使用する MIDI 機器に合わせて EVB3 を設定する

EVB3 は、3 つのコントローラを同時に使って演奏可能であるという点で「Logic Pro」の音源の中で独特な位置を占めています。つまり、その機能を十分に使用するには、MIDI バスペダル装置と、73 鍵の MIDI キーボードが 2 台必要です。これは、オリジナルの B3 が備えていた 73 鍵の鍵盤 2 台(オルガンの用語ではキーボード)および(2 オクターブの)ペダル鍵盤の構成を反映しています。

もちろん、標準の 61 鍵(C 〜 C の 5 オクターブ)の MIDI キーボード 1 台だけでも演奏は可能です。詳細については、EVB3 でシングルチャンネルコントローラを使用するを参照してください。

EVB3 は B3 のプリセットキーもエミュレートしており、MIDI キーボードの低音部 1 オクターブ分をその設定の切り替えに使うようになっています。これは、上下の鍵盤の左端に黒鍵と白鍵が反転した 1 オクターブ分の鍵盤が付いている、オリジナルの B3 の動作と同じです。これは、あらかじめ登録しておいたドローバーの設定を呼び出す(切り替える)ためのボタンの役割を果たします。幸い、EVB3 では登録内容を変更する際に工具は必要ありません。これはオリジナルよりも優れている点です。

専用の MIDI ドローバーコントローラの設定と使用について詳しくは、EVB3 MIDI コントローラの割り当て(および以降のセクション)を参照してください。

EVB3 で複数のコントローラまたはマルチチャンネルコントローラを使用する

EVB3 は 3 つの連続する MIDI チャンネルを使って、上段と下段の鍵盤、およびペダル鍵盤で演奏されたノートイベントを受け取るようになっています。デフォルトでは、以下のように割り当てられています。

  • MIDI チャンネル 1:上段の鍵盤を演奏できます。

  • MIDI チャンネル 2:下段の鍵盤を演奏できます。

  • MIDI チャンネル 3:ペダル鍵盤を演奏できます。

これにより、最大 3 台の MIDI コントローラを EVB3 に接続して同時に演奏できます。鍵盤用として 1 台だけマスターキーボードを用意し、キーボード分割機能を使って、音域によって別々の MIDI チャンネルにノートイベントを送ることもできます。この方法でも、EVB3 で 3 種類のサウンドを同時に利用できます。

マスターキーボードやペダル鍵盤には、どのような MIDI インターフェイスでも使用できます。実際の入力機器は何でも構いません。重要なのは MIDI 信号を送信するチャンネルです。

メモ: 分割や音域の設定方法、および MIDI 送信チャンネル(一般には「TX Channel」などと略記)の設定方法については、それぞれのマスターキーボードのマニュアルを参照してください。

EVB3 の MIDI チャンネルを変更する

デフォルト設定以外の MIDI チャンネルで受信するように EVB3 を設定できます。

変更は、コントロールビューの「Basic MIDI Ch」パラメータで行います。このパラメータで指定した MIDI 受信チャンネルが上段の鍵盤に割り当てられます。

  • 下段の鍵盤の受信チャンネル番号は、上段の鍵盤に割り当てられたチャンネルに 1 を加えたものになります。

  • ペダル鍵盤の受信チャンネル番号は、上段の鍵盤に割り当てられたチャンネルに 2 を加えたものになります。

たとえば、「Basic MIDI Ch」パラメータを「8」に設定すると、上段の鍵盤、下段の鍵盤、ペダル鍵盤の受信チャンネル番号はそれぞれ「8」、「9」、「10」となります。

「Basic MIDI Cha」パラメータを変更するには
  1. EVB3 のプラグインウインドウで、「表示」>「コントロール」と選択します。

  2. 必要に応じて、「Basic Midi Ch」スライダ(右下の「General」セクションにあります)を変更します。

    重要: 「Basic Midi Ch」は、「Keyboard Mode」パラメータ(次のセクションを参照)が「Multi」に設定されている場合のみ有効です。

「Basic Midi Ch」を 16 に設定すると、下段の鍵盤はチャンネル 1 で、ペダル鍵盤はチャンネル 2 で受信します。「Basic Midi Ch」を 15 に設定すると、下段の鍵盤はチャンネル 16 で、ペダル鍵盤はチャンネル 1 で受信します。

メモ: 生演奏で、ほかの音源モジュールと組み合わせるためにマスターキーボードの MIDI 送信チャンネルを変更する必要がある場合に、このパラメータは特に役立ちます。

EVB3 でシングルチャンネルコントローラを使用する

マルチチャンネル送信が可能なマスターキーボードがない場合は、1 つの MIDI 送信チャンネルだけを利用可能な MIDI キーボードを使うことができます。EVB3 の「Split」パラメータを使用すると、キーボードの音域によって、上段と下段の鍵盤、およびペダル(ペダル鍵盤)に分割して割り当てることができます。

キーボードモードを設定するには
  • インターフェイスの下部中央にある「Keyboard Mode」パラメータフィールドを繰り返しクリックして、「Split」を表示します。

Figure. Keyboard Mode and Split parameters.

「Set」ボタンを使い、「UL Split」および「LP Split」の各パラメータで、キーボードの音域を設定できます。各略語は、それぞれ「Upper/Lower Split」と「Lower/Pedal Split」を表します。

キーボードの音域を設定するには、以下のいずれかの操作を行います:
  • 適切な「Set」ボタンをクリックして(ボタンがオレンジ色に変わります)、MIDI キーボードの該当するキー(分割ポイント)を押します。

  • 値フィールドをドラッグします。

    両方の分割ポイントに同じ値を選択すると、下段の鍵盤がオフになります。「LP Split」の値を「UL Split」より高い音に割り当てた場合、「UL Split」の値も自動的に変わります。その逆の場合も同様です。

EVB3 をオクターブ単位でトランスポーズする

「Trans UM」、「Trans LM」、または「Trans Ped」ポップアップメニューを使って、上下の鍵盤およびペダル鍵盤を個別に、1 オクターブまたは 2 オクターブ上下にトランスポーズできます。

これらのトランスポーズは、グローバルな「Tune」パラメータやホストアプリケーションのトランスポーズ機能とは別個の機能です。これらは、プリセットキーには影響しません。

この機能は、「Split」キーボードモードの使用時に、プリセットを切り替える場合(EVB3 のプリセットキーを使用するを参照)に特に重要です。

Figure. Pitch parameter transposition.