ミックスされた波形が使用されます。2 つのレジスタ(音栓)は次のようにピッチが異なっています:

EVB3 の 16 フィートドローバーのフォールドバックを無効にする

最初のハモンドオルガンであるモデル A には、低音部のフォールドバックがありませんでしたが、「Bass」ポップアップメニューを使ってこれを再現できます(このポップアップメニューは、EVB3 インターフェイスの左下にある開閉用三角ボタンをクリックすると表示される拡張パラメータ領域にあります)。モデル A では、最下オクターブの 16' ドローバーにフォールドバックがありませんでした。低域の 12 のトーンジェネレータ出力は、鍵盤の低域オクターブの第 1 ドローバーで出すことができました。ほかのコンソールオルガンでは、最も低い 12 のトーンジェネレータ出力は、ペダルでのみ出すことができます。

ハモンドオルガンのモデル A の動作をシミュレートするには
  • 「Bass」ポップアップメニューの「all the way down」を選択します。

フォールドバックがないと、サウンドは耳に残るような響きを持ち、ペダルに近い音になります。この特徴は、特に EVB3 での演奏時に本物のレスリーキャビネットを使っていない場合に顕著です。