EXS24 mkII グローバルパラメータを調整する

これらのパラメータは、EXS24 mkII の全体的な動作に影響を及ぼします。グローバルパラメータはインターフェイスの左上にあります。

Figure. Global parameters.
  • キーボード・モード・ボタン: EXS24 mkII の動作をポリフォニック、モノフォニック、レガートから切り替えます。EXS24 mkII のキーボードモードを選択するを参照してください。
  • 「Unison」ボタン: ユニゾンモードを有効または無効にします。EXS24 mkII の unison モードを使うを参照してください。
  • 「voices」/「used」フィールド: 「voices」フィールドは、同時に鳴らせる最大ノート数を表します。「used」フィールドは、キーボードの演奏時に実際に使用されているボイス数を表す、リアルタイムモニタです。EXS24 mkII のボイスパラメータを設定するを参照してください。
  • 「Vel Offset」フィールド: 受信した MIDI ノートのベロシティを ±127 の範囲で増減します。これにより、受信した MIDI ノートイベントに対する EXS24 mkII の動的応答を拡大/制限することができます。
  • 「Hold via」フィールド: サスティンペダル機能(現在演奏されているすべてのノートを持続し、モジュレーションソースの値が 64 より小さくなるまでノートオフメッセージを無視します)をトリガするモジュレーションソースを指定します。デフォルトでは MIDI コントローラ番号 CC 64(「ホールド/サスティン」に関する標準の MIDI コントローラ番号)が設定されています。
  • クロスフェードパラメータ: 隣接するベロシティ範囲の、レイヤー化されたサンプル(ゾーン)間でクロスフェードを設定できます。EXS24 mkII のクロスフェードパラメータを使うを参照してください。

EXS24 mkII のキーボードモードを選択する

たとえばオルガンやピアノのように、多声(ポリフォニック)の楽器では同時に複数の音を出すことができます。金管楽器やリード(有簧)楽器は単声(モノフォニック)であり、一度に 1 つの音しか出すことができません。EXS24 mkII では、読み込む音源のタイプに合わせて適切なキーボードモードを選択できます。多声楽器であってもモノフォニックモードを使用することができるため、多声楽器では不可能な演奏スタイルにすることができます。

Figure. Legato, Mono, and Poly buttons.
  • 「mono」モードを選択した場合、スタッカート奏法によって新しいノートが鳴るたびにエンベロープジェネレータがトリガされます。レガート奏法(キーを押さえたまま新しいキーを押す)の場合、エンベロープジェネレータがトリガされるのはレガートの最初のノートのみで、最後に押したキーを放すまで前の音が鳴ったままになります。

  • 「legato」モードもモノフォニックです。ただし、スタッカート奏法(あるキーを放してから次の音のキーを押す)の場合のみエンベロープジェネレータが再度トリガされます。

キーボードモードによる Glide の動作

「legato」モードでは、「Glide」はタイで連結されたノートでのみ有効となります。タイで連結されたノートを演奏しても、エンベロープはトリガされません。つまり、ノートがタイでつながれている間はエンベロープは 1 回しかトリガされません。Glide 機能の詳細については、EXS24 mkII のピッチパラメータを使うを参照してください。

「mono」モードでは、「Glide」は常に有効になり、ノートを演奏するたびにエンベロープがトリガされます。

EXS24 mkII の unison モードを使う

「unison」モードでは、1 つのキーを弾くと EXS24 mkII の複数のボイスが再生されます。各ボイスのチューニングをわずかにずらすため、厚みのあるサウンドになります。旧式のアナログシンセサイザーをエミュレートする場合に最適です。

Figure. Unison button.
モノフォニック・ユニゾン・モードを有効にするには
  • 「mono」または「legato」モードを有効にし、「unison」ボタンもオンにします:

    • 効果の強さは、「voices」パラメータフィールドで選択した数値に応じて変わります。厚みのあるサウンドにするには「voices」の値を増やします。

    • また、チューニングの揺らぎ(ボイスの「ずれ」)は「Random」パラメータで調整します。(EXS24 mkII のピッチパラメータを使うを参照)。

EXS24 mkII をポリフォニック・ユニゾン・モードで使うには
  • 「poly」ボタンおよび「unison」ボタンを有効にします。

    • ポリフォニック・ユニゾン・モードでは、演奏される各ノートを二重にすることでその効果を得ます。つまり、「voices」パラメータのポリフォニー値が 2 等分されます。ノートをトリガすると、これら 2 つの各ボイスが聞こえます。ポリフォニックユニゾンを有効にすると、EXS24 mkII をモノフォニックユニゾンかつ「voices」の値を「2」に設定した場合と同じ効果が得られますが、ポリフォニックで演奏できます。

ボイスはパノラマフィールドに均等に分散され、対称的にデチューンされます。「Random」ノブの値によって、ボイス間のチューニングのずれ度合いが決まります。

メモ: 1 ノートにつき実際に使用されるボイスの数は、レイヤー化されたサンプルゾーンの数に従って大きくなります。

EXS24 mkII のボイスパラメータを設定する

このパラメータでは、EXS24 mkII で同時に再生できるボイスの最大数(ポリフォニー)を指定します。「used」フィールドは、キーボードの演奏時に実際に使用されているボイス数を表す、リアルタイムモニタです。「voices」フィールドと「used」フィールドの値が頻繁に同じになる場合は、ボイスのドロップアウトが大量に発生している可能性がありますので、「voices」の値を大きくしてみてください。

Figure. EXS24 mkII Voices field.

EXS24 mkII のクロスフェードパラメータを使う

クロスフェードパラメータを使うと、隣接するベロシティ範囲のレイヤー化されたサンプル(EXS24 mkII のゾーンとも呼ばれます)間でクロスフェードを設定できます。サンプルのレイヤー化の概念については、EXS24 mkII のゾーンをレイヤー化するを参照してください。

Figure. Crossfade parameters.
  • 「Amount」フィールド: レイヤー化された各ゾーンに均等な値を適用することで、すべてのゾーンのベロシティの範囲を拡大します。クロスフェードは、ベロシティの範囲の拡大された部分で行われます。「Amount」パラメータを 0 に設定すると、ゾーンからゾーンへ単純に切り替わるだけとなります。

    メモ: 「Amount」パラメータをモジュレートするために、MIDI キーボードのモジュレーションホイールなど、別のモジュレーションソースを設定することもできます。この場合は、ベロシティではなくモジュレーションホイールによってクロスフェードがトリガされますが、「Amount」パラメータの働きは変わりません。

EXS24 mkII のゾーンをレイヤー化する

サンプルをゾーンに割り当てる際、そのゾーンをトリガする最小および最大の MIDI ノートベロシティを設定できます。この最小値から最大値までの領域をゾーンのベロシティ範囲と呼びます。同じキーボードノートでゾーン(さまざまなサンプル)をレイヤー化して、異なるベロシティで演奏することで個別にゾーンをトリガすることができます。

たとえば、MIDI ノート A#2 にレイヤー化された 2 つのサンプル(ゾーン 1 とゾーン 2)があるとします。

  • ゾーン 1 は、スネアドラムを中心からやや外して軽く叩いたサンプルです。MIDI ノートのベロシティ範囲は 24 〜 90 に設定されています。

  • ゾーン 2 は、スネアドラムのヘッドの中心を強く叩いたサンプルです。ベロシティ範囲は 91 〜 127 に設定されています。

見て分かるように、ゾーン 1 のベロシティ範囲の最大値およびゾーン 2 のベロシティ範囲の最小値は隣接しています。ノート A#2 を演奏したときのベロシティが 90 より上または下であれば、トリガされる各サンプルがはっきりと聞こえます。この遷移を緩やかにするため、クロスフェードパラメータを使用して、各ゾーンをスムーズにフェードすることができます。隣接したゾーンにまったく性格の異なるオーディオサンプルを割り当てているような場合は、クロスフェード機能によってよりリアルなサウンドのサンプラー音源を作成できます。