ES1 のグローバルパラメータを調整する

このセクションでは、ES1 の全体的なサウンドまたは特性に影響を与えるグローバルパラメータについて説明します。グローバルパラメータは、ES1 のインターフェイス下端の帯状部分にあります。帯状部分の左端の上には、「Glide」スライダがあります。

Figure. Global parameters.
  • 「Glide」スライダ: 各トリガノートのピッチ間をスライドするのにかかる時間を指定します。「Glide」のトリガは、「Voices」パラメータに選択された値によっても動作が変わります(以下を参照)。
  • 「Tune」フィールド: 音源全体をセント単位でチューニングします。100 セントが 1 半音に相当します。
  • 「Analog」フィールド: 各ノートのピッチやカットオフ周波数をランダムにほんの少し揺らす、その度合いを表します。ランダムオシレータのチューニングのずれ、およびフィルタのずれをエミュレートします。これらのずれは、熱や使用年数が原因でアナログ・ポリフォニック・シンセサイザーで発生することがあります。
  • 「Voices」フィールド: 同時に再生できる最大ノート数を設定します。ES1 の各インスタンスは最大で 16 声部まで鳴らすことができますが、これを少なくすれば CPU に対する負荷を減らすことができます。
  • 「Bender Range」フィールド: ピッチベンドの感度を変更します。調整は半音刻みで行われます。
  • 「Neg Bender Range」スライダ(拡張パラメータ領域): ピッチベンドの範囲を半音単位で負の(下)方向に調整します。デフォルト値は「Pos PB」(正のピッチベンド)で、下方向のピッチベンドは使用できないことを意味します。拡張パラメータ領域にアクセスするには、ES1 インターフェイスの左下にある小さな三角形をクリックします。
  • 「Chorus」フィールド: ES1 には、標準的なステレオコーラス効果が 2 つ、アンサンブル効果が 1 つ組み込まれています。
    • 「Off」を選択すると、内蔵のコーラス回路が無効になります。

    • 「C1」または「C2」にすると標準的なコーラス効果が現れます。「C2」の方が「C1」より強い変調がかかっています。

    • 「Ens」を選択してアンサンブル効果を適用すると、より複雑なモジュレーション機能が働き、朗々とした豊かな響きが得られます。

  • 「Out Level」フィールド: ES1 のマスター音量を制御します。

ES1 のアナログパラメータを使用する

「Analog」パラメータを 0 にすれば、各声部のオシレータのサイクルが揃います。これは、鋭いアタック特性が必要な打楽器系の音に向いています。

この値が 0 より大きいと、トリガされた声部のオシレータがそろって鳴るようになります。逆に手弾き風の温かみのある響きが欲しい場合は、この値を大きめにして、トリガされた声部ごとに多少音響バリエーションがあるようにするとよいでしょう。

ES1 で「Voices」パラメータを使用する

「Voices」パラメータの設定を「Legato」にすると、モノフォニックシンセサイザーのような単音が鳴り、次のキーを押すとポルタメントがかかります。これは、レガートで演奏するときにポルタメントがかかることを意味します(ポルタメントタイムは「Glide」スライダで設定します)。あるキーを放してから次のキーを押した場合、新しいノートによってエンベロープのトリガはかからず、ポルタメントにはなりません。

ヒント: この機能を使うと、ピッチベンダーを操作せずにピッチ・ベンド・エフェクトを作成できます。このため、「Legato」に設定した場合は、「Glide」の値を高めにしてください。