ES2 のグローバルパラメータを使用する

これらのパラメータは、ES2 が作り出す音源サウンド全体に影響します。グローバルパラメータは、オシレータの左側およびフィルタと出力関連のセクションの上にあります。

Figure. Global parameters.

ES2 のキーボードモード(Poly、Mono、Legato)を選択する

たとえばオルガンやピアノのように、多声(ポリフォニック)の楽器では同時に複数の音を出すことができます。旧式のアナログシンセサイザーの多くは単声(モノフォニック)であり、一度に 1 つの音しか出すことができません。これは金管楽器やリード(有簧)楽器によく似ています。とはいえ、多声楽器では真似のできない演奏方法が可能なため、多声楽器よりも不利だとは言いきれません。

Figure. Keyboard Mode buttons.
  • 「mono」モードを選択した場合、スタッカート奏法によって新しいノートが鳴るたびにエンベロープジェネレータがトリガされます。レガート奏法(キーを押さえたまま新しいキーを押す)の場合、エンベロープジェネレータがトリガされるのはレガートの最初のノートのみで、最後に押したキーを放すまで前の音が鳴ったままになります。

  • 「legato」モードもモノフォニックの一種ですが、次の点が異なります:すなわち、スタッカート(あるキーを放してから次の音のキーを押す)で演奏した場合のみ、エンベロープジェネレータが再度トリガされ、次の音が出ます。

メモ: モノフォニックシンセサイザーのなかには、「Legato」モードに相当するものをシングルトリガ、「Mono」モードに相当するものをマルチトリガと呼んでいるものもあります。

ユニゾンとボイスを使って ES2 のサウンドをより豊かにする

ポリフォニック・アナログ・シンセサイザーの大きな強みは、ユニゾン(声部の積み重ね)モードがあることです。従来のアナログ方式のポリフォニックシンセサイザーでは、1 つのノートを弾いた場合、Unison モードはモノフォニックで実行され、すべてのボイスが同時に鳴らされました。アナログシンセサイザーの場合、各ボイスのチューニングが完全には合っていないため、厚みのあるコーラスエフェクトが生じ、音に深みが増すのです。

ES2 のモノフォニック・ユニゾン・モードを有効にするには
ES2 をポリフォニック・ユニゾン・モードで使用するには
  • 「Poly」ボタンおよび「Unison」ボタンを有効にします。

    ポリフォニック・ユニゾン・モードでは、演奏される各ノートを二重にすることでその効果を得ます。つまり、「Voices」パラメータのポリフォニー値が 2 等分されます。ノートをトリガすると、これら 2 つの各ボイスが聞こえます。ポリフォニックユニゾンを有効にすると、ES2 をモノフォニックユニゾンかつ「Voices」の値を「2」に設定した場合と同じ効果が得られますが、ポリフォニックで演奏できます。

ES2 でグライド(ポルタメント)時間を設定する

「Glide」パラメータは、ポルタメント時間を制御します。あるノートから別のノートにピッチが移動するのにかかる時間です。

Figure. Glide knob.

「Glide」パラメータの動作は、選択したキーボードモードによって異なります。ES2 のキーボードモード(Poly、Mono、Legato)を選択するを参照してください。

  • キーボードモードを「poly」または「mono」に設定し、「Glide」の値を 0 以外に設定すると、ポルタメントがかかります。

  • 「Legato」を選択し、「Glide」の値を 0 以外に設定すると、レガート奏法(あるキーを放さないまま次のキーを押す)で演奏したときのみポルタメントがかかります。レガート奏法で演奏しないとポルタメントは働きません。これは「フィンガードポルタメント」と呼ばれます。

ES2 でベンド範囲を設定する

「Bend range」フィールドで、ピッチベンドによるモジュレーションの調整幅を指定します。調整には、通常、キーボードのピッチ・ベンド・ホイールを使います。

幅は上下別々に設定できます。右側の「Bend range」フィールドを「Link」モードに設定すると、ベンド範囲は上下同じになります。下方向のベンドを 4 半音にすると、上方向のベンドフィールドにもこの設定が反映されます。そのため、両方をあわせたベンド範囲は 8 半音(標準ピッチ、つまり「ベンドなし」位置を含めると 9 半音)になります。