Clip Distortion

Clip Distortion は、予想もつかないようなスペクトラムを発生する、ノンリニアのディストーションエフェクトです。過剰に負荷がかかった真空管によって発生する温かみのあるサウンドをシミュレートできるだけではなく、過激なディストーションを発生させることもできます。

Clip Distortion は、フィルタを直列に接続した独特の構造を特徴としています。入力信号は「Drive」の値で増幅された後、ハイパスフィルタを通過し、続いてノンリニアディストーションがかけられます。ディストーション処理の後、信号はローパスフィルタを通過します。エフェクトのかかった信号は元の信号と再び組み合わさり、そのミックス信号が別のローパスフィルタを通過します。3 つのフィルタのスロープは、いずれも 6 db/Oct です。

この独特な組み合わせのフィルタによって、周波数スペクトラムにギャップが生じ、この種のノンリニアディストーションで優れたサウンドを得ることができるのです。

Figure. Clip Distortion window.
  • 「Drive」スライダ/フィールド: 入力信号に加えるゲインの量を設定します。信号は「Drive」の値で増幅された後、ハイパスフィルタを通過します。
  • 「Tone」スライダ/フィールド: ハイパスフィルタのカットオフ周波数(ヘルツ単位)を設定します。
  • 「Clip Circuit」ディスプレイ: 「High Shelving」フィルタパラメータ以外のすべてのパラメータの影響を表示します。
  • 「Symmetry」スライダ/フィールド: 信号に加えるノンリニア(非対称)のディストーションの量を設定します。
  • 「Clip Filter」スライダ/フィールド: 最初のローパスフィルタのカットオフ周波数(ヘルツ単位)を設定します。
  • 「Mix」スライダ/フィールド: 「Clip Filter」での処理後に、エフェクトのかかった(ウェット)信号と元の(ドライ)信号との比率を設定します。
  • 「Sum LPF」ノブ/フィールド: ローパスフィルタのカットオフ周波数(ヘルツ単位)を設定します。ミックスされた信号を処理します。
  • 「High Shelving」の「Frequency」ノブ/フィールド: ハイ・シェルビング・フィルタの周波数(ヘルツ単位)を設定します。「High Shelving」の「Frequency」を 12 kHz 付近に設定すると、ステレオのハイファイアンプかミキサー・チャンネル・ストリップの高音部コントロールのように使用できます。ただし、高音部コントロールとは異なる点として、「Gain」パラメータを使うことにより信号を最大で±30 dB 増幅またはカットできます。
  • 「High Shelving」の「Gain」ノブ/フィールド: 出力信号に加えるゲインの量を設定します。
  • 「Input Gain」フィールド/スライダ(拡張パラメータ領域): 入力信号に加えるゲインの量を設定します。
  • 「Output Gain」フィールド/スライダ(拡張パラメータ領域): 出力信号に加えるゲインの量を設定します。