Sculpture のピックアップを操作する

このセクションで説明するピックアップパラメータは、ボイスごとに適用されます。パラメータ名の後に「(モーフィング可能)」と記載されているものがいくつかあります。これは、そのパラメータが最大 5 個のモーフポイントの間でモーフできることを示しています。詳細については、Sculpture のモーフセクションを理解するを参照してください。

ピックアップは、Sculpture のサウンド生成部分(弦とオブジェクトで構成されています)の先にある最初の要素であり、仮想的な信号処理チェーンへの入力として動作します。このピックアップは、エレキギターやクラビネットにあるピックアップのようなものと考えてください。言うまでもなく、ピックアップの位置を変更すると楽器のトーンが変わりますが、Sculpture でもそれは同じです。

Figure. Pickup parameters.

メモ: 「Pickup B」のフェーズが反転している場合、「Pickup A」と「Pickup B」の信号の一部がお互いに打ち消し合うため、サウンドに厚みがなくなります。ただしピックアップの位置によっては、反転するとサウンドの厚みが増す場合もあります。

「Pickup A」または「Pickup B」の位置を調整するには
  • ピックアップディスプレイの上下にあるスライダハンドルをドラッグします。

「Pickup A」および「Pickup B」の範囲は透明の釣鐘状のカーブで表示され、ピックアップ A および B の位置および幅を表します。

ピックアップディスプレイ内の緑色の水平線は弦を表します。弦の「Stiffness」パラメータ値が上がると、線の幅も太くなります。この線はアニメーション表示でき、弦の動く範囲を示します。

弦をアニメーション表示するには
  • Control キーを押したまま緑色の水平線(弦)をクリックして、アニメーションの有効/無効を切り替えます。

有効な場合には弦が振動するので、オブジェクトおよびピックアップの影響を見た目で簡単に確認できます。なお、弦のアニメーションを使用すると CPU に対するオーバーヘッドが大きくなるため、お使いのコンピュータですべてのデータをリアルタイムで処理するのが困難な場合は、弦のアニメーションを無効にしてください。

Sculpture のピックアップディスプレイでオブジェクトの位置を変更する

オブジェクトの位置を調整することで、弦の特定の部分が妨害/励起されるようになります。オレンジ色の垂直線は、Object 1、Object 2、Object 3 の位置を示します。それぞれの線の太さと輝度によって、そのオブジェクトの強度が表現されます。Object 1 は励振器にできます。Object 3 はダンパーにできます。Object 2 には 2 つの矢印があり、励振器としてもダンパーとしても使用できることを表しています。

Figure. Pickup parameters.
オブジェクトのピックアップ位置を調整するには
  • 各オブジェクトに対応する数値スライダハンドル(「1」、「2」、または「3」の矢印)をドラッグします。

メモ: 「Pickup A」および「Pickup B」の範囲でオブジェクトのピックアップを移動させると、オブジェクトの妨害強度が大幅に増大します。これによっていくつかの変化が生じ、サウンドの全体的な音色が一変する場合があります。

Sculpture の「Spread」/「Key」コントロールを使う

実際のピックアップディスプレイにはありませんが、「Material」パッドの右側にさらに 2 つのピックアップパラメータが並んでいます。

Figure. Key Spread and Pickup Spread controls.
  • 「Spread」の「Key」: MIDI ノートナンバーでパンニング(パン位置)を設定します。設定に応じて、キーボードの高音部または低音部を弾くほど、ボイスが左または右にパンされるようになります。「Key」ボタンで上下にドラッグすると調整されます。「Spread」パラメータの周囲にあるリングの 2 本の線がこの値を表しています。
  • 「Spread」の「Pickup」: ステレオ/サラウンドの設定に基づいて 2 つのピックアップを分散します。つまり、このパラメータを設定すると、ピックアップ位置が左右前後のステレオ/サラウンドチャンネルに分散されます。「Pickup」ボタンで上下にドラッグすると調整されます。「Spread」パラメータの周囲にあるリングの 2 つの付点がこの値を表しています。

    サラウンドインスタンスの場合は、これら 2 つのパラメータが「Surround Range」パラメータの影響を受けることがあります。詳細については、Sculpture の「Surround Range」と「Surround Diversity」を制御するを参照してください。

    メモ: LFO またはそれ以外のモジュレータで「Pickup Position」パラメータをモジュレートすることによって、幅とコーラスのエフェクトのアニメーションを作成できます。